SCP-6336

登録日:2022/04/03 Sun 00:03:19
更新日:2024/02/19 Mon 20:04:12
所要時間:約 3 分で読めます






“鏡の中の世界”なんてものは、ファンタジーやメルヘンじゃあ決してない。



SCP-6336はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスSafe
メタタイトルは「自分が瞬くのが見える」。

この記事、日本支部でたった544文字しかない。しかしこの短さで示される雰囲気は元記事のディスカッション欄では「シリーズIのよう」「いや、高校生の時に読んだ短編小説のよう」「良いショートストーリー」と評されている。

特別収容プロトコル

一文のみのため、引用する。

エリック・コルロイ研究員は、SCP-6336の挙動に更なる変化が生じた場合、それを報告するものとします。

SCP-6336についてはコルロイ研究員しか関わることができないらしい。
変化の報告しか書かれていないが、これで十分ということなのか、これ以上にできることがないということなのか。

説明

SCP-6336はエリック・コルロイ研究員の反射像である。
要は鏡とかに映り込んだコルロイ研究員の姿そのものということだ。

ただこの鏡の中のコルロイ研究員、様子がおかしい。
コルロイ研究員の動作とわずかに同期していないし、たまに全然違う行動をとる。
メタタイトルはおそらくコレのことで、鏡の中の自分が瞬きしたのを見たのだろう。
さらに奇妙なことに、SCP-6336はよく視線を左に向けて、大量の汗をかくという振る舞いを見せている。この現象は、観察を重ねるごとに悪化しているという。

財団世界くらいの修羅の地になると、こういう「鏡に映った時だけ像がちょっとドジになる」みたいな些細な異常を持つ人はいっぱいいるのかもしれない。

更新

2021/03/31の朝、バスルームの鏡の前で日課の衛生ケアをしていたコルロイ研究員は、鏡の中に前例のない光景を目の当たりにした。
謎の軍人がフレームインしてきて、SCP-6336を拘束して頭に黒い袋をかぶせ、それと共にフレームアウトして消えてしまったのだ。

それから2週間の間、SCP-6336は出現しなかった。つまりコルロイ研究員は鏡に映らなくなってしまった。吸血鬼かな?

幸い、その後SCP-6336は再出現した……が。
なぜか頭にガーゼが巻かれている。
生え際あたりに血がにじみ出ている。
そして、それを除けば、コルロイ研究員の動作と完全に同期している。









考察

この記事が示唆すること、それは鏡とは単に像を映す平面ではなく、別世界へのポータルだということ。
いや鏡だけでなく、ガラスや電源のついてないモニターなど反射像が生じるすべての物がそうなのかもしれない。
本当に何故かわからないが、その世界の住人はこちらの存在と完全に同期して行動することを強いられている。

コルロイ研究員に対応している向こうのコルロイ研究員ことSCP-6336は、たまたまこの行動が苦手だったのだろう。
だからたびたび監視され、それを見て焦りの汗をかいていた。最終的にとっ捕まって脳外科手術を施され、強制的に「理想的な鏡の世界の住人」にされてしまった。
もしかすると模倣が苦手なのではなく、その世界は模倣のためにできているが「模倣を脱せるだけのイレギュラー」だったのかもしれないが。

しかし、その軍人は一体何者で、どこの指令で動いているのか。
なぜちょっとくらい下手な人がいても、2週間鏡に映らなくなって頭の傷を残すというより明らかな不自然さを生み出してでも完全な同期を求めるのか。
なぜSCP-6336以外の反射像は、完全に同期ができているのか。
これ、Safeでいいのか。

それは、想像するしかない。


追記・修正は鏡の中の自分に「お前は誰だ?」と聞いてきてからお願いします。


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最終更新:2024年02月19日 20:04