破壊神(ドラゴンボール)

登録日:2022/04/23 Sat 19:44:07
更新日:2024/04/24 Wed 07:56:36
所要時間:約 13 分で読めます







すべてを超越する存在がいた───。




破壊神とは『ドラゴンボール』シリーズに登場するである。


【概要】

神と神』から新たに登場した神格で、地球の神より偉い閻魔大王よりも偉い東西南北の界王たちの頂点に座する大界王より更に偉い界王神と同格の神。いわば対になる存在。
』では更なる上位存在として全王や大神官が登場している。

最初から神として生まれてくる界王や界王神と異なり、破壊神の場合は人間が後天的に神となって誕生する。
そのため出自がバラバラであり、共通の衣装こそ着用しているものの見た目の共通点は特になく、獣人だったり機械だったり魚人だったりピエロだったりと非常に個性的な面々が揃っている。
世話係として天使が仕えており、四角錐の台座に固有の建造物(ビルスの場合は巨木、ベルモッドはサーカスのテント)が設置された星を拠点としている。

その名の通り破壊を旨とする神で、一つの生命体から惑星に至るまで定期的に破壊する事で宇宙のバランスを保っている。
いわば、木の枝打ちや、体のマクロファージのような存在。原作では宇宙の秩序を守る界王や界王神の戦闘力が悪の存在に歯が立たないことがあったが、破壊神はそれら悪の存在を圧倒できる力を有しており、「界王神達は戦闘職ではなかった」という形で補完されることとなった。
基本的に「見守る」というスタンスが強調されてきたこれまでの神々と異なり下界に直接干渉する事が許されている存在で、それ故に神としての在り方は宇宙によって界王や界王神以上にバラバラ。
計画を立てて厳格に破壊を遂行する者や界王神と協力して綿密に破壊する者もいれば、下界の人間に破壊業務を委託して惰眠を貪る者、界王神ともども神としての責務を蔑ろにしている者までいる。

名前に関してはビルス・ウイスと同じく酒をモチーフにしている
キャラクターデザインは原作者の鳥山先生と漫画版『超』を手掛けているとよたろう先生が手掛けており、二人がそれぞれ単独で担当したデザインと合作によるデザインの3パターンが存在する。


【戦闘力】

それまで敵味方が用いてきた形態変化や変身、吸収や合体といった強化手段を取らず、ただひたすらに、単純明快に「強い」
どれぐらい強いのかというと、セルや魔人ブウの強さが戦車や戦艦だとすると、破壊神はゴジラかキングギドラくらいはある。
もっと分かりやすく言うなら、恐竜と蟻くらい違う。正に天と地の差である。
現にその強さは神の領域においても突出しており、超サイヤ人ゴッドはおろか超サイヤ人ブルーをも遙かに超越している程。
これは破壊神になるための条件として戦闘力が一つの基準となっているためであり、数億年に渡る宇宙の歴史の中でも選りすぐりの猛者達が集っている。
このため、破壊神を超える強さの人間は確認されている八つの宇宙の中でも片手で数えられる程しかいない

あまりに凄まじい戦闘力から、破壊神同士が戦闘した場合には余波で宇宙そのものが消滅してしまうとされている。
そのため、特殊な空間での試合を除いて破壊神と破壊神が戦う事は原則禁止されているが、ゲームやスポーツなどで競うことは許されている。

一応行われた破壊神同士の戦闘背景は・・・
  • アニメ版
力の大会用に頑丈に作られた武舞台を、80人の戦士全員が48分間の戦闘でやっと大破するレベルなのに対し、3名の破壊神による僅か1分程度の手合わせで同等レベルの大破に至る。もちろん3人とも全力ではない*1

  • 漫画版
武舞台の代わりに巨大なステージにて12名の破壊神全員による試合が行われたが、その戦闘描写は悟空でも全く把握できず、挙句の果てには破壊神の特殊な技で界王神全員が気絶する有様で、終いには破壊神同士の殺し合いが行われる始末。もちろんステージはボロボロ*2


なお、純粋な強さに関しては付き人である天使に劣る模様。
第七宇宙を例に出すと、破壊神と天使の力関係はビルスが「10」に対してウイスが「15」とされており、この例の中では超サイヤ人ゴッドが「6」とされているため、ゴッドと破壊神以上の力の差が開いている事になる。
ただしこの力関係は『神と神』当時に鳥山先生が回答したものであるため、我儘の極意(後述)等が登場して破壊神の強さもテコ入れされた現在ではその力関係も変わっているかもしれない。


【能力】

  • 破壊
破壊神を代表する能力。
文字通りあらゆる物質を消滅させる能力であり、対象に力を込める事でアニメでは光の粒子状、漫画版では砂状にして消し去ってしまう。
「破壊」した対象にもたらされるのは単なる死ではなく、魂ごと粉砕して存在その物を消し去ってしまうという恐るべき効果を秘めている。現代ザマスを破壊したビルスの言によれば、「対象が破壊されていない世界」という歴史の分岐も起きず、以降のあらゆる時間から抹消されるらしい*3
破壊神によっては「破壊」のエネルギーの一部を紫色の気弾として具現化し、他人に貸し与える事も可能。
こちらの完全消滅させる「破壊」とは別に、1を0にする事で凄まじいエネルギーを発生させるタイプの「破壊」も漫画版では登場しており、ビルスがベジータに伝授している。

  • 我儘の極意(仮)
「生残者グラノラ編」で明らかになった破壊神における「神の御技」
技名に関しては身勝手の極意に対抗してベジータが独自に命名したものであり、正式名称は不明。

破壊神の場合、常日頃から罪悪感などと言ったものに囚われないで「破壊」以外の事を考えておらず、そのため力に限りが無いようである。
ベジータの場合はサイヤ人特有の闘争本能と結び付ける事で、悟空の身勝手の極意と同じく変身形態として発現させた。
この技を完成させると気の性質も破壊神と同じものになる模様。

このように強靱な自我を前提とする技であるため、「無意識で身体が勝手に動く」という正反対の性質を持つ身勝手の極意は破壊神でも不得意としている模様。破壊神の中でも最強クラスの実力を持つビルスが擬似的に使える程度である。


【界王神・天使との関係性】

同格である界王神との間には特別な繋がりが交わされており、界王神または破壊神が死亡した場合、対となっている破壊神・界王神も亡くなってしまう
要するにピッコロ大魔王神様のような関係性である。

更に破壊神が死んだ場合には対応する天使も機能を停止するため、界王神を倒す事で戦闘力的には圧倒的格上である破壊神と天使も将棋倒しで無力化できてしまう。
一応の保険としてか、第7宇宙のように界王神が複数いるバックアップ式もある模様。
ビルスみたいにサボって寝ていると、界王神が全滅して本人も気づかない内に死ぬ可能性もある。実際大昔にブウが暴れたときは界王神が5人から1人に減ってしまった。


【12宇宙の破壊神】

ビルスとシャンパ以外は力の大会編で初登場。
人間レベルの高い宇宙は界王神と破壊神が協調しており、低い宇宙は一方的だったり杜撰な関係だったりする傾向が強い。

イワン

CV:間宮康弘(シドラと兼任)

第一宇宙の破壊神。対応する界王神はアナトで、付き人となる天使はアワモ
名前の由来はワインのアナグラム。
それにおそらく第一宇宙管轄だけに、おなじく酒の名を冠している00ナンバーズの
001ことイワン・ウィスキーからも取られていると思われ、マスコットのようは愛らしさも向こうと似通っている。
キャラクターデザインはとよたろう先生が担当している。

毛むくじゃらな見た目をしており、背も破壊神の中で一際小さい。
一見マスコットキャラクターのような可愛らしい姿だが、見た目とは裏腹に激しい感情を秘めているようで…。
イワンが担当する第一宇宙は12宇宙の中で人間レベルが最も高く、アナトと合わせて最も優秀な神と言える。

へレス


第二宇宙の破壊神。対応する界王神はペルで、付き人となる天使はサワア
名前の由来はワインの一種であるシェリーのスペイン語名「ビノ・デ・ヘレス」からと推測されている。
キャラクターデザインは鳥山先生ととよたろう先生が共同で担当している。

破壊神の中では唯一の女性型。*4
褐色の肌を持ちクレオパトラのような装飾を纏っており、加えて破壊神の衣装自体が古代エジプト風なので尚更そのように見える。
美しいものを好んでおり、ペルと揃って第二宇宙が持つ「愛の力」の素晴らしさについて謳っている。力の大会では戦士達の友情を見て両手を合わせて感激したことも。

漫画版ではキューピットが扱うような弓と矢を武器として振るっている。

モスコ

CV:岸尾だいすけ(リキールと兼任)

第三宇宙の破壊神。対応する界王神はエアで、付き人となる天使はカンパーリ
名前の由来はカクテルの一種であるモスコミュールから。
キャラクターデザインはとよたろう先生が担当している。

黄緑色の装甲で身を包んだロボットで、破壊神の中でも随一の巨漢。
古いロボットのために言葉を喋る事が出来ないらしく、会話の際には電子音を発しては付き人であるカンパーリが訳すという形式を取っている。
「宇宙サバイバル編」公式サイトのキャラ解説では、あろうことか「ロボットのような界王神」と誤植されてしまっている。


キテラ

CV:沼田祐介

第四宇宙の破壊神。対応する界王神はクルで、付き人となる天使はコニック
名前の由来はテキーラのアナグラムか。
キャラクターデザインは鳥山先生が担当している。

黄色い肌をしたネズミのような見た目の破壊神で、背丈はイワン並みに小さい。
破壊神としては自由気ままに破壊を楽しんでいるようで、卑劣な悪巧みなども得意としている。
そんなやり方が祟ったのか、彼の宇宙は人間レベルが全宇宙で9番目に低い。

ビルスとは犬猿の仲で、度々衝突しているようである。仲良くケンカしな♪
漫画版ではビルスが腕相撲で負けた相手こそがキテラと明かされており、実際力の大会前に開かれた破壊神のバトルロワイヤルではビルスと共に最後まで勝ち残り、腕力だけでなく戦闘力も伴っている事を証明する等、破壊神としては上位クラスの実力者である。

アラク

CV:村田太志

第五宇宙の破壊神。対応する界王神はオグマで、付き人となる天使はクカテル
名前の由来は蒸留酒の一種であるアラックから。
キャラクターデザインはとよたろう先生が担当している。

皺だらけの茶色い身体に髭のような触覚を生やした不気味な見た目をしている。
しかし内面は思慮深く優秀な破壊神で、破壊する対象について深く検証し、世界の可能性を広げる上で最小限の破壊に留めようとしている。
このような取り組みが功を奏し、アラクの担当する第五宇宙は人間レベルが全宇宙で三番目に位置している。

シャンパ


第六宇宙の破壊神。対応する界王神はフワで、付き人となる天使はヴァドス
名前の由来はシャンパンから。
キャラクターデザインは鳥山先生が担当している。

作中二番目に登場した破壊神。
ビルスとは双子の兄弟で、ガリガリのビルスとは対照的にこちらはポッチャリとした体型をしている。

詳しくは個別項目を参照。

ビルス


第七宇宙の破壊神。対応する界王神はシンで、付き人となる天使はウイス
名前の由来はビールから*5
キャラクターデザインは鳥山先生が担当している。

作中最初に登場した破壊神。
紫色の肌をしたのような風貌をしており、シャンパとは対照的にこちらはガリガリである。
彼との出会いによって悟空は神の領域を知り、更なる強さへと至る事になる。

詳しくは個別項目を参照。

リキール

CV:岸尾だいすけ(モスコと兼任)

第八宇宙の破壊神。対応する界王神はイルで、付き人となる天使はコルン
名前の由来は蒸留酒の一種であるリキュールから。
キャラクターデザインはとよたろう先生が担当している。

三つの尾を持つ狐のような見た目をした破壊神。
対となるイルが立てる計画の不備を直すのが生き甲斐で、人間レベルを下げる存在は厳格に破壊する生真面目な性格。
そのため人間レベルは四番目に高く、力の大会を辛うじて免除されている。

漫画版では三つの尾を九つに増やして先っぽからグミ撃ちを発射する技を披露している。

シドラ

CV:間宮康弘(イワンと兼任)

第九宇宙の破壊神。対応する界王神はロウで、付き人となる天使はモヒイト
名前の由来はリンゴ酒の一種であるシドラーから。
キャラクターデザインは鳥山先生が担当している。

緑色の肌に赤髪を生やしたドワーフのような姿をしている。
界王神の尻に敷かれている唯一の破壊神で、優柔不断な性格も相俟ってロウの強気な態度に物申せずあちらに主導権を握られてしまっている。
このような有様のためにシドラが担当する第九宇宙は人間レベルが著しく低く、なんと全宇宙で最下位である。

ラムーシ

CV:川津泰彦

第十宇宙の破壊神。対応する界王神はゴワスで、付き人となる天使はクス
名前の由来はラム酒から。
キャラクターデザインはとよたろう先生が担当している。

ピンク色の肌をしたゾウのような見た目をしており、破壊神の中でもモスコに次ぐ巨体。
語尾に「じゃ」を付ける喋り方をする。
神としてはなかなかの俗物で、破壊神の自分をチヤホヤしてくれる人間を気に入ってる様子。
過去に何かしらの出来事があったのかビルスの事を「気に食わない」と嫌っている。
かなりの脳筋で、ザマスの一件から自分の人を見る目が信じられず力の大会の選手選定に悩むゴワスに、「頭で考えるより肉体を信じろ」と言い、マッチョな連中を選手として連れてきた。

漫画版では「全宇宙一の声量」を誇っている事が明かされている。
破壊神バトルロワイヤルでは自慢の声量により界王神達を気絶させ、破壊神達も運動神経を一時的に麻痺させるほどの雄叫びを放った。

CV:菊池正美

第十一宇宙の破壊神。対応する界王神はカイで、付き人となる天使はマルカリータ
名前の由来はワインの一種であるベルモットから。
キャラクターデザインは鳥山先生ととよたろう先生が共同で担当している。

道化師の格好をしている破壊神で、悪そうな見た目とは裏腹に正義感が強く悪を許さない。
そのため第十一宇宙の平和を守るプライド・トルーパーズに入れ込んでおり、特にジレンには強い信頼を寄せている。
その入れ込みぶりたるや、宇宙の命運を賭けた力の大会の最中に聞かれてもいないジレンの過去を選手一同にベラベラと語る程であり、この一連の語りぶりからファンには「隙あらばジレン語り」「ジレン語りピエロ」の異名で呼ばれているとか何とか。

漫画版ではアニメ程の熱血な様子は見せず、勝利のためなら騙し討ちも辞さない冷酷な一面を覗かせている。
破壊神バトルロワイヤルでも仲間と思わせて裏切る等の立ち回りを見せており、対象をバリアで拘束した上でカード状の鋭い気弾を連射して切り刻む技を放った他、全員がボロボロになった終盤でも倒されたフリをして無傷で勝ち残っている。
またジレンの師匠であるギッチンとはかつて親友でもあった過去が明かされており、「仲間」に対する考え方の相違から喧嘩別れしてしまい、ギッチンのぬるい考えと決別するためにベルモッドは破壊神の道を選んだようである。
仲違いで終わってしまったものの、魔物に殺され蘇生も出来なくなったギッチンには思うところがあるようで、マルカリータに「親友…でしたのにね」と言われた際には何処か寂しげな表情で「…昔の話だ」と返している。

因みにアニメでも漫画でも「語らねばなるまい」とは一度も言ってない

ジーン

CV:織田優成

第十二宇宙の破壊神。対応する界王神はアグで、付き人となる天使はマティーヌ
名前の由来は蒸留酒の一種であるジンから。
キャラクターデザインはとよたろう先生が担当している。

半魚人の姿をした破壊神。
いかにもな悪人面をしているが破壊神としては優秀で、必要最低限の破壊を行い人間レベルを全宇宙で2位にまで高めている。
しかし最近は壊すものが無くなってきたために退屈しているようだ。


【関連キャラ】

物語において最初に破壊神と対峙した男。
次期破壊神として推薦された際に断っているが、ビルスの「破壊」だけは見様見真似で覚えていたようで、漫画版では合体ザマスに対して放っている。

  • トッポ
第11宇宙の平和を守る「プライド・トルーパーズ」のリーダーを務める男。
同時に次期破壊神候補でもあり、近い内に引退を考えているベルモッドに師事している。
神の気を纏う事が可能で、更にアニメでは破壊神の力を解放した「破壊神モード」も実現している。

身勝手の極意とは別のやり方での強化を模索していたところ、ビルスから「身勝手の極意以外の神の技」の存在を明かされ、彼の元で破壊の力を鍛錬する。
修行の結果、宇宙一の戦士グラノラとの戦いの中で破壊神の気を開花させた我儘の極意を会得している。

ドラゴンボールヒーローズ』シリーズに登場するゲームオリジナルの破壊神。
プレイヤーの分身である「ヒーローズアバター」の一種で、シャンパやビルスと同じ型・金色の長髪が特徴的なの獣人型、長髪に角を生やしたライオン型の三人が存在する。



追記・修正は我儘の極意を会得してからお願いします。

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最終更新:2024年04月24日 07:56

*1 因みにこの1分間とは現実世界の時間のことであり、実際の戦闘時間は10秒も経っていない可能性が極めて高い。

*2 因みに破壊神が死ねば、その宇宙の界王神も死ぬという重要な設定があるため、何気に全員とんでもないことをしている。

*3 未来ザマスを見るに、破壊より前に生じていた分岐にまでは波及しない

*4 公式サイトでは「女性のような姿をしている」という表現に留まっており、厳密な性別に関しては不明。

*5 実際にはウィルス(virus)が由来だったが鳥山明の勘違いからビールが由来となった。