ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS

登録日:2022/07/13 Wed 20:47:04
更新日:2024/04/09 Tue 12:27:39
所要時間:約 45 分で読めます




貴様ら…オールマイトの話をしていたか?
ここに彼は来ない

だが…俺がいる!!

『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS』は日本の漫画作品。


【概要】

原作:堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』
脚本:古橋秀之
作画:別天荒人
集英社のWEBコミックサービス『少年ジャンプ+』で連載。単行本は全15巻。
週刊少年ジャンプ』本誌連載の『僕のヒーローアカデミア』のスピンオフ作品であり、公的に認可されたヒーローとその卵達を描く本編に対し、免許を持たず非合法に活動する自警団=ヴィジランテを題材としている。
シナリオ担当の古橋氏は電撃文庫出身の作家だが*1近年は『K』の制作スタッフで知られており、短編『ある日、爆弾が落ちてきて』が『世にも奇妙な物語』で実写化されたことがある。

時間軸は本編開始の数年前*2で、「教師になる前の相澤先生」や「オールマイトと知り合ったばかりの塚内警部」が描かれるなど本編の前日譚という側面も持つ。

本編と比してかなり直接的な他作品のパロディ、オマージュが多いのも特徴で、この辺りは若干人を選ぶところがあるかもしれないが、大筋にはあまり関わらないので苦手な人も安心。

【あらすじ】

栄えた市街と廃墟同然の旧市街が入り組む街、東京都鳴羽田(なるはた)区。
東鳴羽田の旧市街に住む大学1年生の冴えない青年「灰廻(はいまわり)航一(こういち)(コーイチ)」は、日頃の鬱憤を仮装ボランティア「親切マン」として晴らしながら、寂しい学生生活を送っていた。
そんなある日、コーイチは不良グループに絡まれた事がキッカケで、鉄拳掃除人「ナックルダスター」と出会う。
ナックルダスターは鳴羽田の路地裏で犯罪者狩りをしながら、突発性敵を生み出すドラッグ=個性因子誘発物質(イディオ・トリガー)("トリガー")を追う、"個性"も"ヒーロー免許"も持たない非合法の自警活動家=ヴィジランテ
そんな彼に(半ば強引に)ヒーローの資質を見出されたコーイチは、自身も「ザ・クロウラー」として非合法ヒーローの世界に飛び込んでいく。
しかしその一歩は、超人社会を揺るがす大事変への始まりの一歩でもあった……。

【用語】

基本用語については本編の項目も参照。
+ 一覧
  • 鳴羽田(なるはた)
本編の主な舞台となる街。
東京都に位置する都市で、正式名称は「鳴羽田区」。
再開発計画の頓挫や高速道路の開通などで繁華街とスラム同然の旧市街地域が混在する入り組んだ街で、軽犯罪や変質者などが異常に多い割にヒーローや警察の手が届きにくく、治安の悪い地域。
コーイチの住む東鳴羽田は旧市街の方に当たる。

名前の由来は『STAR WARS』シリーズの外伝作品に登場する惑星「ナル・ハッタ」から。

  • ヴィジランテ
ヒーローの免許を持たずに、敵を含めた犯罪者の制圧を行う自警活動家のこと。
この活動に"個性"を使用している場合は敵と同じ"個性"犯罪に当たるが、そうでない場合は善意の一市民による自警活動であるためヒーローの取り締まり対象にはならない。
ある意味でヒーローと敵との境界に立つ存在であり、それらが曖昧だった超常黎明期にはかなりの数が見られたが、現在では絶滅危惧種である。

ちなみにこれらを初めて法律で区分し、現代のヒーロー制度の先駆けとなったアメリカ・ロードアイランド州の通称「ロードアイランド新州法」では、対象となったヴィジランテ189名中の内、ヒーローとして認められたのはたったの7名であり、残りは揃って"個性"犯罪者=敵と認定された、とされている。

  • "トリガー"
正式名称「個性因子誘発物質(イディオ・トリガー)」。
摂取する事によって対象の"個性"因子を一時的に増強する薬であり、弱"個性"の改善薬として研究されているが、その危険性から日本では未認可の危険薬物。
本編ではメインとなる注射器型の他、経口摂取タイプやガス状タイプなどのバリエーションも登場している。

使用者は"個性"のパワーアップに加えて一時的に身体の拡大変形を起こし、さながら怪獣のようになる事もしばしば。
特に「巨大化」に類する性質を秘めた"個性"には激しく反応する傾向があり、鳴羽田では度々怪獣並みの巨大敵による大規模被害が発生する。
成分の調整や他の薬物との併用により、「肉体の硬化」や「凶暴化」といった特定の指向性を持たせる事も可能。
使用者、及び常用者は血流障害により舌先が黒く変色するという特性があり、通常の敵や変質者などと見分けるにはそれらを確認するのが早いとされる。

なおこの薬により市井の中から突如出現する敵を"突発性敵"と呼称するが、その中には騙されたり無理矢理服用させられた「被害者」も多く、彼らを直ちに「敵」と定義すべきか否かには道義的、法律的な問題も残る。

  • "改造敵"
致死量を超える"トリガー"の過剰投与に耐え得るように肉体を改造された者の総称。
元々の"個性"の拡大変容に加え肉体自体の強度や筋力も大幅に増強されており、また"トリガー"特有の黒化変色が舌先だけでなく全身に渡っているのも特徴。
便宜上「敵」と称されてはいるが、"突発性敵"と同等かそれ以上に被害者としての側面が強く、また人間型を大きく離れた異形の巨体に改造される事が多いため、社会復帰に著しい支障を来しているパターンも見受けられる。

  • "敵 製造工場"(ヴィラン ファクトリー)
鳴羽田付近で"トリガー"を流通させたり、人々を拉致して"改造敵"を作り出すといった活動を行なっている組織、その便宜上の呼称。単に"ファクトリー"とも。
"トリガー"の散布で目ぼしい"個性"持ちをピックアップし、彼らを誘拐して"改造敵"に仕立てているのではないかとされている。
蜂須賀やNo.6など、現場でそれらを管轄する役は"調整役"(コーディネーター)と呼称されているが、その「奥」に何がいるのかまでは捜査が進んでいないのが実情。

  • UG(アンダーグラウンド)マスカレード
かつて存在した、武器あり"個性"ありの違法なファイトクラブ。
母体はインターネット上にあり、ゲリラ的に開催されるためその全容が掴みにくいのが特徴。

過激な賭博興行の裏では選手の中から目ぼしい"個性"の持ち主を選んで"トリガー"の実験台に仕立てるという現代の"ファクトリー"と似たような薬物実験が行われており、かつて大阪・超ミナミで行われた大会では観客にまでガス状の"トリガー"が散布された事で大混乱に陥った。現場になんか見覚えのある脳筋とかウサギっ娘とかもいた気がするが気のせい
当時は単独の組織と思われていたが、後に鳴羽田の"ファクトリー"と同根である可能性が浮上している。


【登場人物】

『鳴羽田のヴィジランテ』

  • 灰廻(はいまわり)航一(こういち)/親切マン/ザ・クロウラー

「フフフ…俺の名は 謎めいた危険な香りのする男 ザ・クロウラー!」

(ほんの一瞬でいい 俺だって 飛びたいんだ!!)

本作の主人公。通称「コーイチ」。
物語開始時点では仁波大学の1年生。漠然とヒーローへの憧れを抱いていたが、とある事情からヒーロー科高校への受験に失敗した事で夢を諦め、大学進学を機に鳴羽田に上京してきた。
しかし入学早々に学友達を東京での住処である旧市街の廃ビル屋上に建てられた格安のペントハウスに招こうとした結果、「怪しいビルに連れ込もうとした」と誤解され盛大に大学デビューを失敗。
寂しい学生生活とコンビニバイトの鬱憤とを晴らすため、大ファンであるオールマイトのなりきりパーカーに身を包んだ「親切マン」として、"個性"を使って夜な夜な街中を這い回ってはゴミ拾いや道案内といった小さな善行を重ねていた。

……そんな陰鬱なバックボーンとは裏腹に本人は「天然でお人好し」を地でいくトボけた性格。
良くも悪くも感情の機微や「間」を察する能力に欠けており、これが「底抜けの善性」として発揮される事もあれば「空気の読めないド鈍感」になってしまう事もあり、考え無しの言動で無自覚に相手の地雷を踏み抜いて事態を悪化させる事もしばしば。
逆に「無意識に考えすぎてしまう」事も多く、これが自身の"個性"や行動に対する大きな枷となっている。

+ 終盤ネタバレ
コーイチの弱点であった「考え無し」であるが、これが終盤になって思わぬ形で活きてくる。
それは誰よりも"速く"思考し行動するNo.6に対し、肉体が思考よりも"早く"動くという一種の異才。
相手を倒すのではなくただ歩み寄るために行動し続け、誰よりも先制攻撃を受け続けてきたという異質な経験が、コーイチを"後の先"を常態とする条件反射の怪物へと変えていたのである。

この即応性に"個性"の力場による防御という選択肢が加わった事でNo.6は打つ手を奪われていき、"次の手"をも阻まれた事が、No.6の心を決定的に変えていく……。

なおナックルダスターに師事するようになってからは「ザ・クロウラー」と名乗っているが、大抵「苦労マン」と間違って覚えられている。
また名乗りを印象付けるためか、度々その場その場に合わせた口上を即興で披露しているが、これもイマイチらしく、対外的な印象は概ね変人止まり。

  • "個性"『滑走』
設置した点を起点として反発力を発する力場を展開、縦横無尽に動き回る"個性"。
当初は無意識に課していた制限から「『手の平』と『足の裏』のいずれか3点が設置している事を条件に、前後左右に自転車(ママチャリ)程度の速さでスライド移動できる」という凡庸な"個性"であったが、実戦経験や周囲のアドバイス、そして土壇場のド根性から次々に殻を破り、壁面吸着や空中ジャンプ、反発力を投射する攻撃技「KGD*3」といった応用技を編み出していった。
+ 中盤〜終盤ネタバレ
コーイチの真の"個性"は『飛行』。
幼少期は立つよりも早く宙に浮いていたらしく、母である掌子に厳しく躾けられた事で無意識のブレーキがかかり「地面から数センチ浮いて移動する」程度にまで抑えられていたのだった。
最終的に、飛行能力は墜落寸前の飛行機に自力で追いつく上に逆噴射で軌道を逸らすほどの速度と出力に、「KGD」も高密度のプラズマ体を弾き飛ばす程の威力で連射可能に、と当初の地味"個性"っぷりが嘘のような物に成長していった。
ぶっちゃけ半公式でチート能力である。

しかもこの"個性"、AFOの見立てではどこか知られざる異空間から巨大な熱量を取り出す事で規格外のパワーを生み出すという、文字通り異次元の働きを見せる凄まじい物。
そしてそれが、ごく平凡な生い立ちを持つごく普通の青年が、ただ誰かを助けるためだけに辿り着いた境地である事実は、世界を牛耳らんとする巨悪の企みすらも大きく揺さぶる一撃となったのである。

……しかし当の本人はそんな事など露知らず、鳴羽田での大立ち回りのほとぼりを冷ます意味を兼ねて連れられたアメリカの地で、いつも通りの考え無しで失言を放って周囲を嘆息させていたのだった。
お騒がせサイドキック『ザ・スカイクロウラー』がヒーローと認められる日は来るのか、その答えはまだ、誰も知らない。


  • ナックルダスター

「何故なら今ここには──俺がいる!」

「悪党を殴るとスカッとするぞ!!」

鳴羽田を中心に活動する、無免許かつ"無個性"のクライムファイター。コーイチからは「師匠」と呼ばれる。
その名の通り手に嵌めたナックルダスターによる強烈な殴打を主な武器としているが、目的の為なら誰彼構わず殴り飛ばそうとする悪癖があり、鳴羽田の不良や裏界隈では「怪人ゲンコツジジイ」などと恐れられている危険人物。
遭遇すれば普通の犯罪者も狩ってはいるが、主なターゲットは"トリガー"の使用者、及びその供給元であり、闇ブローカーや刑事など表に出せない様々なコネクションを持っている。

脳筋に見えてその実かなりの合理主義者であり、その行動の根底には緻密かつ膨大な計算が隠れている……のだが、それはそれとして殴り甲斐のある大型敵などは嬉々として殴りに行く。要は、計算に計算を重ねた結果「殴った方が早い」という真理に行き着いてしまった、脳味噌の詰まったタチの悪い脳筋なのである。
また表の顔としてNPO法人のエリア代表「黒岩(くろいわ)武司(たけし)」という偽名も持っており、やろうと思えば常識的な人物として振る舞う事もできる。この人の場合そういうところが余計に厄介なワケだが

なお建前で言えば「ヒーロー」が取り締まれるのは"個性"の違法使用事案に限るので、"無個性"の師匠が行う自警活動にヒーローが干渉する事はできない。
行動の過激さ故に捕縛対象となる事はあるかもしれないが、その場合も建前上は"既にコトを終えた後"でないと干渉できない……即ち、仮に捕まっても彼は既に目的を達成した後なのである。
まあその他にも触法行為が多すぎるので、今の時点で十分警察案件にはなるのだが……
一応正当防衛、私人逮捕の範疇に入るよう意識はしているらしい。意識は。

  • "個性"『なし』
ナックルダスターはこの世界では極めて珍しい、"個性"を持たずに「ヒーロー」を名乗る人物である。
その代わりに一目見て分かる程に鍛え上げられた実戦向きの筋肉と、名前の由来でもあるナックルダスターを始めとする様々なアイテム、あらゆる要因を観察して勝ち筋を作り出す高度な分析力、そして何よりも「一歩前に踏み込む」事を躊躇しない鋼の精神、これら全てをフル稼動して戦うのがナックルダスター流の戦闘スタイル。
その拳は"トリガー"を使用し強化された敵ですら難なく倒してしまうほど。

しかし、師匠にはある秘密があり……。
+ ネタバレ
師匠の正体、それはかつて"超速ヒーロー"の異名で名を馳せた犯罪捜査専門のベテランプロヒーロー「オクロック」こと雄黒(おぐろ)(いわお)
そして、脳をブーストして思考と行動を加速する稀有かつ強力な"個性"『オーバークロック』の持ち主であった。

かつてオクロックは"トリガー"の流通ルートを追う最中、"まるで誘い込まれるように"AFOに遭遇。
為す術なく敗れ"個性"を奪われた後は一時期荒んだ生活を送っていたようだが、如何なる経緯によるものか、AFOの一派が操る"寄生蜂"によって奪われた娘の珠緒を取り戻すため、彼は"無個性"の鉄拳掃除人「ナックルダスター」として裏社会に舞い戻ったのであった。

蜂須賀との戦いで娘を取り戻した事で一度はコーイチ達の元を去るが、その裏で"トリガー"と奪われた『オーバークロック』の継承者であるNo.6を追って国内外を飛び回っており、スカイエッグ事件ではNo.6にあと一歩のところまで迫るも重態を負い、人知れず戦線離脱していた。
しかし最終決戦『鳴羽田ロックダウン』で全身傷だらけ、松葉杖を突いた状態で再登場。No.6を再び追い詰めるが、これを察知していたソーガが彼の身を案じ、予め最後の手段である自爆を封じていたために敗北。
しかしこれが巡り巡って相討ち覚悟だったナックルダスターの命を救い、最終回でコーイチが鳴羽田を去った後は再び鳴羽田の裏路地で悪党を殴る生活に戻ったようである。

  • ポップ☆ステップ/羽根山(はねやま)和歩(かずほ)

「みんな〜今日も集まってくれてありがと〜〜!!」

(あたしにとってはずっと あなたは本当のヒーローだから)

鳴羽田を中心に活動する自称アイドル。
"個性"を利用した派手なパフォーマンスと露出度の高いコスチュームが特徴だが、歌やダンスが特別上手い訳ではなく、市民の大半からはの印象しか覚えられていない。
アイドル活動時はドミノマスクのように顔を覆う派手なメイクをしているが、普段は地元の中高一貫校に通う地味な格好のメガネ女学生。
やや奔放で気難しいきらいこそあるものの、他の2人に比べれば性格は真面目な方であり、天然のコーイチと脳筋のナックルダスターをなんとか舵取りしつつ、なし崩し的に彼らのヴィジランテ活動を手伝っている。
過激なコスチュームや普段の活動内容とは裏腹に自己評価は意外と客観的であり、そういった面にも根の真面目さがうかがえる。
後にマコトに誘われ、同じくアイドル活動をしている双子や近くの学校のダンス部、バンド部やデパート屋上にあるステージでのライブ、なるフェスへの参加を始める。

実はとある出来事がキッカケで本編以前からコーイチの事を知っており、彼に好意を抱いている……が、相手が相手なのもあって中々進展せず、コーイチに女性の影が見えると途端に不機嫌になるなど中々に前途は多難。

+ 中盤〜終盤ネタバレ
ヴィジランテとして活動し始めてからしばらく経った頃、「野村六郎」の名でポップに近付いたNo.6に新たな寄生蜂を植え付けられ、ポップは操られるままに鳴羽田で大量破壊事件を起こしてしまう。
コーイチとソーガ達の尽力、ミッドナイトの救援でなんとか奪還には成功したものの意識不明の重態となり、物語終盤では危篤状態にまで陥ってしまうが、再びミッドナイトの"個性"による処置を受けた事が決め手となり意識を回復。

一連の事件が幕を閉じた後は、キャプテン・セレブリティに連れられアメリカに高飛びしたコーイチを待ちながらリハビリを続けているようだ。

  • "個性"『跳躍』
読んで字の如く、跳躍力を強化する"個性"。
足場さえあればビル一つ分程度の高さも軽々とひとっ飛びでき、移動にも使える便利な"個性"。
派手で見栄えがするため、これによるハイジャンプを繰り返しながら歌を披露するのがアイドルとしての彼女のウリの一つである。
一方であくまでも「跳躍」であり「飛行」ではないため、万が一足場の無い状態で放り出されればそのまま地面に激突してしまう危険性もある。
また原理的には「跳ぶ力(=脚力)」ではなく「一跳びで跳べる距離」を増強しているらしく、脚力自体は普通の女の子並み。「ビルを飛び越す脚力で必殺キック」のような事はできないようだ。

  • 釘崎(くぎさき)爪牙(そうが)

「オメーがクッソムカつくからに決まってんだろーが!!」

「コーイチも俺たちも 身内を死なせねえために体張ってんだ」

鳴羽田出身のチンピラ青年。通称は「ソーガ」。
常に仲間のモユルとラプトの三人でつるんで街中をブラついている。

通りかかった相手にイチャモンを付けて路地裏で暴行を加える、といった典型的なクズ行為を日常的に行っている"ヒーローの取り締まらない悪"であり、劇中ではコーイチとポップを甚振っていたが、ナックルダスターの介入で逆に殴り飛ばされてしまい、コーイチ達への逆恨みから"トリガー"に手を出してしまう。
そこから蜂須賀に目を付けられ、実験の一環として襲われたところを他ならぬコーイチとナックルダスターに救われた事が縁で、なし崩し的に協力者として組み込まれていく。

実のところ根はまっすぐな少年だったのだが、曲がった事の許せないタチや殺傷能力の高い"個性"、キレやすい性格とが合わさって誤解や偏見に晒された事から性格が捩くれていき、暴走族の総長を経て現在のチンピラ状態にまで落ちぶれてしまっていた。
そこをナックルダスターに拾われた事から本来の性格を取り戻していき、最終的にはコーイチと並ぶもう1人の「師匠の弟子」として師匠やコーイチ達と共に巨悪に立ち向かう事になる。きれいなソーガさんの誕生である。

  • "個性"『スパイク』
体の任意の箇所から錐のような鋭いトゲを生やす事ができる、殺傷能力の高い"個性"。
この"個性"が原因で幼少期からトラブルを起こしていたようであり、ソーガの抱える「ヤマアラシのジレンマ」の象徴とも言うべき能力である。
そのためか、ヴィジランテとして活動していくにつれてこの"個性"を見せる事はなくなっていった。

"トリガー"により増強されると髪の毛を含む体毛などもスパイクになり、二度目の増強では身体全体が巨大なヤマアラシの怪獣めいた姿に変形するようになった。

  • 灯市(とうち)(もゆる)十日夏(とおかげ)ラプト
ソーガの仲間。

モユルは土や岩石のような質感の肌と、髪の毛のように炎が吹き出す頭、瞳の無い白い目を持つ恰幅の良い青年で、三人組の最年長。
チンピラ気質ではあるが他2人に比べると常識人で、良くも悪くもソーガの意向に流されやすい。
本質的には他人思いのお人好しであり、ソーガを手伝うようになってからは人助けに意欲を見せるような場面もあった。
メカに強いらしく、ifを描く単行本のおまけイラストではチームIDATENのメカニックとして働いていた。
"個性"は見た目通りの"発火"で、口からも火を吹く事ができる。"トリガー"による増強を受けると火力が上がり、炎が全身から吹き出すようになる。

ラプトはニヤケ面とトカゲのような姿が特徴の少年で、三人組の最年少。口癖は「ギャハッ」。
三人組では一番の快楽主義者、刹那主義者で、楽しければ何でも良いといったイマドキの若者。
ソーガを手伝うようになってからもそれは変わらず、怪我人の横で大音量でゲームをしたり、銃器にはしゃいだりしていた。
良く言えばムードメーカー、悪く言えば空気の読めないウザキャラといった感じ。コーイチかな?
"個性"はやはり見た目通りの"トカゲ"……なのだが、"トリガー"を使うと腕が翼に変形し空を飛ぶようになる。根源的には翼竜ないしドラゴンの流れを汲む"個性"なのかもしれない。
また"トリガー"を使って以降は平時の肉体にも新たに尻尾が生えており、手を動かそうとして何故か尻尾がつるなど扱いに苦労している模様。

  • スタンダール

「俺は"スタンダール" 君と同じお節介焼き(・・・・・)だ」

鳴羽田に突如現れた4人目の"ヴィジランテ"。
左右が赤と黒に分かれた仮面と日本刀やナイフといった得物が特徴のサムライ風の青年で、コーイチは颯爽と現れ自分を救った彼に憧れを抱くようになる。
正義と悪について確固たる信念を持っており、ナックルダスターの事を"先達"とし一定のリスペクトを置いている。

+ 断罪者の仮面
「俺はただ一刀の下 貴様という罪(・・・・・・)を断つ」

「"彼"──スタンダールは人間を超えた存在」
命の赤死の黒
「その狭間を一刀に分かつ 断罪者の仮面(ペルソナ)

スタンダールの本質、それは悪人を狙うだけの殺人鬼
そして"英雄"に固執し、自身の外に「スタンダール」という歪んだ"仮面"(ペルソナ)を生み出した狂気の男であった。

悪を討つために敢えて蜂須賀と手を組み、突発性敵やヤクザなどを次々に殺戮。
次に充てがわれたソーガを殺すべく襲いかかったところでコーイチに阻まれ、彼の行動を善性から生じる悪と断じて殺害せんと迫る。
そこに、自身もリスペクトを置くナックルダスターが乱入。スタンダールの仮面ごと顔面をブチ抜かれた上に自分自身が仮面を被って正義を騙る贋物であった事を指摘され、気付きを得た。
その後ナックルダスターを個性で拘束するが、感謝の意を込めて手出しはせず撤退する。

「……なるほど理解した」
「…敵よりなお罪深きは 覚悟もなく上辺を飾る輩 "英雄紛い"」
「そうだそうだ嗚呼確かにそうだ 俺は蒙を啓かれた」
「…先達の教示に 感謝する」

アジトに戻った彼はナイフを手に取り、自身の鼻を削ぐという猟奇的処置を敢行。

最早そこに仮面はなく、赤黒の血に染まる混沌だけがあった。

「俺の後ろには轍が残る… …ハァ…」
「拭えど消えぬ 血痕の道標が…」


鳴羽田の人々

  • 塚内(つかうち)(まこと)

「ヒーローと敵を分けた決定的な要素って 一体なんだと思う?」

「あなたが『普通』でいてくれることで私はどこにでも行けるしなんだってできる」

コーイチの大学の先輩で、塚内警部の実の妹。通称「マコト」。
大人っぽい雰囲気を持つ長身の美女で、それでいて高い社交性と学識とファッションセンス、そして何よりも法律スレスレの行為ですら迷わずやってのける抜群の行動力を持った完璧超人。

ヒーローと敵についての社会学的考察を研究テーマとしており、『鳴羽田のヴィジランテ』について調べるために「東鳴羽田の怪人」と噂されていたコーイチに目を付け、彼と友人になる。
その時点で既に「苦労マン」の正体にもアタリをつけていたが、些細な行き違いで真相を掴み損ね、ようやく真相を知ったのはそれより少し後の暴走バス事件になってから。その際に助けられた事が縁で、コーイチに好意を持つようになる。

チアガールのバイトで才覚を示した事が縁でキャプテン・セレブリティの活動をマネジメントするようになり、またネット経由でキャプテンの妻・パメラとも友人になった事で彼ら夫妻にとって頼れる助っ人となった。
またこの縁でポップが招聘された鳴羽田の地元百貨店「マルカネ百貨店」の開催する「なるフェス」をキャプテンの名前でグレードアップ、彼女が飛躍するキッカケを作り、良き友人にしてコーイチを巡る良きライバルとなった。

東京では兄と同居しており、真面目な塚内は弁の立つマコトに振り回されているようだが、兄妹の仲はなんだかんだで非常に良好。
普段の態度も、オールマイトは「『警察』じゃなくて『お兄さん』相手」という認識、即ち彼女なりの信頼の証ではないかと推測している。「…… だとすればそれは甘えです」「…デスヨネ〜」

+ 中盤〜終盤ネタバレ
後にキャプテンの帰国に留学という形式で同行し、大学卒業後もキャプテンのプロデュースを務める傍ら論文を出版し、これが国際的に大ヒット。一躍「時の人」となる。

その後、一時帰国ついでにコーイチの元を訪れ、彼に告白。同時にポップとの関係についても彼女の気持ちをしっかりと確認した上で返答を求めるが、その直後にポップが敵に洗脳される事件が発生。
責任を感じて思いつめ、涙を流す場面もあったが、その後はどうなっても受難に晒されるであろう彼らを保護するため自分のできる限りで動き回り、かつてコーイチがキャプテンのイベントを手伝った件から「灰廻航一はキャプテン・セレブリティの雇用下にある協力者」という建前をこじ付ける事を発案。
退院後は正式にコーイチをアメリカにあるキャプテンの事務所に招き入れ、ヒーロー「ザ・スカイクロウラー」となった彼をサポートしている。

……あれ、結局コーイチって先輩の告白に返事してなくない?

  • "個性"『嘘発見器(ポリグラフ)
相手の身体に触れた状態で質問に返答させる事で、その返答が真実か嘘かを見抜く"個性"。
この"個性"による判定が外れる事はないが、この場合の「真偽」は相手の認識に大きく依存しており、相手が質問に対しこちらの意図と異なる解釈をしていた場合や質問の言葉選びが不正確な場合などは客観的真実とは異なる結果が返ってくる事になるという弱点がある。*4
両親は「相手の心を読む」という性質から社会生活が送れるかを心配していたようだが、"個性"に拠らぬ才覚で自分の道を突き進む彼女の姿を見る限り、その心配が的中する事はなさそうである。

  • 佐間津(さまづ)一目(いちもく)浪丸(なみまる)十兵衛(じゅうべえ)
鳴羽田近辺に住まう不良コンビ。
……見た目がモロにスットコクズリ野郎であり、出オチ要因だったはずが準レギュラー化した変な連中。まあこの漫画そんなのばっかだが。

佐間津は長ランにリーゼント、口ヒゲといった風態と、サイクロプス違いのバイザーが特徴。"個性"はバイザーの単眼部分から光線を照射する『眼からビーム』で、非常に目立つため緊急時には歩くサインライトとして活躍する。
浪丸は前を開けた学ランと制帽が特徴。最初は元ネタチックなオッサン顔だったが、初登場以降どんどん童顔になっていった。"個性"は手首の辺りから木刀を生成する『手から木刀』。木刀には追加効果を付与できるらしく、刀身部分を光らせてペンライトのように使っている事もあった。

佐間津は私立卍塾学園中等部、浪丸は他所から鳴羽田近辺に転校してきた(卍塾学園か別の学校かは不明)中学生
当初は街中で"個性"を使って喧嘩をしており、割って入ったコーイチもタコ殴りにしていたが、次いで現れたポップのファンだった事から和解。
その後は同じファン同士という事もあって無二の相棒となり、不良ネットワークを通してポップに情報を送るなどのサポートをするようになった。
作中での時間経過に伴い佐間津は進学、浪丸は工事現場に就職したようだが、その後も相棒関係は続いており、浪丸の現場に佐間津が差し入れを持っていく事などもあるらしい。

  • FeatherS(フェザーズ)
鳴羽田の小さいライブハウスで活動する双子のアイドルコンビ。
ややキツめの性格の美羽(みう)と、比較的落ち着いた性格の由羽(ゆう)の二人組で、「なるフェス」が縁でポップとコーイチと知り合う。
当初は歌の下手なポップが演出上の理由でセンターに推された事からライバル視していたが、練習中に怪我をした美羽をポップがフォローした事がキッカケで歩み寄り、親友となる。
以降定期開催となった「なるフェス」ではリーダーシップを取っていく存在となった。

……なお美羽の方が恋愛に積極的だったつもりが、先に彼氏が出来たのは由羽の方だった。「男受け」って大切である

  • FeatherHATS(フェザーハッツ)
ポップ、フェザーズを含めた「なるフェス」用のパフォーマンスユニット。
いずれも鳴羽田を中心に活動する面々で、上記に加えダンス担当の鳴羽田東高校ダンス部4名、バンド担当のMAD HATTER(マッドハッター)4名の計11名からなる。定期開催後は聖リラ女子学園中等部"とっとこシスターズ"も加わった。

ダンス部の部長はヤンクミ風の見た目のストイックな女性で、当初はおさげだったが美羽のケガに責任を感じて途中からショートヘアーになった。
MAD HATTERはいずれも帽子を被っており、シルクハットの男がリーダー。部長と互いに一目惚れし、すぐに交際に至ったらしく、最終回でも交際は続いている模様。でもステージ衣装でデートするのはどうかと思う
とっとこシスターズは似たような背格好のちびっこ3人組で、当初は歌をメインにしていたが部長からスパルタ指導を受けた事でダンスに開眼。学園でダンス部を結成し、部長仕込みのスパルタで後輩たちを鍛え上げているようである。

  • Hopper's Cafe(ホッパーズ カフェ)
東鳴羽田で営業している猫カフェ。
元々は堀田(ほった)兄弟が営むリサイクルショップ「ほっぱ〜ず」だったが、黒幕による"改造敵"化の被害者であり、その巨体故に元々住んでいた家を追われ倉庫に匿っていた「カマやん」こと鎌池(かまち)桐仁(きりひと)多古部(たこべ)烏賊次郎(いかじろう)を加えた4名で喫茶店を開く事になり、コーイチの拾った猫にヒントを得て猫カフェとしてオープンするに至った。
後にバイトとして、同じく改造被害者である「テルオ」こと鰻沢(うなぎさわ)照生(てるお)を迎え、最終回時点では美羽も加わっている。

堀田兄弟はリサイクルショップに偽装して盗品や未認可薬品などを扱う故買(バッタ)屋で、"トリガー"の流通にも携わっていた事からイレイザーヘッドの情報源としてコーヒーをたかられつつ目を付けられていた。
キャップを被った方がハゲ兄の一郎、フードを被った方がED弟の二郎。技の一郎、力の次郎らしい。
2人とも『バッタ』の"個性"を持ち、"トリガー"を使用する事でバッタ人間に変身する。これでコイツらも改造人間にされてたらもっとアウトだった

カマやんは堀田兄弟の知り合いで、元々は普通の人間型だったが改造によって巨大なカマキリの怪物へと変貌。家に入れなくなり、堀田兄弟の倉庫で世話になっていた。
屁理屈ばかり捏ねる自己中思考な上に気だるげで間延びした口調だが、意外にも商才に恵まれており、カフェでは経営を担当している。
"個性"はそのまま『カマキリ』。鋭いカマなど見た目は凶悪だが、"トリガー"抜きだとカマの切断力は余り高くない。

多古部は当初改造敵『オクトイッド』として暴れていたが、イレイザーとコーイチ達に追い詰められ逃走。黒幕に処分されかかったところを間一髪で救われ逮捕、釈放後はカマやん同様堀田兄弟に拾われていた。
不気味でいかつい見た目と裏腹に柔和な性格で可愛いもの好き。カフェが猫カフェ路線になったのも、彼がコーイチの拾った猫を引き取るといったのがキッカケである。また調理師免許持ちで、カフェでも厨房を任されている。
"個性"は『タコ(イカ)』。……一見なんのこっちゃだが、一言で言えば「見た目はタコで腕の本数はイカ」という複合"個性"。8本の腕に2本の脚で計10本、その内2本は隠し腕で、普段は脇の辺りに巻きつけて格納している。また眼が無いように見えるが、シーンによっては小さな眼を輝かせているので、物凄くつぶらなだけらしい。

テルオはポップのファンで、自信の無さと年齢不相応の無警戒さに目をつけられて"トリガー"を使用してしまう。
釈放された後は同じファンとして佐間津達と親しくなるが、蜂須賀に誘拐され、改造敵となってしまう。
命じられるままに「なるフェス」を襲撃せんとするがたまたま近くにいたイレイザーに捕縛され、再び逮捕。
再び釈放され、その後は同じ改造敵のよしみもあってかカフェでバイトとして働くようになった。
"個性"は『ウナギ』。初犯時はヤツメウナギのような姿に変身し、ヌルヌルの体液と小さな牙の並ぶ円形の口を見せていたが、改造後は電気ウナギの能力を獲得していた。どっちもウナギじゃないんですがそれは

ヒーロー

  • キャプテン・セレブリティ/クリストファー・スカイライン

「だいたいナニ? オールマイト?
ボクに言わせりゃあんなの馬鹿力だけだね 優雅(スマート)さに欠ける」

本場アメリカからやってきた全米トップランクのヒーロー。通称「C・C」。ピザでも炭酸ジュースでもない。
実績は確かだが「キャプテン・"お騒がせ"セレブリティ」「空飛ぶ種馬」の異名からも分かる通りに問題行動が多く、本国で活動しづらくなったために裁判やスキャンダルから逃げるように来日してきた。
性格はナルシストで女好きのイヤミなエリートという、テンプレ全部盛りの絵に描いたようなジョック。
だがその根底には純粋で善良な博愛主義者の顔が隠れており、抱えている問題も殆どは人の良さからハメられカモられ続けた末の結果であった……が、それはそれとして言動がアレという厄介な人
物事を深く考えるのが苦手であまり考えずに行動するタイプのバカ。本人もそれを自覚している。出会ったばかりの頃の妻は、空が飛べて頭が空っぽな彼を「フーセンみたい」と評していた。
妻のパメラを愛する愛妻家にして恐妻家でもあり、またバイトを経てマネージメントを任せるようになったマコトにも逆らえない、案外可愛いオッサンである。でもやっぱり言動がアレ
キャッチフレーズは「COOL&CUTE」だったが、スキャンダラスなイメージを払拭すべく、マコトの提案で昭和ヤンキー風の「ジャパネスク硬派」に路線変更させられた。本国では「日本でスシに当たった」とか言われた模様

  • "個性"『飛行』
そのものズバリ空を飛ぶ"個性"。
原理的には肉体を「エアロダイナミックフィールド」と呼ばれる特殊な力場で覆い、それを推進力にして飛行するというもので、フィールドを拡張する事でキャプテンだけでなく被救助者をも外気や衝撃などから保護するバリアとしても働く。
そのおかげで格闘戦でも無傷で相手を圧倒できるが、フィールドの容量には限界があるため、他人に容量を割いてしまうと自分が無防備になってしまうという弱点がある。

ご存知相澤先生。
だがこの作品の時点ではまだ教師としては活動しておらず、鳴羽田を拠点にヒーロー活動をしていた。劇中の回想から、Ms.ジョークと事務所がご近所さんだったのはそれよりもさらに前の時期のようだ。
最初はナックルダスターを"個性"の不法使用者=敵と見て交戦したが、彼が"無個性"だったために建前上の都合で見逃し、以降はヴィジランテ達を監視しつつ独自に"トリガー"を追う立場となる。
例によってツンデレ気質。また「行けたら行く」を有言実行するくらいに割と素直。コーイチの事は立場上の問題もあって表向きは認めてはいないが、実際は相当気に入っているらしく、なんだかんだで要所要所で世話を焼いている。
高校時代を描く長編を貰ったりと、塚内警部と並び「本編キャラ側の主人公」的な美味しいポジション。
なおミッドナイトによれば鳴羽田近辺が地元らしい。

  • インゲニウム/飯田天晴
ご存知先代インゲニウム。
高速道路を危険走行する敵を追って鳴羽田に来訪、下見を兼ねてジョギングしていたところをコーイチと知り合う。
本編では語られなかったヒーローとしての彼が描かれており、「ヒーローにとって一番大切なのは『速さ』」「適材適所、チームの総合力で勝負」というスタイルだった事が明かされた。
スピードも小回りも効くコーイチをチームにスカウトするが、クロウラーとしての彼に再度遭遇した事でコーイチには既に"持ち場"(ポジション)がある事を悟り、以降は良き友人として付き合っていく事を決めた。なおスカウトに浮かれていたコーイチは大層落ち込んだ

本作では"チームIDATEN"というチームで複数のサイドキックやスタッフを抱えている事が描写されており、その中には公式イラコンの受賞者デザインのヒーローも混ざっている。
また、面接に来たサイドキック(この人もイラコン発のキャラ)が鳴羽田で迷っていた事があり、事務所と鳴羽田は比較的近いところにあるらしい。

ご存知本編ヒロインNo.1ヒーロー。
本編以前なので彼もまだヒーロー活動一本で活動している時期であり、当時の異常な多忙さが要所要所で描写されている。
事務所スタッフにはトゥルーフォームは晒せないため、周囲には「オールマイトのプライベートを管理する『第二秘書室』の秘書・八木俊典」と言って誤魔化しているらしい。偽名に本名を使うやつがあるか
しかし書類仕事の得意なサイドキックを失ったために苦手な書類仕事を1人でやりくりする羽目になっており、手伝いを提案した塚内警部は激務に追われる事となった。
作中では完全にデウス・エクス・マキナとして扱われており、黒幕はとにかく「オールマイトを呼ばれたら負け」の前提で動いている。実際ほぼほぼその通りなので何も言えないのがオールマイトの凄い……というかヤバイところ。
ナックルダスターとは面識は無いが、脚本曰く作劇上では「スーパーマン=オールマイトに対するバットマン」であり、「与えられた男」と「奪われた男」、「私が来た」と「俺がいる」など様々な面での対比関係が描かれている。

  • ミッドナイト/香山睡
ご存知18禁ヒーロー。
本作では「なるフェス」のゲストの1人として呼ばれた事がキッカケでポップ達と親しくなり、度々関わっていく事になる。
時系列的にはちょうど雄英の教師になった頃で、出張版読み切りでは後輩であるイレイザーに教職を勧める場面も描かれた。
またイレイザーの過去編にも登場。当時は更に過激……というかモロに某アニメの影響を受けた「全裸にベルト」なコスチュームを着ていた事も描かれた。

  • ラウドクラウド/白雲(しらくも)(おぼろ)

「いろいろ気がつくから逆に考えすぎるんだよなショータは」
「そんで自分で先回りして『無理』って思い込む」
「けど その気になればなんだってできると思うぜ」

イレイザーヘッドの雄英生徒時代の同級生。作中では回想で登場する。
成績こそ凡庸だが彼とは真逆の明るく陽気な性格で、塞ぎがちな相澤にとっては山田(後のプレゼント・マイク)と並ぶ良き親友であった。
そして相澤と揃って訪れたインターン先で更に交流を深めていくが、突如現れた巨大な敵との戦いで瓦礫を受けて重傷を負い戦線離脱してしまった。
+ 雨と雲
《まかせたショータ!》

雨の降りしきる中、白雲のサポートアイテムであるスピーカーから聞こえた声に応じ孤軍奮闘する相澤。

《がんばれショータ! みんなを守れるのはお前だけだ!》

傷付き倒れながらも、白雲の声が背中を押してくれる。

《大丈夫だお前は行ける!お前はやれる!》
《そうとも俺は知ってるぞ! お前は強い! 絶対負けない!》

そして最後の力を振り絞り、相澤は渾身のカウンターで見事に巨大敵を撃破。

「やったぞ白雲…!!」

自分だけの力じゃない、これは2人の勝利なんだ、その思いから柄にも無く大声を張り上げ勝利を叫んだ相澤だったが、彼を待っていたのは残酷な真実だった。

スピーカーは最初から壊れていた。そして白雲は、瓦礫の直撃で既に死んでいた。

これを機に、相澤の中で何かが変わった。
苦手意識のあった戦闘系の講義ばかりを熱心に受講し、独立独行(スタンドアローン)のアンダーグラウンドヒーローを志向するようになった。
抹消ヒーロー"イレイザーヘッド"のオリジンは、こうして黒い雨霧の中に閉ざされたのである。

本編にも関わるため、本編作者の堀越氏が制服着用時のデザインラフを起こし、それを元に本作の作画担当である別天氏がコスチュームをデザインするという共同作業で出来たキャラクター。
また劇中で相澤にゴーグル着用を勧めたシーンは、「なんとなく」で現在のイレイザーと似せたデザインにされていたゴーグルから、脚本の古橋氏が逆算する形で発案したものらしい。

  • "個性"『(クラウド)
孫悟空の筋斗雲の如く、白雲本人の意思で自在に動かせる雲のような物質を生成する"個性"。
雲に自分や同行者を乗せて移動したり、攻撃や落下物を防ぐ盾に使ったり、中に物や小動物を格納したり、全裸の股間を隠したりと高い汎用性を持つ。
これに棒術を組み合わせて戦うのが白雲の基本スタイルだったようである。

  • ベストジーニスト/袴田維
ご存知ファイバーマスター。
ミッドナイト同様「なるフェス」のゲストの1人として登場以降、管轄が近いのか何かとコーイチ達の周りで起こる事件に顔を見せるようになる。
話の大筋に関わる事はあまりないが、数多くの見せ場を用意された役得の人。
本編より首が若干短いが、後に伸びたとかではなく単に画風の都合である

ご存知BMIヒーロー。
本編でも言及していた「昔はゴリゴリにそういうん(=薬物事案)ブッ潰しとりました!」な頃で、大阪の違法薬物流通ルート"カニルート"に纏わる事件を追っていた際にたまたま密輸現場であるイベント会場に訪れていたコーイチ達と知り合う。
当時は武闘派だったので、お茶目な本編に比べると言動がやや好戦的。
この時期から塚内警部やイレイザーと面識があった事が明かされ、またそれ以前に宿敵(?)の乱波と活動地域がニアミスしていたらしい事も描かれている。

他にもエンデヴァーやエッジショットなど多数のヒーローがゲスト登場している。

警察

  • 塚内直正
ご存知オールマイトの友人、塚内警部。
本作では"トリガー"をメインに追っており、コーイチ達ヴィジランテとも接触しているが、本人はあくまでも「個人による私刑行為は犯罪」というスタンスを取っている。
キレ者ではあるが、同時に真面目さが災いした苦労性の面が強調されており、田沼やマコト、オールマイトなどあちらこちらに振り回されている。更に当時も本編も「警部」なので出世できないタイプ疑惑がある

  • 田沼(たぬま)栄三(えいぞう)
塚内の先輩刑事。ノンキャリの叩き上げで、年齢はふた回りほど上だが階級は同じく警部。
真面目な塚内とは対照的に昼行灯ながら、実際は老練で清濁併せ吞むやり手であり、ナックルダスターとも繋がりがある。
塚内の前の「オールマイト係」でもあったらしく、直接の描写こそ無いものの、彼の正体についても教えられていた可能性が高い。

終盤では事件の真相に近付き過ぎた為にNo.6に襲撃されるが、一命は取り留めていたらしく、最終回では一コマながら元気な姿を見せた。

"個性"は『健脚』。詳細は不明だが、恐らくは「足で稼ぐ」タイプの刑事に見合った"個性"なのだと思われる。

  • 蟹屋敷(かにやしき)モニカ
大阪府警の潜入捜査官(アンダーカバー)。通称「カニ子」。
カニを模したと思しき髪型がトレードマークのひょうきんな女性だが、実際にはその人柄でどんな場所にも馴染んでしまう凄腕捜査官で、ファットガムからも信頼を置かれている。
大阪編のみの登場かと思いきや、"ファクトリー"の捜査でファットガム共々再登場。イレイザーと組んで様々な場所でコスプレ潜入捜査を行い、本拠地の特定に貢献した。
  • "個性"『ハサミ』
指や脚などで「挟む」動作をする事で、間にある物を切断する"個性"。
対象の硬度はあまり関係ないらしく、劇中では金属製と思しきロボットの部品を容易く切断している。
なおヒロアカ世界の警察官は業務での意図的な"個性"使用を禁じているので、普通に始末書モノである

  • 黒幕
鳴羽田の街に"トリガー"をバラ撒き暗躍する悪党達、その総元締めにあたる存在。
自身は表に顔を出さず、主に電話や通信を通して指令を与えている。
その目的は判然としないが、"突発性敵"や"改造敵"を利用した何らかの研究を行なっているようだ。
+ 黒幕、その正体
その正体は"魔王"オール・フォー・ワン(AFO)
"トリガー"に纏わる一連の実験は全て、元を辿れば「宿敵オールマイトを遠ざけつつ自身の目的を遂行する」という方法論を模索するための投資であった。

しかし『鳴羽田ロックダウン』を経て、最終的には市井の中からも英雄が現れ得るという結論に至り、より直接的な"個"の力の追求へとシフトしていったようである。

  • 蜂須賀(はちすか)九印(くいん)

あたしは蜂須賀九印 高校2年生 バイトで敵やってます

鳴羽田の街に"トリガー"を流通させている犯人の1人であり、ナックルダスターが追う"蜂使い"。
見た目は制服の上からスカジャンを着た普通の女子高生だが、特徴的な眼帯の下の眼窩に眼球は無く、代わりに大量の"働き蜂"が蠢いている。
蜂だけにという事なのか、ハニートラップ的な手段で実験台を集めたりもしている模様。

性格は軽薄かつ冷酷で、悪い意味での「イマドキさ」と敵としての「残酷さ」を併せ持つ危険人物。
黒幕の重視する計画性よりは刹那主義的な「オモシロさ」を基準に敵事件を起こしており、愉快犯的な節がある。

  • "個性"『女王蜂』
肉体に格納した夥しい数の"働き蜂"を自由自在に使役する"個性"。
"働き蜂"の腹部は注射針状になっており、相手に薬物を投与したり、逆にサンプルを吸い上げたりといった形で使用している。
また他人に寄生させて行動を操る事もできるが、長期間続けると廃人と化してしまう模様。
爆薬を装填すれば自爆兵器"爆弾蜂"にもできるが、蜂と蜂須賀の肉体は連動しており、一匹潰されるだけでも眼窩から出血する程のダメージを負うため、自傷覚悟の諸刃の剣でもある。
また、任意のブレンドをした"トリガー"を自身に投与して能力を付与・底上げする奥の手も持つ。

+ ネタバレ
「…ゴチャゴチャうるせえよ…ムカつくんだよクソジジイ!」

その正体はナックルダスターこと雄黒巌の実の娘、雄黒珠緒(たまお)
彼女が他人の脳に寄生して行動を操る"寄生蜂"の女王蜂を植え付けられ、黒幕の手下として操られていたのが"蜂須賀九印"の正体であった。

元々珠緒はミュージシャンを目指していたが、父である巌はそれを頭ごなしに否定し、母も逆らえずに珠緒を叱責。
それに耐えかねて家を飛び出したところを付け込まれ、蜂を植え付けられてしまった模様。
なお、珠緒以前にも現在の蜂須賀に似た格好の宿主が存在していた描写があり、いくつかの宿主を渡り歩いていたらしい。

蜂須賀としての人格は宿主の脳と"寄生蜂"の複合体であり、珠緒本来の物ではない。
ただし自身に"トリガー"を投与した場合、精神の抑制が弱まる事で宿主の意識が表層に顔を出す。

劇中では暗躍の果てに「なるフェス」の裏でナックルダスターと決戦。
一度は勝利したかに見えたが、最終的にはスタンガンの電流で心臓を動かし復活したナックルダスターに敗れ、女王蜂は摘出、爆破された。

その後はリハビリに励んでおり、ナックルダスターに自分がいない間の監視要員として付けられたソーガ達と親しくなった。
更にリハビリを兼ねてギターの練習も再開。最終的には外を出歩けるようにまで回復し、その後もソーガ達と交流を続けている模様。

なお蜂の方は別の個体が登場しているが、結局元々の"個性"の持ち主は現れなかった。
AFOの奪った"個性"か、あるいは"爆弾魔"と同様に人為的に作られた生物兵器の類だったのかもしれない。

  • "傷顔の男"/No.6/オクロックⅡ

これからなにかに…何者かに成れるとしたら
『オクロック』 俺が名乗る名前はそれ以外にない

俺はおまえみたいな 人の夢を踏みにじる奴が許せない
なにもかもが作り物の 空っぽの俺の中で この「怒り」だけは本物だ

蜂須賀と入れ替わるように鳴羽田に現れた、顔の真ん中に大きな傷を持つ男。
"爆弾魔"を初めとした改造敵を操る男で、自身も"爆弾魔"の細胞移植など複数の処置を受けた改造人間。
『加速』の"個性"による超高速移動や、再生細胞を利用したと思しき変装能力などをフル活用して暗躍する。

「自己のイメージを認識できない」という特殊な失認症状を患っている事から「何者かに成りたい」という強烈な欲求を持っており、黒幕の目的を果たしつつ、自身は行方不明の超速ヒーロー『オクロック』の後継者になろうと目論んでいる。
それもあってか、即物的・場当たり的な犯行の多い蜂須賀に比べ、自身の考えや存在に対する承認欲求に端を発した劇場型犯罪の形式を取る傾向にある。

+ ネタバレ
物語終盤、コーイチの姿と人格を真似た「『なるフェス』の担当職員・野村(のむら)六郎(ろくろう)(ロック)」としてポップに接触。
ちょうどコーイチとの関係や自身の今後について悩んでいた時期だったポップに取り入り、彼女の音楽活動を献身的にサポートして距離を縮めていく。
そして不安の決壊した彼女を自身のアジトに拉致し、"寄生蜂"を用いて洗脳。
鳴羽田で大規模な連続テロを起こさせ、コーイチに罪を着せつつ自身がポップごと彼を仕留める事で"オクロックⅡ"の悲劇的かつ華々しいデビューを演出しようと企むが、コーイチが土壇場で新たな能力を見せた事、それによりエンデヴァーの前に引き摺り出された事で大敗を喫してしまう。
そこでごく平凡な男でありながら自分の欲しかった物を全て享受しているコーイチに対し激しい怒りと恨みを自覚。
彼に対する殺意がキッカケとなり、AFOの想定を超えた暴走が静かに始まっていく。

最終決戦『鳴羽田ロックダウン』においては"アノニマス"を用いた撹乱で鳴羽田を孤立させつつポップの殺害を目論むが、またしてもコーイチにより計画を狂わされ、遂に命令を捨ててでも彼を殺害する事を決意。
激闘の末、互いに周囲の想定を超えた能力を発揮し始め、遂には骨と脳だけの肉体を高密度のプラズマで覆った巨人という究極の姿に到達。
それすらもコーイチの奮戦とオールマイトとエンデヴァーの介入によって阻まれるも、執念で「脳と頭骨だけ」の状態から「歩く焼死体」にまで回復。コーイチに"傷"を残し、最後まで自分を救おうとした彼の前で自爆して果てた。

鏡を見る度思い出せ

自分の責任を

存在の意味を

おまえが救えなかった奴のことを…

脳が崩壊し、遅延する体感時間の中で、男は走馬灯を見る。
過去も未来も、自己すら持たない男がしかし最後に"思い出した"のは、利用し尽くして殺害せんと迫ったはずの少女の歌声だった。

なんで今こんな事を思い出す あれは本当の俺じゃない
「野村六郎」は灰廻航一を真似た仮の人格 作り物のままごとだ

…でもあの歌… あれは本当にいい歌だった

初めて聴いた時 俺 泣いちゃったもんな…


  • "個性"『加速』
文字通り「目にも留まらぬ」速さでの行動を可能とする"個性"。
これと擬態能力を併用する事で白昼堂々の隠密行動を可能としており、更に細胞の「加速」により傷の再生や"爆弾魔"細胞の増殖を早める効果も得られる。

もちろん戦闘にも有用であるが、直接の打撃を行う場合は体に大きな負荷がかかるため濫用はできない。
更に「加速」自体にも最短で数秒程度のインターバルが必要であり、「加速」状態を維持して一方的に仕掛けるといった事は不可能。

+ "オクロックの後継者"
この"個性"の正体は他ならぬオクロック、即ちナックルダスターから奪われた彼の"個性"『オーバークロック』そのもの。
彼の失認症状に目を付けたAFOが、彼自身の希望を叶える形で奪い与えたのがNo.6の操る『オーバークロック』のオリジンである。
自己を認識できない彼の唯一と言っていいアイデンティティである顔の傷は、オクロックがAFOに敗れ去った時の傷を真似て自分に刻んだ物。

『オーバークロック』の要は脳機能の賦活による主観時間の加速。
依って自身の認知や精神状態によって加速率の加減速に制約がかかるため、「銃口を突きつけられる」「高速で再生された音声を聴かされる」などの手段で集中を乱される、「頭部への打撃で脳を揺らす」「持続的な電撃を加える」などそもそも集中状態に入らせないといった対策を取られると途端に後手に回らざるを得なくなる弱点を抱えている。
また、強化されたNo.6の肉体ですら加速による負荷を無効化するには至っておらず、特に脳への負荷による半強制的な"息継ぎ"の発生は僅かながら大きな隙になり得る。
勿論これらの弱点を誰よりも熟知しているのは元々の持ち主であったナックルダスター自身であり、彼によって対策法を伝授された警察やソーガ達にも手痛い不意打ちを食らっている。

劇中では最終的に怪物めいた姿に変形する事で加速状態の常駐を可能としたが、彼がこの境地に目覚めた時、コーイチは既に"そこに棲んでいた"。
それは加速だけでは到底捉えきれぬ、思考する前に既に肉体が動いている"異形の存在"にして"無思考の踊り手"。
試行錯誤や"アノニマス"の動員を以てしても捉えられない彼に怪物の照準が定まった時、その背後には……

生憎だったな

俺がいる

なお、この"個性"を継いだ影響か、彼の脳内にはイマジナリーフレンドならぬイマジナリー師匠(メンター)としてのオクロックが住み着いており、彼に助言を与えている。
しかしその幻影の裏には彼を操るAFOの意思が植え付けられており、"指導"の形式でコントロールを試みていた模様。
ちなみに彼との会話は側から見ると一人二役の独り言のように見えているらしい。

  • "爆弾魔"(ボマー)
目の無い不気味な顔をした、翼を持つ怪獣のような体型の量産型改造敵。
その肉体は爆弾に変化する特殊な細胞で構成されており、基本的に自爆特攻用。
用途に応じて様々な調整ができ、多腕の生成や強烈な再生能力と掛け合わせた「爆発する拳」を放つ"連発型"や、電磁パルスを発して電子機器をショートさせるEMPタイプ、巨大建造物をも倒壊させる超大型など、多彩なバリエーションが登場する。

そしてその最終型とも言えるのが、人間に偽装した潜伏型"爆弾魔"、通称"アノニマス"。
体型こそ普通の人間と変わらないが、目が無く顔に大きな傷を持つなどNo.6と似たような特徴を持っている。
主な役割は人々の隙間に入り込んで「不穏な雰囲気」を煽りつつ、窓ガラスを割る、車の荷台から荷物をバラ撒くなど「小さな事件」を起こして街を撹乱するといった妨害工作。
これらは全てNo.6の脳波による遠隔指令で動いており、彼からの指令が途切れている間はただ棒立ちで待機しているが、一度指令を受ければまるで映画のゾンビのように負傷も厭わぬ集団戦術で相手を追い詰める脅威の軍団に早変わりする。
更に奥の手として、No.6の"爆弾魔"細胞と同化して彼の肉体の延長となる事も可能。

+ ネタバレ
最終的に、全ての"アノニマス"を動員したNo.6がただ1人の青年に敗北。
これを「万人に開かれた超人への可能性」と結論づけたAFOは"アノニマス"の方法論を失敗と判断し、いついかなる時にヒーローが"自然発生"してもその全てを捩じ伏せるべく、"個"の力の追求に注力する事を決める。
その名は……

「改人"脳無"(N O M U)

ある意味ではこれも彼の示した結論と言えるかな

あの"No.6"の…




追記・修正は限定のオールマイトパーカーを着用してお願いします。

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最終更新:2024年04月09日 12:27

*1 ちなみに1995年の第2回電撃ゲーム大賞でデビューしており、ゲーム大賞受賞者としては電撃レーベルの現役最古参にあたる川上稔(第3回金賞)・上遠野浩平(第4回大賞)・阿智太郎(第4回銀賞)より上のほぼ唯一の現役作家になる。

*2 年表は明示されていないが、大雑把に「出久達が小学生くらい」の頃とされている。

*3 「気合いをギュッとしてドーン」の略

*4 作中描写から、おそらくこの弱点はマコト自身も無自覚。