魔法少女すずね☆マギカ

登録日:2022/08/28 Sun 16:55:00
更新日:2023/09/07 Thu 22:01:47
所要時間:約 11 分で読めます





私は正しいことをしてるの

邪魔をしないで

魔法少女すずね☆マギカ とは、魔法少女まどか☆マギカのスピンオフ漫画。
原案:Magia Quartet
漫画:GAN(現:千里GAN)

■概要

まんがタイムきららフォワードにて連載。
他作品と異なり、“魔法少女”の存在そのものの善悪を問う内容になっている。
全16話、単行本は全3巻。
見滝原市とも、風見野市とも、あすなろ市とも、そして神浜市とも違う町ホオヅキ市が舞台。
夜道で名前を聞かれて答えると殺されてしまう「キリサキさん」のうわさが広まるホオヅキ市で、魔法少女達の戦いを描く。
まどマギのスピンオフらしく和んでいるのは2話の途中までで、それ以降は重くシリアスな雰囲気で物語が展開される。
各話のタイトルはすべて2文字になっている。

後にマギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝にて本作のコラボイベント
「CROSS CONNECTION」
「Rumours in Disguise」
「Memorable Flower」
がそれぞれ開催され、本作の魔法少女たちがアプリに実装された。
またアニメ版マギアレコードのFinal SEASON「浅き夢の暁」にて主人公鈴音が(作中の絵としてだが)登場するシーンがある。
そしてマギレコⅡ部「集結の百禍編」の最終決戦ではサプライズで鈴音含めたスピンオフの魔法少女が登場する熱い展開が描かれた。

■あらすじ

健気に住み込みで働く中学生、すずね。
いつも笑顔で生活する彼女には、裏の顔があった。
それは、魔法少女の暗殺者。
迎え撃つ4人の魔法少女の運命は……!?
(単行本1巻裏表紙の「STORY」より一部抜粋)

+ 各話リスト
話数 タイトル
第1話 表裏
第2話 邂逅
第3話 迷い
第4話 自責
第5話 悔恨
第6話 変貌
第7話 真実
第8話 代償
第9話 気配
第10話 覚悟
第11話 黒暗
第12話 再会
第13話 記憶
第14話 決裂
第15話 隔絶
第16(最終)話 収斂

■登場人物

(ネタバレ部分は薄くしているので、探知...ではなく反転して読んでください)
声優はマギアレコードで登場したときのもの。
なお劇中では下の名前の漢字表記はなく、カタカナ表記になっていた。(例:天乃スズネ、奏ハルカ等)


天乃鈴音(あまの すずね/スズネ)
CV:南條愛乃
主人公。
灰色の髪とオレンジの瞳の魔法少女。
髪を結んでいてひもには鈴が付いたお守りがくくりつけられている。
鋭い目付きで左目の下に泣きほくろがある。
武器はカッターナイフのような剣で、炎の魔法を使用。魔法で自分の姿を消すこともできる。

普段は中学校に通い、住み込みで新聞配達の仕事をしながら生活している。

ホオヅキ市で流行っているうわさ「キリサキさん」の正体であり同じ魔法少女を狙う暗殺者。
殺した魔法少女の(殺す前に聞いた)名前を紙に書き、お守りにしまっている。
単行本1巻の巻末では何故かメイドの衣装を着せられていた。

夜道でパトロール中の千里を殺害して亜里紗・遥香・茉莉の前に現れ、彼女たちの運命を狂わせていく。

また彼女は「倒した魔女の力を自身の魔法として使用できる」能力を持つ。

幼いころ迷い込んだ魔女の結界で両親を殺され1人になっていたところを椿に保護され、魔法少女になり椿と共に暮らしながら戦っていた。(そのころは髪を結んでおらず目付きも良かった)
しかし椿は鈴音を守りながら魔女と戦い、グリーフシードも鈴音に使っていたためソウルジェムが穢れきり魔女になってしまう。
現在使っている炎の魔法は魔女と化した椿を倒して受け継いだものである。
椿のことから魔法少女の真実を知っており、 魔法少女が魔女と化す前に殺す ことを決意し暗殺者となった。


詩音千里(しおん ちさと/チサト)
CV:東山奈央
青色の髪と瞳の魔法少女で、4人組の1人。
髪型はポニーテール、勉強を面倒くさがる亜里紗に説教するなど面倒見の良い一面がある。
武器は二丁拳銃。
あと衣装の腰回りが際どい。

ストーリー序盤にてパトロール中に遭遇した鈴音に後ろからソウルジェムを破壊され、悲劇的な最期を迎える。TV版のマミさんよりも早い第2話で退場した。
亜里紗の回想シーンで亜里紗を救ったこと、荒れてしまった父親を更正させようと魔法少女になったことが明かされる。

奏遥香(かなで はるか/ハルカ)
CV:松井恵理子
黄(金)色の髪と瞳の魔法少女。
4人組のリーダー的存在で何でもでき、中学校では生徒会長として皆のために活動している。
まどマギシリーズ各作品に1人か2人いる巨乳枠。
武器は分離・合体可能なダブルセイバーで、注目(アテンション)の魔法を使い敵の動きを止めることができる。

千里を殺した鈴音と対立するが、鈴音から「…あなたにだって一度くらいはあるんじゃない?誰かを殺したいほど憎んだこと」と尋ねられた事で心に影を落とす。
過去に完璧な姉・カナタ(姉妹の下の名前をあわせて「ハルカカナタ」)へ不満や劣等感を抱き、キュゥべえと契約した際の願いでカナタを存在ごと消滅させていた。

鈴音と会話した後の魔女との戦いで姉を消した自分も千里を殺した鈴音と同じであり、これまで「完璧な自分」を装っていたのは他人のためではなく姉を消した罪に耐えられない自分の心を保つためだったことに気づく。

最終的には身勝手で最低な自分自身に絶望、ソウルジェムが穢れきり亜里紗たちの前で魔女化。その場で鈴音に始末された。



成見亜里紗(なるみ ありさ/アリサ)
CV:植田佳奈
ピンク色の髪と瞳の魔法少女。
4人組の1人で活発な性格。
武器は巨大な鎌で、戦闘時は振り回して攻撃する。
また強化魔法で自身の能力を上げる事が可能。

千里を殺した鈴音に復讐するために鈴音を追う。
魔法少女になる前はいじめられっ子で今と髪型も違った。キュゥべえと契約したことでいじめられることはなくなったが力を得て慢心し、たびたび問題行動を起こすようになってしまう。しかし千里との出会いで改心している。
まどか☆マギカの美樹さやかのような「もう一人の主人公」ポジション。
終盤、復讐を果たすべく鈴音へ戦いを挑むが…



日向茉莉(ひなた まつり/マツリ)
CV:村川梨衣
緑色の髪と瞳の魔法少女。
4人組の1人であり明るい性格。4人の中で一番背が低い。
人の気配を感じとり、探知できる力(魔法)を持つ。
髪型は三つ編み、武器は両腕に装備したガントレット*1
2巻のあとがき漫画では作者がデフォルメされた茉莉の姿で登場。

生まれつき目が見えなかった(幼少期の彼女は目のハイライトが消えている)が、魔法少女となることで視力を得た。
物語が進むにつれ、何かの記憶が脳裏にちらつくようになり…。

美琴椿(みこと つばき/ツバキ)
CV:日笠陽子
魔女によって両親を殺された幼い頃の鈴音と一緒に暮らしていた魔法少女。
年齢は不明(本人曰く「秘密です(はぁと)」〈2巻あとがきより〉)だが、明らかに魔法「少女」とは言えない大人の風貌をしている。そのためスタイルもいい
マギア☆レコードでは「Memorable Flower」開催時に実装・登場した。

両親を失った鈴音と共に暮らしていたが、前述のとおり魔女と化し死亡してしまう。
鈴音の持つお守りは元々椿のもので、鈴音がやっていた「亡くなった人の名前を書いてお守りにしまう」行為も椿が生前「亡くなった人を忘れずに一緒にいられる」おまじないとして行っていたものである。



穂香佳奈美(ほのか かなみ/カナミ)
1話冒頭で魔女を狩っており鈴音に助けられたモブ魔法少女。しかし、その後鈴音に殺されてしまう。

鈴音達と同じ中学生で、登場シーンは僅か10ページ程しかないが印象に残る存在。
最初のシーン以外にも、終盤1コマだけ登場する。


キュゥべえ
毎度おなじみの営業マン。
キレた亜里沙に頭を握り潰されるなど相変わらず乱暴に扱われる。



+ 私は一度も忘れたことなかったよ?〈最終盤のネタバレ注意!〉
日向華々莉(ひなた かがり/カガリ)
本作の黒幕にしてラスボス。
紫色の髪と瞳をした魔法少女で茉莉の姉。

彼女と茉莉は母親代わり(本来の母親は病気で亡くなった)の仕事でやって来た椿と暮らしていた。
しかし椿は鈴音のために華々利の家を離れ、そのまま魔女と化し死んでしまう。

椿が居なくなる原因になった鈴音と、鈴音の為に自身を見捨てた椿への復讐のために魔法少女となる。
キュゥべえと交渉し、椿の死の後塞ぎこんでいた鈴音の記憶を改竄して 「暗殺者の鈴音」 を作り出した。また茉莉の記憶も改竄して彼女から華々莉の記憶も消している(本人曰く「お邪魔虫だった」)。

武器は剣だが状況に応じて2つの円形の刃に変形させ、投擲して攻撃することが可能。

記憶を取り戻した茉莉と再会して邪魔されないよう意識を奪った後、鈴音を追い詰めた亜里紗のソウルジェムを後ろから剣を突き刺し破壊して(鈴音が千里を殺した時と同じ)殺害、鈴音の前に現れる。

真実を話し、鈴音を絶望させ魔女にしようとするも失敗。華々莉を倒そうとする鈴音を椿の幻覚を見せるなど卑劣な手段を使って追い詰める。

そこに鈴音を助けようと目を覚ました茉莉が現れ、茉莉ごと倒そうとするが茉莉の力で幻覚が通用しなくなり逆に追い詰められてしまう。
復讐を止めようとする茉莉の言葉も拒絶し、自らに改竄の魔法をかけ魔女と化した。

魔女と化した華々莉は鈴音たちに襲いかかり茉莉を食らい体内に取り込んでしまう。
しかし鈴音に体内に入り込まれ、彼女の最後の力を振り絞った一撃で内部から倒された。

華々莉を倒した鈴音は力を使い果たし、茉莉に抱き抱えられながら命を散らす。
今作の魔法少女の中でただ1人生き残った茉莉は、鈴音から受け継いだお守りを髪に結びつけ1人魔女退治へと向かうのだった。

マギア☆レコードでは「Rumours in Disguise」ラストに台詞だけ登場。
「Memorable Flower」にてLive2Dの立ち絵が追加され本格的に登場したが、魔法少女としての実装は(2023年現在)まだない。

■用語

  • ホオヅキ市
本作の舞台。
鈴音や遥香たちが住み、彼女達が通う茜ヶ咲中学校がある。

  • キリサキさん
茜ヶ咲中学校で広まっていた噂話。
「夜1人で人気のない道を歩いていると突然鈴の音が聞こえてきて、どこからともなくコートを着た女性が現れ名前を聞いてくる。
答えると刃物でズタズタにされて殺される」という内容。

ホオヅキ市では被害者が全員10代の少女である連続殺人事件が発生しており、それとの関連性も疑われているが…
その正体(と連続殺人事件の犯人)は前述の通り天乃鈴音。

マギアレコード(すずね☆マギカ本編とは違う世界線)の「Rumours in Disguise」では神浜市にキリサキさんの噂があり、遥香達はそちらの捜索をしようと神浜市に訪れる。

■マギアレコード

コラボイベント開催と同時に本作の魔法少女が実装されている。
現在は全員が☆5へ覚醒可能。
マギアレコードに登場する魔法少女一覧」も参照。

魔法少女名 属性 入手方法 初期レアリティ
天乃鈴音 期間限定ガチャ「CROSS CONNECTION~魔法少女すずね☆マギカ~」 ☆4
詩音千里 期間限定ガチャ「CROSS CONNECTION~魔法少女すずね☆マギカ~」 ☆3
成見亜里紗 コラボイベント中、イベントで獲得したアイテムと交換→後に常設のマギアチップショップで交換可能に ☆3
日向茉莉 期間限定ガチャ「Rumours in Disguise~魔法少女すずね☆マギカ~」 ☆4
奏遥香 期間限定ガチャ「Rumours in Disguise~魔法少女すずね☆マギカ~」 ☆3
美琴椿 期間限定ガチャ「Memorable Flower~魔法少女すずね☆マギカ~」 ☆4

■余談

  • 4話の遥香の台詞に誤字があり、「結界の主」が「結果の主」になってしまっている。

  • 作者の千里GAN氏は後にマギア☆レコードにて神浜市の魔法少女 粟根(あわね)こころ ピュエラ・ヒストリアに登場する魔法少女 トヨ のデザイン原案を手掛けた。
    こころは茉利と同じく両手に武器をもっているなど共通点がある。

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最終更新:2023年09月07日 22:01

*1 なお2015年2月のGAN氏のツイートで採用した理由が 「シャイニングフィンガーをやりたかった」 からであることが判明。しかし対魔法少女戦でやると絵面が思いの外ヤバくなるという理由で本編での実現はしなかったとのこと