拮抗勝負(遊戯王OCG)

登録日:2022/08/28 Sun 20:19:40
更新日:2024/03/26 Tue 12:21:35
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+ 目次

概要

拮抗勝負

通常罠
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):相手フィールドのカードの数が自分フィールドのカードより多い場合、自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる。
自分フィールドのカードの数と同じになるように、相手は自身のフィールドのカードを選んで裏側表示で除外しなければならない。

拮抗勝負とは「CIRCUIT BREAK」で登場した遊戯王OCGのカードである。

上手くハマれば、一度に複数枚の除去を可能にする強力な罠カード。
しかもその除去方法も
  • 裏側除外なので破壊耐性を貫通
  • 『選んで』、つまり対象を取らないので対象耐性を貫通
  • 相手に強要する効果なので『効果を受けない』耐性を貫通
と、この上なく信用できる方法になっている。
しかし除去できる枚数は「お互いのカード枚数の差」であり、相手が除去対象を選ぶため成果は不安定。発動できるのは「バトルフェイズ終了時」なので、セットした場合は発動前に割られることも多い。
かと言ってこのカードを守る前衛を配備すれば、《拮抗勝負》の除去枚数を減らすことにつながる。そもそもセットカード1枚を完璧に守り通せるなら、《拮抗勝負》に頼らず攻めを十分いなせるはず。

一見「確実に通そうとすると成果が低くなる」ちぐはぐなカードだが、それを補うのが次の一文。
「自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。」
そう、このカードは手札からも発動できる条件を持っている

手札であれば《サイクロン》で破壊される心配もなく、罠カードの採用率低下もあって奇襲性は高い。
さらに面白い使い方は自分の後攻1ターン目の使用。
メインフェイズ1で何もせずバトルフェイズ突入、即座にバトルフェイズを終了し《拮抗勝負》を手札から発動。
相手の目障りなカードを「およそ」始末し、メインフェイズ2で悠々と展開が可能になる。

他にこのカード独自のテクニックとして「相手の場にトークンを渡す」というものがある。
相手の場にトークンがあるときに《拮抗勝負》を使った場合、トークン以外の相手カードが確定で裏側除外される。
これは「トークンは裏側除外できないため、《拮抗勝負》で裏側除外するカードに選べない」ため。
相手がトークンを残してバトルフェイズに移る場面は多くないし、自分から相手にトークンを渡すのも状況を踏まえると安定しない。
あまり出くわす場面は多くないが、覚えておくと役に立つ場面があるかもしれない。


欠点

腐りやすい

多くの「後攻時の捲り札」に言えることだが、自分が優位な場面では腐る。それも完全に腐る。
同様に、先攻というだけで腐ることも多い。これに関してはサイドデッキ運用なら回避できるし、メインデッキに入れるにしても2戦目からは出し入れすれば低減できる。
「捲り札とはそういうもの」と割り切って、腐ったら手札コストにするくらいの意義で使用したい。
ただし罠カード故に、伏せるなり握るなりしておくと相手ターンで形勢が変わった時にいち早く発動できる可能性は残るので、その可能性がない通常魔法の捲り札よりは多少マシ。


発動前に敗北する

相手ターンで発動を狙う場合、そのバトルフェイズでLPを0にされてしまう可能性が付きまとう
昨今、相手のフィールドががら空きの状況で始まった1回のバトルフェイズで8000のLPを消し飛ばすことなど容易いことで、このカードが罠なのに「先攻だと腐る」という最大の理由

防御手段と併用する場合、フィールドに残るものを使うと《拮抗勝負》の除去が減るので、それ以外との併用が良い。
使い捨てでフィールドに残らない《和睦の使者》や、墓地で発動する《超電磁タートル》など。


バトルフェイズを放棄する

上でも触れているが、自分ターンで発動を狙う場合、基本的には自分のバトルフェイズを諦める必要がある。
形勢逆転の代償としては安いものだが、発動後に十分な制圧盤面が組めるとしても決してタダではない。
自分がそうしたように、相手もそれを覆す捲り札を残しているかもしれないのだから……


フリーチェーンでトンズラ

《拮抗勝負》にチェーンして相手が自身のカードを破壊した場合、そのカードは裏側除外できない。
うまいこと墓地に逃げられ、そこから蘇生で盤面の再構築というケースも発生する。

D-HERO デストロイフェニックスガイ
融合・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100
レベル6以上の「HERO」モンスター+「D-HERO」モンスター
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、自分の墓地の「HERO」カードの数×200ダウンする。
(2):自分・相手ターンに発動できる。
自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(3):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

特に相性が悪いのが、この《D-HERO デストロイフェニックスガイ》
自身と他の自分カードを破壊することで《拮抗勝負》の被害を軽減。
《拮抗勝負》で残ったカードと《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が、次のターンを迎えてしまう。

また、これはデスフェニを使う側の注意点なのだが、逃げる際に間違っても相手の《拮抗勝負》を破壊しないこと
これをやらかすとむざむざ相手フィールドのカードを減らしてから「同じ枚数になるよう除外する」処理が働くことになる為、もれなく自分フィールドのカードがすべて吹っ飛ぶことになる
特にマスターデュエルでは取り返しがつかないので注意。


本当に除去したいカードは除去できない

運用にあたって最も重要な事項。
ここまで明確に補足しなかったが、本ゲームのルール上、このカードの効果を処理するタイミングでは自分フィールドに「発動したこのカード」が存在する
これは手札から発動しようが、発動する際にはフィールドに出す処理を行っているので同様である。
普段はあまり気にする必要のない処理が、ここでは大きな影響を与える。
それはつまり、相手は《拮抗勝負》を喰らっても最低1枚はカードを残すことができることを意味している。

自分にとって「必ずや消したいカード」は、大抵は相手にとって「必ずや残したいカード」なので残ってしまう。
それはつまり、抑止力が見た目よりも低いことを意味している。
相手に選択権があるカードは使いづらい」と、TCGの通説はここでも当てはまる。

前述のトークンのテクニックも、フリーチェーンでトークンを破壊されてしまうと通じなくなる。
なお、前述のデスフェニの事例を自分が利用できないかと思うかもしれないが、自分でやるのはかなり手間がかかるので現実的ではなく、よほど相性の良いカードが出ない限りは本末転倒の域を出ないだろう。


通らなかった時の精神的ショックは計り知れない

確かに《拮抗勝負》は強力なカードだが、故にこのカードに依存しているデュエリストも多数見受けられる。
そしてデュエリストのメンタル、それは一見盤面に全く影響を及ぼさないが、実際のところ精神状態というのは勝負事においては非常に大切である。
後攻で拮抗勝負を握っており、更に相手モンスターにそれを封じる手段はない…。
悠々とバトルフェイズに突入し、いざ発動!これで勝利だ!…と言う魂胆を《神の宣告》や《レッド・リブート》と言ったカードで粉砕されたとき、残ったのは目論見外れたデュエリストとバトルフェイズを行えないメインフェイズのみ…。
希望から絶望に叩き落とされたその状況で如何に立ち回るかがデュエリストの本領と言えるだろうが《拮抗勝負》に頼らなければ行けない時点で色々とお終いなのは言うまでもないだろう。



他カードとの比較

使用用途としては「後攻時の捲り札」となるわけだが、他のカードと比べると一長一短。
「劣勢時の捲り札」は他にも《ダイナレスラー・パンクラトプス》《獣王アルファ》《ライトニング・ストーム》等が属している。
それらと比べると、以下のように見過ごせない欠点が露になる。
  • 一番消したいカードが高確率で残る
  • 自分のターンで使う場合、バトルフェイズを消費

一方《拮抗勝負》の優位点は以下が挙げられる。
  • 数多の耐性を貫通
  • このゲーム最強の除去先である裏側での除外
  • モンスターも魔法・罠もまとめて除去する1対多交換
  • 手札から発動かつ相手ターンで打てることによる高い奇襲性能

他のカード以上に考えなしに使用できず、リスクも目立つため使用にはしっかりと吟味したい。
例えば【オルターガイスト】では、手札から発動できる特性を生かせるため優先的に採用しやすい。

余談

このカードは2017年6月21日に公式Twitterで公開された。
「6月21日」という日付は、かの有名な本能寺の変が起こった日。
イラストでも数々の六武衆・紫炎モンスターが争いを起こしているため、これを意図した発表の模様。

アニメ作品では、遊戯王VRAINSにてほんの一瞬ではあるが島直樹の部屋に実物のカードとして映っている。


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最終更新:2024年03月26日 12:21