スベスベマンジュウガニ

登録日:2010/08/26(木) 01:09:20
更新日:2024/01/13 Sat 11:34:33
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スベスベマンジュウガニは、エビ目・カニ下目・オウギガニ科・マンジュウガニ属 に分類されるカニ。甲長3.5cm、甲幅5cmほどの小型のカニ。
属名となっているマンジュウガニに毛が生えているため「マンジュウガニの仲間の、毛が生えてないやつ」という意味でこの名がつけられた。


インド洋から西太平洋に分布している。日本では千葉県から沖縄県にかけての太平洋岸の岩礁海岸とサンゴ礁の潮干帯から水深100mまでに生息する。
あまりすばやく逃げないので磯遊びなどで見かける機会もある。
名前のとおり甲は突起物が目立たず全体に滑らかで、丸みを帯びていて身はまんじゅうの様に柔らかく甘い。





というのはで有毒種であり食べられない。
ステキな名前に騙されてはいけない。


毒ガニである。しかも猛毒。


スベスベマンジュウガニから検出された毒成分には、麻痺性貝毒のゴニオトキシン、サキシトキシン、ネオサキシトキシン、フグ毒のテトロドトキシンがあり、
生息地によって成分の構成比、毒の量が大きく異なる。
神奈川県のものはフグ毒を主成分とし、沖縄県など亜熱帯のものは、個体によって麻痺性貝毒を主成分とするものとフグ毒を主成分とするものがあり、
中間域の徳島県のものは1個体が麻痺性貝毒とフグ毒の両毒を合わせもっているとのこと。
毒の量も充分に致死量の毒を含んでいる。
ちなみに毒性が高い場合1g分の肉でヒト5名程度を殺害可能。
毒そのものは二枚貝などのエサとしているものが持っている毒から摂取することで体内に蓄積する。
外敵には死んだふりをするが、それでも危険が迫ると一番毒を蓄積しているハサミをみせて警告する。

しかし毒を持つ危険なこのカニだが、日本国内での公式の中毒事故例はないようである。
なぜなら小型なためか、これをあえて食べようとする人がいないからである。
また網に引っかかって漁師からは「ギャング」と言われ嫌われており踏みつぶされることも多い。
ただ近縁種により味噌汁で中毒が発生した事例もある。ダシも危険なのだ。

とは言え食わなければ毒は無いに等しいため、飼育している水族館も存在する。
また、挟む力は高くないので普通のカニの感覚で飼育できるため、個人が飼育している人もいる。

余談だがこの蟹の仲間のオウギガニ科には他にもド直球なネーミングのがいる。
その名の通りザラザラな「サメハダオウギガニ」、毛深くて海藻っぽい「ケブカガニ」など大変分かりやすい。


が、しかし
「スベスベケブカガニ」というそいつの亜種もいる。スベスベなのか毛深いのかハッキリしろ、と言いたいが全く毛深くない。


これらも毒化している可能性があるため、摂食は控えるべきだろう。
ちなみに毒以外に害はなく、その毒も食べなければ大丈夫なので、毒牙で噛むヒョウモンダコ、踏んで毒針に刺さるアカエイやオニダルマオコゼとは違っていくらかマシだが…。



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最終更新:2024年01月13日 11:34