バリカン(チャージマン研!)

登録日:2022/11/26 Sat 16:40:00
更新日:2024/04/13 Sat 22:18:27
所要時間:約 16 分で読めます






ねえ研、オイラが誰だか分かるかい?

わかるよー

ほんと?じゃだ~れ?



おまえはぁジュラルせいじんだぁぁぁwwww






ξ






バリカンとは、「チャージマン研!」に登場するキャラクターで、主人公・泉研の仲間。








●概要

泉家で飼われているヘンテコな姿をしたロボット。
主題歌を収録したレコードの解説文では「ペットのイタズラ・ロボット」と説明がなされている。実際はペットというよりも研やその妹・キャロンと変わりない子供同然に可愛がられている。

メインキャラであるにもかかわらず、いつ、誰によって作られたのかその他一切の事は分かりません!判明していない。主人公がチャージマンとしてジュラル星人と戦うようになった経緯すら説明されないのだから無理もないが…。

「チャー研」ブームに火が点いて間もない頃は、チャーケニストから「うぜええええええ」などと研共々罵倒の対象にされがちだったものの、近年は一キャラクターとしての魅力や後述する有能さが徐々に認知されてきたこともあってかそのノリも収束し、バリカンをこよなく愛するファンも増えつつある。


●外見

ボール状の胴体からカメのように頭と手足を生やした姿をしている。頭と四肢は自在に引っ込めることもでき、球状の体型を活かした体当たり攻撃などを見せつける。この体型のせいで、よく坂道や氷上を転げ回るハプニングに見舞われている。

鳥の嘴のように突き出た口が特徴。頭部は黒く坊主刈りのようである。「バリカン」という名前はこの頭が由来なのかも?

頭からはピンクの小さな玉が3つほど生えている。アンテナなのかただの飾りなのかはわからないが、少なくとも食べ物ではなさそうだ。研「うまいなぁバリカンはw」ただし最終話「勝利!チャージマン研」ではなぜかこのピンクの玉が消えていた*1

致命的なエラーでもあるのか目は時々斜視になったりする。通称「ラリカン」。

見かけによらずボディは結構頑丈で、大型のロボットに踏みつけられてもビクともしない上に相手をすっ転ばせてしまったほど。普段は打たれ弱いが、丸まった状態での耐久力はかなりのものと見られる。

●性格

「チャー研」に登場する多くのロボットがきわめて機械的な言動を取るものが多い一方、(さすがはペットロボットと言うべきか)バリカンは非常に人間味…というより子供っぽい性格をした、感情表現豊かでコミカルなロボットとして描かれている。
人懐っこく、研やキャロンの後をくっ付いて行動を共にするなど末っ子のような振る舞いが目立つ。好奇心も旺盛で、一度研のスカイロッドを操縦してみたいと駄々をこねたこともある(この時操縦させたせいでエジプトに墜落してしまった)。

普段はビビリだが、見栄っ張りで自信家な面もあり、特にキャロンに危機が迫った時などにすぐ敵と戦おうとすることが多いものの、これまたすぐ返り討ちにされてしまう。ジュラル星人からは基本的に見くびられておりまともに相手にされることは少なく、研や周囲の仲間達が全員拉致される中バリカンだけ放置されるというケースも多々ある。

研とは兄弟のような仲を見せ、暇を持て余した時にはよく家でプロレスごっこなどを楽しむ他、一緒に外出することが多い。当初、研のことは呼び捨てにしていたが、途中から「研坊」と呼ぶようになる*2
(いろんな意味で)厳しい性格の研坊には頭が上がらない様子だが、そんな彼には前述のプロレスごっこやボクシングで勝利を収めたこともあって、しばしば作中最強キャラ候補に彼の名が挙がることがある。
ロボットでありながら研とはテレパシーで繋がっているらしく、ジュラル星人に拉致監禁された回ではこの能力によって研の助けを呼び、一家の危機を救ったこともある。

キャロンには好意を抱いているらしく、キャロンが「ジェーン」という謎の人形を気に入って以来一緒に遊んでくれなくなった時は激しく嫉妬していた。また、星くんが「転校」してしまった時にはなぐさめたりもしている。さすがに自身と星くんを秤にかけた空気の読めない発言が不味かったのか彼女にはキレられてしまったが。
何だかんだでキャロンを想う気持ちが力に直結している事には間違いないらしく、「南極遊園地」では決死の体当たりでジュラル星人にさらわれたキャロンを救出するというファインプレーを見せた。

キャロン以外の女性にデレデレすることもあり、研と同じくハニートラップに弱いと見られる*3。この時、女ロボットからは「チャージマン研の相談役・バリカン大先生」と事実無根のヨイショをされ、後に罠であることが判明した時には「まぬけなロボット」呼ばわりされていた。
また、第62話「農業コンビナートの危機!」では松本さんの死を弔う際に悔し涙を流していた。

以上のように、ペットロボットとしてはかなり優秀なレベルで感情を表現できるようだ。

なお「おじいさんロボット」などと称される場面があるが、老人めいた振る舞いはしないため、これは単に「古い型のロボット」程度の意味だろう。内面は典型的な昭和の生意気坊主キャラだし。


●その他の特徴

前述の通り、限りなく人間に近い振る舞いを見せるが、それだけでなく食事も人間と同じものを食べるらしい。ボルガ回では映画を見終わってからお菓子*4を沢山食べようとしていたり、キチピアノ回では夜中につまみ食いをしていたりなど、むしろ相当な食いしん坊だと思われる。某猫型ロボットのように食べ物をエネルギーに変換する仕組みが備わっているのだろうか。

飲食もすれば排泄もするらしく、第29話「ファッションモデルを消せ!」では、研と一緒にトイレへ行こうとしていた。

第30話「塔上のキャロンを救え!」ではジェットコースターに乗っていたが目を回していたことから、人間でいう三半規管的な物も持っているらしい。

また、泉一家をさんざん苦しめたあの「キチガイレコード」は唯一バリカンにだけ効かず、それどころか「いい曲」とまで褒めそやしていた。(人間の耳を持たない)ロボットという特徴が強調された数少ない例である。

ジュラル星人は鏡に姿が映らない他、カメラのファインダーにも映らないという特徴があるが、バリカンはロボットでありながらジュラル星人を視認できる。
もっとも、作中ではロボット全般がジュラルを見ることができるため、バリカン特有の設定というわけではなく、ロボットの視覚を司る機能自体がカメラとは異なる機構だと考えられる。
人間の少女「ナオコ」に化けたジュラルが研を襲うエピソード「記憶を無くした少女」では、ナオコと研を見ようとしたキャロンが望遠鏡越しではナオコの姿だけが見られなかった。ここまでは上記の設定通りだが、続いてバリカンが望遠鏡を覗いた際にはなぜかナオコを確認できるという不可解な展開が描かれている。ロボットの目はレンズによるジュラル不可視効果を無視できるのだろうか?
かと思いきや上述の「カメラのファインダーを覗け!」や「研の偽物をやっけろ!」ではカメラや鏡越しのジュラル星人が見えていない。ジュラル目視の可不可が切り替えられるのか?
若しくは設定がガバガバなチャー研だからと無理やり納得するところか…。

●口調

オイラも大好きでゲス!

メインキャラであるにもかかわらず(二度目)、一人称は「僕」「オイラ」「俺様」「アタシ」*5など全く安定しない。

語尾についても、「〜だよ」など普通の口調かと思えば、時折研やパパ達に対して「〜ですよ」と丁寧口調で話したり、ボルガ回に至っては「〜でゲス」と一度限りの語尾を使ったりなどやはり安定しない。

●名言・迷言

  • 「だけど殺し合いだどー*6
  • 「えぇ?良い曲じゃないですか?」
  • 「旅~ゆけば、駿河の~」
  • 「オイラも大好きでゲス!」
  • 「はりゃ〜、ちゃだためあたま!*7
  • 「あたしゃ知りませんよ~」


●作中での扱い

バリカンを語る上で外せないのは、そのあまりにもぞんざいな扱いであろう。



ジュラル星人「研!銃を捨てろ!さもなくばこの出来損ないを!」

先述したように、敵対勢力であるジュラル星人から存在を軽視されがちな程度ならまだしも、この出来損ないロボットは味方であり友達でもあるはずの研やその仲間達からもしばしば強い風当たりを受けることがある。



・第20話「ガールフレンドが出来た



あのロボットさんは?

あいつここで降りたいって言ってたんですよ(笑)

一緒にサイクリングを楽しんでいた先、「ミユキ」と名乗る美少女と知り合う研は、お近づきになりたさに相棒のバリカンを置いてってしまう上に上記のようにいい加減な嘘までついてしまう。
その後もミユキを自宅に招き家族を紹介する研だが、その時にもバリカンだけスルーするなど嫌がらせと言っていい仕打ちぶり。バリカンが不貞腐れるのも無理はない。
これらの扱いの悪さが、結果的にバリカンがミユキの正体を暴く結末に繋がったのだが、この時にも研は謝罪や感謝をするどころか「頼りにならないな」と吐き捨てるなど大層な口を叩いていた。



・第46話「恐怖!白髪老婆の家



バリカンさんは泳げるのかしら?

放り込んでみようか!

サイクリング仲間の「モチ代」こと花子と清からこのようなイジられ方をされてしまっている。(本人達が知らないだけかもしれないが)バリカンが眠り薬で眠らされていた研を起こしたおかげで仲間も救われたというのにこれはあんまりでは…。ちなみにバリカンは浮き輪があれば一応泳げるし、海水にも耐えうるらしい。



・第57話「南極遊園地」


いっけな~い、バリカンの事忘れてたw

「性格」節でも記述したように、自らジュラル星人へ特攻しキャロンを救出するという大健闘を見せた。にもかかわらず、研には極寒の海に落ちてからというものオチまで存在を忘れ去られていた。一応この時はママがフォローしているし研もきちんと謝っているだけ「ガールフレンド…」よりは幾分マシだが。


●オチ要因

他の人物が濃いめのタッチで描かれるのに対し、ギャグアニメによく出てくるようなコミカルキャラのように描かれるバリカン。結果的に笑えるが研のジュラル星人に対する容赦ない性格からしてギスギスしがちな作風を中和するムードメーカー的役割を担っているとも見て取れる。

事件や騒動の収束という締め括りを演出しやすいためかオチ要因に駆り出されることも多く、チャーケニストの間では専ら「バリカンオチ」と呼ばれている。その多くがストーリーの主軸と無関係な尺稼ぎであるためか好印象を持たれていない。オチのほとんどはバリカンが酷い目に遭うというような内容で、主に研の「AHAHAHAHAHAHA☆」という嘲笑をしつこく浴びせられる。


●主な活躍

意味も無く研について行ったり騒動に巻き込まれることから、たまに「バリカンって何のためにいるの?」「うるさいorあざといだけで役に立たない」と一部の視聴者からはその存在意義を問われることもある。確かに前述した通りジュラルに戦いを挑んでも軽くあしらわれるため弱いイメージもあるが、むしろ彼がいなければ研や仲間達の命も危うかったケースもいくつか存在する。

バリカン大先生の名誉のためにも、以下に数々の活躍劇を列挙する。


  • 空洞のボディをマッチの火が消えないよう風除けに活用し、火から光を得た研を無事に変装させた*8
  • 単独でこんなところジュラル星人の基地に潜入し、コントロール室を滅茶苦茶にいじって基地を破壊。処刑寸前の泉家を救う*9
  • 上記の人間を狂わす力のある音楽が効かなかったことで、レコードを叩き割り一家のピンチを救う。ただし、研に指示されてからなかなか割ろうとしなかった点は視聴者から「イライラした」との声も挙がっている*10
  • ジュラル星人がけしかけたロボットの足元へ転がり込み、転倒させる*11
  • 腹立ち紛れに吹いたハーモニカでミユキの正体を暴く。本人曰くこの曲は「バリカン音頭」というらしいが適当に奏でた雑音曲であるためか「もう一度演奏することはできない」と答えている*12*13
  • こんなところ精神病院に潜伏していた研からパパが情報を聞き出せるよう、看守の注意を逸らすために騒いだり歌ったりした*14
  • 中村邸にて、バースデーパーティーの裏で飛行機の図面を盗み出そうとしていたジュラル星人達を一番に発見した*15
  • 研に化けていたK-11号の正体をママよりまともな根拠で見破った。「鏡に映らないぞ!お前は人間じゃない!」*16
  • ジュラル星人に捕まったキャロンを自力で救出した。ジュラルに直接攻撃を喰らわせ人質を解放したという意味では、おそらく作中一の大活躍と言えよう*17
  • 研に猟銃を突きつけたハンターに体当たり、撃退に一役買う*18

このように、冴えない三枚目ながら特技を活かすことでチャージマンの良きパートナーとしても貢献しているのである。


へへっ、ざっと俺様の腕前は〜…ぁイテッ



Y⌒●  ⌒Y⌒●  ⌒Y⌒●

/あ〜〜助けてぇ〜〜〜…\



…こんな風にすぐ調子に乗ってしまう一面もあるが、そこはご愛嬌という事で気にするな!




ζ


冒険王版のバリカン

多少手足が細長く頭でっかちになってるくらいで、キャロン程の様変わりはしてない。また、原作程ぞんざいに扱われることは少ない。
原作同様の体当たりを戦力とする他、第3話では透視能力を活かして敵宇宙人ザイラスの弱点を見破っている。

最終話では魔王が操る円盤ロボットが研の自宅に襲来し、逃げ遅れたキャロンとバリカンは倒壊した自宅の下敷きになってしまう。
しかし、その瓦礫から顔を出したバリカンは、研に対して「自分の下にキャロンが居る」と教える。落ちて来る瓦礫から、身を挺してキャロンを守ったのだ。
その直後、バリカンの首が落ちた。瓦礫の崩落には耐えられなかったらしい。
しかも間髪入れずロボットが攻撃。研はキャロンを連れて逃げるのが精いっぱいで、バリカンは瓦礫ごと踏み潰されてしまった。幸か不幸か、頭部だけはすんでのところでキャロンに回収されていた。
ラストシーンでは、研とパパがバリカンを悼みつつ、これからも世界を守ると決意を固める……ところで終わると思いきや、研が「バリカンも、うるさいけど居ないと寂しいや。早く直そうよ」とさらっと述べるコマで終わる。




●余談

  • バリカンのデザインは、「チャー研」以前にナックが製作したとされるパイロット版アニメ「スーパータロム」のファイターが元になっていると思われる。実際、丸いボディやその中に頭と手足を収納する機能、それを活かした体当たり攻撃の他、コミカルな雰囲気など共通点もかなり多い。
  • 「ジュラルの魔王」の声を演じた佐藤昇氏の証言により、本編では「劇団近代座」名義でクレジットされていた「チャー研」声優陣が次々と判明している中、バリカン役の声優は現在のところ明らかになっていない(キャロン役も同様)。劇団近代座設立者の根本嘉也氏が演じていたのではないかという説もある。また、バリカン役の声優はバリカンの甲高い声とは裏腹に吉坂博士なども演じていたと推測されている。
    • 一方で佐藤氏はバリカン役は劇団近代座の人間ではないとしている*19
  • LIVEミュージカル演劇「チャージマン研!」では、阿部快征氏がバリカンを演じた。見た目は顔出しの着ぐるみに近い造形。ただし、第二弾では氏が毎回出演できなかった都合上、「新型」と称し丸まったバリカン風にあしらわれたバランスボールが舞台中を跳ね回っていた。しかし、ある回で阿部氏が出演した際にはなぜかボールのバリカンと共演する形になり、バリカンが実質2人いる状態になってしまった。そもそも研が4人もいる時点でそんなツッコミは通用しないが。





ねぇ研坊、一度僕に追記・修正させてよ〜

ダメだよぉ、簡単そうで意外とむずかしいんだから

たのむ。たのむよ研坊〜、この通りだよ〜

ダメダメ!

チェッ、いいよ。ジュラル星人の項目荒らしたこと、今すぐみんなに知らせちゃうから

あ、待った待った!チェッ、少しだけだぞ?


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最終更新:2024年04月13日 22:18

*1 特に深い意味がない辺り単なるスタッフの描き忘れだろう。

*2 24話以降。

*3 第24話「ロボットクラブへの招待状」。

*4 中には「クロレラキャラメル」という謎めいた代物も。

*5 第61話「バリカンの旧友が尋ねてきた」のみ。

*6 「これは試合だぞー」の空耳。

*7 何を言っているのかについては諸説あるが「あ、だ、ダメ、頭!」が最も有力とされている。

*8 第2話「危機一髪!!」より。

*9 第10話バリカン大暴れ!」より。

*10 第16話「殺人レコード 恐怖のメロディ」より。

*11 第17話「研の秘密を探れ!」より。

*12 この時のバリカンは誇らしげな顔をしており、直前まで研に蔑ろにされていた過程を踏まえるとその仕返しに忘れた振りをしたとも考えられる。

*13 第20話「ガールフレンドが出来た」より。

*14 第23話「恐怖!精神病院」より。

*15 第41話「シンデレラの少女」より。

*16 第44話「研の偽物をやっけろ!」より。

*17 第57話「南極遊園地」より。

*18 第59話「恐怖の森」より。

*19 この説が正しいとすると、根本嘉也氏ではないということになるのでやはり真偽不明である。