ミア・テイラー

登録日:2022/12/06 Tue 01:29:58
更新日:2024/03/18 Mon 17:39:24
所要時間:You can read this in about 38 minutes.



鳴り物入りのNew Yorker
Platinum heartのMia Taylor!
研ぎ澄まされたDNA
やるしかないね Let's sing out!!!
画像出典:ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS,ブシロード/サンライズ/マイネットゲームス, 2019年9月26日配信開始


ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の登場人物。
二学期より虹ヶ咲学園に編入しており、物語への登場は中盤以降になる。


プロフィール

CV 内田秀
誕生日 12/6
身長 156cm
3サイズ B80/W55/H80
血液型 AB型
星座 射手座
イメージカラー プラチナシルバー
トレードマーク シルクハットとうさぎの横顔
肩書き Sing
所属ユニット R3BIRTH

人物像

生まれも育ちもアメリカな生粋のニューヨーカー。ボクっ娘。母国のことは「ステイツ(States)」と呼ぶ。
世界に名を轟かせる音楽一家テイラー・ファミリーの次女で、彼女も作曲家として数々のヒット曲を連発する天才少女である。
髪型はショートボブ。やや黄緑がかった銀髪を右目に垂らしてメカクレ気味にしており、アニメ版ではほぼ完全に右目が隠れている。瞳は紫色。
制服は上着を羽織らずブラウスの上に白と紺のスタジャンを着る。これが冬服で、夏服は設定されてこそいるが2学期からの登場なため本編には登場しない。

虹ヶ咲へは3年生として編入しているが、その年齢は14歳ラブライブ!シリーズの主役グループメンバーとしてはぶっちぎり最年少の飛び級生で、そのうえ母国では大学生であり本来であればわざわざ日本の高校へ行く必要のなかった身の上である。
しかし、虹ヶ咲のスクールアイドルフェスティバルに強く感銘を受けたランジュがそのキャリアに目を付け、自分もスクールアイドルを始めるべく来日するにあたってミアを巻き込む形で連れ出したのだった。
その他にもランジュはステージ演出、振付、音響…様々な分野における「トップクラスのプロ」を引き連れて「スクールアイドル部」を設立したが、その中でも彼女については「とっておきの秘密」「うちのエース」と特別の信頼を寄せている。

一方のミアも渡日自体は不本意ではあったもののランジュの歌声には大きな可能性を感じており、「自身の名を世界に轟かせる手段」としてランジュに協力しているギブアンドテイクの関係と言える。
その経緯上ミア本人は当初スクールアイドルへの興味も特になく、スクスタ版では既にプロとして実績を積んでいることもあり「アマチュアの、しかもローカルな文化」と下にすら見ていた。
部での活動についても当初はうんざりした気持ちで関わっていたと語っており、後に彼女はその姿勢を後悔している。

性格はドライかつビジネスライクなもので、年齢相応の小柄な見た目からは想像がつかないほど達観している。
それも既に一流のクリエイターとしてエンタメ界の荒波に揉まれ続けているがため。
しかし年相応の部分もあり、ムキになりやすいきらいもある。
特に年齢で下に見られることを嫌い、何かと「ボクはステイツでは大学生なんだぞ!」と経歴でマウントを取りたがるのもその一端だろう。

音楽に関する才能は自他共に認める超一級品だが、それ以外の部分……特に生活能力に関しては壊滅的で、特に目立つのは寝起きの悪さと自炊能力の無さ。
しかし寮生とはいえ母国を遠く離れて一人暮らししている自負からか、自分では生活能力はある方だと思っている様子。
いずれも原因はハッキリしており、前者は徹夜常習犯であり一晩中作曲作業に耽っていることもままあることから単純に生活リズムが不規則なことが原因と見られ、後者はそもそも良家の生まれ故必要がなかったことから来る単純な経験不足。
いずれにせよ同好会へ合流後は同様に生活能力皆無な寮生である果林・ランジュともどもエマの介護対象となっている。
そんな一方で自室は殺風景と言えるほど私物が少なく、部屋にあるのは床に直置きしたノートPCと壁に掛けた額入りの球団ユニフォーム程度。
部の音楽ブースに篭っていることも多いため、実質的に自室が2つあるようなものとも言える。
アニメ版ではスクスタよりはいくらか家具が増えており、PCもデスクの上に置かれている他(部の所属ではなくなったため)一通りの作曲設備も自室に備わっている。

物語に登場する直前までずっとNYにいたこともあり、特に価値観はアメリカのそれに強く影響されている。
その一端として、彼女の「idol」という言葉には日本のアイドルに相当する「歌って踊る人」としてだけではなく、英単語としての意味がもつ「崇拝を集める存在」としての意味が込められており、彼女の関わる曲ではこちらの意味で「idol」の言葉が出ることもある。

好物はホットドッグとハンバーガー。特にハンバーガーについては近くに珍しい店があると聞くと行かずにはいられない程で、お出かけに乗り気でない時でもハンバーガーの情報を出せば1発で釣れてしまうほど。チョロい
彼女にとって日本のハンバーガーは味は悪くないのだが、ボリュームがイマイチなのが玉に瑕のようだ。
また大の野球ファンでもあり、暇があれば母国の試合をテレビ観戦している。
普段はクールに振る舞う彼女だが、野球が関わると人が変わったかのようにアツい一面を見せる。

総じて人物像、特に趣味嗜好面ではかなりステレオタイプなアメリカ人像が反映されたキャラクターと言える。
外国人キャラのお約束である「母国語混じりの喋り方」も完備しており、同じく海外出身のエマ以上に母国語である英語がよく飛び出すが、日本語に英語が混じるというよりはそれぞれで使い分けている。
また日本のことわざもある程度知っているらしく、渡日したばかりという点を踏まえると破格と言っていいほど日本での暮らしに順応している。

作曲スタイルはDAWを使っての作業が中心で、ピアノなどアナログな手段での曲づくりが基本だったこれまでの作曲担当とは大きく異なる作曲風景。
また方針として世界中の流行をかき集め、分析して、より「バズる」曲を生み出すことを第一としており、そのためトレンドの研究にも多くの時間を割いている。
しかし「ただトレンドをなぞるだけの作曲」かと言えばそれはノーで、彼女に言わせれば「ボクの元に来る情報なんてジャンクなものばっか」
それでもデータを漁り続けるのは、その大量のジャンクの中から「本当に使えるもの=売れる曲に繋がるインスピレーション」を見出し作曲に反映させる為。
その作業を、ミアはIt's like looking for a needle in a haystack(干し草の山から縫い針を探すようなもの)*1」と評し、その針を探すために、少しでも多くの情報を集めるのだと語る。
その「売れる曲を作る」事に特化した作曲スタイルと共に非常識なまでの速筆が彼女最大の特徴で、一晩で5曲、一日で50曲書き上げることすらあるほど。
ゆえに彼女の仕事は「誰にでもできる真似ではない」と自他共に認めるところであり、またそれを実現させる自身の才能にも誇りを持っており、そんな自らへの賞賛にも「トーゼンだね」と自信満々に答える。

その一方「あなた」が重きを置く「歌い手自身が歌いたい曲」という点についてはあまり重視しておらず、「部」全体の方針としても「歌い手が曲に合わせる」傾向にある点で同好会とは正反対と言えた。
一応シンガーの特性に合った曲を選んではいるが、それも「既に用意した複数の曲の中から、それぞれの特色を1番に引き出せるシンガーを選ぶ」といった形であり、あくまでも曲ありきの作曲である。
これは「自分達が楽しいかどうか」を重視する同好会と「具体的な成果」を重視する部、すなわちアマチュアとプロとで求められるものの違いが如実に出ていると言え、そうした"住む世界の違い"もあってかミアは当初「あなた」の作曲スタイルを非効率と捉え、理解に苦しんでいた。

傷だらけの天才


活躍

スクスタ

2nd seasonより登場。
上記の通りランジュに連れられる形で、同好会とは別に彼女が新設した「スクールアイドル部」の一員として初登場する。
「部」では主に裏方として、メンバーの歌う楽曲を一手に引き受けている。

留学から帰還した「あなた」が分裂した同好会に対し「どちらで活動するのが自分に合っているか考えてほしい」というアドバイスを送った結果、「両者の違いを自分の目で確かめたい」としずくが部に移籍してくる。
ミアも彼女を「まだまだ」と評しながらも興味を持ち作曲の現場やスタイルなどを見せながら彼女に合う曲、相応しいステージを見出していく。
……しかし、彼女のやり方は同好会で「あなた」の作曲を見てきたしずくには違和感を覚えるものだった。
クオリティでは同好会を圧倒しているはずなのに、どうしても同好会のパフォーマンスが頭をよぎる。
部への移籍前から抱いていたその違和感……かすみと自分との違い。その正体を、やがてしずくは悟る。

迷いを振り払ったしずくの出した答え、同好会のゲリラライブにサプライズ出演して披露した彼女のデビュー曲『あなたの理想のヒロイン』。
ステージも即席でお粗末、曲の完成度もまるで比べ物にならない、観客の数も目に見えて違うはずのライブ。
それまでのミアなら迷いなく「お遊び」と切り捨てるはずのそのステージが、しかしどうしても目に焼き付いて拭えなかった。
そうして「部」からしずくを手放してしまった事をきっかけに、ミアは徐々にスランプに陥っていくことになる…。

気づいて、小さな声

しずくのステージを観て以降、ミアはそれまでの速筆ぶりが嘘のようにさっぱり曲が書けなくなっていた。
それどころか、ミアの姿すらもまるで見かけない。部のメンバーも急変したミアの様子を各々に心配する。ただ一人、「彼女がスランプなんて有り得ない」と信じて疑わないランジュを除いて…。

同好会の…「あなた」の作った曲は、ミアにとっては取るに足らないもの。クオリティの差は歴然。
それなのにどうしても同好会のライブが脳裏にちらついて「いつも通りの曲作り」ができないことと、そしてテイラー家としてのプライドとで板挟みにされ徐々に追い詰められ、行き倒れかけるまでになってしまう。
ネットにも「同好会の方が楽しい」と書き込まれてしまい、彼女らを「ローカル文化の学生のお遊び」と見下していたミアはすぐにでも人々を見返してやる、と曲作りに励むのだが……やはり一向にメロディが浮かばない。
完全に泥沼に嵌ってしまい、理解の範疇を超えた状況と感情に苛まれたミアは部や寮から姿を消し、誰もいない講堂で一人膝を抱えてしまった。

「…見つけた」
そんな彼女を探し出したのは、璃奈だった。
愛から行方不明の知らせを受けた同好会メンバーの中でも、特にミアにシンパシーを感じていた彼女がいち早く見つけ出したのだった。

「曲がかけないボクをなんで心配するんだ。
曲が作れないミア・テイラーにそんな価値ないでしょ」

「……心配するのに、価値はいらないと思う。
いなくなったら、心配。それだけ」

作曲だけが自分を支える唯一のアイデンティティとも言えたミアは、その柱が折れてしまったことで自暴自棄になりかけていたのだ。
そんな彼女に、ただ寄り添うことを選んだ璃奈に、ミアはその胸の内を明かす。

曲が突然作れなくなった。
それまでは呼吸をするように出来ていたのに、しずくのステージを見てから全てがおかしくなった。
いつだって最高の曲を生み出せなきゃ、居場所なんてないのに。

「璃奈にはわからないよ。音楽に愛されてると言われてるテイラー家への世間の期待、その一員であることの重み……」
「音楽なんて枷でしかない。大っ嫌いだ」

しかし、璃奈はそんなミアの気持ちを受け止めつつも、「嫌いじゃ、あんなすごい曲作れないよ」と諭す。

「ミアさん、音楽は好きなのに、楽しいと思えてないだけだと思う。
楽しむことができたら、きっと……」

「楽しむ……?そんなの無理だ。
ボクは、そんな悠長な気持ちで音楽に関わっていたことを、心底後悔したんだから」

そうして彼女は、その過去を明かした。
自分もかつては歌が大好きだったこと。
あまりに早く、重すぎた挫折。
歌を楽しむだけでは駄目なのだと悟ったこと。
ステージに立てなくなってしまった自分が音楽一家に居続けるために、作曲の道を選んだこと。

「ま、この道も悪くない。ボクの曲で世界中が湧くんだから。
テイラー家の面目も保たれる」

しかし、その道も絶たれた。
作曲家ですらいられなくなった自分は、とうとう誰からも必要とされなくなってしまうのだ。

「私……私に必要!」

……そうではなかった。
少なくとも、璃奈は「天才作曲家ミア・テイラー」「テイラー家のミア」としてだけの彼女ではない、いま虹ヶ咲学園にいる、等身大のミアをこそ見ていたのだ。

「私、ミアさんの作る曲に興味がある。
あと、ハンバーガーとゲームが好き。
共通点が二つもあるから、お友達になろう」

ありのままの姿を晒してくれたミアに、璃奈が心の中で抱いていた、彼女の曲に対する気持ちへの答えを見出す。

「ミアさんの曲、すごくいろんな音が重なってるよね」
「それこそ、ヘッドフォンしたってわからなくて、専用のツールで見なきゃ気づかないような音まで」

「でも、聞こえないからって、その音がなかったら、私が大好きなミアさんの曲じゃなくなる」
「それと同じ。ミアさんが溜め込んでる気持ちがなかったら、それもミアさんじゃない」
「聞こえない音も、閉じ込めてしまった気持ちも、なきゃダメなの。それがないと、ミアさんの曲じゃない。
ミアさんじゃない!」
「あのね、これって、私たちの部長の作る曲と似てる」

同好会で作る曲は、それを歌うメンバーそれぞれの気持ちを、「心の声」をいっぱいに詰め込んで作る。
同じこと。いくらデータを集めて、売れる曲を分析して作っていても、それを作ったのがミアなら、そこにはミアの心の声が宿るのだ。
だから、ミアの曲はミアにしか出せない魅力を放つのだ。
天才だから、分析してるからとかではない。その曲はミアの辿った道のりの果てにあるのだから。

彼女の曲に、その曲ではなくミアそのものを見ていてくれた人がいる。そこに価値を見出してくれる人がいる。
ようやく、ミアは押し込めていた気持ちを全て吐き出すことができたのだった。



それからしばらく。
璃奈の紹介で同好会のミーティングに顔を出したミアは、部とは全く違う空気に新鮮さを感じていた。
次はオンラインライブにしてはどうか、と提案した璃奈は、そこでミアも歌ってはどうかと誘いかける。
そもそも同好会の人間ではない上にトラウマもあって「人前では歌わない」と決めているミアは慌てて拒否するが、
「ミアさんの心の声が詰まった曲は、ミアさんが歌わなきゃ」
という彼女の言葉を受けて決意を固めた。

監視委員の妨害を撒く意図もあって、メンバー全員が学園内の各地に散らばって披露したオンラインライブ。
その中で出番を待つミアは、また家の名前に泥を塗ってしまうのではと緊張してしまう。
しかし、璃奈が傍にいてくれることで、いつも通りの調子を取り戻せた。そして……

「Hi. I'm Mia Taylor」
「今日は、特別に同好会のライブに出してもらったよ」
「璃奈っていう、最高におせっかいで最高にクールな友達のおかげで、ここに立ててる」
「ボク、今まで自分の曲は歌ったことがないんだ。
でも、ボクの曲を一番うまく歌えるのはボクだって、今日は証明したい」

「それじゃあ、聞いて。
『I'm Still…』」

ランジュの想い

何度独りになってしまっても、栞子だけはずっと傍にいてくれた。
彼女なりの「同好会のみんなと仲良くなる方法」が上手くいかないことに加え、とうとう栞子にまで拒絶されてしまった(と思った)ことで遂に心が折れてしまったランジュは、部を畳み学園を去ることを決意してしまう。

ミアは彼女の誘いでわざわざNYからやって来ていたことに加え、部の中でやりたい事も芽生えていたためにその解散宣言には到底納得出来なかった。
それだけではなく、ミアはランジュに感謝してもいた。
それまで知らなかったスクールアイドルの世界を知り、またずっと抱えてきた重圧から解き放たれることができたのも、全ては彼女がミアを虹ヶ咲に連れてきてくれたから。

ランジュが「最後の姿」をファンの目に焼き付けるべく魅せたライブ、その「叫び」は同好会やミアにもはっきりと聞こえていた。
良くも悪くも一度こうと決めたらテコでも動かないのがランジュという人間である。
そんな彼女を引き留めるにはどうすればいいか考えたミアは、ランジュのその叫びに応えられるものを作ろうと思い至る。
彼女がDiverDivaを結成した愛と果林の姿を褒めていたことを思い出し、「ユニットの中で競い合い、高め合うような曲」を作ることを閃く。

また、ミアの心には後悔もあった。
部に参加した当初の彼女はスクールアイドルという文化が全く理解できず、「つまらないローカルな文化に付き合わされてる」とうんざりしていた。
しかしその彼女自身がスクールアイドルに救われたこともあり、「最初から、もっと真剣にやればよかった」と感じていたのだ。
「ボクは始まりを無駄にした。だから、もう一度ちゃんと始めたい」
そう考えたミアは、これから作る新曲はランジュ・栞子・ミア……スクールアイドル部初期メンバーであるこの3人で歌う曲にすると決める。

ランジュの心に響く曲にするべく、「あなた」のやり方を取り入れランジュを知る栞子や愛、果林、しずく達からアイデアを聞き出しながら曲を作り上げる。
そうしてできた「挑戦状」をランジュに送るも、反応がない。それどころか、彼女の帰国予定日がなんと前倒しされてしまう。

メンバー全員が空港へ急いでいたその頃、問題の彼女は既に機内にいた。
あいにくの天候で中々飛行機が出発しないことに苛立ちながらも、「全てをここに置いていく為」としてミアから送られてきた曲を、ここで聴いてから行くことにする。

「……………………っ」

「もう1回……もう1回よ……」

「……っ……なによ……なんなのよのの曲は……
ランジュにこんなものを聴かせてどうしたいの」

「ひどいわ、こんな曲聞かせるなんて……
ランジュがずっと欲しかった世界じゃない……」

「この曲、歌いたいわ。ランジュも歌いたい」

その反応は、まさにミアやかすみ達が予想していた通りだった。

「戻っても、いいのかな……」

大急ぎで空港までやって来た同好会や部のメンバー達。
しかし、出発の時刻には間に合わなかった。
「ボクはこんなの認めない。
このままランジュの思い通りにさせてたまるもんか!」

仲間達と共に、こうなれば香港までだって追いかけると意気込んでいたところに……

「え……あなたたち、どうしたの?」

ランジュが、ぽかんとした表情で立っていた。
心配していたこと、ずっと会いたかったこと、最後のライブで受け取った想い。
ミアも、皆も口々に話した。
みんなが自分のことを想ってくれている。
ランジュが夢見ていた世界は、ランジュが諦めかけていたすんでのところで完成していたのだった。

そうして、学園に戻ってきたランジュは、ミアの挑戦に受けて立った。
すっかりいつもの調子を取り戻したランジュにミアは呆れながらも、彼女の思い描いた通り3人でライブを披露する。
その曲は、『MONSTER GIRLS』
ユニットの名前は、R3BIRTH。

TVアニメ

心の奥にある答えは、本当にそれでいいの?
見たことのない世界を、見てみたい

2ndシーズンより登場。
こちらでもランジュと共に来日しているが、ランジュは当初単独のスクールアイドルとして活動することを選んだため彼女の専属スタッフのような立ち位置になっている。

ランジュのライブを初披露した後に音楽科に編入し、しばらくして音楽科に転科した侑のいる補習クラスにもやって来る。
しかし元々超一流の作曲家である上にハイスクールはとうに卒業しているミアにとって講義は今更受けるようなものでもないようで、小テストも堂々と遅刻した上で筆記用具すら持たずに現れる有様で、しかし誰よりも早く答案を置いて試験終了も待たずに去っていくなど余裕を見せていた。

スクールアイドルに対してさほど興味を持っていないのは相変わらずだが、スクスタ版より早い段階で一定の理解を示しており彼女なりにその在り方にはリスペクトを示している。
そのために侑が作曲に行き詰まった際には彼女なりにアドバイスを送ったこともあり、その流れで(半ば巻き込まれ気味に)TOKIMEKI Runnersのアレンジ作業にも携わる。

また猫好きな側面が強調されており、はんぺんの存在を知ると猫用のおもちゃを持って探しに出たりしている。
しかし当のはんぺん本人にはあまり懐かれていないようで、璃奈や愛が近づくとそちらに行ってしまうようだ…。
一方で犬は苦手らしく、しずくの飼っているオフィーリアを前に警戒するような描写も。

そんな彼女のメイン回は、第9話『The sky I can't reach』。
QU4RTZに始まる同好会内でのユニット結成や、大成功を収めた第2回SIFのフィナーレを見届けたランジュは、前々から感じていた自分ひとりでは敵わない領域に彼女らが届いてしまった感覚を確信。拝拝(バイバイ)と一言だけ残し、学園を去る決断をしてしまう。

「ランジュは歌わなきゃいけないんだ、ボクのために…」
ミアは直接ランジュを問い詰めるが、答えは変わらない。
しかし自分の曲をより世界に響かせるためには、ここでランジュに辞めてもらっては困る。そう考えるミアは彼女を見返すべく「ランジュのための最高の曲」を作って聴かせる。ランジュはそのクオリティを認めたが……返答は変わらなかった。「これはアタシの曲じゃない」

「Why…!? What's she wants!?」
間違いなく渾身の一作だったのに、届かなかった。
屋上で独り愚痴る彼女を、璃奈が心配して様子を見にきた。しかしたった今起きた事態で頭がいっぱいのミアは、その手を「うざいな…!!」と振り払ってしまう。
…それでも、璃奈はその手を取って、再び彼女に歩み寄った。
「…手、痛くない?赤くなってる」
「……ごめん。アツくなっちゃって」
「そういう時もある。そういう時は……」

璃奈はミアを潮風公園に誘い、買ってきたハンバーガーを2人で食べることにした。
ミアはしばらく作曲に夢中で、久々の食事だったという。
「…あの曲に、全部、賭けていたんだ。
ランジュが歌えば、ボクの曲をより多くの人に届けられる。
あいつがパートナーなら、やっと結果が残せるって、思ってたのに…」

「どうして、そんなに結果が欲しいの?」

「ミアちゃん、とても苦しそう。苦しんでまで、結果が必要?」
「必要だよ!ボクはミア・テイラーなんだから。音楽で認められなきゃ、ボクに価値はない」
彼女にはもう、曲を作ることしか残ってない。
音楽一家テイラー家の娘として、せめてそれくらいは果たさないといけないんだ。そう語るミアは、璃奈にその出自と過去を打ち明けた。

幼き日、最初で最後のステージ。
音楽一家の娘というその生まれが、テイラー家がいかに大きな存在か、その日思い知らされた。
客席を、そこに詰め寄せた人々の期待の視線を見た瞬間、前に進めなくなってしまった。

「歌えないテイラー家の娘に、価値なんてない。だからせめて、自分にできることでこの世界に居場所を作ろうとしたんだ」
「ランジュを利用してまで、ようやく手が届くと思ったのに…」

「でも…ミアちゃんは今、ここにいるよね」
「ここは、ミアちゃんの居場所にならない?」

「…私、ミアちゃんの歌、聴きたい。
ミア・テイラーじゃなくて、『ミアちゃんの歌』が聴きたい」

テイラー家がどうとかではなく、ミア自身の「歌が好きな気持ち」を、なかったことにしないで欲しい。
そう言って、璃奈はミアに手を伸ばす。
「ミアちゃんにもっと、楽しんでほしい。ここなら、きっとミアちゃんが望むものを叶えられる」
「ボクが望むもの……
…歌いたい。歌いたいんだ!」

「うん。夢を叶えるのが、スクールアイドル、だよ」

その言葉で、一つの決心がついたミア。
「ここが…ボクの辿り着きたかった場所なのかな」そう言って空に手を伸ばした時……ランジュの言葉が脳裏をよぎった。

「いくら手を伸ばしても、やっぱりあそこには届かないって。思い知らされちゃったわ」

きっと、あの時のランジュは自分と同じ気持ちだったのだろう。
だが、今の自分は違った。
ミアは、ランジュのために作ったあの曲を作り直すことを決める。
そうして、同好会メンバー達の協力を得ながら曲を完成させ……ランジュの帰国にかろうじて間に合わせた。
ミアの頼みを受けた同好会が空港の展望デッキで飛行機を待っていたランジュを呼び止めるが、彼女は「どんな曲を持ってきても、答えはノーよ」と取り合おうとしない。

そこに、追いついてきたミアが問いかける。
「ショウ・ランジュが、それでいいのか?」
「ボクは、ずっと思ってたよ。ショウ・ランジュほどパーフェクトなヤツはいないって。
歌もパフォーマンスもプライドも努力も、嫌味なくらい全部!
そんなヤツが、本当の夢には手も伸ばさず諦めて帰ろうとするなんて、らしくないだろ!」

「これはキミの曲じゃない。
ボクもずっと、手を伸ばせずにいた夢があった。
でも、諦めるのはもうおしまいにする…キミと違ってね」

自信を持てずに目を逸らしていた夢に、もう一度立ち向かう勇気をくれた同好会…スクールアイドル達を振り返りながら。
それは、やりたい気持ちさえあれば叶う世界なのだと、璃奈達が教えてくれた。

だから、ボクの手もきっと届く!
ボクは、夢を掴むよ!

人間関係

時期によって所属する組織が違い、同好会合流後に絡みが出来たキャラクターもいる。
そのため、便宜上スクスタにおける登場時点での組織で分けての紹介とする。

年齢こそ同好会はおろかスクスタに登場する全メンバー含めても最年少だが、経歴上は誰よりも先輩という奇妙なポジションにいる。
そのため彼女が他人を呼ぶ際には基本的に全員呼び捨て&常時タメ口、どころか2年生以下の人物には逆に敬語を使うよう求めている。
しかし精神面で幼さが目立つこともあってか周囲から先輩扱いされることはまずなく、実際にほぼ全員からちゃん付けor呼び捨てで呼ばれている。
1年生からも妹のような扱いをされることすらあるほど。当然本人は不服。

孤高な一匹狼を気取る傾向があり、基本的に物事に積極的に関わろうとしない皮肉屋かつ面倒くさがりな節が目立つ。ただし璃奈が関わる時だけは例外
一方で素直で明るい一面もあり、案外わかりやすい側面をからかわれることもしばしば。

元「部」メンバー

  • 鐘嵐珠
ある意味でミアをスクールアイドルの道に引き込んだ張本人。
初登場時より基本的に一緒に行動しており周囲からも友達同士と見られることもあるが、上述の通りあくまでもビジネスライクな関係でありそもそも渡日直前に彼女からオファーを受けたのが初対面という有様なので当初は友達という感覚はまず持っていなかった。
しかし(自身を売り込む為とはいえ)ミアにとって欠かせない存在であることには変わりなく、また上記の通り結果的にではあるが彼女に振り回されたことが間接的にミアの心を救うことにも繋がったため、「そのお礼が言えてない」としてランジュの帰国騒動に最も焦りを見せていたのもミアである。

やはりというか、公式にも「タイフーン」と形容されるようなその傍若無人の振る舞いはミアにも及んでおり、一切の悪意なく他人を振り回すその様には辟易させられることも。
歩夢の項にて述べる通り、ミアから見た彼女は完全に奇人扱いである。
しかし部の解散騒動に際してランジュの本心を栞子を通して知った時には、みんなと友達になりたいが為に全力でぶつかろうとしていたそのやり方を「ランジュらしい」と好意的に評していた。
またそのパフォーマンスはもちろん、それを支える揺らぐことのない自信や迷いのなさといったところには、悔しさを覚える程に高く評価している。
後に「迷惑なやつだって思っても、ランジュから離れられなかった」と、彼女もまたミアにとっての「アイドル」になっていたのだと述懐している。

ランジュもただ知名度だけでミアを連れてきた訳では決してなく、彼女の作った曲であっても感性に響かなければ容赦なく没にすることもある。
それだけ彼女にかける期待や信頼も大きいということでもあり、ミアが作曲に集中しているところを邪魔したくない、と彼女のプライベートにはなるべく干渉しないようにしていた。
一方のミアもランジュのパフォーマンスには全幅の信頼を置いており、彼女の決めた方針には基本的に口出しをしない。
その彼女らなりの配慮が双方とも悪い方向に向かってしまったことは笑えない偶然だったのだが……。

  • 三船栞子
ともにランジュの破天荒さに振り回される身として、ランジュの幼馴染みであることを皮肉混じりに同情したことも*2
一方でランジュを最もよく知る人物でもあるため、特にランジュに向けた曲として制作した『MONSTER GIRLS』作曲にあたっては真っ先に彼女にアドバイスを求めてもいる。

2人とも名家で育ったお嬢様ではあるが少なくとも彼女よりは一般常識を備えているようで、栞子がかすみの嘘にあっさり騙される様子には冷静にツッコミを入れている。
まあ文化の壁があるとはいえミアも大概なところも割とあるのだが

同好会から部へ移ったメンバー。
特に同好会に戻ってからは、彼女から「ミアチ」のあだ名で呼ばれている。
「部」の頃はミアからの言及こそ特になかったものの、ソロパートを任せる程には信頼を置いていた様子。

ミアを仲間として大切に思う気持ちは部の中でも抜きん出ていると言え、年不相応に大人びているとはいえ中学生相当の年齢ということからも彼女の「脆さ」を誰よりも心配していた。そのため、ミアが行方不明になり、捜索しようにも部から出せる人手が足りないと悟るや否やすぐ同好会へ助力を頼みに行っている。

ご存知の通り彼女も璃奈と特に仲のいい人物…というより物語開始以前から一緒にいた仲であるため、遊ぶ約束を先に取られてしまうこともあるようで嫉妬心を顕にすることも。
……しかし愛のコミュ力と璃奈の目線にあっさり流され、結局3人で遊びに行くことになるのだった。

こちらも愛同様に部の立ち上げとほぼ時を同じくして移籍してきたメンバー。
二人ともランジュの勧誘には納得いかないところはあったものの、しかし「より高いレベルでお互いを磨き合う」という方針には興味を持ったことからまずは体験入部として部を知ろうとしたのだった。

こちらは特にアニメで交流が掘り下げられている。
同好会加入後の横浜レクリエーションではよりによって方向音痴の彼女に道案内を頼んでしまい、何故かハマスタに着いていた。
また定期試験の際には逆に彼女から頼られており、色々とテスト対策を教えていたようだがそれでも赤点回避が精一杯という有様には流石に呆れていた…。

スクスタにて一時的ながら部で過ごし、そこでのミアとの交流が描かれたことから便宜上こちらに記載。
元々演劇部としても鍛えていたその声にはミアも興味を持っていたようで、彼女の入部を聞いたミアは率先して挨拶に行っている。

当初の評価こそ「最低ラインは超えてるかな」とやや辛辣なものだったが、部の環境の元猛特訓を経て成長、ライブでも持ち曲を任せられるまでになり、本人が直接褒めることこそないものの相応の評価を得ていることがうかがえる。
しかし、「バズらない曲はいらない」とストイックなまでに楽曲のスクラップ&ビルドを繰り返すミアの作曲……「あなた」とは全く違う作曲のスタンスには思うところがあり、その「正しいやり方のはずなのに、どうしようもなく違和感が拭えない」という葛藤と、かすみの見せたステージに感じた「言葉で表現できない『違い』」が彼女を迷わせてゆくことになる…。

同好会メンバー

  • 「あなた」
対立相手の同じ作曲担当ということで、当初はライバル筆頭といったポジションにあった人物。
テイラー家の名声はもちろん彼女の耳にも届いており、その名前を聞いた時には「あのテイラー家の!?」という反応だった。

その作曲センスには彼女も衝撃を受けており、初対面の後には「私じゃ、ミアちゃんのような作曲は、100年かけたって無理」と言わしめ自信を失わせかけた程。
単純な作曲の腕では勝負になっていないことはお互い認めるところであり、ミアも「あなた」の曲を「学生が作ったにしてはまあまあだけど、所詮素人。技術もなにもあったもんじゃない。比べられるのも心外だ」と評している。
ミアが彼女を「ベイビーちゃん」と呼ぶのは当初そうした揶揄も込めてのものだった。
しかしスランプや璃奈との対話を経て根っこに同じものがあるとわかったからか、『I'm Still…』披露後は「あなた」の作曲スタイルを「すごく変わってる」「そんな風に作りあげる作曲家、ボクの周りにはいなかった」と評しつつも理解を示すようになり、栞子の『翠いカナリア』制作を任せた際には自分とは何もかも違う作曲風景に興味津々だった。

その後、同好会へ加入し同じ時間を過ごす中で徐々にお互いを知っていくことになり、ミアとは真逆といえる「あなた」の作曲スタイルにも理解を示していく。そうして生まれたのが『MONSTER GIRLS』や『Toy Doll』である。

また、彼女の語る英語圏由来の「アイドル」像は、同好会で活動していく中で自分の道を探していた「あなた」にヒントをもたらすことになる。

こちらでも「ベイビーちゃん」呼びは変わっていないが、やや丸い性格になったこともあってランジュの聴いていた同好会の曲を「いい曲じゃん」と素直に褒めている。

2人は違う学年ながら侑の転科とミアの転入がほぼ同時期だったため同じ補習クラスに入れられており、そのためランジュを除けば同好会でいち早く交流を持つことになった。
そのため課題や作曲についてアドバイスを求められる風景も序盤から見られ、「あなた」と比べて仲を深めるタイミングがかなり早くなっている。

  • 天王寺璃奈
部のライブを研究しているうち、その曲…ミアの作った曲に「何か」を感じ取る。
璃奈の目にミアはどこか似たもの同士のように映ったようで、愛からミア失踪の知らせを受けるや真っ先に捜索への協力を決め、独自に行動を始める。

ミアの抱える苦悩を正面から受け止め、また前に進む力をくれた彼女は恩人とすら呼べる存在であり、現在では公認カップル一番の親友と呼べる仲にまでなっている。
普段は何かとツンとした態度を取りがちな彼女だが璃奈にだけは心を許すその様はまさしく理想の飼い主を前にした猫のよう。
他の人物に頼まれても全くやる気を出さなかったことでも、璃奈の口から同じ事を言うと一発でやる気を出すことも多々。
「……ホントりな子の言う事だけは聞くんだから…」

璃奈もそんな彼女に何かと気を回しており、故郷の味を少しでも再現できたらとハンバーガー作りに挑戦したことも。
料理は苦手ながら最新の専用家電を駆使して作るという璃奈らしい方法ではあったが、ハンバーガーの味には特にうるさいミアをして「コレが一番だ!」と言わしめる出来栄えで無事満足させている。ファストフードの作り方としてはむしろそれで合ってたことも要因か

「……前から思ってたけど」
「歩夢って意外と変だよね」

「変!?(ガーン)」
主に同好会メンバーになってから交流の増えた人物。
メンバー中最年少でしかも日本に来たばかり、スクールアイドルの道も歩み始めたばかりという点が彼女のお世話心をくすぐるらしく、『にじよん』にて色々とお世話を焼こうとした結果上記のセリフを返されショックを受ける。

…しかしこのセリフは歩夢が、というよりは同好会全体が、という意味合いも強い。
ソロアイドルゆえ部員はライバル同士の関係であるのだが何かとお互いに助けあってもいるという「仲間でライバル」な関係性はNYでは考えられなかったと振り返っての発言でもあった。
歩夢もまた、様々な側面が入り交じっている複雑な関係性を「私たちって、なんだか贅沢な関係だよね」と捉えている。

……なお、その後栞子•ランジュと立て続けに歩夢と全く同じ世話焼きスキルを発動している。
「……こういうのを日本語で『類は友を呼ぶ』って言うんだっけ?」
「……」
「……うん ランジュと似てるって事はやっぱり変だ」
「…………。」

仲間意識の強い性格ゆえ、当初はランジュや他の「部」メンバー共々激しく敵視されていた。
曲のクオリティの差こそ認めざるを得なかったものの、それでも同好会の曲が大好きだと断言しており、しずくが部へ行った際に生じてしまった亀裂にも直接でこそないが関係している。

ミアが同好会に合流してからは年齢やスクールアイドルとしての経歴という点で自分が先輩だと認識したらしく、他の同級生たちと同じように「ミア子」呼びしている。
一方のミアもミアで学年でマウントを取り返しては「キャンキャンうるさい子犬だなぁ」と「子犬ちゃん」呼びし、何かと反目しあう犬猿コンビの様相を呈している。正直どっちもどっちである

  • エマ・ヴェルデ
「部」に関してはかすみ共々否定的な立場を取っていた彼女だが、しかし生来の優しい性格から「出来れば仲良くなりたい」という気持ちもあって特にミアに対しては同じ留学生としてのシンパシーも感じていた様子。
その後ランジュ共々同好会への加入を契機に入寮した際には念願叶って(?)彼方や果林と同様なにかと世話を焼いている。

作業に没頭するあまり食事をおざなりにしがちなミアのために度々食事を持って行っていたようなのだが、当のミアにはルームサービスか何かだと思われていた。
それをキッカケに「親切な怪現象」が次々と彼女の身に起きていたことが判明。その正体について「親切な妖精さん」「スクールアイドルの神様」などとメンバー内で話が盛り上がり……
「エマ…あなた神様レベルの存在になってるわよ…」
「え?何の話?」

  • 近江彼方
一応の同級生ではあるが、妹持ちでもある彼女にとってもミアは身近な妹のように映るようで、度々からかっては反応を楽しんでいる様子。

せつ菜のオタク趣味にもある程度付き合えるようで、しかし「特撮技術はステイツの方が上だ」といったように日本のサブカルには対抗心を燃やしている模様。

スクスタでは4th seasonにて璃奈と共に高校生ゲームクリエイターコンテストに参加することを決めており、共に協力しあう姿が描かれている。

ソロ楽曲

楽曲の傾向

アメリカ人かつ最新の音楽トレンドに精通しているという彼女の設定を活かした、洋楽調の楽曲が多くを占めている。
また英語詩の占める割合がかなり多いのも彼女の持ち歌で大きく目立つ点で、『Toy Doll』以降は全編英語詩というケースすら珍しくない。
総じてラブライブシリーズの楽曲として見ると一際異彩を放つものが揃っており、「知らない人にはアニソンだとバレない」ともっぱらの噂。

一方で「洋楽」という大ざっぱな方向性こそあるもののジャンルとしては現行の3曲いずれもバラバラで、ストリングスから打ち込みまで使用する楽器も曲ごとに大きく異なる。
これもまた、ジャンルに縛られずに多種多様な曲を次々と作るミアのスタイルに基づいていると言うべきか。

ソロ楽曲一覧

▷I'm Still…

作詞:nana hatori
作曲/編曲:ソラノアルト
I'm still dreaming(ボクはまだ夢見てるんだ)
Can't hide this feeling(この気持ちは隠しようがないよ)
I want to see a world that I have never seen before(見たことのない世界を、見てみたい)
彼女の所属するユニット・R3BIRTHの1stシングル『MONSTER GIRLS』に収録。

一度は夢やぶれ、しかしそれでも歌を忘れられない彼女の心境を赤裸々に吐露するように歌い上げるバラード。
ストーリー中での「ミアさんの心の声が詰まった曲は、ミアさんが歌わなきゃ」という璃奈の言葉を示すかのように、苦難を乗り越えてきたミアがそれまでの自分を振り返りながら前に進む決意を語るような一曲となっている。

衣装は黒を基調に、金の装飾を交えたドレス。胸元などには青い羽根のような装飾も見られる。
鍵盤をイメージさせるようなスカート状のパーツや、金のラインとボタンが音楽記号で「反復の始点」を示す||:を想起させる意匠になっている。
そしてシリーズでは特別な意味を持つ「羽根」の要素も盛り込まれていることからも、音楽の道を再び踏み出すミアの気持ちを纏った衣装と言えよう。

▷Toy Doll

作詞:nana hatori
作曲:宮田'レフティ'リョウ,Carlos K
編曲:Konnie Aoki
Here we go!(さあ行こう!)
We go! We gotta go!(行こう、行くしかないよ!)
'Cause I know I know the miracles really do come true(だって奇跡って本当に起こるんだもの)
Hey, now baby! (Hey!) Baby! (Hey!)
3, 2, 1, Let's go!
4thアルバム『L!L!L!(Love the Life we Live)』収録。

デビュー曲とは打って変わってエネルギッシュなロックナンバーとなり、またレギュラーキャストの歌う曲としてはシリーズ初となる全編英語詩の楽曲でもある。

曲の原案となったのは彼女が幼い頃に初めて作ったメロディ。
「完璧」を求めるミアは世に出す程のレベルには達していないとずっとお蔵入りにしていたのだが、しかし何故かそのメロディを消すことができず、そのメロディに勇気をもらったこともあるという。
「あなた」との交流を経て、それを掘り起こす決心をして出来上がったのがこの曲になる。

歌詞の内容は無邪気な少女が、小悪魔に相手をからかいながら「一歩先」へ踏み込もうとする……というもの。
その歌詞の攻めっぷりに、和訳を見て驚愕した方も多いのでは?
一方で様々な経験を経て成長した現在のミアからの視点も込められており、また「あなた」と組んで作曲することを意識した内容も歌詞に盛り込まれている。
スクールアイドルを始めてしばらく経った彼女なりに自分を振り返るような描写もあり、落ちサビで歌われる以下の歌詞はその最たるものだろう。

Day by day, I laugh a little more(日に日に、少しずつ笑顔が増えてる)
Cause my world is brighter than before(世界が前よりも明るく見えるんだ)
And it's thanks to you(全部キミのおかげだよ)

▷Stars we chase

作詞::Konnie Aoki
作曲/編曲:TeddyLoid
Take your hand out, we can reach(手を伸ばそうよ、きっと届くから)
Always been there to be freed(今までずっとそこで解き放たれようとしていたんだ)
It's getting loud, on to a scream("それ"はどんどん大きくなって、叫んでいるんだ)
We're starting this brighter tomorrow(一緒に始めるんだ、より輝ける明日を)
テレビアニメ2期挿入歌シングル第4弾『Eutopia/EMOTION/Stars we chase』収録。

突如帰国を決めたランジュを連れ戻すべく「挑戦状」として彼女に叩きつけるために制作した曲であり、立ち位置としてはスクスタにおける『MONSTER GIRLS』に相当する。
しかし「ランジュに歌ってもらうための曲」としてまさしく挑戦状と呼ぶべき攻撃的な曲であったあちらとは異なり、ずっと自らの内に抱いてきた「痛み」と向き合いつつ、自信を無くし足を止めてしまった相棒に手を差し伸べる一曲に仕上がっている。

歌詞ではかつて抱いていた夢や憧れを夜空で色とりどりに輝く星々にたとえ、いつしかそこには行けないと諦めていた自分と、各々の夢を実現させるべく今なお輝いている同好会のメンバー達とを対比にかけている。
エピソード中で語られた「手を伸ばせば、きっと届く」というメッセージが歌詞や描写に組み込まれており、彼女らに誘って貰えたからこそ、もう一度手を伸ばしてみようと決心できたミアの心境にも繋がっている。

ライブシーンは、羽田空港第3ターミナルの屋上展望デッキが舞台。
アニメ版にて2人が初登場した場所でもあり、出発の飛行機を待っている所だったランジュを間一髪で引き留めての披露となった。
このライブシーン部分のみシネマスコープサイズで描写されており、同様の演出が採られた彼方の『Butterfly』を意識したようなタッチにもなっている。
また『Toy Doll』に引き続いての全編英語詩となるためか、画面下部に手書き風の歌詞テロップが添えられている。

余談

設定について

虹ヶ咲メンバーでは珍しい、スクスタ版とアニメ版とで目立った設定の変更が非常に少ない人物。
一応全体的に性格や設定がマイルドに改められてこそいるものの、根幹となる部分には一切変更が入っていない。
特に同じく2期から登場している栞子やランジュを代表に性格やバックボーンといった根本的な設定からガラリと変更されたキャラクターも多数いる中でかなり設定変更が少ない部類と言える。

さらにシナリオ上での動向においてもいくつかのエピソードが統合・省略されてこそいるものの立ち位置や加入経緯含めてスクスタのそれを概ね踏襲しており、尺の事情などもある中でここまでスクスタのシナリオを忠実になぞっているケースはかなり少ない。
設定変更自体アニメラブライブではよくある事とはいえ、なにかと独自要素の多いアニガサキにおいては珍しいパターンである。

実は歴代初……ではない

実はシリーズで初めて全編英語詩の曲を歌ったのは彼女……ではなく、『ラブライブ!The School Idol Movie』に登場した女性シンガー。もちろんシリーズ外の曲である『As Time Goes By』をカウント外とした上で、である。

記念すべき初の全編英語詩オリジナル楽曲、その名は『Stars, Come to me! 』。「シリーズの曲は全て集めているがそんな曲知らない」という方がいても不思議はない。
映画本編の項目でも解説されている通り、権利上の問題で『As Time Goes By』を使用出来なかった北米でその代わりに流された…言うなればゲストキャラが北米限定で歌った曲というドマイナーの極地にある曲で、その経緯ゆえOSTにも収録されていないためだ。
日本でこれを聴いたことがあるというのは本当に骨の髄までラブライブに浸かりきっているような剛の者くらいであろう。

その他余談

  • 声を演じる内田秀女史はオーストラリアから帰国子女であり、作品内外を問わずネイティブさながらの発音をたびたび披露している。

  • スクスタ起動時にはプレイアブルキャラがランダムでタイトルコールを読み上げるのだが、彼女だけ発音がネイティブなためかなり印象に残る。他にもこの人とかやってそうなのだが……
    • 後に配信開始した『スクフェス2』でもやっぱり他とは明らかに異なるネイティブ発音だったため、やっぱりネタにされている。

  • キービジュアルやコラボ記念イラストなど本編と関係ない場所で顔芸をやるという妙な傾向がある。
    • 特に話題になったのが劇場版虹ヶ咲制作発表のキービジュアル。OVAの舞台挨拶で闇堕ちでもしたのかと突っ込みたくなるほど強烈な悪人顔が公開された際は各映画館でざわめきが起こった。

追記・修正?したいなら勝手に……
「ミアちゃん……項目、書かないの?」
……書くよ

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最終更新:2024年03月18日 17:39

*1 「ありえないぐらい難しい」ことのたとえとして用いられることわざ。類語に「砂山の中から砂金を探す」などがあり、この2つが混同されて「砂漠に落ちた針を探す」などと言うことも

*2 この時ミアはスランプ真っ只中だったこともあって、言動がいつも以上に刺々しいものになっていた