チャージャー(Splatoon)

登録日:2022/12/06 tue 23:46:57
更新日:2024/03/29 Fri 22:14:53
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チャージャーとは、『Splatoonシリーズ』に登場するブキ系統の一つである。

概要

1』の初期から登場する由緒正しきブキカテゴリで、シューターローラーと並ぶ三大元祖ブキの一角。
2』と『3』を渡り歩いて様々な派生が生み出されている。

インクリングの身の丈を優に越えるロングバレルを誂えた見た目通り、一般的なシューティングゲームで言う所のスナイパーライフル(通称砂)に該当する。
インクをチャージし、その圧力で遥か遠方に一撃必殺の直撃弾を浴びせる玄人な職人ブキ。

ヘッドショットの概念が無いスプラトゥーンでは基本的に部位を問わず彼方から一撃で仕留められる上、弾が貫通する都合で上手く行けば一度に複数の敵を葬ることも可能。
弾速も他ブキと比べて明らかに速いため、他ゲームのスナイパー系と違って偏差撃ちの必要もほとんどない。

『チャージ』はセミオートやボルトアクションの代わりといえる仕様で、溜めた時間に比例して射程とダメージが徐々に上がっていき、フルチャージでそのブキの上限に到達という仕組み。
最大チャージ=100.00ダメージではないため、種類によっては最大チャージまで行わない「半チャージ(通称"半チャ"半チャーハンではない)」で敵を倒すことも可能。フルチャージより射程は劣るが。

また、スプラトゥーンには「塗り」の概念があるため、基本的に自分より射程が短いブキは塗ってからでないと近寄ってこれない。これを活かして相手の攻撃の届かない自陣奥から、塗るために隙を見せた一瞬を突いて一方的にキルを取ることも可能。

もちろん相手がサブウェポンや遮蔽物を駆使すればこの限りではないが、この特性は初代で猛威を振るい、『2』や『3』でもたびたびゲームバランスの問題点として挙がっている*1

他ゲームと比べて、ステージの大きさに対してカバーできる範囲がかなり広く、場合によっては1試合中ほぼフルタイムで敵チーム全員を射程圏内に捉えることも可能。
相手からすれば常に即死のプレッシャーに晒されることになるのだからたまったものではない。

この【長射程とキル性能による敵チームへの威圧】こそがチャージャー最大の脅威であり存在意義。

単純なキル数よりも、イカに相手を威嚇し機能不全に追いやるかが腕の見せ所なのである。

だが相応に使用難易度は高い。
他のシューティングゲームの狙撃武器がそうであるように、完全にフリーエイムでの狙撃が前提となる。よって、シューターやローラー以上に担ぐプレイヤーの技量がモロに出る。

敵チームへの威圧といっても、全くキルを取れずに漠然と撃っていては、威圧にはならない。

加えて、チャージャーのチャージ中に表示されるレーザーサイト=射線は敵にも丸見えであり、チャージ中は武器の後部タンク部が光るので、相手側に狙われているかが判断されやすい*2

更に逐一チャージを挟む都合で、横にカニ歩きしながら連射するくらいでもしなければ広い面積を塗る能力も乏しい……。
と、このようにかなりキル特化のブキ群であり、生半可なプレイスキルではその場に居ないも同然とさえ揶揄される。


立ち回り

基本的に見渡しの良い高所に陣取り、適時動きながら敵を仕留めて行くのがオーソドックスな運用法。
障害物から出たり引っ込んだりしてレーザーサイト及びタンクの発光を隠し、『狙っている』ことそのものを悟られないようにしつつ、経験と勘で縁の下の力持ちを発揮する。
逆に敢えて射線や発光を見せつけて『狙っている』ことを教えて威圧するなんてことも出来る。

先にも述べたように、正確なエイム力が無ければまず直撃どころか軽い威圧にもならないので、日頃のエイム練習や自分に合ったジャイロ・スティック感度の調整はまず大前提。

当然ながらチャージを挟む必要があるので、特定の短距離寄りの種類や、よほど優れた高度な操作スキルやサブスペウェポンを持たされている等の例外を除き、接近戦への対応力は壊滅的に等しい。
ノンチャージで連射しても威力とレートはお察しであり、3発以上当ててキルが取れるレベルなので、接近されたらまず成す術が無いと思っておこう。
遠距離から一方的に撃ち抜く都合でヘイトも集めやすいので、接近される前に仕留められればベストだが、近距離に持ち込まれた際の対処法や逃げ方も叩き込まねばならない。
狙撃時に視界が狭まるスコープ付きタイプであれば尚更である。

なお、一部のチャージャーは近距離戦を得意とする性能なので、その場合は味方と共に前線を上げながら敵の数を減らすなりして強気に立ち回ることが出来る。
前線を上げるということはそれだけ敵の攻撃に晒されるわけだが、相手からすれば一撃必殺の火力を持つイカタコが戦場を縦横無尽に駆け回る形になるため、また違った威圧感がある。

熟練すれば一瞬で照準を合わせて撃ち抜いたり、空中でブチ抜いたり、挙げ句は接近されても返り討ちにするどこぞの国際A級スナイパーもかくやな非常に映えるプレイングも可能になる。

『2』以降は一部のチャージャーに『チャージキープ』なる仕様が追加。フルチャージ状態からセンプクしても数秒はチャージが維持される画期的なシステムである。
これにより立ち回りがいくらか柔軟になり、今までより前に出やすくなっている。
後ろに引き籠もって味方を盾にして芋るばかりでは通用しないので、積極的に活用しよう。
但しキープ中はセンプク中でも発光して丸見えなので、乱用は禁物。

狙撃のロマンも乙だが、圧掛けやキルが出来ないとまるで役に立たないので、メインにするなら徹底してウデを磨く覚悟をもって担ごう。


有名なテクニック

  • ドラッグショット
端的に言えば、明後日の方向に向けていた照準を一瞬で相手に合わせて撃ち抜くテクニック。
ことチャージャーにおいてはこれが出来ると出来ないとで中級者以上か中級者未満かに分かれると言っても過言ではなく、狙われていることすら認識していない相手の意識外からの強烈な一撃をお見舞い出来るかなり有効なテクニック。
極めたプレイヤーは照準を180°、果てはそれ以上回転させながらもヒットさせるとんでもプレイを魅せる。

  • ピーク
遮蔽物の裏に隠れ、攻撃の瞬間だけ体を出して撃つテクニック。ピークとは「覗き見る」といった意味の用語。
Apex LegendsなどのFPSでは、主にショットガンのようなDPSは高いが射撃後の隙が大きい近距離武器で使われやすい。一方、スプラトゥーンではチャージ中の無防備な時間のカバーと、攻撃するギリギリまでレーザーサイトを隠し射線を悟らせないようにするアンブッシュを兼ねられる。

チャージした後、カニ歩きをして体一つ分出して撃つのが基本だが、「2」からはチャージキープが付いたおかげで移動距離=射程が飛躍的に長くなったため、いきなり相手の目の前に飛び出して一撃で撃ち抜くという、スクイックリンでなくとも凸砂じみた芸当が可能になった。

上述のドラッグショットと共に、チャージャーで撃ち合いを制するならば是非身につけておきたい。
ロビーや試射場の動くマトで毎日練習してモノにしておこう。


種類

★マークは『2』以降でチャージキープ可能なブキ。
スコープ付きはチャージ中に徐々に望遠カメラになり、より精密な狙撃が出来る。
その代わりにチャージキープは出来ないが、射程がノーマルタイプより僅かに長い。

スプラチャージャー(スプラスコープ)★

最もオーソドックスな性能を有するチャージャーの元祖。愛称はスプチャ。

可もなく不可もない標準的な性能で扱いやすく、チャージャー入門にはうってつけ。
必要ならやや前にも出られる柔軟な機動力がウリだが、尖った部分が無い平均的な性能であるが故に、熟練者はより特化したチャージャーに出向きがち。

尖った面がないとは言うが、実は射程:チャージ速度の比率は全チャージャー中最高効率を持ち、「突撃銃寄りのスナイパーライフル」として見れば無類の適性を持つ。

『1』と『2』では条件を満たすとデザインがヒーローモード仕様になった「ヒーローチャージャー レプリカ」が使用できたが、初代ではamiiboがないと入手できなかった。


スクイックリンα★

スプラチャージャーから射程を落とした代わりに、威力はそのままにチャージ速度を向上させた中〜近距離寄りのブキ。
モデルは洗剤で、後部にボトルがねじ込まれている。語尾にギリシャ文字が載るシャレオツな一品。

前線に出て1確のインク弾を浴びせられるので、いわゆる『凸砂』がしたい脳筋プレイヤーにはピッタリ。
射程は落ちたとは言ってもプライムシューターや.96ガロンにほんの僅かに勝る程度とまずまずのライン。
熟練者が持てば、実力差やステージ相性次第でひたすら敵の前進を高速で射抜き止め続ける光景が形成されることも


リッター3K/4K(スコープ)

『1』では3K。『2』及び『3』では4K。ガソリンスタンドの給油機をモデルにしたブキ。
スプラチャージャーと比較し、チャージ速度やインク消費、機動力を大幅に犠牲にし、その代わりにスプチャをも遥かに上回る射程を獲得したブキ。
弾速や火力もチャージャー系の中ではトップクラス。

チャージャーカテゴリどころか全ブキ中で最長の射程を誇る。
その長さは実にスプラシューターの2倍以上。ステージ次第ではスタート地点付近からでもステージ全長の三分の一近くをカバーできる。
その上チャージキープ機能付きで、弾速もチャージャー中最速=偏差撃ちが不要。
大抵のスペシャルウェポンよりも射程で勝っており、常時使用可能なスペシャルと揶揄されることも。

威力はフルチャージで180をマークし、キル成立ラインの100に+80というオーバーキルぶり。
『2』ではフル耐久のインクアーマー状態ですら一撃でひっぺがして瀕死に追い込み、パラシェルターの傘ガードも一発で粉砕し、『3』ではイカロール中や復活直後のリスキル防止用アーマーすら貫通して殺れる。

ノンチャージでも確定3発で、クイボが付いていた時代はそれを併用して近距離戦に挑む変わり者のプレイヤーも居た。

こんなやり過ぎという言葉も生温いようなトンデモブキだが、当然ながら性能相応のスキルも求められる。
画面上では時として豆粒サイズにもなるイカタコを認識するための一定の視力も必要。
さらに重量級カテゴリ故にダイナモローラーハイドラントと同様にイカ速度に-10%の補正が掛かって遅くなる枷も付いている。戦闘エリアが固定されるガチエリアではほぼデメリットとして機能していないが。

ステージによっては誇張抜きで「腕の立つ本ブキがチームに居るだけで勝敗が半分決まりかねない」と感じる程に存在感が大きく、上級者が扱えば『ステージに居る』だけで全体に圧を掛けられる。

ちなみに名前の3K、4Kは、ギア補正無しでフルインクからフルチャージで放てる弾数を示している。『初代』は3発だったが、『2』からはインク効率の改善によって4発撃つことが出来る。
詳細は個別項目を参照。


14式竹筒銃・甲

遥か昔の大ナワバリバトルでイカ陣営に正式採用されていたチャージャー。アタリメ司令が携えているのもコレ。
見た目はまんま昭和の竹製の水鉄砲。

威力を犠牲にチャージ速度を爆速にした極端な性能で、フルチャージでも2確の威力だが、一秒足らずのチャージ速度による手数で無理矢理ゴリ押しするスタイルを主とする。
分かりやすく言えばチャージャーでシューターをやろうとしているのがコレ。唯一ノンチャージでも射程が変わらない点もシューターに近い。
またタンクパーツが存在しないので、チャージしても武器が発光しない申し訳程度のステルス性もある。

フルチャージを一発当て、直後にノンチャージを一発当てればそれだけでキルが取れる。しかも何気に射程はジェットスイーパーに迫っており、意外と侮れない。

現代では型落ちも良いところの旧式ブキだが、その尖った性能に惹かれて愛用する物好きなプレイヤーも存在する。
詳細は個別項目を参照。


ソイチューバー

『2』から登場した派生チャージャー。モデルは灯油ポンプ。
威力・射程は並イカだが、同作の目玉要素の『チャージキープ』に主眼を置き、他のキープ可能なチャージャーよりも数秒長く維持出来る。
一方、短射程な割にフルチャージに要する時間がかなり長く、スクイックリンをはじめとする他の前線チャージャーとは異なるスキルが求められる。
その特異な性質からチャージャーではなく“ソイチューバー”という独立した枠のブキだと一部で囁かれていたり
風変わりなこともあって門の狭さは如何ともし難いが、性能を十全に操る使い手が振るえば脅威となるのは他と同じ。
詳細は個別項目を参照。


R-PEN/5H

『3』のシーズンアップデートで追加された新しいチャージャー。ロケット鉛筆がモデル。
チャージしたインクをカートリッジに5発貯蓄し、トリガーを押す度に放つという風変わりなブキ。
確定数は2発、射程はスプラスコープとほぼ同格という、スクイックリンと竹筒銃の回転率をスプチャにねじ込んだような性能。

フルチャージ弾は一度溜めればバンバン連射できる他、弾の塗りが強いのも特徴。味方が戦っている敵に一発撃ち込んで体力を削ってあげたり、盤面を継続的に塗って相手チームの動きを妨害するといったサポート役を得意とする。
弱点は単発威力の割にフルチャージのインク効率が激烈に悪い点で、通常だと2回分しかフルチャできない
しかもチャージキープ非搭載で、凸砂運用や近接戦はあまり向いていない。
イカ状態になると残弾が全て消えてしまうが、スピナーと同じく撃たなかった分のインクは返ってくるので、無理に全弾使おうとせず状況に合わせて動こう。


+ 他言無用

クマサン印のチャージャー

クマサンが14式竹筒銃・甲を魔改造したサーモンラン限定ブキ。
チャージャーとは言うものの、構えるとチャージ不要でリッターと同等射程の貫通弾を発射できるというカテゴリのアイデンティティをかなぐり捨てた性能をもつ。チャージャーとは一体。
威力はチャージャーとしては控えめだがシューター並みに連射が効き、バクダンやドスコイを2発、ダイバーなどの装甲付きのオオモノも連射で容易くねじ伏せる超火力を誇る。
ただし他のクマブキの例に漏れずインク効率は劣悪であり、考えなしに撃ちまくると大事な場面でオオモノを倒せないといった事態に陥りやすい。
ドスコイ以外のザコシャケには火力過剰な面もあり、ザコ処理はあまり向いていない。
詳細はサーモンランの項目を参照。


おすすめギアパワー

あくまで一例であり、個人に合ったギアパワーを積むべし。

  • インク効率アップ(メイン)
インク残量がそのままチャージ可能な量=残弾数に直結する都合で、単純にフルインクから発射出来る回数が増加するので、幾ら積んでも腐らない。チャージャーにとっては生命線。


  • イカダッシュ速度アップ
後方の高台に籠っているだけでは仕事が出来ないので、状況に合わせて前に出たり後退したりする為の機動力の確保に寄与する。
単純に近づかれたら逃げる足としても使える為、いっそ基本ギアに採用しても良い。リッターなら移動ペナルティも打ち消してお釣りが来る。


  • 復活ペナルティアップ
スプラトゥーン2から登場した基本ギアパワー。
相手を倒した際に倒した相手の復活時間延長、スペシャルゲージ減少増加、逆に倒されるとそのペナルティが自分に振り掛かるというハイリスクハイリターンなギアパワー…のはずなのだが、ことチャージャーに於いては前線より手前に陣取るような戦い方になる為、必然的にデスしにくい。

そのため、相手が手出しできない距離から狙撃してペナルティを押し付け、メリットだけを享受するプレイングが可能なのである。
『3』の初期ではエナジースタンドの復活短縮効果すら上書きする強力な害悪効果により『ペナ(ルティ)リッター』という俗称まで生まれた。
ただし遠距離攻撃ができるスペシャルウェポンや遠投ボムなど、このギアを積む後衛への対抗手段はいくつも存在することには留意されたし。いくら後ろに居るからといって気を抜かないようにしよう。


  • 対物攻撃力アップ
バリアを素早く安全に引き剥がしたり、ホップソナーに役割を果たされる前に射程外から破壊するなど。基本的に動かない的を撃つだけなので役割を果たしやすく、積んでおくと何かと便利。
特にガチホコのバリアを割る時間を速められるのは大きい。その威力で途中から一気にバリア爆発まで持っていって、初動から不用意に近付いて退避が遅れた近距離ブキ持ちをまとめて吹き飛ばし、そのままゲームエンドまで持ち込むというパワープレーも可能。
カンモンが設置された『3』でも一気にカウントを稼げる潜在的ポテンシャルは健在。バリア破壊以外にもその縦長の塗り範囲を利用した道作りにも向いている。



追記・修正はチャージャーで撃ち抜きながらお願いします。

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最終更新:2024年03月29日 22:14

*1 3では2と比較して全体的に狭く、遮蔽物が少ない上に裏取りルートにも乏しいステージが増えたため、相対的にチャージャーの脅威度が増した。

*2 おそらくスコープの反射による位置バレを再現した仕様。