バトル・ロワイアルⅡ鎮魂歌

登録日:2023/02/17 Fri 13:41:00
更新日:2024/03/10 Sun 09:16:35
所要時間:約 18 分で読めます







すべてのオトナに、宣戦布告

This time it's war.



この戦争、3年B組全員出席。




『バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌(レクイエム)』は2003年に公開された映画。
2000年に公開され、賛否を巻き起こした映画『バトル・ロワイアル』の続編で、高見広春が執筆した原作小説と直接の繋がりはない。
監督は深作欣二だったが、撮影開始間もなく亡くなった事を受けて、息子の深作健太がメガホンを引き継いだ。

小説版は杉江松恋氏が執筆。
映画版では描かれなかったワイルドセブン結成に至るまでの経緯や、一部登場人物の過去回想が追加された。

以下、ネタバレ注意!


◆あらすじ


というわけで、大変長らくお待たせしました。

BRⅡ!

今日はちょっと皆さんに戦争をしてもらいます。

前作から3年後……
七原秋也率いる反BR法組織『WILDSEVEN』によって引き起こされた首都庁舎爆破テロと、「全ての大人に宣戦布告する」という犯行声明を聞いた大人たちは、子供からの反抗を恐れBRⅡ法を可決させた。
一方で3年前のプログラムで実父キタノを喪った娘キタノシオリは、殺害者である七原秋也と中川典子に興味を持ち自らBRⅡへの参加を志願し、自らも全寮制の町立鹿之砦中学校へ編入する。
青井拓馬ら町立鹿之砦中学校の3年B組42名は、クリスマスのスキー合宿のために搭乗したバスの中で軍隊に拉致されてしまう。
気付いた時には軍の施設に誘拐され、迷彩服を着せられた上に担任のRIKIからBRⅡへの参加と「孤島に立て篭もった七原秋也を3日以内に見つけて殺害せよ!」と命令を受け、望まない殺し合いへ身を投じさせられる。


◆登場人物

主な登場人物

  • 七原秋也
演:藤原竜也

前作の主人公。反BR法組織「WILDSEVEN(ワイルドセブン)」を結成、その首魁となる。
尊敬する三村真樹雄から託された銀色のカラシニコフを手に参加者や軍隊と戦う。
結構銃創を受けているが、前作並の負傷を負ったような様子は無く、鉄パイプを手に大立ち回りをするなどアクションシーンも豊か。
川田章吾から受け継いだバンダナと、劇中で“約束代わり”として受け取ったリボルバー*1を所持している。
小説版では桜井サキ視点で進められる過去回想で、反BR法組織『アジアの夜明け』のメンバーとして登場。
既に獰猛な米内を信頼させるほどの人望を持ち、すぐに桜井からも好感を持たれる。三村真樹雄からは全幅の信頼を受け、七原も彼からの薫陶と指示を仰ぐ。
だが組織内の裏切りにより組織は瓦解し、残党を束ねて戦艦島に立て籠もり組織名も『WILDSEVEN』に改名する。
なお、本作冒頭で描かれた首都庁舎爆破テロは三村真樹雄ら中心メンバーによる独断行為であり、七原達ワイルドセブンメンバーらは関知していない。

  • 青井拓馬
演:忍成修吾

男子生徒側の主人公。金髪と青いパーカーが特徴的。中盤までは群像劇なのもあってかなり地味だが、終盤ではしっかり主人公をしている。
短気で感情的な部分を見せる等身大な中学生といった人物で、作中ではしょっちゅう暴走しては浅倉なおを困らせていた。挙げ句慣れないライフルを乱射して同級生を負傷させてしまう……
『WILDSEVEN』やプログラムの真実などを知る中で自分がどうすべきかの葛藤に悩まされ、一度は七原と衝突するも道を見出す。
最終決戦では一度は廃坑を通って逃げ出したが、途中で思い直して柴木・葛西とアジトへ逆戻りする。
彼らやキタノシオリを喪いながらも最後まで戦い続ける強靭な戦闘力を見せ、最後は国外にて浅倉なおらと合流する。

  • キタノシオリ
演:前田愛

女子生徒側の主人公。生徒では唯一漢字表記されていない。
前作では特別版でのみ音声出演を果たしており、父親であるキタノを「おじさん」と呼んで嫌っていた。
そのキタノの死と遺された絵画を見て七原秋也と中川典子に興味を持ち、自らBRに志願し、次期プログラム参加が内定していた鹿之砦中学校の3年B組に転入した。
作中では誰も扱い慣れていない銃器を簡単に使用し、味方であるはずの同級生すら陽動に使うなど冷酷。果ては首輪の爆発前に孤児を盾にし七原を誘き出そうとするが、寸前で思い直し孤児を解放している。
他参加者が廃坑を通って脱出を選ぶ中、ただ一人だけアジトへ残って軍隊と戦う道を選ぶ。
しかし何度かの被弾で遂に致命傷に至り、七原への質問と亡き父への謝罪を口にして死亡した。


町立鹿之砦中学校三年B組生徒

主な男子生徒

  • ト部秀悟
演:柴木丈瑠

男子2番の生徒。経済的な理由で鹿之砦中学校へ転校しており、青井拓馬らとラグビー部に所属していた。
仲間意識が人一倍強く、そのため友人のために自分を一歩引いた立場で抑え込む事が多々ある。
戦艦島上陸後に迫撃砲を受けて負傷し、更にパートナーの池田美希が禁止エリアに侵入したまま動けず死亡したため特攻を仕掛け死亡。

  • 葛西治虫
演:坂本真

男子3番の生徒。校内唯一の文芸部員で、一生懸命やっても上手くいかず失敗する事も多いが、憎めない奴として認知されている。
父親がエリートなのでかけられる期待も大きいが、彼自身は勉学が奮わずコンプレックスになりつつある。
ボートでゲロを吐く、配給物資のハズレを引いて全国に情けない顔を晒される、中継エリアでの休憩中に爆睡するなどコミカルなシーンが多い。
最終決戦では廃坑で一時逃亡をするが、青井拓馬や柴木雅実が戻る事で迷い、筧今日子に告白したうえで自分も戻る事を選択。
アジトでの攻防戦では今給嶺と共に殿を務め、ロケットランチャーによる大爆発を起こし死亡。
小説版では決戦前日に柴木が蓮田を堂々と抱きたいと言って衝撃を受けていた。
最終決戦では戦場の気迫に呑まれ立ち往生してしまい死亡した。遺体はプラスチック爆弾を多く所有していたのもあり、青井拓馬の手で誘爆され廃坑ルートを塞がせた。

  • 柴木雅実
演:藤平涼二

男子6番の生徒。関西弁で良心的な人物だが、転校前は相当荒れていたようでナイフを常時している。
RIKIによるBR法の説明中にナイフを投擲したが直後に拘束され、逆にRIKIからナイフで脅しを仕掛けられる。
最終決戦では青井拓馬・葛西治虫と共に廃坑ルートからの逆戻りをし、アジトで軍隊を相手に戦う。
しかし多勢に無勢だったのもあって死亡してしまう。今際の時に、皆と過ごした中学生活が楽しかったと遺した。
小説版では蓮田麻由に好意があったようで、最終決戦前日に直接「抱きたい」と言って結ばれた。
最終決戦では米内の死を目撃した事で激高し銃を乱射するも、一斉射による反撃で成す術も無く死亡。

  • 桜井晴哉
演:勝地涼

男子5番の生徒。姉がプログラム優勝者のサキで、家族はプログラムの影響を受け離散してしまった。
自身も姉がプログラムで優勝した影響で自閉症*2になったうえ、姉がその後行方不明になり行政処分の形で鹿之砦中学校へ送られた。
戦艦島での交戦で偶然姉と再会するも、姉からは終始冷たく接せられてしまう。
最終決戦では廃坑ルートを通って脱出し、数少ない男子生徒側の生存者になった。

  • 槇村慎太郎
演:黄川田将也

男子15番の生徒。ラグビー部のキャプテンで拓馬にとって兄のような存在。
基本的には平和主義者だが、実は母親がアル中など劣悪な家庭環境による暴力衝動と表裏一体なところがある。
RIKIによるBR法の説明中にBRへの参加を拒否。銃で撃たれるがそれでも考えは変わらず射殺される。
結局、パートナーの福田和美が爆死し、それを見た残る生徒全員が即座に参加を決めるなど彼の思いは最悪の形で裏目に出てしまった。

  • 黒澤凌
演:伊藤友樹

男子4番の生徒。首都庁舎爆破テロにより両親と妹を喪い、以後テロリストを憎悪するようになった。
同じ境遇の生徒と「シュバルツ・カッツ」なる不良グループを結成し、ラグビー部に在籍していた時期もあった。
劇中では兄貴分的な描写が多く、A班のリーダーとして皆を先導するシーンが多かった。地味だがグレネードランチャーを初使用したのも彼である。
アジト突入後は降伏に対し拒否する姿勢を見せ、七原へ今までの鬱憤を吐きだした。野坂真帆の暴走を契機に交戦するが、桜井サキによって狙撃され死亡する。

主な女子生徒

  • 浅倉なお
演:酒井彩名

女子1番の生徒。両親の離婚とイジメが理由で鹿之砦中学校へ転校した。諍いが苦手で青井拓馬とも距離を置いていたが、後に好意を寄せるまでに至る。
劇中では度々癇癪を起こして怒り狂う青井拓馬に世話を焼く苦労人のようなシーンが多く、終始振り回されていた様子がうかがえる。
最終決戦前に廃坑を通ってアフガニスタンまで逃亡した数少ない生存者。

  • 筧今日子
演:神戸みゆき

女子3番の生徒。テニス部所属で優秀な兄がいるのでクラスの男子生徒を内心で見下している。
パートナーとなった葛西治虫には特に冷たく、プログラム開始前にはRIKIにパートナー変更を申し出るほどであった。
だが実際には葛西治虫からは好意を寄せられており、最終決戦で廃坑から逆戻りする時に告白されている。
最終決戦前に廃坑を通ってアフガニスタンまで逃亡した数少ない生存者。

  • 久瀬遥
演:末永遥

女子5番の生徒。帰国子女で先天性の糖尿病を患っており、インシュリンの注射を携帯している。
周囲とは馴染めず一人で居ることが多いが、拓馬には密かに想いを寄せている。
アジト突入時に他の生徒達と共に投降するも、政府側が爆撃を行ったためガレキの下敷きになり重傷を負う。
同じくガレキに埋もれたが軽傷だった拓馬と隣になり想いを伝えるも、怪我が原因で死亡する。

  • 蓮田麻由
演:柳沢なな

女子13番の生徒。テニス部所属の体育会系で、快活な性格からクラスの男子生徒の人気が高い。
アジト突入時にパートナーが死亡した事で首輪が起動したが、EMPによる電波妨害で難を逃れた。
最終決戦前に廃坑を通ってアフガニスタンまで逃亡した数少ない生存者。
小説版では最終決戦前日に柴木から告白され、そのまま抱かれている。

  • 野坂真帆
演:石井明日香

女子12番の生徒。合気道を習っており、キレやすい性格故か女子生徒ではキタノシオリ以上に好戦的な姿勢を露骨に見せた。
アジト侵入後に上を取られ投降を要求されるも拒否し、彼氏の保坂康昭が勝手に銃を放って水面から出ようとするのすら止めた。
更にテロリストとはいえ自分より年下の子供を射殺する狂気性が発露し、それを契機にテロリストとの銃火が再開されてしまう。
必死に銃を撃ち放っていたが、最後は保坂やパートナーの日笠将太共々射殺されてしまった。

小説版では出番が増え、なんとバスで席替えをしていたためパートナーが入れ違いになっていた。
そのため長谷川達彦の本来のパートナーである新見麗奈が死亡した時に日笠将太が死亡したので、公的には死亡扱いになったまま2人で戦列を離れた。
BR法を熟知しておりクラスの同級生同士で戦わなくてよかったと語っていたが、テロリストが同級生全員を殺害し勝利に酔いしれた所を出し抜こうとする計画を企てるなど、私だけ生き残ればいいという重度のエゴイストなので真相は不明*3
真のパートナーである長谷川達彦ですら陽動にしており*4、アジト内では彼に暴れさせて七原を炙り出そうと目論んでいたが失敗し自らも死亡した。


WILDSEVEN

  • 左海貢
演:石垣佑磨

『WILDSEVEN』のサブリーダー格。
親友をBR法で失った事で反BR法組織に身を投じている。最終決戦ではアジトに突入してきた軍隊と交戦し死亡。
小説版では『アジアの夜明け』時代から組織のサブ・リーダーとして活躍していた。

  • 風間総司
演:村田充

過去のプログラム優勝者。優秀なスナイパーだが、心を閉ざすうちに声も出さなくなり、寡黙な性格となった。
無表情で冷静な性格だが、最終決戦では軍隊相手に奇襲を仕掛けた時には雄叫びを上げていた。
しかしすぐに回り込まれて掴まり殴打を受け高所から落とされ、包囲された後に至近から集中射撃を受け死亡。
小説版では桜井サキの過去編から登場。プログラム優勝後に彼氏の伝手で反政府組織に参加した際、射撃訓練の教官として登場する。
以後『アジアの夜明け』から『WILDSEVEN』に至るまで桜井サキひいては七原秋也らと行動し、優秀なスナイパーとしての実績を重ねていく。
最終決戦では海岸に上陸する軍隊を次々狙撃していったが、迫撃砲の爆発を至近に受け早々に死亡。
その死を見たキタノシオリから、いくら凄腕であっても戦場では呆気なく死ぬという教訓になってしまった。

  • 米内健吾
演:久我未来

過去のプログラム優勝者。獰猛な性格で自前のAK47には銃剣が付いている。
最終決戦時には軍人を背負い投げするなど白兵戦で立ち回るが、背後から銃撃され死亡。
小説版では『アジアの夜明け』時代から七原に全幅の信頼を置くが、簡単に人に騙されてしまうなど単純な所もあった。
信頼した人間には面倒見が良いような側面もあり、実際桜井サキにスナイパーであっても習っておくべきと体技を勝手に教えていた。
最終決戦では軍人の首をへし折りながら持ち上げ雄叫びを上げていたが同時にナイフの切創を受けており、更に一斉射を受け死亡。遺体は更に陰湿なリンチを加えられた。

  • 桜井サキ
演:加藤夏希

過去のプログラムの優勝者。桜井晴哉の姉で、彼女がプログラムに選ばれてしまったいざこざで一家は離散している。
ドラグノフを使用する凄腕のスナイパーで、侵攻してきた敵が首輪を付けて特攻させられているのに気付いた。
晴哉相手には冷たく接していたが内心では再会を喜んでおり、最終決戦前の別れでは静かに涙を流していた。
その最終決戦でも狙撃に徹していたが、アジト深層まで入り込んだ軍隊相手に敵わず死亡する。
小説版では過去回想編の主人公で、プログラム優勝後に失踪し地下組織に合流。風間とはそこからの縁で、彼の指導を経て技術を磨いていく。
七原秋也とは『アジアの夜明け』参加後からの付き合いで、寡黙ながら優しい雰囲気があると彼の本性を悟っていた。マキとは珍しい同年代女性とあって意気投合しており、米内とは一度騒動はあったが、和解後はかなり構われている。
家族構成は晴哉と父親がいたようだが、母親は幼い頃に家を出ている。プログラムではボルトアクション式狙撃銃を手にしたようで天性のスナイパー素質があったと自覚していた。

  • 早田マキ
演:真木よう子

両親と共に反BR法組織に参加していた頭脳派。七原に惚れている節があり、『WILDSEVEN』加入も半ば押しかけ気味なものだった。
元々は脱出時に使用する予定だった強力なEMP装置の制作を主導し、複雑化していた首輪の機構も難なく解除してしまった。最終決戦ではアジト深層にまで侵入した軍隊相手に奮闘するも死亡。
小説版では『アジアの夜明け』時代から桜井サキと知り合い、実働部隊では無かったがハッキングや孤児のお守り役としてアジトに滞在。
内部の裏切りから生じた軍隊の介入で両親を立て続けに失い、自暴自棄的に三村ら主要メンバーによる独断テロ行為を見逃した。
七原への好意は明確で他メンバーにもばれていたようだが、結局想いを伝える事はできず死亡した。

  • 今給嶺聡
演:和田聰宏

プログラムから脱出に成功した稀有な男。人間不信に陥っていたが三村に拾われ組織へ参画した。
メンバー最年長で兄貴分的存在。最終決戦では葛西と共に殿を務め特攻を仕掛けるが反撃に会い重傷を負う。最期は葛西の手を借りてロケットランチャーにより共に爆死する。
小説版では過去編で多数のテロ組織に武器弾薬を横流しする銃砲店の従業員として登場。
ヘラヘラとした態度と柔和な笑顔からは想像できないがプログラムの生存者で、政府から飼い犬になるのを嫌って遁走したところを牛崎に拾われた。
その後は牛崎と共に『アジアの夜明け』へ合流するが、牛崎のダブルスパイには気付かず彼の蛮行を見逃してしまう。
最終決戦時には彼らしくない気迫で拓馬らを支援し七原の元へ向かわせる。
直接的な死亡シーンは無いが、左海らが撤退する殿を務めた後に彼のいた部屋が爆発したため死亡したと悟られた。

演:岩倉愛

前作でも登場したプログラムの優勝者。TVに映った血まみれの笑顔の女の子といえば分かりやすいか。
どういう経緯か『WILDSEVEN』に参加しており、プログラムから持ち続けている支給武器の呪いの人形を大事に抱えている。
最終決戦ではその呪いの人形を振り回して軍隊に突撃し死亡。だが直前に投擲した呪いの人形が大爆発し、多数の被害を与えた。

演:今野雅人

『WILDSEVEN』に保護された孤児。両親は殺されており、おそらくは反政府運動による粛清と見られる。
廃坑から脱出を急ぐ生徒達を先導する役割を七原秋也から託され、同時に銀色のカラシニコフも受け継いだ。


その他

  • 教師RIKI
演:竹内力

3年B組の担任にしてプログラムにおける教官。
普段はだらしなく頼りない教師だったが、プログラム開始後はVシネマの帝王としてのコワモテの恐ろしい風貌に変化した。
過去に首都庁舎爆破テロで娘を失い、テロを憎んではいるものの無気力な性格になってしまった。さらに前述のテロの影響で精神的に不安定な状態に陥っており、向精神薬を口いっぱいに貪るシーンも見られた。
だが生徒を戦場に駆り出すプログラムという法律や、生命を厭わない総理大臣の発言に反感を抱き自ら首輪をつけ島へ上陸。
ラガーマンの姿で拓馬とシオリの前へ現れ、本心を吐露した後に寄せ書きのラグビーボールを持って爆死した。
名前は前作のキタノから踏襲したネーミングとなった。

  • 迫水
演:谷口高史

特殊部隊ATTATの隊長で二尉。RIKIの指示を受け、生徒失踪後に特殊部隊を派遣する。
一切台詞が無く寡黙かつ冷酷さを感じさせ、最終決戦ではハンドガンのみでサキを屠るなど実力は確か。
七原との一騎討ちでは鉄パイプを突き刺される重傷を負うが執念で仕留めにかかるも、拓馬の放ったグレネードで爆散した。
中の人は前作で七原の父親を演じているため、最後のシーンはある意味父と子の決戦になった。

  • 内閣総理大臣
演:津川雅彦

『WILDSEVEN』の更なる宣戦布告にキレた某国への機嫌取りのために、プログラムへ強制参加させられた中学生の生命を無視して島ごと吹き飛ばせと平然に言い放つ男。
RIKIが建前でしか語らなかった「人生には勝ち組と負け組の二つしかない」という考えを信奉している。

  • 三村真樹雄
演:千葉真一

プログラム脱走後に七原秋也を匿った人間で、前作に登場した三村信史の叔父。小説版では死亡しているが映画版では生きている設定になっている。
反BR法組織のリーダーとして政府と戦い、後を七原に託して側近らと共に硝煙の中へ消えて行った。銀色のカラシニコフは彼が持っていたもので、七原に受け継がれた。
小説版では過去編にて『アジアの夜明け』リーダーとして国内外で活躍。
子供たちのために政府と戦う事を標榜し、サキには道具に成り下がらず何のために銃を撃つか知るべきと教えていた。
早田教授らと政府首脳を殺害するテロを計画していたが、組織内の裏切りにより寸前で頓挫し七原達に後を託し、可燃性の薬品庫で自爆。
テロの方も実際には無差別爆破テロだったようで、七原達残党メンバーは結果的に激しい弾圧と逃走を余儀なくされてしまてしまった。

  • 牛崎
小説版のみ登場する銃砲店の店長。
政府の監視から逃亡した今給嶺を匿い、地下組織に武器弾薬を供給する脱税者で後に『アジアの夜明け』へ合流する。
だが同胞らしい素振りを見せず、早田教授の私的な勉強会に米内を煽動して怒鳴り込み中止を要求するなど本作世界での普遍的な“大人”に近い。
後に脱税者は嘘で政府と繋がりのある二重スパイだと判明し、彼の裏切りで組織は瓦解。彼自身は身柄の保護を求め逮捕されるも、風間により留置所内で射殺された。

  • 中川典子
演:前田亜季

前作のヒロイン。
前作終了後に国外への脱出に成功し、劇中最後にアフガニスタンにて七原と再会する。


◆新世紀テロ対策特別法

七原率いるテロ組織による首都官舎爆破テロと続く犯行声明における「全ての大人に宣戦布告する」という宣言に対し、正義の名の下に成立された法案。
だが、実際には旧BR法と同じく大人が子供に殺人を強いるという大筋は同一で、実際に劇中ではBRⅡと名言されている。
なので参加者は旧来と同じく中学生のみで構成され、拒否権すら与えられず強制的に殺人行為に加担させられる。

勝利条件は悪の組織『WILDSEVEN』のリーダーである七原を殺害する事。
その時点で生き残っている生徒は全員生還できる。
制限時間は3日間で、それを過ぎてしまうと全生徒の首輪は爆発し、敗北となる。


支給品

  • ソロモン6号
前作で使用されていたガダルカナルシリーズは川田によって解除されてしまうほど簡単な構造であったため、仕様変更されてソロモンシリーズに移行された。
主な変更点は2人1組のタッグマッチ制になった事で、片方が死亡するともう片方も連動して首輪が起爆するようになった。
この起爆時間は1~244秒間のランダム制で、当然ながら本人には伝わらない*5。また50m以上離れても同様に起爆する*6
爆発力も相応に強化されており、突入時にある生徒の首輪の爆発によって上陸用ゴムボートのエンジンに引火、乗員全員が爆死する事態が発生した。
禁止エリアによる閉鎖区域も健在で、今回は島を囲うようにして徐々に増えていく。

  • 03式BR小銃
BRⅡ法施行と同時に開発されたブルパップ式アサルトライフルで、強化プラスチック製の為に軽量で、中学生でも取り回しが可能。
見た目はFA-MASとP90の合いの子*7のようなもの。
装弾数は30発で口径は5.56mmで使用弾薬はM855弾。銃身下部にはM203風のグレネードランチャーが装備でき、実際に作中では何度かグレネードを使用している。
参加者たちが島へ向かう際に全員に支給されたが、当初は反逆防止のため弾倉は抜かれており、上陸後にヘリから弾薬ケースが投下された。ヘリが撃墜されたらどうするつもりだったのだろう……
だが内容物は「アタリ(グレネードランチャーの弾薬6発、小銃弾倉3つ、プラスチック爆弾)」「ガンバレ(小銃弾倉3つ)」「ハズレ(トイレットペーパー)」と確実ではない。
後述の通り、参加者達のヘルメットに隠された小型カメラを通して放映されたバラエティ番組のネタ要素だった事が判明した。

  • 装備品一覧
迷彩服、隠しカメラ付きヘルメット&ゴーグル、レーション・メディカルキット・飲料水入りのリュックサック、アーマーベスト、レザース、ブーツ、バングル、インカム、G-SHOCK*8、及びGPSが支給。


余談

前作では劇中の舞台となる国家について、原作小説では“大東亜共和国”であり、映画版では諸事情でボカされていたが、本作では日本であるとほぼ明言されている。
一方で中盤に総理大臣が大慌てで機嫌取りに走った大国に関してはあの国としか言われず、小説版では対立していたはずだが「世界はあの国を中心に一つになろうとしている」と、あの国に従属するような台詞があった。
また小説版でも「大国」側が反BR法組織関係者の弾圧を民主主義を守るための正しい行為だとして支持する描写があり、両国の関係はそれほど悪くは無いように見える。
原作小説の七原は自由の国であるアメリカに憧れており、漫画版のラストではプログラムを生き延びた七原がアメリカへの脱出に成功して夢だったミュージシャンになれたと思しき描写があるのだが、それが映画版ではアメリカと敵対することになるとは何たる皮肉か。

映画版の七原と拓馬の殴り合いシーンだが、途中で拓馬が床に滑って転倒するシーンがある。
台本に無かったのか左海役の石垣佑磨氏が腰を上げて心配するような動きをするが、カットされずそのまま撮影が続行されている。

当初監督を務めた深作欣二が撮影したシーンは1カットのみ。
シオリが自室で父の遺品である絵を眺めるシーンであり、これを最後に深作欣二の容態が悪化、還らぬ人となった。
息子である深作健太には、それまでの父の濃密で隅々まで妥協のない画面構成とは対照的な、淡白で違った意味で印象的なカットが遺され、その遺志にかなり悩んだとか。



男子一番青井拓馬くん!
女子四番キタノシオリさん!
アナル500本冥殿ちゃん!
質問です。
項目には追記・修正しかありません。
果たして本当にそうだろうか?

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最終更新:2024年03月10日 09:16

*1 大元は元渕恭一が支給された武器。

*2 自閉症は本来先天的なものなので、本設定は矛盾している

*3 とはいえ、保坂が死ぬことまでは考えてなかったようで、少なくとも彼への愛情は一応本物だった模様。

*4 その彼への評価も「極度のエゴイスト野郎」と唾棄していたが見事なブーメランになっている。

*5 映画版ではアラームが早くなっていく事でタイムリミットが分かりやすくなっていた。

*6 ルトガー・ハウアー主演の映画『ウェドロック』にも同じ機能を搭載した爆弾首輪が登場する。

*7 その他、『攻殻機動隊』に出てくる架空銃も参考にしてるとのこと。

*8 BRⅡのロゴが浮かび上がる特注品。後に商品化された。