召喚僧サモンプリースト

登録日:2023/02/18 Sat 11:44:44
更新日:2024/04/07 Sun 13:09:01
所要時間:約 5 分で読めます




《召喚僧サモンプリースト》とは、『遊戯王OCG』のモンスターカードである。


【テキスト】

効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻 800/守1600
(1):このカードが召喚・反転召喚した場合に発動する。このカードを守備表示にする。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードはリリースできない。
(3):1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。



【概要】

2005年のVジャンプ8月号の応募者全員サービスパック「エターナルRパック(LIMITED EDITION 8)」で初登場した魔法使い族のモンスター。
略称は「サモプリ」某女児向けアニメシリーズは関係無い。その名の通り「モンスターを召喚(サモン)する僧侶(プリースト)*1」である。
カードイラストは、一言で言ってしまえば「生身のだいそうじょう」。長い髪と髭を生やし、黒い法衣を身に纏っているのが特徴。

まず1つ目の効果は召喚・反転召喚時に強制的に守備表示になるもの。
低攻撃力を晒さずに済むが、強制効果なので《幽鬼うさぎ》のトリガーにされてしまう。
そもそも召喚したターンに素材にしてしまうことがほとんどであるため、人によってはむしろデメリットと捉えるだろう。
幸いにも特殊召喚時には対応していない。

2つ目の効果は自身のリリースの制限。
当時としては最上級モンスターのアドバンス召喚に利用されないために設けたものと思われる。
その一方で相手の《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》や「壊獣」、《帝王の烈旋》などでもリリースされないので、対抗策としても使える。
また手札にある時ならリリースできるので、儀式召喚の素材には使える。他にも後述する効果でリクルートしたモンスターは普通にリリースできる。

そしてメインとなる3つ目の効果がモンスターのリクルート。なんとレベル4なら何でも特殊召喚できる。
《終末の騎士》だろうが《E・HERO エアーマン》だろうが、各種グレファーさんだろうが実用性はともかく女邪神ヌヴィア》だろうが何でも良し。
サモプリの手にかかればお手の物である。
「このカードをフィールドに出したいのに、中々手札に来てくれない!」という事態もあっという間に解決してくれる。
さらに、時期が時期なのでモンスター効果を無効化せずリクルートしてくれるのも有り難い。
更に更にィ!効果の使用制限が「1ターンに1度」の少し緩いタイプなのも魅力的。
これにより「サモプリAでサモプリBを呼び出し、(コストさえあれば)Bがまた効果を発動して呼び出し」という展開も可能となっている。

とはいえ欠点もそこそこある。
1つはリクルート効果の手札コストに魔法カードを要求すること。
モンスターとは異なり、魔法は一度墓地に送られると再利用が中々難しいためメリットに繋がりにくく、コスト確保も比較的難しい。
この点は
などを利用したい。

もう1つは、リクルートしたモンスターがそのターン攻撃できないこと。まあここが問題視されるのなんて登場初期だけだったが
そのため、リクルート後は素材としての運用がメインになる。
幸いにもサモプリはレベル4かつ闇属性なので、リクルートしたモンスターと一緒にシンクロ素材やエクシーズ素材にしやすい。



【来歴】

登場初期の第4期の時点でもリクルート効果は注目されており、専用デッキを組むデュエリストもいた。

しかし、当時は召喚法がアドバンス召喚(当時は生け贄召喚)・融合召喚・儀式召喚しかなく、自身がリリースできないため呼び出す意義があまりなかった。
この「自身がリリースできない」という制限は、当時エラッタ前だった《死のデッキ破壊ウイルス》のコストに使用できない点でも残念であった。

コストにする魔法カードも、肝心のリクルート先のレベル4モンスターも、カードプールの少ない当時はそれ程層が厚くない。
むしろ下級モンスターでビートダウンする時代においては、攻撃できないデメリットがかなり痛く、決して汎用性が高いカードとは言えなかったのだ。
比較的有用な使い方として《聖鳥クレイン》を特殊召喚してドロー、そのまま《ゴッドバードアタック》のコストにするという戦術が主であった。

あの時代が来るまでは……

サモンプリーストAは サモサモキャットベルンベルンを となえた!
サモンプリーストBが とくしゅしょうかんされた!
サモンプリーストBは サモサモキャットベルンベルンを となえた!
レスキューキャットが とくしゅしょうかんされた!
レスキューキャットは じぶんを リリースして なかまをよんだ!
エアベルンAを よびだした! エアベルンBを よびだした!
サモンプリーストAと エアベルンAは ダーク・ダイブ・ボンバーAを シンクロしょうかんした!
サモンプリーストBと エアベルンBは ダーク・ダイブ・ボンバーBを シンクロしょうかんした!
ダーク・ダイブ・ボンバーAの ちょくせつこうげき!
クロウに 2600のダメージ!(8000→5400)
ダーク・ダイブ・ボンバーBの ちょくせつこうげき!
クロウに 2600のダメージ!(5400→2800)
ダーク・ダイブ・ボンバーAは じぶんを リリースした!
クロウに 1400のダメージ!(2800→1400)
ダーク・ダイブ・ボンバーBは じぶんを リリースした!
クロウに 1400のダメージ!(1400→0)
クロウは たおれた

クロウ「インチキこうかも いいかげんにしろ!」



シンクロ召喚到来



ここで注目されたのが、レベル4の《レスキューキャット》をリクルートできる点である。
《レスキューキャット》はレベル3以下の獣族モンスター2体をリクルートできる強力なモンスター。
つまり、これ1枚でチューナーとそれ以外のモンスターを揃えてレベル6以下のシンクロモンスターを出せてしまう。
さらにシンクロ素材はリリースの内に入らないので、サモプリもまたシンクロ召喚に活用できる。

そして、コスト用の魔法カードは問題児の《大寒波》を使えば解決!
この魔法は、一度発動すれば次の自分ドローフェイズまで互いに魔法・罠カードの発動とセットができなくなる。
つまり相手の魔法・罠を封じつつ、自分はいらなくなった魔法を躊躇なくコストに切れるのである。

こうして誕生した【猫シンクロ】は環境で大暴れし、サモプリは08年9月に準制限、翌年の9月には制限カードまで引き上げられる。
何気に同名カードまで呼び出せるのもマズかったのだ。
遂に後述する最新最速の高速召喚のモンスターの異名に見合った存在になったのである。そしてこの後長きにわたって最新最速のまま居続ける
現代ではよくある話だが「登場当初はパッとしなかったのに、カードプールの増加によって大化けしたカード」の一例として挙げられることが多い。

やがて《ダーク・ダイブ・ボンバー》《大寒波》そして《レスキューキャット》が次々と禁止行きに。
それによって危険度が下がったと見なされたのか、11年9月に準制限まで緩和された。

しかしサモプリの活躍は止まらない。

「召喚僧サモンプリーストと終末の騎士でオーバーレイ!エクシーズ召喚!」




エクシーズ召喚到来



同じレベルのモンスター同士でオーバーレイユニットを構築するエクシーズ召喚は、サモプリにとってはシンクロ召喚以上に相性が良かった。
ここに来て闇属性であることも活かされ始め、闇属性を素材に指定するエクシーズモンスターにとって有り難がられた。
レベル4モンスターの層も厚くなってきたことから、今度はランク4デッキで活躍するようになったのだ。

そして、第8期終盤には《No.101 S・H・Ark Knight》や《励輝士 ヴェルズビュート》などの強力なランク4が出現。
それに伴って汎用性も増したと判断され、14年10月の改訂で制限に逆戻りする。

その後《ラヴァルバル・チェイン》や《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》の禁止によりランク4デッキの流れは沈静化。
さらに新マスタールール施行によってシンクロとエクシーズは大打撃を受けてしまい、相対的に需要が減ったので17年10月に準制限に緩和。
その後さらに天敵の手札誘発の採用率が全体的に上昇したためか、翌年4月に制限解除された。

ちなみにこの期間中に往年の相方であった《ダーク・ダイブ・ボンバー》と《レスキューキャット》が釈放されている。
しかしいずれもエラッタされているため、「サモサモキャットベルンベルン」は成立しなくなっている

今ではテーマ内に限ればノーコストでレベル4をリクルートしてくる程度は平気で行われるため、全盛期ほどの評価はできない。
しかし「レベル4ならテーマ問わずなんでもリクルートできる」という点は依然として強力であり、採用が見込めるデッキも少なくない。



【漫画での活躍】

『遊戯王R』で天馬月行が使用。漫画版ではリクルート効果はノーコストで使えるというぶっ壊れだった。
月行はこのカードを、遊戯の使う「最速召喚剣士(絵札の三銃士)」を上回る「最新最速の高速召喚のモンスター」と評し、《邪神ドレッド・ルート》の生け贄を揃えるために使用した。
……ちなみに、(2)の効果は漫画での登場時点で付いていたものである。つまり、生け贄召喚サポートを売りにしている癖に自身を生贄にできない
引き合いに出されていた「絵札の三銃士」より速いという部分には疑問符が付く。確かに安定性ではこちらの方が上ではあるのだが……。
ぶっちゃけ、漫画の時点でも状況が限定されるとはいえ《デビルズ・サンクチュアリ》+原作版《増殖》とかもっと早いコンボは他にもある
さらに言うならば漫画版の「絵札の三銃士」は全員ちょうどレベル4なので、併用するのが一番速かったりする



【余談】

先述の通り、このカードは初出が05年7月頃の限定パックで、かつ長らく再録が無かったため流行していない頃でも取引価格は高かった。
08年04月にシンクロ召喚が登場した時点で絶版になって約3年目である。
【猫シンクロ】が流行りだしてから再録されるまでの間、どんな取引価格になっていたかは想像に難くないだろう。
なおその後はストラクチャーデッキに何度も再録されたので、現在では入手は容易である。



追記・修正は手札の魔法カードをコストにしてからお願いします。

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最終更新:2024年04月07日 13:09

*1 一般に仏教系の僧侶は「monk」と訳される事が多いが、「priest」でも誤りではない。