エネルゴン(トランスフォーマーシリーズ)

登録日:2023/02/22 (水) 22:02:24
更新日:2023/12/05 Tue 16:28:44
所要時間:約 10 分で読めます




エネルゴン(Energon)とは『トランスフォーマーシリーズ』に登場するエネルギー源の事。原語版での発音は「エナージョン」が近い。
多くの作品で登場し、機械生命体「トランスフォーマー」の燃料や生命の源としてストーリーに関わって来る存在である。

トランスフォーマーシリーズ自体が各作品によって世界観が異なり、エネルゴンの設定もそれぞれで差異があるので以下に列挙する。

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー

エネルゴンと聞いて殆どのファンが本作のものを思い浮かべると思われる。

雑多なエネルギーを凝縮・充填した「エネルゴンキューブ」が登場。
主にデストロンの情報参謀サウンドウェーブが精製した立方体型の型枠にエネルギーを注入、それをエネルゴンに変換する事で作り出される。エネルゴンの色は明るいピンクもしくは紫色(初期のエピソードでは虹色)。
原料となるエネルギー源はおおよそ何でも良いようで、石油や電気、石炭、核燃料、地熱、地磁気、ルビークリスタル、異星人の生命エネルギーなど多岐に渡る。
他にもインセクトロンは食べたものをエネルギーに転換する能力を持っており、それを利用して穀物やビルを食い荒らしてそのエネルギーを専用のマシンで抽出、エネルゴンキューブとして精製する作戦が取られた事も。
初代アニメにおけるデストロン軍の主要な活動目的そのものであり、自分達の食い扶持を稼ぐべく、そして何より資源枯渇に苦しむ母星セイバートロンに持ち帰るべくあの手この手で地球各地のエネルギー資源略奪を企てる。*1

エネルゴンの摂取はキューブからの経口摂取。トランスフォーマー達にとっては食糧であると同時に酒のような嗜好品も兼ねている様子。
だからなのか、一度に多量に摂取するとアルコールの如く酔っぱらう。初代25話『ミクロの決死隊』の酒盛りシーンはもはや伝説。処理しきれなかったエネルギーが電子頭脳に逆流でもするのだろうか。
TVシリーズでは升から酒を飲むがごとくだったが『ザ・ムービー』では一口サイズのキューブをそのまま口に運ぶシーンがある。
機能不全を起こした際に「新鮮なものでないと消化不良を起こしてエネルギーが不足することがある」とメガトロンが発言したことがあるが、
この時の不調の原因は実際にはセイバートニウムの経年劣化によるものでエネルゴンの補給では解決しなかったので真相は不明。
ただインセクトロンが「ノヴァエネルギー」を取り込んで内部機関が爆発を起こしそうになった(そしてシャープネルは実際に爆発した)事はあるので、エネルギーの合う・合わないがあるのは確かな模様。
またエネルギーの塊だけあって非常に発火しやすく、劇中ではレーザーが一発当たっただけで大爆発を起こしてせっかく集めたエネルギーが台無しになったり、それどころか基地ごと吹き飛んだりするシーンが多々見られる。
爆発オチで話を畳むのに非常に便利。

初代アニメ(劇中での西暦1985年)時点ではデストロンの専売特許だったようで、サイバトロンは基地内のシステムでエネルギーを補給していた。
ただそれから20年後の『ザ・ムービー』の頃にはサイバトロンもエネルゴンキューブ精製技術を手に入れていたようである。
なお「凝縮エネルギー」自体は、オレンジに光る蛍光灯型の容器に充填されたものが第1話で登場している。
ホイルジャック曰く「5本でせいぜい3ヵ月しか保たない」との事だが、これは「ホイルジャックとバンブルで3ヵ月分」なのか「サイバトロン全員で3ヵ月分」なのかは不明。
どちらにせよ劇中で触れられていないのでエネルゴンキューブとの単純比較は出来ないが、地球到着後は使用していないところを見るに恐らく効率は悪いのだろう。

他には第35話『ギャンブル惑星モナカス』では、コイン型に成形された「エネルゴンチップ」が貨幣代わりにカジノで用いられている。
これに関しては、モナカスの暗黒街を取り仕切るカジノ王ガイコニーがデストロンの後ろ盾で地位を得ている(いわゆるケツ持ち)ため、デストロンからエネルゴン精製の技術供与を受けていると考えるのが自然。
事実、ガイコニーはエネルゴンチップで上納金(上納エネルゴン)をデストロンに支払っている。

ザ☆ヘッドマスターズ』ではトランスフォーマーサイズのワイングラスに入った「エネルゴンワイン」なる飲み物が登場しており、その名の通り通常のエネルゴンよりもアルコール要素が強いのか、ウィリーが誤ってこれを飲んでひっくり返った事があった。

ちなみに初代より遥か先の未来である『トランスフォーマーV』の時代でもデスザラス一派がエネルギーの略奪・貯蔵にエネルゴンキューブを用いている。
……のだが、
  • コーヒーメーカーのような機械でエネルギーを採集
  • 集めたエネルギーをケーキ型のような箱に注いでエネルゴンキューブに圧縮・成形
と何故かひと手間増えている。
もっとも、かつてのデストロン軍が使っていたエネルゴンキューブと違い、パイプやケーブルに繋がなくても自動でエネルギーを集めてくれる装置のようなので、デスザラス一派はそこに使い勝手を見出しているのかも知れない。

ビーストウォーズ

古代の地球「エネルゴア」に大量に埋蔵されている無公害エネルギー。
極めて強力なエネルギー源であり、また土地を潤す肥料のような性質を持つ事から資源としての価値は非常に高いものと思われる。そのためメガトロンも血眼になって探し回っていた。
だが未精製の青い結晶「エネルゴンクリスタル」の状態では不安定であり、発せられる強力な電磁波はトランスフォーマーの機能をも狂わせてしまう。
幸い有機生命体は電磁波の影響を受けないため、サイバトロン・デストロン両軍はエネルゴアの動物のDNAをスキャン、ビーストモードを得る事で耐性を得ている。
しかしそれでもロボットモードでの活動は凡そ3分程度が限界。

無印最終盤では実験場を荒らされた事に怒ったエイリアン・ヴォックが、惑星破壊兵器「プラネットバスター」を起動。惑星中のエネルゴン鉱脈を爆発させ、エネルゴアそのものを破壊しようと目論んだ。
最終的にプラネットバスターはコンボイの自己犠牲で破壊されるが、この時発せられたクォンタム・サージによって残存エネルゴンが変質、より安定した状態の「エネルゴンキューブ」となる*2
またエネルゴンの安定化に伴い上記の電磁波も消失し、『メタルス』ではトランスフォーマー達はロボットモードでも自由に活動できるようになっていた。

なお初代アニメ21話『2人のコンボイ』では、電子回路を持つ機械を破壊する程強力かつ不安定なエネルギーを有する「コロニウム・クリスタル」が登場しており、ファンからは同一の物質ではないかと考察されているが詳細は不明。

一方『』『ネオ』ではトランスフォーマー達は主にオイルを摂取しており、エネルゴンについて言及する描写ない。
まあビースト戦士は有機物を食べてエネルギーに変換出来るので、エネルゴンだけに頼る必要は無いのかも知れないが。

トランスフォーマースーパーリンク

海外名の「Energon」からわかる通り、重要なアイテムとして登場。

惑星が正常に活動する源となる鉱物。人類、トランスフォーマー双方がエネルギー源として研究・利用しており、地球にもかなりの量が埋蔵している。
同時にセイバートロン星の神であるプライマスはこのエネルギーの集合体である。

原石は金色に光る鉱石。有機生命体には無害だがトランスフォーマーにとっては有害で、触れただけでも感電のようなダメージを受けてしまう。
そのため採掘にはエネルゴンに耐性のあるオムニコンもしくはテラーコンの協力が不可欠であり、彼らの手により「エネルゴンスター」へと加工される事で初めてサイバトロン・デストロンはエネルゴンを利用可能となる。エネルゴンスターの色はサイバトロン用が赤、デストロン用が緑。
エネルゴンスターはトランスフォーマーが装着する事で回復・武器のパワー源として使用でき、純エネルゴンで形成された武器「エネルゴンウェポン」の召喚も可能となる。
またサイバトロンはエネルゴンの有害性を利用し、網目状のエネルゴン波で惑星を取り囲む防衛機構「エネルゴングリッド」を開発しており、他にも液状エネルゴンを利用した治癒カプセルを運用している。

トランスフォーマープライム

惑星サイバトロンが壊滅した際、種の存続及び敵への利用を防ぐ目的で宇宙各地にバラまかれたエネルギー源。
その出自からして、元々はサイバトロンのみに存在していた資源か、もしくはトランスフォーマー自身が開発した物質と考えられる。
地球にも青いクリスタル状のエネルゴンが多量に埋蔵しており、両軍のトランスフォーマー達はこれを採掘・加工して自分達の生命維持及び各種テクノロジーの燃料に充てている。
地球色んな物持ち込まれ過ぎだろ。
『プライム』のトランスフォーマーはエネルゴンのみエネルギー源として受け付け、通常の電気やオイル等では代替にならない。
そのため他シリーズに比べても、エネルゴン確保に奔走する描写が多い。

また特筆するべき点として、派生種が多いのも本作のエネルゴンの特徴。
以下列挙。
  • ダークエネルゴン
ユニクロンの血液の結晶。紫色。
トランスフォーマーの死体に注入すれば本能のみで動くゾンビロボット「テラーコン」となり、命を持たない機械に注入すると凶暴な機械生命体となる。
メガトロンはこの物質を利用し、本星に眠る無数の亡骸を自分の意のままに動くテラーコン軍団に変えようと目論んでいた。
  • 合成エネルゴン
古代サイバトロンで開発された人工エネルギー源で、地球で回収したデータからラチェットが再現した。黄緑色。
通常のエネルゴンに比べて高出力で身体能力も格段に向上するが、反面人格を凶暴化させてしまう副作用がある。
また後にこれを研究したノックアウトによると、燃焼が速すぎるため一時的ならともかく長期的な燃料としての使用には向かない模様。実用化はまだまだ遠いようだ。
  • 毒エネルゴン
戦争中に兵器として開発された有害なエネルギー物質。通称「毒エネ*3」。暗緑色。
放射性物質のような強力な毒性を放ち、小さな欠片が突き刺さったインセクティコンが即死し、バルクヘッドですらただ数十分持ち歩いていただけで衰弱してしまい、しばらくの間戦線離脱せざるを得なかった程。
  • レッドエネルゴン
不安定な高純度エネルゴン。赤色。
揮発性が高く、精製してもほんの僅かな量の液体エネルゴンしか得られないが、その代わり通常のエネルゴンとは比較にならないほどの出力を発揮する事が出来る。
事実劇中で使用したスタースクリームはごく短い間ながら、音速もかくやという速度で動き回る事が出来た。

また、玩具限定のアームズマイクロンは、それぞれエネルゴンクリスタルと呼ばれるパーツを付けており、それの組み合わせによって「コンボウェポン」「スーパーコンボウェポン」が成立する。

実写映画

作中で言及されたのは二作目『リベンジ』から。

恒星を破壊しそのエネルギーを吸収、精製する事で得られるトランスフォーマーの生命力の源。
精製装置を設置する都合上、地球型の岩石惑星を有する恒星がその対象となる。
しかしかつてのプライム王朝では「惑星に生命が存在する場合、その恒星は破壊してはならない」というルールが存在。
もちろん地球もそのルールの対象内であり、古代の太陽系を訪れたプライム達は地球に誕生していた生命体・人類の存在を尊重しようとしたが、ただ一人メガトロナス・プライムことディセプティコンの創設者「ザ・フォールン」のみがそれに逆らい、地球の恒星…すなわち太陽でのエネルゴン精製を強行を目論んだ。
これが地球を巡る戦いの発端である。

精製されたエネルゴンは銀色のキューブに継ぎ足しされる形で保存され、このエネルゴンを長期間補給しなければトランスフォーマーの身体は徐々にボロボロと錆び付き、やがては死に至る。
さらに第一作時点では膨大な知識を蓄えた生命の源「オールスパーク」の器となっており、他の機械に命を吹き込みトランスフォーマーとして新生させる力を有していた

なおキューブ自体は第一作で失われるが、その後地球に来訪したトランスフォーマー達がエネルギーをどう賄っていたかは不明であり、それについて誰かが言及する事も無かった。
ゲーム作品ではディセプティコンの幼体がプルトニウムを摂取する描写があり、そこから察するに核燃料でも代替になるのだろうか。


追記・修正はエネルギーを無駄遣いしないと約束してからお願いします。

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最終更新:2023年12月05日 16:28

*1 なおサイバトロンはエネルギー確保に奔走する描写はないが、これは人類国家からエネルギー補給の支援を受けているため

*2 勿論G1のエネルゴンキューブとは別物

*3 原語版では「Toxic Enrgon」略して「Tox-En」