登録日:2023/04/09 Sun 09:30:49
更新日:2023/04/12 Wed 02:52:24
所要時間:約 13 分で読めます
●目次
【概要】
やがて君になるの作者・仲谷鳰の作品。
「やがて~」の連載終了後から2年後に月刊コミック電撃大王で連載が開始された。
当初から「
少年とおねーさんの漫画にしよう」と決めていたが「人類を滅ぼすような中二的なのがやりたいが設定がまとまらない」と思案していたところ、
担当から「
キャラの組み合わせがやりたいなら日常ものでいいのでは?」と勧められなんやかんやで日常ものに決まった。
割と間違えられやすいが「神さまがまちがえる」ではなく、「神様がまちがえる」でもなく、「神さまがまちガえる」である。
【ストーリー】
世界はいつも、どこかがおかしい。
朝起きたら街がジャングルになっていたり、世界中の人が迷子になったり……
周期性例外事象、通称"バグ"に満たされたこの世界では、非日常的な事象が日常的に発生する。
シェアハウスの大家にして"バグ"に心躍らせる研究者・かさねと、
彼女とひとつ屋根の下で暮らしながら助手を務める中学生・紺は、今日も新たな"バグ"を見つめる――。
【キャラクター】
綿矢 紺
本作の主人公で、2年生の男子中学生。
かさねがバグらない性質なので助手として実験に付き合っている。
両親の都合で4月の頭にシェアハウスに転居してきた。
受け答えに際してたまに言葉に詰まる瞬間があるが特に誰も気にしていない様子。
歳相応の知識と恥ずかしさは兼ね備えている模様。
その正体は「人間が生み出されるバグ」が終わった後に出来た「バグの残留物」である。人間として生み出されたので身体構造や知識などは人間そのもの。
よし乃に紺が来た経緯を訪ねると「紺の両親がかさねの父と知り合い(なので紺が来た)」と返されるがかさねの父は紺どころか綿矢家すら知らなかった。
元々、このバグは「人間が生み出され」「周囲が元からいたものとして改変・認識している」という膨大さから2日間で終わり、生み出された人間は彼らの記憶から全て消えてしまった。
……のだが何故か紺だけが「残留物」として残ってしまったのだ。
最低限の知識しか無いのもかさねの推測では「バグが発生している間のみ暮らすための設定」「辻褄が合わないとフリーズする」とのこと。
紺が「生まれて」から2か月経った現在も特に変わりなく日々生活している。
基本的に素直で人を信用しがち。
自身の出生に関して話すことも抵抗感が少なく、かさねが必要以上に話さないことを指示しているため基本的には秘密にしている。
姫崎 かさね
本作のヒロイン枠の大学教授。
シェアハウスのオーナーであり、「人間に作用するバグ」が効かない人間(紺曰く「バグらない」)でもある。
なのでそれ系のバグが発生した際には紺らに実験を手伝ってもらっている(手伝うと家賃が半額になる)。
大学では例外学概論を教えているほか、かさね自身はバグが発生した際の人間の行動も研究している。
円子 飛鳥
会社員。女性。
シェアハウスの中では一番の古株で年上だが背が一番低い。
言葉遣いが男っぽい。マッピングはざっくり派。
石橋 恒成
フリーター。男性。
紺とは歳が近く、いくつものバイトを掛け持ちしている。
体力には自信があるようで「眠くならないバグ」が発生した時は「半日は休んでるから」という理由で週6日も働いていた。
かさねのことが気になっているらしく、「助手」として実験に付き合わされている紺に対して「うらやましいけど…」と呟いていた。
伊与田 英
大学生。男性。
映像制作をしているが紺たちには一切見せていない。
両目が髪の毛で隠れている。マッピングはかっちり派。
そして、彼女持ち。
「裏路レイ」という名前でMV制作の活動をしている。
作品に「自分の色」というのを出したくないようでSNSのアカウントも宣伝オンリーで使っている。
よし乃
家政婦。女性。
シェアハウスでの料理番であるが住み込みではなく通いで来ている。
ただし、毎日来ているわけではないのでかさね達はたまに総菜を買ったりしている。
高木テオ
紺のクラスメート。男性。
ドイツ人と日本人のハーフでドイツ語が半分はわかる程度。
穂野 寧々
紺のクラスメート。女性。
距離感の詰め方が凄まじく、紺と知り合った瞬間に苗字で呼び捨てにするほど。
陸上部で長距離を走っており、空中を歩けるバグが発生した時には学校を休んでまで練習に打ち込んでいた。
藤田 陽花莉
お隣さん。女性。毛先を染めている。
説明力がやや不足している。
岩元
紺たちのクラスの担任。女性。
やや怖がりで涙もろい。
藤田
例外課の職員。男性。
陽花莉の叔父で喫煙家。
咲間
児童支援課の職員。女性。
キツそうな見た目に加え、かさねが目的のために紺を引き取ったのではないかと疑っていた。
【用語】
周期性例外事象
世界で発生する「バグ」の正式名称。
呼び方は地域によって様々だがバグの方が定着している。
法則もへったくれもない正しくバグと呼ぶに相応しい現象が発生し、例えば1日が27時間になったり、若返ったり、空中を歩けるようになったりと様々。
突然発生し、突然終了することからかつてはバグの「始まり」と「終わり」を見定めようと実験が行われた。
だが、必ず何かしらの「妨害」が入ってしまい、バグの「始まり」と「終わり」を観測した人間は1人もいない。
バグの終了後はすぐに別のバグが間を置かずに発生するようになっている。
そのため、例外庁や課などは常に対策に追われているといっても過言ではない。
バグには「人」に発生するものと「世界」に発生するものに分類される。
人のバグは身体の変化や認識の阻害、世界は構造の変化など。
この内、人発生のバグはかさねには効かないので彼女の検証を元に発表や対策が行われている。
バグで発生した食べ物などはきちんと栄養源が摂れるようになっており、作中の人物たちも躊躇なく食べる(紺は引き気味)。
「季節がおかしくなるバグ」で生えた野菜などを食べた研究者は2週間後にバグが終了しても飢え死にしなかったと言われている。
また、バグの終了時に危険な状態にならないように配慮されるなどその現象は極めて摩訶不思議。
発生したバグの「期間」はある程度推測できるようになっており、影響の範囲やバグの大きさで左右される。
基本的には大きければ大きいほど短時間で、小さい範囲なら長時間となる。最長で3週間、最短で1時間程度で終わる。
バグの種類や範囲、期間は例外庁が発表を行っている。
作中で発生したバグ
植物が街中に溢れ返るバグ(第1話:本日の世界) 発生対象:世界
文字通り街中至るところに木が生えるバグ。
花や野菜も生えるので商売道具も増えてしまう嬉しいのか嬉しくないのか微妙な感じでもある。
かさねの見立てでは4、5日で消えるかもとのこと。
空中を歩けるバグ(第2話:同じ空の上とか下とか) 発生対象:人間
空中を階段のように上がったり、歩いたりすることができるいわゆる「空中歩行」ができるようになるバグ。
ただし、自分の足で上がった分は自分の足で下がらないといけないのが難点。
その場で静止することもできる。
階段が一段増えるバグ(第3話:がっこうのかいだん) 発生対象:世界
降りる・上がる段数が一段増えるバグでその階段を無意識で使っているぐらいになると確実に踏み外す。
このバグと学校に伝わる怖い話が一致した時、ちょっとした騒動が起こることになる。
左右が逆になるバグ(第4話:右往左往右往) 発生対象:人間
自分の認識が反対になるバグで世界規模のバグかと思いきや人間の脳内にだけ作用しているバグ。
視覚情報がバグっているので「右を向かせる」ように指示を出す→情報が届くまでに反転して「左を向かせる」と認識
→脳内が「左を向く」と体に指示を出す→その命令もひっくり返って実際の体はきちんと右を向いている(けど「左を向いた」と認識している)。
…とだいぶややこしい感じになっている。
ツチノコが発生するバグ(第5話:ツチノコ(仮)捕獲計画) 発生対象:世界
あの幻の生物「ツチノコ」が発生するという一攫千金確実なバグ。
…ではなく、「観測者の正体不明の生物のイメージを具現化するバグ」がこの回での正式なバグ。
なぜツチノコなのかというと「発見例も多く、日本人が持つ未確認生物のイメージ」がツチノコだから。
更に対象(ツチノコ)に対する認識は人それぞれなので第三者が「ツチノコって〇〇らしいよ」と植え付けると…
魚が地上を泳ぐバグ(1巻総扉) 発生対象:世界
ハタタテダイらしき魚が地上を泳いでいるというこちらの認識がバグってしまいそうなバグ。
家の中の部屋が無限増殖するバグ(第6話:姫崎邸ダンジョン) 発生対象:世界
部屋が文字通り無限に増えてしまうバグ。物に生じるバグはその場所によって規模が違うらしい。
外から見ると「家」自体は何も起きていないがトイレが3つに増える、階段が部屋の中にあるなど雑コピペ状態。
もちろん、増えた部屋はきちんと機能しており、洗濯機やお風呂も普通に使える。
だが、Aのコピー部屋で散らかしたゴミはバグ解消後には元のAの部屋に戻ってくるなど便利一辺倒ではない。
家の外に通じる部屋からは普通に出入りは出来る。
物が壊れないバグ(第7話:放課後エクスペリメント) 発生対象:世界
物が一切壊れなくなるバグ。「物」は物だけでなく、人間も含まれる。
チョークや紙などそのもの自身を削る・切ることにより使う物が壊れなくなってしまい、
ボールペンやマーカーなどの液体を消費するものは使える。
人体にも作用しているらしく真剣バトルや5階からの飛び降りなども行われていた。
眠くならなくなるバグ(第8話:夜更かしは三文の徳) 発生対象:人間
眠くならなくなり正しく「不眠不休」を体現できるようになる。
これにより恩恵を受けた伊与田はいつもより生き生きとしていた。
眠くはならないが疲労は蓄積するようだ。
特定のミジンコが縞模様になるバグ(第9話:春のまれびと) 発生対象:世界
ミツクリミジンコと呼ばれるミジンコだけが縞模様になるだけのバグ。
「この上なくどうでもいい」と一蹴された本当にどうでもいいレベルのバグだった。
人間が増えるバグ(第9話:春のまれびと) 発生対象:人間
いつの間にか人間が増えており、誰もその人を「バグ」と認識しないまま、「元からいた」と改変されているバグ。
ある程度の知識などは有しているが辻褄を合わせることができずにフリーズしてしまう。
バグ終了後には「どのようなバグが発生していたか」自体も記憶から消えるのでかさねと紺以外は何が起こったかわからないでいた。
大昔には「物が増えるバグ」が発生しており、街にはその残留物も残っている。
家に帰ろうとすると迷子になるバグ(第10話:家路) 発生対象:人間
自宅に帰ろうとするとそこまでのルートの認識がバグって帰れなくなる。
自力では帰れなくなるので地図やナビ、散歩帰りの犬に頼る必要がある。
また、隣家に行こうとしても自宅と近すぎる場所はバグの対象となってルートを間違えしまう。
空から飴が降ってくるバグ(2巻総扉) 発生対象:世界
雨の代わりに飴が……というギャグみたいなバグ。
どうやら降ってくるのは飴玉限定らしく、りんご飴や水飴は降ってこないようだ。
言葉が風船になるバグ(第11話:内緒話に向かない日) 発生対象:人間
自分の発した言葉が文字入りの風船になるバグ。
風船は抱えることが出来、踏むと割れて風船に書かれている言葉が再生される仕組みになっている。
もちろん、風船なので風に吹かれれば……
くしゃみまでのカウントダウンが見えるバグ(第12話:お揃いの運命) 発生対象:人間
くしゃみをするまでの残り時間が視覚化されるというバグ。……本当にそれだけである。
このカウントが0にならなければくしゃみが出てこないのはある意味では便利というかなんというか……
しかし、かさねは「くしゃみまでの時間が可視化される」=「『未来の確定』というヤバいバグなのでは」と推測する。
今回はくしゃみだったから間の抜けた話になったがこれが「寿命」だったとするとどうなっていただろうか。
透明人間になるバグ(第13話:未確定の肖像) 発生対象:人間
衣服は透明にならないタイプの透明人間になるバグ。
一応、実体はあるので触ることが出来るが顔認証が出来なくなるデメリットがある。
このバグは「比較的短時間の内に解消すると思われる」というやや曖昧な言い方になった。
なぜならバグを悪用する人間が出た場合に効果時間を推測させないため。
理想の年齢になるバグ(第14話:27cm未来) 発生対象:人間
人間の身体に変化を及ぼすバグで味覚は変わらないが声は変わっていたりする。
恒成が口では否定しても本心では小学生に戻りたがっていたことや岩元が体操選手だった祖母が今でも元気で憧れるという点から、
紺がバグの詳細を「なりたい自分になるバグではないのか?」と確定させた。
例外課
バグに対処するために設置された市役所の課の1つ。
かさねの勤務先の1つでもある。正式名称は「例外事象課」。
第11話では紺のために戸籍を用意し、バックアップに努めた。
例外省
発生したバグがどのようなものなのか、期間はどれくらいなのかを早急に発見し、研究している。
姫崎邸
紺らが住んでいるかさねの家。2階建て。
朝食は各自で用意することになっており、かさねに分け与えるのも家賃の内に入るらしい。
因みに紺が来る前は以下の条件で募集を行っていた。
2階個室 6.5畳和室
収納・エアコン・照明・家具・鍵あり
家賃 \35,000 共益費 \15,000(水道光熱費・ネット代込み) 敷金 \40,000
共有設備:キッチン・トイレ・風呂・洗濯機・Wi-Fi
平日夕食400円 当日朝申し込み制
男女不問・禁煙・面接あり
追記・修正よろしくお願いします。
- 正しくSF(すこし・ふしぎ)してる漫画だと思う。毎回どんなバグが来るか楽しみになる(作品中の登場人物はたまったものじゃないんだろうけど -- 名無しさん (2023-04-09 11:02:13)
- 1巻だけだと個人的には微妙だけど、世界観が明かされる2巻からバチクソ面白いから是非読んでほしい。あと画力が神 -- 名無しさん (2023-04-10 01:20:54)
最終更新:2023年04月12日 02:52