メンタルマスター(遊戯王OCG)

登録日:2023/05/21 Sun 17:48:25
更新日:2024/01/07 Sun 22:53:13
所要時間:約 8 分で読めます




メンタルマスター
チューナー(効果モンスター)(禁止カード
星1/光属性/サイキック族/攻 100/守 200
800ライフポイントを払い、「メンタルマスター」以外の自分フィールド上のサイキック族モンスター1体をリリースして発動できる。
デッキからレベル4以下のサイキック族モンスター1体を表側攻撃表示で特殊召喚する。

概要

《メンタルマスター》とは、遊戯王OCGのカードである。
2008年4月19日に発売した「THE DUELIST GENESIS」に初収録。最初のサイキック族の内の一体である。
プレイヤー間の通称・愛称は「メンマス」、更に省略して「メンマ」。

その効果は、自分のLPと場の他のサイキック族をコストにして、新たなレベル4以下のサイキック族を特殊召喚する効果。
一見フィールドのモンスターの数を増やせず、モンスターの頭数を要求するシンクロ召喚リンク召喚と相性の悪い効果にも見える。

しかし真価はボード・アドバンテージではなくデッキ圧縮と墓地肥やしにある。
デッキから任意のモンスターを場に出し、そのモンスターをコストにすれば墓地肥やしの手順として機能する。
更にこの効果には回数制限が無いため、場のモンスターを即座に墓地送りにでき墓地肥やしの即効性も備えている。

墓地肥やし以外にも、リクルートしたモンスターの効果は無効にならないのもポイント。
これにより事実上、デッキ内の下級サイキック族の任意の起動効果を次々と発動させることにも繋がる。

回数制限もどきの措置としてライフコストが設けられているが、効果に反してかなり安い。
このコストにしても、《脳開発研究所》や《念動増幅装置》などとの併用で踏み倒すことができるため枷として機能していない。

相性の良いカード

  • 緊急テレポート、ワン・フォー・ワン
このカードを使用するには、このカードとリリース用のサイキック族が場にいないといけないため、事前準備の手間は発生する。
小さくない欠点ではあるが、《メンタルマスター》がサポートに恵まれた能力値であるために、これらの効果の恩恵を受けることができる。

  • 脳開発研究所
脳開発研究所
フィールド魔法
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
お互いのプレイヤーは通常召喚に加えて1度だけ、
自身のメインフェイズにサイキック族モンスター1体を召喚できる。
この方法でサイキック族モンスターが召喚される度にこのカードにサイコカウンターを1つ置く。
(2):自分フィールドのサイキック族モンスターが効果を発動するためにLPを払う場合、
代わりにこのカードにサイコカウンターを1つ置く事ができる。
(3):このカードがフィールドから離れた時に自分はこのカードに置かれていたサイコカウンターの数×1000ダメージを受ける。
先に名前の挙がった《脳開発研究所》も相性が良く、ライフコストの肩代わりと召喚権追加によるアシストが有効に働く。
これにより「《メンタルマスター》+他のサイキック族」という盤面条件を満たしやすくなり、ライフコストの枷もなくループを作れる。
ただし調子にのってサイコカウンターを大量に乗せたところを、不意の除去を受けて自滅するなんてことが無いようにしたい。

  • 優秀な起動効果持ち
やや雑な括りだが、このように記載。
効果を無効にすることなく次々とデッキから呼び出せるため、それらの効果をフルに活用することもできる。
例えば相手のセットカードを破壊できる《ディストラクター》などが有力候補。

寡黙なるサイコプリースト
効果モンスター
星3/地属性/サイキック族/攻 0/守2100
このカードが召喚・反転召喚に成功した時、守備表示になる。
1ターンに1度、手札を1枚墓地へ送る事で、自分の墓地に存在するサイキック族モンスター1体を選択してゲームから除外する。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、このカードの効果で除外したモンスター1体を選択して特殊召喚する。

《寡黙なるサイコプリースト》も《メンタルマスター》と相性の良い1枚。
フィールドに1枚目を出した後に墓地のサイキック族を除外、そして《メンタルマスター》のコストとしてリリースし別の《寡黙なるサイコプリースト》を特殊召喚。
すると《寡黙なるサイコプリースト》の効果で除外したサイキック族を特殊召喚できる。
後述の《念動収集機》と異なり、《メンタルマスター》によって《寡黙なるサイコプリースト》自身を場に用意できるところもポイント。

  • 念動収集機
レベル2以下のサイキック族を好きなだけ蘇生する速攻魔法。
連続リクルートで稼いだ墓地アドをボード・アドバンテージに還元しても良い。

ガスタの静寂 カーム
効果モンスター
星4/風属性/サイキック族/攻1700/守1100
1ターンに1度、自分の墓地の「ガスタ」と名のついたモンスター2体をデッキに戻して発動できる。
デッキからカードを1枚ドローする。
以下の手順によりループドローのコンボを再現できる。
  1. 何らかの方法で、フィールドに《メンタルマスター》と《ガスタの静寂 カーム》を場にそろえる
  2. 《メンタルマスター》の効果でひたすら《ガスタの静寂 カーム》をリリースし、別の《ガスタの静寂 カーム》を特殊召喚
  3. 墓地に2枚溜まった時に《ガスタの静寂 カーム》の効果を発動、墓地の《ガスタの静寂 カーム》をデッキに戻して1枚ドロー
  4. 2に戻る
ここに前述の《脳開発研究所》を用意しておけばライフコストを気にせず存分にドローができる。
【エクゾディア】を完成するなり、稼いだ手札を《マジックテンペスター》のコストとしてしこたま消費し、効果ダメージで1ターンキルも夢ではなくなる。

肝心の《ガスタの静寂 カーム》を素引きしてしまうとループが止まってしまうことが欠点。
しかし《寡黙なるサイコプリースト》などの手札コスト持ちを別で置いておけば、素引きケアにもなるため大きな問題にはならない。

禁止動向

この《メンタルマスター》は2009年9月付に制限カード指定、そして2011年9月付に禁止カード指定されている。
最初の制限指定については海外環境での活躍を受けての措置(つまり日本ではまだパッとしない活躍だった)ではある。

その後前述の《ガスタの静寂 カーム》ループコンボを問題視したためか、禁止措置に至っている。
しかしこれも、確かに驚異的なデッキではあったものの環境を荒らしつくしたというほどではない。
その理由はデッキパワーではなくデッキ構築難度。
なにせループのために3枚積みが必須となる《ガスタの静寂 カーム》が、DUEL TERMINALのSuperRare景品としてしか流通していなかった。
そのためほかの安くて強いデッキがシェアを占めていたという事情になる。

ちなみに《フィッシュボーグ・ガンナー》と同様、チューナーモンスター初の禁止カードである。

禁止解除の可能性については「少なくともエラッタなしで解除はあり得ない」という認識が一般的。
カードプールの増加、サイキック族の発達に伴い加速度的にカードパワーを増すタイプのカードであり、
回数制限のないリクルート効果で暴れまわる様が容易に想像できるためである。

かたや「1ターンに1度」のエラッタを施された場合。
その場合は「自身をリリースできず、レベル制限までつけられた《ローンファイア・ブロッサム》」になる。
あのカードは禁止指定経験こそないものの、制限と無制限を二度も往復する位には能力を認められている。
それを踏まえれば「強すぎず弱すぎず」の範疇にはどうにか収まるため、エラッタ復帰は有り得ると言えるだろう。
というか、「エラッタするくらいなら1ターンに1度も足せばいいのに」と当時から言われているのだが、哀れにも収監されっぱなしである。

余談

「カードが違います」
このカードに付随してしばしば話題になる内容。

まずは以下のカードをご確認いただきたい。
イレカエル
効果モンスター
星1/水属性/水族/攻 100/守2000
自分フィールド上に存在するモンスター1体を生け贄に捧げる。
自分のデッキから「ガエル」と名のついたモンスター1体を選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在する限り、「ガエル」と名のついたモンスターは戦闘によっては破壊されない。

《メンタルマスター》とよく似た効果を持つカエルであり、2023年現在では彼も禁止カードになっている。
この《イレカエル》と《メンタルマスター》だが、オーバーパワーとは別の理由で騒ぎを起こしたことがある。

実は旧版の《メンタルマスター》のテキストには「『メンタルマスター』以外の自分フィールド上のサイキック族モンスター1体をリリースして」とは書かれていなかった。
そのため一見すると自身をリリースして効果を発動できるように見える。
ただしこの効果は当初から「《メンタルマスター》自身はリリースできない」裁定であった。
類似する効果の《イレカエル》は自身をリリースできるため、内容の違いに対する問い合わせが相次いだそうな。

その後は《メンタルマスター》発売から5日後に「自身はリリースできない」旨の裁定発表がなされ、両者の違いを説明している。
対応の速さからしても、テキストの誤植であった可能性が高い。

本題はここからであり、
この《イレカエル》と《メンタルマスター》の違いに対して、以下の回答が公式になされたと話題になったことがある。

Q:このカード自身をリリースすることで特殊召喚できますか?
A:自身はリリースできません。(08/04/19)

Q:このカードと《イレカエル》の相違点はどこですか?
A:カードが違います。(08/04/21)

Q:カードが違うとはどういうことですか?
A:カードが違うということです。(08/04/24)

説明責任を放棄したかのような応対にコンマイ語と揶揄する動きも広がり、不信感を助長させた…という噂がある。
またこの噂に付随して、実際にその問答を遊戯王wikiに掲載してたスクリーンショットも出回っている。

しかしこの裁定についてはデマという見方が現在は主流。
根拠は遊戯王wikiの該当日付付近のバックアップには"コメントアウト状態でしか掲載されていない"こと。
そもそも上述の通り裁定が一貫していたことから「テキストのミス」であった可能性が高いため、このやり取りの真偽は定かではなくなっている。


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最終更新:2024年01月07日 22:53