皇帝の薬膳妃

登録日:2023/05/25 (木) 00:22:58
更新日:2023/10/03 Tue 07:41:15
所要時間:約 7 分で読めます





妃と医官の二重生活が王宮に波乱を呼ぶ! 心ときめくファンタジー絵巻。



概要

『皇帝の薬膳妃』とは角川文庫 キャラクター文芸から発売している小説。既刊5巻。
著者は尾道理子。
表紙イラストを名司生が担当。

中華風の世界で繰り広げられる後宮劇。
コミカライズ化されており、webサイト『ComicWalker』にて連載中。既刊2巻。
作画担当はかなたろう。
2話までと最新話が無料で公開されている。


あらすじ

女性の医者雇用を禁止している『伍尭國』
この国に住む少女・董胡は、幼い頃出会った『レイシ』の専属薬膳師になるために男装をして勉強していた。
ある日医者免許取得試験を首席で突破した董胡は、地元のお偉いさんである玄武公の元へ呼び出される。
するとそこで董胡は、自分が玄武公の行方不明となっている長女であると知る。

と同時に皇帝に嫁に出される事が決まってしまう。
妃になれば薬膳師にはなれないし、嫁入りを断れば玄武公に医師免許を剥奪されてしまう。
とりあえず離縁してもらおうと皇帝に嫌われるように振る舞おうとするが、その皇帝が彼女が仕えたいと思っていた『レイシ』で――

主な登場人物

  • 董胡/鼓濤
本作の主人公。薬膳師を目指す玄武の一の姫(長女)。17歳。
『相手が求める味を五色の色で見れる』という薬膳師向きな超能力を持つ。
中性的で整った容姿をしており、化粧をすれば美少女、男装をすれば美少年になれる。
『董胡』は育ての親・卜殷から貰った名前で、実質男装時の名前。
『鼓濤』は玄武公から名付けられた名前で、彼女本来の名前。皇帝の后としてこの名前を名乗っている。

玄武公の一の姫ということになっているが、鼓濤の母親である濤麗は卜殷と駆け落ちしたと言われており、そのため不義の子である可能性が高い。
鼓濤の姿は濤麗に瓜二つであり、この事から玄武公に濤麗の娘である事を見抜かれた。

医師である卜殷に医師の助手として育てられてきたため、男装をしていた。
12歳の時、偶然であったレイシから薬膳師が平民ではなれない職種と知り、貴族であるレイシならその政策を変えられるのではないかと訴え、
そして将来平民でも薬膳師になれる国をレイシが作った際に彼の専属薬膳師になる事を約束する。

当初は皇帝の后になる事を嫌がっていたが、その皇帝がレイシだと知り、董胡と鼓濤が同一人物だと知られないようにこっそり彼の薬膳師として活動中。

  • 黎司/レイシ
『伍尭國』の第17代皇帝。母は先々代朱雀公の一の后。
超美形の青年だが、わがままで癇癪持ちで、さらに暴力的で多くの侍女を殺した……という噂の持ち主。
しかし実際は聡明で優しい青年。
上記の噂は玄武公が黎司を亡き者にすべく、有能な人間を皇帝の元へ集ませないために流した噂。
本来彼の後見人になる朱雀家の者が全滅し、彼には権力の基盤になる部分がまったくなく、そのせいで彼の権力では噂を払拭できず『伍尭國』に根付いている。

幼い頃から玄武公に命を狙われ続けたせいで、拒食症を患っている。
さらに信頼できる人間が少ないせいで人間不信気味。

その正体は5年前に行き倒れていた所を董胡に救われたと少年・レイシ。
この時必死に看病し料理を作ってくれたことから、董胡の料理だけは食べる事が出来る。
董胡が女性である事は気付いておらず、董胡が鼓濤付きの薬膳師になっている事を知って、自身の専属薬膳師にするのを諦めて料理を食べるために通っている。

当初は近代の皇帝の例に漏れず異能の力が弱かった。
しかし董胡の綾里を食べて栄養不足が解消した事、皇帝の力の源が民への祈りだと気付いたため、『未来予知』の力が覚醒した。

麒麟

『伍尭國』の中央にある皇帝の住む都。天術を司る皇帝の一族は麒麟と呼ばれる。
皇帝は即位すると四公の一の姫を娶って一の后にするという習わしがある。
皇帝には『未来予知』という超能力があるが、代を重ねるごとに力が弱まっているという。
また皇帝にならずとも、麒麟の一族には何かしらの超能力持ちが産まれてくるらしい。

  • 翔司
黎司の異母弟。母親は玄武公の妹。
誠実な好青年で、強い正義感を持つ。なので粗暴な噂がある兄を憎んでいる。
従妹である華蘭とは幼なじみであり、相思相愛の関係。
幼い頃から玄武公と母親と華蘭の玄武一族から傀儡の皇帝にされるべく、歪んだ洗脳教育を受けている。
しかし生来の純粋さと正義感のせいで玄武一族の思惑から外れる事も。

  • 翠明
黎司の側近であり、麒麟の一族の神官。
黎司と董胡の関係性を知る人物の一人。
式神を操る力を持つ。

玄武

『伍尭國』の北に位置する都。
医術が発展しており、医者を目指す者はこの都で勉強する。

  • 玄武公 亀氏
現在の玄武一族の当主。鼓濤の父親。
現在の四公の中でもずば抜けた財力と権力の持ち主であり、その権力は皇帝をも上回るという。
甥である翔司を皇帝にするべく、裏で暗躍している。
再会したばかりの鼓濤を皇帝の后にしたのも、現皇帝の治世が長くないため(というか短期で終わらせるつもり)
そんな皇帝に華蘭を嫁に出すつもりがないから。

  • 華蘭
玄武公の二の姫。玄武公が溺愛している。
玄武公の正妻の子供で、鼓濤の異母妹。母親は白虎の血を引き麒麟の一族に連なる者。
恋人の翔司の前では大人しくしているが、その内面は苛烈。

  • 卜殷
玄武領の東の果てにある斗宿という村に診療所を開いている医者。
捨てられていた董胡を拾って育てていた育ての親だが、実は実父の疑いがある。
濤麗と駆け落ちしたと言われており、実は董胡の本当の身分を知っていた。

  • 楊庵
卜殷の弟子で、董胡の兄弟子にあたる。20歳。
行方不明になった董胡を探すべく、内医官見習いとして王宮に上がった。
董胡に恋心を抱いている。

朱雀

南にある芸術が盛んな都。
美人が多いと評判で、中心街にある花街は他都から男性が集る。

  • 朱雀公 鳳氏
現在の朱雀家の当主。
分家なうえ優秀な兄がいたのと本人が引っ込み思案だったことから、本来家督とは縁がない人。
人気の舞妓とはいえ、『孔雀貴人』と呼ばれた平民を嫁に娶って実質平民として暮らしていた。
しかし本家の血筋が絶え(唯一残ったのが現皇帝である)、兄も病で亡くなったため、しょうがなく当主を引き継いだ。
なので野心とかは一切なく、それどころか平民の妻と強制的に離縁させられ貴族の女性と再婚させられたため、かなり迷惑に思っている。
一応兄の子が成人すれば当主の座を渡し、妻と復縁するつもり。

  • 朱璃
朱雀公の一の姫で、黎司の一の后。
実は黎司の4人の后の内、ちゃんとした一の姫は彼女一人だけだったりする。
(鼓濤は出生不確か。他二人は次代のため真の一の姫を温存)
『光貴人』という名で紅拍子の舞団で率いていたが、父が朱雀公になったため嫁がされてきた。
平民の母に育てられてきたため心は平民であり、価値観は董胡に近い。
そのため貴族の姫とは思えないほど自由奔放な性格をしている。

幼い頃に出会った濤麗に憧れており、濤麗を探している内に董胡/鼓濤の関係に自力で辿り着く。

青龍

東にある武術に秀でた都。

  • 青龍公 龍氏
青龍の現領主。
色黒で武術に長け、腹黒く計算高い性格。

  • 翠蓮
青龍公の一の姫で、黎司の一の后。
ただし黎司がすぐに暗殺されると考えた青龍公は、
本当の一の姫を翔司に嫁がせるために温存することにしたため、分家から養子になった偽りの一の姫。
色白の美妃だが、床に臥せっている。

白虎

西ある商術で栄える都。

  • 白虎公 虎氏
玄武公と組んで私腹を肥やしている。小心者。
皇帝暗殺も協力しているが、自分をいいように使う玄武公にいい感情を抱いていない。

用語

  • 医術
『伍尭國』では医術を扱う職種が三種類ある。
鍼を打ち薬を処方する医師、処方された薬を煎じて飲ます薬師、薬膳料理を作る薬膳師。
いずれも玄武の都にある皇帝直属の麒麟寮で学ぶことでなる事が出来、麒麟寮は平民にも開いているので勉強さえできれば誰にでもなる事が出来る。
このうち薬膳師は医師になれる知識+料理の腕が必要なため、あまり数が少ない。
そのうえ平民は病気の予防のためにお金を使う事が出来ず、薬膳師を雇える貴族は身分がしっかりした貴族出身の薬膳師を雇うため、事実上平民にはなれない。

  • 内医官
王宮にて働く医師。
一度内医官になると王宮から出る事が出来ず、家族と連絡を取り合う事が出来ない。
この内医官の内、優秀な者は皇帝専属の内医官に任命される。
この専属内医官は皇帝が死去した際に、共に後を追う事が要求される殉死制度がある。
これは大昔の専属内医官が薬と称して毒を盛って暗殺した事から、内医官による暗殺防止で定められた。
しかし代々の玄武公はこの制度を悪用し、平時は自分の一族から内医官を任命し、
皇帝が死にそうになると一族以外の優秀な医師を内医官に任命することで、合法的に暗殺してきた。




追記・修正は男装して薬膳師になってからお願いします。

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最終更新:2023年10月03日 07:41