アートマン(トラウマイスタ)

登録日:2023/06/08 (木) 19:48:38
更新日:2023/06/20 Tue 17:09:51
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その具現化されたトラウマの思念体を、私達はこう呼んでいるわ…

真実の自己(アートマン)」と。




「アートマン」とは、『トラウマイスタ』に登場する思念生命体。


概要

反魂香の煙を吸い込んだ人間のトラウマから誕生した新生物。反魂香が燃え尽きる10分の間に、同時に出現した「勇気の剣」を突き刺すことによってその者のトラウマ克服及びアートマンの使役が可能になる。タイトルの「トラウマイスタ」とは、これを成し遂げた者のことを指す。
ただし「10分以内に打ち倒す」=トラウマ克服に失敗するとアートマンに肉体を乗っ取られて精神的に死ぬことになる。
普段は思念体で主人以外見ることも触れることもできないが、非常に強大な力を持ち、基本的にアートマンはアートマンかトラウマイスタの力でなければ倒すことはできない。
容姿や能力は主人のトラウマに基づいていることが多い。
基本的に1人につき使役するアートマンは1体だが、ダヴィンチは例外としてアートマンを7体従えている。打ち切りのせいで本編には3体しか登場しなかったが。

思念体なので当然反魂香の煙を浴びて実体化しなければ物体に干渉することはできないが、飲食は可能。睡眠もとる。死亡すると灰になって消えるため遺体は残らない。
基本的に主人に忠実だが、知能についてはまちまちで全うに会話が可能なのはスジャータ、ゲルニカ、ライムライトの3体しか登場しなかった。

本来は反魂香の開発者・漆原シエナが「人間と共に魂を成長させ、人々に平安をもたらす」という目的で開発したパートナーだったのだが、二千恵率いるチャンドラカンパニーに取り込まれ、彼の野望のために悪用されることになってしまった。
また、能力バトルものとして見た場合、トラウマイスタにとってアートマンの使役はスタートライン。ダヴィンチや終盤でのピカソを見るに、最終的にはアートマンよりもトラウマイスタ本人の方が強くなる模様。


アートマン一覧

主人公組のアートマン

スジャータ


ピカソ君。デートしよ?

シエナのアートマンにして本作のヒロイン。
外見はナイスバディな大人の女性。シエナが錠剤型の反魂香を服用しているため、他のアートマンとは異なりシエナが死にでもしない限り実体化し続けることが可能である。その他詳細は項目参照。
何のトラウマから生まれたかは不明だが、容姿がシエナと瓜二つのため自己嫌悪か何かだろうか?

能力
  • 審義眼
いわゆる「千里眼」。別の場所での出来事や人物・物体の思念を見て読み取ることができる。


ゲルニカ


既にワシは主殿の剣。
主殿に降りかかる千の敵も心の闇も凪ぎ払う、
主殿にとってこの世で最も信頼できる剣となろう。

比何(ひか)ソウマ/ピカソのアートマン。外見は角の生えた逆三角形の鳥。
ピカソの「好きな女の子にお願いされて鬼ごっこの鬼役を何年間もやり続けていたのに、当の女の子からはまったく快く思われていなかったと知った時のショック」から生まれた。
古めかしい口調で喋り、大柄な体格に見合うパワーとスピードの持ち主だが、その実かなりの小心者かつ甘えん坊。初期はピカソがちょっと離れようとしただけで泣き出し抱きついてきたレベル。
ことあるごとに「ヴォオオオオ!」と叫ぶ癖があり、それだけでカラオケで100点を叩き出した。ピカソは音痴なのに。
終盤ではピカソが白くなったが、ゲルニカは黒くなった。

能力
  • 嘔吐(オート)カノン
食べたものを体内で分解・再構築し、砲弾として吐き出す。
…例えどんなに馬鹿馬鹿しい内容でも、ピカソにとっては吐き気を覚えるほどのトラウマだったということか。
  • 物質干渉
ピカソが一度でも触れたことがあるものであれば、実体化していなくても触れることができる。


ライムライト


よくもライムの主チャップリンを……許さんラーイ!!!

茶風(さふ)倫太郎(りんたろう)/チャップリンのアートマン。外見がぬいぐるみのように可愛らしいため、チャップリンはあまり出したがらないという。
チャップリンの「離婚寸前という最悪の家庭環境において、愛されたくて、両親の笑顔が見たくて無理して笑っていたのに、それを両親に理解されず否定されたショック」から生まれた。
外見に反して過激な性格で、久々の実体化の際にはチャップリンに不満と拳をぶつけまくって半殺しにした。
上記の通り珍しい会話能力を持つアートマンだが、中盤の24話で事実上出番が終了してしまう。

能力
  • サブリザード
袖を超回転させることで真空の竜巻を作り出し、急激に空気圧を下げることで気温を下げ、当たると凍る竜巻を放つ。
かすっても凍った所から徐々に凍結が広がっていくが、ライムライトが笑うと氷が溶けてしまうという欠点もある。


昆注器(こんちゅうき)


刺激を受けると擬態が解け、本来の姿に戻る――それがこの子の性質。

羽生(はぶ)瑠々花(るるか)/ファーブルのアートマン。サナギのように尖った頭部と小さな2対の羽を持つ芋虫のような外見をしている。おそらくデザインコンセプトはこの人たちと同じ。
ファーブルの「サナギまで大切に育てていた蝶の幼虫が、酔っ払った父親にアーモンドと間違われて食い殺されたショック」から生まれた。父親の方がトラウマになってそう。
喋ることはできないが「ミー」と鳴くことはできる。また、ゲルニカによると手触りはひんやりしているらしい。
下記の通り能力は完全にサポート特化であり、当人の動きも鈍いため、単体でどうやって戦うのかは不明。

能力
  • チューチュードレイン
物質の原子情報を吸い上げ、一度だけ好きな時に擬態できる。情報は10個までストック可能。
昆注器の擬態と同時に着用することで、他人を擬態させることもできる。
  • 自切
ダメージを負った箇所を切り離して再生する。


村正


彼が、もう1人のトラウマイスタ…
センゴと、アートマン「村正」。

センゴのアートマン。両腕が日本刀になった人形のような姿をしている。
センゴの「チャンドラの暗部を探っていた警察官の父親が、チャンドラの刺客たちに背後から刀でめった刺しにされて殺害されたショック」から生まれた。
…12コマしか出番が無いため、それ以外のことは一切不明。


チャンドラカンパニーのアートマン

ツァラトゥストラ


その苦しみから解放してやると言っている……
その方法はただひとつ………
自分自身に滅ぼされることだ。

社長・二千恵(にちえ)のアートマン。ガネーシャのような姿をしている。
動作や仕草といった描写は皆無で、始終置物のようだった。
最期はピカソの勇気の剣で切り刻まれバラバラにされる。

能力
  • アートマン操作
指の先から糸のようなものを出して、他人のアートマンを操る。モナのような強力なアートマンであっても、まったく抵抗できずあっさりと操れてしまう。
まさに「社長」という立場にある二千恵のアートマンに相応しい能力だが、会社を経営するうちに「人を操ること」にトラウマでも持ったのだろうか?


ボワ・ド・ジャスティス


ゆけ。麗しき我がアートマン。

幹部・ルイのアートマン。どことなく某ハズレアに似ている。
胸部に刃が深々と突き刺さっても生きていたあたり、生命力は強いようだが、おそらくツァラトゥストラによって操られ主人であるルイを惨殺してしまう。
その後の消息は不明だが、ダヴィンチが晩餐に食わせたと考えるのが妥当か。

能力
  • 刀痕エクセキューション
切りつけた痕からギロチンを生成して、重力を無視した垂直落下をさせる。
刀痕があればあるほど手数が増えるという点も厄介だが、真に厄介なのはボワ・ド・ジャスティスが動けなくても、ルイの指示で能力が発動可能という点。
この特性から劇中ではトラップのように用いられることもあったが、如何せんルイがアホですぐにネタばらししたため速攻で対策された。
この能力から推測するに、ルイのトラウマは「首を切られること」だと思われる。


分別盛り


お前も触れたね。「分別盛り」に。

幹部・カミーユのアートマン。見た目は金属製のマリア像。実際、その体は液体金属でできている。
非常に強力なアートマンで、一撃でトラックをぺしゃんこにするほどの剛力を持つ。
下記の能力を駆使して始終ピカソたちを圧倒し続けた、出る順番を間違えたレベルの強豪だったが、最期は乱入してきたモナに破壊された。
下記の能力、人工アートマンを製造するためにターゲットに選んだ相手の条件、受胎告知がカミーユの体内に埋め込まれた際にすごく嫌そうな顔をしていたことなどから、女性としてかなりデリケートなトラウマから誕生したと推測できる。

能力
  • メタリキッド・ラマン
分別盛りに付属している天使像が口内から侵入し、相手を内側から鋳造する。3分後には窒息死。
厄介なことにこの天使像、分別盛りから独立して動くため、分別盛りに触れた時点で相手の体にくっついて勝手に口内に入ろうとしてくる。
  • 超高温の掌
なんと最大5200℃の高温を発する。おかげで生半可な攻撃は即溶解・蒸発し無力化されてしまう。
  • 分裂
バラバラになっても死なない。それどころか破片の数だけ分裂する。
質量保存の法則はガン無視され、分裂体は全員分裂前と同じサイズになる。


E=mc2(質量とエネルギーの等価性)


ワシのアートマン…光速。

幹部・アインシュタインのアートマン。一応人型だがどことなく虫っぽい印象を受けるデザイン。
アインシュタインの「ワシのアートマン…光速」「1秒間に、オマエを7回半殺す」という発言からしてスピード特化の能力を持っていたと思われるが、戦闘が始まる前にアインシュタインがピカソに一撃粉砕されたため詳細不明。
ちなみに出番は1コマである。
「ワシ、こいつ、スキ。」


ホワイトウォールズ


ワタシはただのチャンドラカンパニーの刺客。
名をウィグリーと申しマース。こっちはアートマンのホワイトウォールズ。

民間兵・ウィグリーのアートマン。外見はグロテスクな花の化け物。
伸縮自在の蔓を振るい、刃のように鋭い葉っぱで切り刻む。
ピカソ&ゲルニカの初陣相手……言ってしまえばトラウママイスタ同士の戦いのチュートリアル。
苦戦したのもピカソが反魂香を焚くための火種の所持を忘れていたからで、結局は嘔吐カノンの一撃で倒されており、あまり強くはない。


第7話のアートマン


キサマのアートマンを出すヒマもなく、つつき殺されろォォォオ!!!

チャップリンを追いかけていた二人組のアートマン。角張った鳥のような見た目をしている。
「オレ達2人のアートマンによるコンビネーションアタック」とのことで、どうやら2人のアートマンを組み合わせてこの姿になっているようだ。
チャップリンの異常な身体能力の前に、呆気なく倒されてしまった。


人工アートマン


ウツクシクナリタイ…ウツクシクナリタイ…

吸引した者の心の闇を血液に溶け込ませる作用を持つアロマ「シャシー」を使い、その血液を集めて精製、反魂香の成分と混ぜ合わせることで造られるはずだったアートマン。
本編では「女性の美しさに関するコンプレックス」を血液に溶かして集めていたのだが、ファーブルの友人・安曇(あずみ)ちひろがファーブルの反魂香を持った状態でその血液を浴びたことで、彼女の肉体から膨れ上がるかたちで実体化。女性の様々な部位をデタラメに組み合わせたかのような巨大な化け物として誕生した。
ちひろと肉体的に繋がっているため、人工アートマンへのダメージはちひろにも伝わってしまう。そこでピカソは嘔吐カノンの性質を応用し、ゲルニカの体内でちひろと人工アートマンを分離させるという手段を取った。
こうして人工アートマンは完全に分解され、消滅することになるのだが、分解する過程でその本質が「美しくなりたい…でもどうせ私なんか…」というコンプレックスの集合体であると知ったピカソは彼女(?)への同情を禁じ得なかった。


第29話のアートマン


俺のアートマンはパワー自慢!! 今トドメをさすぜ!!

センゴと村正を襲撃していた刺客のアートマン。ふくろうみたいな顔をした巨大な土偶のような見た目。
刺客曰く「パワー自慢」とのことで、実際村正だけでは押されていた。
しかしセンゴが勇気の剣を使用したことで形勢が逆転。二人にバラバラに切り刻まれて敗北した。


ダヴィンチのアートマン

モナ・リザ


さすが吾輩のモナ!!! キャワイイモナ!!!
ああッ、モナ!!! モナ!!! モナァー!!!

元ネタに反してショートカットで幼い少女の姿をしたアートマン。
クローバーみたいなかたちの眉毛と、腸のようにでこぼこした首飾りが特徴。服の中は四次元空間でダヴィンチが潜り込んでいてもまったく膨らんだり伸びたりしない。
一言も喋らずジェスチャーでコミュニケーションを取るが、感情はしっかりあり表情豊か。ダヴィンチのことは大好きだが彼からのセクハラはさすがに恥ずかしい模様。
かわいらしい見た目に反して恐ろしく高い身体能力を持ち、分裂した分別盛りの1体をただの着地で破壊。カミーユが射ったマシンガンの弾を勢いそのままに全弾はじき返す。ゲルニカの角を一撃でへし折るなどをやってのけた。下記の能力はおまけに等しい。更に絶望的なことに、ダヴィンチはモナよりも強い。
フィジカルにおいては間違いなく作中最強クラスのアートマンだが、最期は晩餐の食欲を満たすために笑顔で飲み込まれた。

能力
  • 吸収
両手で輪をつくり、その中央に出現した黒い球体がアートマンを吸い込んで飴玉サイズに固める。


受胎告知


わかったかい? こいつの能力。

カセットテープのような姿のアートマン。常に不気味な笑みを浮かべている。
第37話でダヴィンチに回収された後の消息は不明。

能力
  • 爆裂
予言を吹き込んだ状態の受胎告知を生命体の体内に埋め込むと、予言が的中しなかった場合宿主の腹を食い破り爆裂させてしまう。
この予言は何でもありで、「5秒後、ここは大雪になるだろう」という絶対に当たりそうもない内容を吹き込むことも可能。


最後の晩餐


ついに、この日がきたんだね。
あとはモナ…
可愛いモナを飲み込めば、
「晩餐」の食欲は完全に満たされる…
出でよ…「最後の晩餐」。

目の無い蛇みたいな外見のアートマン。ダヴィンチが回収したアートマンの死骸は全てこいつに食われている模様。
ダヴィンチの服の中に潜んでいるように見えるが、実際は彼と一体化しており結合部付近には謎の触覚が生えている。

能力
  • 複製(レプリカント)
食べたものの複製を作ることができる。昆注器と能力が被ってる……と言いたいところだが、ダヴィンチ曰く「最後の晩餐は、主にとって最も望む姿に成長、変化を遂げる」らしいので、複製の本質は「主の願いを叶えること」だと思われる。
もしかしたら他のアートマンを晩餐に食べさせるのは、そのための発動コストだったのかもしれない。


その他のアートマン


あの男と出会って無事で済むはずがない。
チャンドラの社長ですら恐れる人間よ。なぜならあいつは…
最強のアートマン7体を従えているから。

上記の通り7体中4体は登場しなかった。だがダヴィンチは作中で「飛行」「回復」「姿を消す」能力を披露しており、これらが未登場のアートマンの能力だった可能性はある。
これらの能力が自力のものでも違和感が無いのがダヴィンチの恐ろしいところ。


ブラフマン


神は死んだ。
だが、神は甦る。
私の手で。
究極のアートマン…
ブラフマンとなって。

超反魂香を用いることで究極進化を果たしたアートマン。
二千恵はこれを全人類が信仰する新たな神とすることで世界を統一しようと考えていたが…。





追記・修正は自分のアートマンと共にお願いします。

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最終更新:2023年06月20日 17:09