滅却師(BLEACH)

登録日:2023/07/18 Tue 22:49:12
更新日:2024/04/10 Wed 22:32:28
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僕は最後の滅却師(クインシー)


滅却師(クインシー)とは、漫画『BLEACH』に登場する用語の一つ。



ß概要


人間に害なす悪霊たる(ホロウ)を完全に消し去る力を持つ集団。
石田雨竜浦原喜助曰く「虚を滅却する(ころす)力を持つ者」「嘗て世界中に散在していた対虚戦に特化した退魔の眷属」
その多くが白い装束を身に纏い、主に弓矢を用いた戦闘術をこなす。
虚と戦うという点では死神と同じだが、真逆とも言える思想と1000年前の出来事により互いに敵視をしている。
原作初期に明らかになっている滅却師は石田雨竜と石田竜弦、既に故人となっていた石田宗弦の3名のみである。
そして、全ての滅却師の始祖ユーハバッハ
なお、専門用語は主にドイツ語が由来となっている。

死神と相反する理由

虚は死神の斬魄刀で魂魄が浄化されて元の人間に戻っていき、死後の世界にあたる尸魂界(ソウル・ソサエティ)に送られるが、滅却師の力は魂魄もろともに虚を完全消滅させる。
虚そのものを消滅させる行為は尸魂界と現世にある魂魄の量を乱してしまい、虚圏(ウェコムンド)を含めて3つの世界の均衡が崩壊する。

後に語られたが、虚を消滅させる目的は虚に殺された仲間や家族の復讐などといった感情的なものではなく、滅却師の力を持つ者には虚に対する抗体が無いという体質的な事実に起因する事が浦原らの解析で判明。
『BLEACH』の世界の人間や死神には虚に対する抗体が魂魄の中に存在しており、仮に虚化しても魂魄を保つことは可能だが、滅却師にはそれがないため虚に襲われると魂魄ごと消滅してしまう。

滅却師にとって虚は確実な死をもたらす猛毒に等しい存在なので、世界の崩壊を招くとしても自衛として虚を消滅させざるを得なかった。


ß歴史


世界の調整者(バランサー)といえる死神は滅却師に虚の消滅行為をやめるように持ち掛けていたが、彼らはそれを拒否。
長きに渡る話し合いの末に200年前に死神の手により現世の滅却師はほぼ滅ぼされて、生き残りはごく僅かとなった。

……というのが雨竜、宗弦、朽木ルキア、そして真央霊術院から語られていた表向きの歴史である。


+ ただし……
これはあくまで霊術院で死神が学ぶ内容であり、また幼少の雨竜に配慮し、死神との融和を掲げる宗弦が語った話。
つまり死神側から見た内容なのである。
アニメ版『千年血戦篇』で明かされた宗弦の手記には「滅却師は一方的に死神に滅ぼされた」と書かれている。
後述する1000年前から更に800年という時間を掛けて滅却師を滅ぼしているので、話し合いをしていた部分は確かにあったとは思われるのだが、
千年前の戦いや涅マユリが暗躍し行っていた非道な実験を顧みると、宗弦の手記に書かれていた「一方的」という言葉も正しい側面があると考えられる*1

ちなみに昨今の霊術院ではこの話自体が削られて、滅却師が何故死神と対立するのか、何故彼らは滅ぼされたのか、200年前になにがあったのかすら知らない状態だった。
というより(作中初期の描写だが)ルキアですら滅却師の存在そのものを浦原に聞くまで知らない程だった。
なので少なくとも50年以上は前から、霊術院でも200年前の殲滅戦どころか滅却師の存在そのものを教えていなかった模様。
つまり死神にとっては滅却師との対立があったという歴史自体がかなり不都合なものだったと思われる。
まあ「殲滅戦」という言葉を用いている以上、どんな理由があっても悪いイメージが付いてしまうので仕方ない部分もあるが。

実際、死神側に理があると見られる上記の説明をしているルキアや可城丸秀朝ですら「殲滅戦が正しかった」とは一言も言っておらず*2
見えざる帝国との戦争前に初めて200年前の事実を知った行木竜ノ介もかつて滅ぼされた滅却師が復讐として護廷に牙を剥く現状を考え、「死神の正義」を疑問視した程である*3

そして後日談の小説『BLEACH Can't Fear Your Own World』及び『BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU』でも言及されているが、尸魂界は秩序を何よりも重んじるので、かなり歴史を改修・改変して後世に伝えている。
滅却師との確執に限らず、銀城空吾の件もその一例である。


ß真の歴史


上記の歴史は確かに事実ではあるのだが、これが全てではない。というより本当に一部に過ぎず、こちらが最も重要な歴史である。

かつて1000年以上前に現世ではとある巨大国家が存在していた。
それは滅却師の始祖ユーハバッハが統治していた光の国(リヒト・ライヒ)である。
この国は各領や近隣諸国を侵略戦争で自国に取り込み、大きく繁栄していった。
やがて大方の侵略を完了し統治も完璧になった頃、ユーハバッハは更に大きな野望を掲げて、ある存在に戦いを仕掛ける。

それこそが他ならぬ尸魂界であった。
現世に飽き足らず他の世界の国との戦いを目論むユーハバッハ。
ユーハバッハも彼らの脅威は知っていたので、その戦いのために更に徴兵制度で兵を募り、中でも選り優れた滅却師の精鋭を星十字騎士団(シュテルンリッター)と称して戦いに臨んだ。

しかし、護廷十三隊の力はユーハバッハの想定を遥かに超えるものだった。
彼らの圧倒的な力と一切容赦の無い鬼神の如き苛烈さを前に文字通りの惨敗、首魁であるユーハバッハもまた護廷十三隊総隊長・山本元柳斎重國との戦いで完全敗北を喫した。

これこそが滅却師と死神が相対することになった真の理由である。

当然だが、こちらの歴史は一般隊士どころか席官にすら伝えられていないし、雨竜ですらも全く知らない、文字通りの秘匿情報だったと思われる*4

+ なぜ…
ここまで読んで首を傾げた人もいることだろう。「なぜこの歴史が秘匿されなければいけなかったのか?」と。
普通に考えれば尸魂界に一方的に攻め込んだのはユーハバッハ率いる滅却師で、それを迎え撃ったのは護廷十三隊。
本編のとある死神の言葉を借りるなら「防衛と征伐」を行使した護廷は完全に正義と言えよう。
なのに何故に敢えて死神の正義を疑問視する「殲滅戦」を霊術院で語り、こちらの方を完全に秘匿したのか。

本編には明言されてないので、あくまで仮説になるが理由は多々考えられる。
一つは護廷十三隊の在り方が挙げられる。
今でこそ「高尚な組織」と言われている護廷十三隊だが、そもそもの護廷十三隊は「戦いへの誇りや民を護る信念を持たず、敵を討つのに利するものは全て利用するような荒くれ者の集う殺し屋の集団」であった。
これはあくまでユーハバッハが語った評価であるが、伝聞を見ながら京楽春水が語った初代護廷十三隊の評価を顧みればあながち間違いでもないらしい。
つまり、ユーハバッハを倒した時の護廷が今の護廷の在り方とそぐわないためというのが一つ。

ただ、真の問題はここからなのだ。
それはユーハバッハが尸魂界に侵攻した理由。
本編の通りユーハバッハは尸魂界を滅ぼし、世界すら消し去ろうとした存在である。
では「そもそも何故ユーハバッハはそんなことをしようとしたのか?」
これこそが本当に悟らせてはいけない、というより疑問すら持たせてはいけない内容なのである。
これを完全に隠滅するために尸魂界は千年前の戦いを秘匿し、昨今の霊術院でも滅却師との対立があったことすら教えなくなったのだと思われる。
殲滅戦も危うい内容ではあるが、あくまで「世界の均衡を崩す」というところで話が終わるので、そもそもの疑問に辿り着かないのだ。
藍染惣右介が起こした反乱についても真の動機はあまり広く語られておらず、「死神代行の黒崎一護が逆賊の藍染を打ち破った」と大々的に喧伝されるのみに留まっているようだ。


最終章:千年血戦篇

それまで判明した滅却師は石田家の雨竜、竜弦、宗弦の3名だったが、この「千年血戦篇」にて一護の母親である黒崎真咲は滅却師の家系と判明し、見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)と呼ばれる滅却師の集団が登場。
帝国の先鋭部隊である星十字騎士団と一般兵にあたる聖兵ら含めて劇中では数百名以上が死神達に発見されることなく生き永らえていた。

1000年前、先にも述べた戦争で光の国は尸魂界に被害を出したものの、山本率いる初代護廷十三隊によって多くの滅却師は死亡し、ユーハバッハも敗北して長期にわたる力の回復を強いられる羽目となったわけだが、
敗北した光の国がどうやって生き延びたかというと、敗走直後にとある場所に逃げ込んだためであった。
それは瀞霊廷の影の中
影を操る術を持つ滅却師は即座に護廷十三隊が最も警戒していなかった瀞霊廷の影の中に空間を作り出し、
それを以て「最も近くにいるのに触れることはおろか気付くことも出来ない存在」として光の国から見えない存在である見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)と名を変えて1000年もの間、悠々と力を蓄え続けていたのだ*5
そして長い軌跡を辿り、準備に準備を重ねて再び尸魂界に戦いを挑んできたということである。


ß聖別(アウスヴェーレン)


上記にも述べたが、200年前の殲滅戦で現世の滅却師はほぼ全滅している。
だが、これはあくまで「ほぼ」止まりに過ぎない。つまり昨今でもそれなりの人数が生き延びており、活動もしていた。
にもかかわらず何故本編で登場したのが石田家の3人のみなのか、何故彼らが最後の滅却師と呼ばれているのか。
その根本的な原因がこれである。

聖別とはユーハバッハが滅却師の始祖として振るう能力*6で、ユーハバッハが不純と決めた滅却師を選別し、彼らから命と力を奪い取り、それを必要とする滅却師に分配するという力。
本編開始の7年前(「千年血戦篇」の9年前)に行われており、一部の純血と混血統滅却師の全てが聖別対象になり、対象となった滅却師は全員が死に絶え、ユーハバッハ復活のための糧とされてしまった。

これにより一護の母である真咲、雨竜の母である叶絵を始め、現世の滅却師は石田家の3人を除いて全滅した*7
結論としてこの聖別こそが、現世の滅却師を根絶せしめた元凶でもあると言えよう。


+ しかし……
この聖別を超えた唯一の存在こそが、他ならぬ石田雨竜である。
彼は純血の石田竜弦、混血の片桐叶絵から生まれた混血統の滅却師なのだ。
つまり、彼は聖別の対象にされている。
にもかかわらず彼は命はおろか、力の片鱗すら失わずに生き延びて普通に生活もしてきた。

これこそがユーハバッハが雨竜に目を付けた理由であり、「聖別を乗り越えた至上唯一の滅却師」「始祖たる自分をも超える何かが雨竜にはある」と称する程のことだった。

ユーハバッハの方はこれに目を付け、言葉通り本当に雨竜を後継者にするつもりだったのかもしれない。
ただ、当の雨竜本人の意思がどこにあったのかというと……


ß作中で登場した滅却師と家系


石田家

作中で登場した現世で唯一といって良い滅却師の家系。
前当主は宗弦で、現当主は竜弦。竜弦の代までは親類縁者との近親婚によって純血を保ち続けていた。
相当な資産家であり、住家は大豪邸で使用人も多く抱えている。
過去の話ではこの使用人達は混血統滅却師であり、竜弦の妻・石田叶絵(片桐叶絵)もその一人だった。

現当主の竜弦は若くして空座総合病院の院長も務めているので、医者としても優秀な家系*8
過去はかなり厳しい仕来りと純血を尊ぶ風潮から家の中は陰鬱としている雰囲気であった。
更には雨竜が「祖父は滅却師の必要性を死神に説いていた」と語っているのだが、
過去の石田家は「虚を退治するために滅却師が動く時は死神が死んだ後で良い。またその時も混血統に任せるべき」という作中初期に語られた宗弦とは真逆の方針を取っている。

現状では竜弦の意向で滅却師業は完全に撤廃、空座総合病院の医者としての仕事だけに従事している。
もっとも後日談の小説によれば、現世の滅却師である竜弦が病院に勤めているという情報は死神に伝わっているらしく、
空座町の担当死神の行木竜ノ介と斑目志乃は不測の事態に対して「滅却師の仕業という可能性もある」との理由でここに相談することも考慮していた。
まあ竜ノ介は、目付きが鋭い竜弦を怖がって反対していたが。

作中で一番最初に登場した滅却師*9で、現世に生き残った最後の滅却師
滅却師としての誇りを重んじているが、これは父への反発と祖父への憧れ、虚の脅威からこの道を重視したに過ぎない。
なので作中初期は死神が祖父を見捨てたこともあり、一護にも硬い態度だったが、自分が起こしてしまった事件を協力して乗り切ったことで完全に蟠りが抜けて以降は仲間兼腐れ縁の友人となる。

最も重要な点としては彼は滅却師の真実を全く知らなかったということ。
200年前の殲滅戦ですら宗弦の(意図的に詳細を省いた)話を聞いただけで、霊術院の死神が学ぶことと大差ない知識しかなかった。
雨竜の性格及び彼と優し気に話していた宗弦の態度を見る限り、かつての純血を尊ぶ石田家の仕来りも雨竜が幼少の時分には特に存在せず、普通に暮らしていた様子であった。

彼の語る「滅却師の誇り」とは「虚に襲われる人を助けたい」という思いから来ているので、「山ほどの人を守りたい」と語る一護と全く同じ方向性の信念と言える。
なのでアニメ版『千年血戦篇』でユーハバッハや見えざる帝国が掲げた「滅却師の誇り」とは何一つ同じものはない。
まあそんな雨竜ですらマユリを殺す宣言をする際に滅却師の誇りを持ち出しているが、祖父の仇の上に同じ死神ですら使い捨てるあの時のマユリは虚と同じかそれ以上に質が悪い存在なので致し方ない話であろう……
これは、かつて実験材料にした何人もの滅却師達が「滅却師の誇りにかけて」と口々に叫んでいたことを揶揄するマユリに向けての怒りの咆哮でもある。
そして雨竜本人も亡き祖父の教えに自分が背く行いをしていることは自覚しており、マユリを倒す力を得るため散霊手套を外しつつも心の中で祖父に詫びていた。

そして上記で触れた通り、彼には重大な秘密があり、本人すらも知り得なかった自身の謎と力を見込まれ帝国に迎え入れられることになる……

  • 石田竜弦
石田家の当主にして空座総合病院の院長。
高校生の息子を持っているにしては大分若い容姿をしており、雨竜の年齢と過去の回想から逆算すれば恐らく30代半ばと思われるが、その年齢で総合病院の院長と執刀医を兼任している超天才である。

過去は真咲と婚約関係にあったが、とある事件でそれも無くなり、ケジメとして真咲の追放処分を自分で言い渡した*10
ただこれが原因で黒崎一心や死神そのものに対して恨みや遺恨を残しているわけではなく、死神の仕事と必要性を客観的に息子に語り、一心に対しても普通に交友関係を築いている程である。

とはいえ、己の父親が死神の謀略で命を落としたからか、あるいは息子の安全や将来を案じてか、雨竜に力を取り戻させる際には「二度と死神とは関わらないと約束しろ」と条件を付けている。
まあ、その後雨竜が約束を守らずに死神と共闘していても大して気にせず黙認してはいるが*11
他に有り得る理由として付け加えるなら、これは雨竜が見えざる帝国に目を付けられないようにする目的もあったのかもしれない。
宗弦も竜弦も帝国のことは熟知していたので、当然帝国が死神や尸魂界を監視していたことも知っていたはずである。
つまり死神に関わる=帝国にも雨竜の情報が伝わってしまうということになるので、こういった点からもなるべく死神に関わらないようにさせていた可能性があると考えられよう。
いずれにせよ彼が表向きだけでも、息子に死神とは金輪際関わらないよう誓わせた際の心情は作中であまり語られていないため、その真意がどのようなものだったのか定かではない。

このように死神に関してはそれほど強く思うところはない様子なのだが、翻って滅却師に対しては「反吐が出る」程に嫌っている。
まあ彼の過去とユーハバッハのこと、妻や幼馴染の死を顧みれば至極当然の感情ではある。
息子に対しても確執を持たれることを承知の上で、「興味がない」「金にならない」(恐らくこれは建前)という理由で滅却師は必要ないと言い切るばかりか、宗弦の指導を受けようとする幼い彼を叱責する程だった。
そのため雨竜は父が未だ滅却師であり続けていたことを知らず、とっくの昔に滅却師の力も五角形の滅却十字も放棄しているものと思っていた。

ただ、滅却師としての戦闘力は本物であり、力を失っていた雨竜を襲った大型の虚二体に対して、超速再生すら出来ないほどのダメージを与えて瞬殺している。
現世で唯一の純血の滅却師であることからもその実力は推して知るべし。
本編後の小説でも「石田家の純血」としてリルトット・ランパードが彼の脅威を言及しており、恐らく本気で戦えば護廷十三隊の隊長格や星十字騎士団の者にも匹敵する実力を発揮することであろう。

  • 石田宗弦
雨竜の祖父にして前当主、本編では故人。
幼少の雨竜に滅却師の手解きをした人で純血の滅却師。
息子であり、雨竜にとっては父である竜弦が滅却師を嫌悪することについては理解を示しており、そのことを悲しむ孫に「父さん(竜弦)の守りたいものが分かるようになった時、自分の守りたいものも分かるようになるだろう」と言い聞かせていた。
死亡した原因は大型虚5体と対峙して戦死したというものだが、これにはマユリが関わっており、滅却師の実験体が欲しい彼が子飼いの死神にわざと助太刀させずに見殺しにさせたという非道なもの。

作中初期は穏和な好祖父として雨竜の回想に登場していたのだが、帝国が現れたことと石田家の過去の話、キルゲ・オピーユーグラム・ハッシュヴァルトの言及で一気に評価が覆った人。
帝国にいた時期があり、しかも脱退する時に通行証や一部武装をパクっていき、過去篇では家を顧みずに修行に明け暮れ、挙句にユーハバッハを倒すための切り札とも言うべき静止の銀ですら彼が編み出したものと推察される。
恐らく雨竜が聖別を乗り越えた一件にも当然関わっているだろう。

さらに雨竜に散霊手套を渡す時に「雨竜が竜弦のことを理解した時にまだ滅却師の道を進んでいるなら避けられぬ戦いに遭う」「その相手は雨竜が到底太刀打ち出来る相手ではない」「その時にこの散霊手套を使え」と語っている。
マユリとの戦いの時の回想なので、これは死神との戦いを想定しているように考えてしまうがそんなはずがない。
何故なら石田家当主だった時の宗弦ならまだしも、雨竜が幼少の時分の宗弦は死神との和平と対話のみを念頭に置いていたからだ*12
つまり、宗弦は最初からユーハバッハが雨竜に目を付けること竜弦と雨竜が帝国と戦うことを想定して、帝国から持ち出した散霊手套を雨竜に渡している節がある。

こういった情報を総括すると、ユーハバッハを倒すことが出来た大半の理由はこの人が担っているということになる。
にもかかわらず、この人の描写が不自然なまでに少ないのもオカシイ。
本当にどういう経歴があるのだろうか……

  • 片桐叶絵
雨竜の母にして竜弦の妻。
混血統滅却師で幼少の頃から石田家に仕えており、その頃から竜弦に一途な思いを密かに向けていた。
真咲の追放後に竜弦の妻となり息子の雨竜を生んでいる。
しかし混血統だったために聖別されてしまい雨竜が9歳の時に亡くなっている*13
竜弦は元々は真咲のことを好いていたが、あの件の後は叶絵と両想いになったようで、今でも院長室の机に彼女の写真*14を飾っている。


黒崎家

こちらも数少ない純血の滅却師がいる家系だった。
真咲が高校の時分には父も母も亡くなっており彼女は天涯孤独の身になっている。
しかし彼女が純血だということに目を付けた石田家は彼女を保護し、石田家に迎え入れたという経歴がある。
本編での黒崎家は滅却師のクの字も無くなり、(霊が見えるという)一般家庭として幸せに暮らしていたのだが、残酷な運命を避けることはできなかった。

黒崎家最後の純血の滅却師。本編では故人。
かつて竜弦とは、いとこ関係であると共に婚約者でもあった。「竜ちゃん」と愛称で呼ぶほど親しい仲だった様子。
家族を喪って独りだったところを石田家に迎え入れられたのだが、それは滅却師の未来と純血を絶やさないという理由だけだった。
竜弦もそんな理由で真咲に気苦労を強いていることに罪悪感があり、なんとかフォローしようと四苦八苦していた程である。
真咲本人もそれを熟知していたようで、石田家にいる時は部屋に閉じこもっていて暗い様子を見せることが多かった。
しかしとある事件で事態が一変する。これにより真咲は大学に入る時に石田家を追放され、それからは一心と交流を持ちながら生活。
そして後に結婚して一護を始めとした子供を3人儲けることになる。
しかしその幸せも長く続かず、一護が9歳の時にグランドフィッシャーに襲われ、彼女は帰らぬ人となる。
だが、これには隠された真実があり………

ご存じ『BLEACH』の主人公にして(二代目)死神代行。
厳密には滅却師ではないのだが、滅却師の力を宿しているため、便宜上ここに記述する。
よく話題に上がる内容として、黒崎兄妹が聖別されなかった理由というものがある。
原作で詳細な説明が無いので、推測の域を出ないが理由は多々ある。

まず大前提としてこの兄妹は真咲の血を引いているが、滅却師ではない。
幼少期の雨竜と違い、聖別当時には滅却師の修行をしていないどころか自分たちが滅却師の血を引いていることすら知らなかった。なので聖別に選ばれなかったという説が有力。
ユーハバッハ自身が雨竜を「聖別を超えた至上唯一の滅却師」と語っていることからも、黒崎兄妹を滅却師とは見なしていないし、聖別対象にしていないと分かる。
また滅却師以外にも様々な種族の力を宿しているのも理由としてあるかもしれない。

ちなみに原作終盤の戦いを見れば分かるが、一護は最後に聖別されて力を奪われてしまっている*15
この時の一護はキルゲの霊子を取り込んで自身の滅却師の血を覚醒させている*16ので、ユーハバッハに聖別されてしまったと考えられる。
また、それ以前にも霊王を救出する戦いの最中にユーハバッハの能力で体を一時的に操られてしまったことまであった。


光の帝国(リヒトライヒ)見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)

ユーハバッハが総帥として率いる滅却師の組織にして帝国。
概要は上記の通り。
ここに住まう滅却師は現代生まれの滅却師も含まれており、実際は1000年以上前……それこそ尸魂界侵攻以前から所属しているような滅却師も存在するので、死神と似たような存在である。
実は人間に対する価値観も原作初期の死神と似たような感じで、ハッシュヴァルトは雨竜との問答で「あの愚かな人間に与するのがお前に利益があるのか」「お前はあの愚かな人間共とよく似ている」と明確に滅却師と人間を別として捉えている。
ただ、兵主部一兵衛が戦闘中にユーハバッハに対して「人間風情」と言っていた場面もあるので、厳密に言えば彼らも人間のようだが。

滅却師の始祖。
滅却師は彼から始まり、あらゆる滅却師は彼の血を引いている。
後日談の小説『Can't Fear Your Own World』で霊王とは密接な関係を持っていると明かされているが、同時にアニメ版『千年血戦篇』#14の冒頭では母親の胎から生まれている子供でもあることが判明しているので、
出生自体は創られた子供なのではなく、自然のままに生まれ、育っていった存在である模様。

始祖にして皇帝でもあるが、ハッキリ言って一部の面々を除いた配下からは敬意や慕情などをあまり持たれていない。
まあ「我が子」と嘯きながら平然と切り捨てることをしているので、当然ではある*17
特に石田家からは相当の恨みを買われており、身内を奪われた雨竜、竜弦は当然として、宗弦に至ってはユーハバッハを確殺するための方法を編み出している程であった。

ちなみに上で死神の歴史に対する価値観を記述しているが、こちらも似たようなものでアニメ版では尸魂界との最終決戦に臨む前に「1000年前、我らは死神どもの非道な襲撃に遭い存亡の危機に陥った」*18と言っていたりする。
あるいは、後述する聖帝頌歌の最後の一文を見るに「本来自分が掌中に取り戻すべき世界を手に入れようとしただけなのに襲われた」といったような不遜な認識なのだろうか?

藍染はユーハバッハや帝国の存在を知ってはいたものの、特に必要が無いためか自身の部下たる破面達には伝えておらず、ザエルアポロ・グランツは雨竜が虚夜宮(ラス・ノーチェス)に現れるまで滅却師のことをろくに知らなかった。
とはいえ、彼も地獄に堕ちてから世界を観察したことでユーハバッハの存在を知ったらしく、藍染と共に強大な霊圧で地獄の口に蓋をしていた人物であったことを理解するようになるのだった。

尸魂界を攻め込むためにユーハバッハが設立した滅却師の精鋭部隊。ユーハバッハ自身もこれの一員を務める。
表面上はユーハバッハに忠誠を誓っているように見えるが、多くの面子は当のユーハバッハから粛清されるのを恐れて服従していたり、翻意があったり、切り捨てられたから直に反逆したという者までいたりする程であった。
ユーハバッハに選ばれたエリートが彼の血杯を仰ぐことで聖文字(シュリフト)を刻まれ、更なる力を得ることで入団を果たす。
それ以外の一般兵士は聖兵(ゾルダート)と言われている。
聖兵の中にはハッシュヴァルトの側近の女性滅却師のように、騎士団員に迫るほどの実力を持つ者も存在するが、個人的な事情で入団を拒否したらしい。
なお、一度目の聖別を生き残っているので、必然的に全員が純血の滅却師である。


ß専門用語


見えざる帝国限定の用語はこれらの項目で。

  • 五角形の滅却十字(クインシー・クロス)
五角形の十字のペンダントで、正統後継者の証。
竜弦と雨竜が所持している。

  • 散霊手套(さんれいしゅとう)
霊子を拡散させる力をもつ手袋。
これを装着して七日七夜弓を成す鍛錬をこなせば後述する最終形態を発動できるようになる。
見えざる帝国側では苦難の手袋(ライデンハント)と名称が異なる。
元々コレは帝国に有った物らしく、宗弦は帝国を脱退する時に銀架城に入るための通行証と一緒にパクっていったらしい。作中序盤で描かれた物静かな好爺さんとは思えない程のアグレッシブさである……

修行以外にも応用が効き、石田はこれを分解して「崩壊チップ」というものを作り出した。
これは石田の霊圧に反応して霊子を分解するという代物で、この手袋を使用した者の霊圧でしか起動しない。
真世界城中に仕掛けて起動すれば確実に城を崩壊出来ると石田は断言しているので、作中では実行出来なかったが、もし使っていれば作中最大規模の霊子分解による破壊力を再現出来たことだろう。
また真世界城全体に崩壊チップを仕掛けていた描写から、一度発動すれば無数のチップを広範囲に連鎖起動出来る模様。
実際、石田の企みを見抜いていたハッシュヴァルトも崩壊チップを外すのではなく、一護達を現世に戻れなくして城に閉じ込めて人質にすることで、石田の目論見を阻止している。

  • 魂を切り裂くもの(ゼーレシュナイダー)
短い柄から霊子で形成した刃で対象を切り裂くという(石田曰く)滅却師唯一の「刃を持った武器」。
高速振動で切りつける事によって対象の霊子結合を弱め、対象物の霊子を奪い取るチェーンソーに似た性質の武器で、霊子を蓄え一時的に刃を回復出来る。
なお、刃と言及されているが、剣ではなく矢として扱われている。

  • 純血統滅却師(エヒト・クインシー)
純血の滅却師。宗弦と竜弦ら石田家と黒崎家が該当。

  • 混血統滅却師(ゲミシュト・クインシー)
人間と滅却師の混血。雨竜と彼の母の片桐叶絵が該当。

混血統滅却師は「千年血戦篇」から9年前の6月17日にユーハバッハから“聖別”の対象として力と命を奪われて死に絶え、生存したのは雨竜ただ一人。

  • 聖帝頌歌(カイザー・ゲザング)

封じられし滅却師の王は

900年を経て鼓動を取り戻し

90年を経て理知を取り戻し

9年を経て力を取り戻す


滅却師に伝わる一節。
「千年血戦篇・訣別譚」にて、王の正体はユーハバッハであることが明かされている。
また、ユーハバッハによるとこの言葉には続きがあり、「9日間で世界を取り戻す」とのこと。

  • 静止(せいし)(ぎん)
聖別により死亡した滅却師の心臓に現れる銀の血栓。
聖別を発動させた者───即ちユーハバッハの血と混ぜることで、ユーハバッハの能力の全てをほんの一瞬だけ無にする特性を持つ。
文字通り全てであり、ユーハバッハが元々持っていたAの能力は勿論、後から得た霊王の力と再生力すら無効化している。
宗弦が遺した情報から宗弦の息子にして医者でもある竜弦が、聖別により死亡した滅却師の遺体を調べたことによりこれが判明。
竜弦はこの銀を集めて一発分の鏃を作り、対ユーハバッハ用の秘密兵器として息子の雨竜に授けた。

普段ならこれを打ち込む前にユーハバッハが気付いて防御するところであろうが、状況が状況だからかユーハバッハは雨竜のことを感知しておらず、重要な局面で完全に不意を突かれる形となった。
といっても一護に自身が斬られる未来は事前に視えており、さらに未来改変は出来ずとも未来視は出来るハッシュヴァルトでも雨竜の希望に満ちた表情は見通せなかった。
こういった雨竜の特異性を考えると雨竜の動向だけはユーハバッハは視られなかったという可能性が高い*19*20

上記に作成法が説明されているこの静止の銀を使った鏃だが、造る条件が非常に厳しい。
端的に言うと極めて高度の医療技術を持つ純血統の滅却師が聖別によって死亡した混血統の滅却師を解剖することでしか材料を得られないのである。
ユーハバッハ打倒のためにこの条件を整えた宗弦*21も最愛の妻を解剖した竜弦も凄まじい執念と言えよう。

  • 石田宗弦が遺した手記
大分古びた書籍にドイツ語と神話で語られるような絵が載っている宗弦の手記。
これこそが石田家で秘匿され続けた最も重要な文献であり、竜弦が自身の机に厳重に保管していた。
宗弦が雨竜に滅却師の表面的な知識しか語らなかったことからも、この本を秘匿することは竜弦だけでなく当の宗弦の意思もあった模様。
書かれている内容は文字通り滅却師の歴史と真実の全て。
帝国のこと、ユーハバッハのこと、聖別のこと、千年前と200年前の戦いの真実といったありとあらゆる情報が載っており、雨竜はこれを見ることで滅却師の真実を初めて知った
そしてアニメ版でのユーハバッハと雨竜の会話から、この手記には混血統の雨竜が一人だけ聖別を乗り超えた理由も書かれている模様。
つまり、石田家は尸魂界はおろか、帝国や始祖であるユーハバッハすらも知り得ない滅却師の全てを知り尽くしていたということになる。

真に恐るべきは、最終章において最も重要なキーアイテムとも言うべきこの手記が原作漫画には一切出て来ないことである。
本当にこの手記の存在がまるで出て来ないので、原作の雨竜がどこで帝国のことを知り、どうやって帝国と接触したのか、どういう経緯で行動方針を決めたのかが一切分からなかったのだ。
本当に師匠さあ…(…いくらなんでもこれだけは出しておこうよ…)

ちなみに“全て”と書いたが、原作の雨竜の様子と竜弦の言葉から静止の銀だけはこの手記には残さずに直接竜弦に情報を伝えていた模様。


ß戦闘術


滅却師の戦闘術の多くが大気中に偏在する霊子を用いて武器を形成して戦う関係上、内なる自身の霊力を引き出して戦う死神とは異なる。
必然的に、現世よりも虚圏や尸魂界などの純度の高い霊子がある所の方が戦闘力は高まる。
「最終形態」を発動するほど霊子の収束力が高い滅却師だと、周囲の地形や建造物などの物体として存在している霊子*22をも強制的に分解して自らの力に変えるほど。
前述の通り虚は猛毒だが、能力使用によって彼らを分解して吸収しても大した影響はない。
もっとも、キルゲの場合は虚特有の容姿になってしまっており、アニメ版での浦原の言葉によるとそれは虚の力を完全には扱いきれていなかった故だそうだが、
それでもキルゲ本人は外見の変化を軽く嘆いていただけで肝心の戦闘行動や生命維持に支障をきたしている様子は無かった。

  • 霊子兵装
空間にある霊子を集束して、自身の霊力でコーティングして形成した武器の総称。
仮に破壊されたり、弾かれて手元から離れても即座に修復や回収が可能。
基本的に弓矢だが、サーベルや拳銃など使用者によって形は異なる。
石田雨竜が使用する物は、「弧雀(こじゃく)」(一度失った力を取り戻してからは「銀嶺弧雀(ぎんれいこじゃく)」)と呼ばれている。

  • 血装(ブルート)
霊子を血管に流すことで身体能力を飛躍的に上昇させる身体強化術。
運動機能を大幅に上昇させる攻撃用の動血装(ブルート・アルテリエ)と肉体を鋼鉄並みの耐久力にする防御用の静血装(ブルート・ヴェーネ)の2種類。
攻防兼ね備えた能力だが、それぞれ別の霊子回路で構成されているため、片方を集中させるともう片方に対応することができなくなってしまうという弱点がある。
純血統は生まれつきこの能力を持ち、混血統は鍛錬などでこの力を開花させる。
滅却師の基礎訓練は血装の発動とコントロールをする所から始める。

  • 神聖弓(ハイリッヒ・ボーゲン)神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)
霊子で形成した弓矢の正式名称。
ただし、見えざる帝国側では研鑽の末にライフル銃やガトリング砲の銃弾タイプやメリケンサックを用いた大型の槍タイプなどこちらも使用者ごとに異なっており、真っ当に弓矢を使うタイプが逆に少ない。

  • 飛廉脚(ひれんきゃく)
足元に作った霊子の流れに乗って瞬間移動する歩法。
死神の瞬歩、破面響転(ソニード)と同類の歩法であるが、細かい所で違いがある。ちなみに瞬歩よりも消耗は軽いらしい。
マユリによって解析され、彼が使用した場合は足元に霊子で形成した足場で浮遊するタイプでさながらジェット噴射にも見える。
ペルニダ・パルンカジャスとの戦いでマユリが「尤も これは石田宗弦と石田雨竜が用いていた呼称であるから 本来の滅却師の用いる呼称は別なものがあるのかも知れんがネ」と語っているものの、実際に帝国側でこの歩法がどのように呼称されているのかは定かではない。

  • 滅却師最終形態(クインシー・レツトシュティール)
「散霊手套」を外すことで、霊子集束能力を高めた戦闘形態。
一時的に護廷十三隊隊長格をも圧倒できる戦闘能力を得られるが、最終的に滅却師の力は消滅するというあまりにも大きい代償を得る。
この形態で喪失した滅却師の力を復活方法こそあるが「精神と肉体を極限まで削った後、心臓の洞房結節右19mmに霊弓の一撃を受ける」という恐ろしく過酷なもの。
その脆さ故に概念自体が200年程前に死滅した「過去の遺物」とキルゲらに嘲笑され、宗弦だけが執心していた。
見えざる帝国ではこれらの欠点の解消と更なる強化を果たした死神の卍解ともいえる形態を滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)と称している。

  • 聖隷(スクラヴェライ)
霊子集束能力。
周囲の霊子を隷属として自身に取り込み、相応に強化する。
霊子で構成されたものなら見境なく分解と吸収をしていくようで、キルゲが使用した場合は虚圏の砂や岩どころか破面や井上織姫茶渡泰虎の皮膚も徐々に剥がされていた。
ただし、アニメ版でバンビエッタ・バスターバイン以外のバンビーズの面々とロバート・アキュトロンが使用した際には、一護と白哉から霊子が引き剥がされるような描写は無かった。
滅却師の天敵である虚ですら、この能力なら無害化して吸収できる(それでも前述の通り、虚の力を制御し切れてはいなかったが)。

  • 乱装天傀(らんそうてんがい)
霊子で形成した糸を身体の動かない箇所に接続し、自分の霊力で操り人形のごとく身体を強制的に動かす超高等霊術。
マユリが調べた滅却師2661人のうち、この術をほんの僅かでも扱えるような者は一人もいなかったとのことで、今や文献で存在が語られるのみとなった失われた技術であるものと彼は見なしていた。
そのためこれを習得していた石田に感嘆したマユリは、「天才と言うやつか」と褒め讃えると共に彼を生かしたまま捕らえて研究体にすることを宣言した。
アニメ版では石田が「天才なんて陳腐な言葉で片付けてもらっては困る!」と反発しているので、血の滲むような努力の末に習得したのかもしれない。
作中では四肢を麻痺させられた石田と度重なるダメージで重篤な状態だったキルゲが使用したが、前者は右肩から形成された片翼タイプで後者は体の後ろに出現した板状タイプ。

  • 聖域礼賛(ザンクト・ツヴィンガー)
滅却師が使用する攻防一体の極大防御呪法。
先端が五角形の十字の青白い柱の結界を張り巡らせ、踏み込んだ者を神の光で切り裂く。
劇中ではユーハバッハ*23が元柳斎との戦いで使用したが、残火の太刀の派生技によって地面を隆起されて結界が崩壊した。



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最終更新:2024年04月10日 22:32

*1 アニメで兵主部一兵衛とユーハバッハの会合が描かれ、死神側から滅却師に干渉しない代わりに世界は死神に任せるという不可侵の盟約を提案するもユーハバッハが拒絶した事実が判明しており、死神側が当初から話し合いによる穏便な解決を望んだというのは確かなようだが、その後に起きた後述する千年前の戦いから見ても、死神側が滅却師に配慮する理由など一つも無い。

*2 浦原から話を聞いたルキアに至っては一護への問いかけから、これは死神の傲慢ではないかと思っている節がある。

*3 逆に滅ぼされた立場である雨竜や宗弦の方が、世界の法則や過去の情報を客観的に捉えて死神側が正しかったと言い切っている。

*4 当事者だった山本や卯ノ花烈はもちろん、京楽やマユリは知っていたので、隊長格は流石に知っていたと推察される。

*5 現世と違い、滅却師の力の源である霊子が尸魂界に満ち満ちていたのも帝国にとっては僥倖だった。

*6 最初の聖別は能力というより儀式と言った方が正しいかもしれない。

*7 元々現世の滅却師は殲滅戦で少数となっているので、彼らは普通の人間と交わることでしか種の存続が出来ない状態だった。つまり現世に残った滅却師はごく一部を除いて「混血統」なのである。

*8 宗弦本人が雨竜に「滅却師一本では食っていけない」と語っていたり、後述されている静止の銀の作成方法を見ると、宗弦の代から医者として名を馳せていたと思われる。

*9 回想を含めると、一番最初に登場した滅却師は真咲であるが。

*10 ただ、真咲は高校を出るまでは石田家にいたので、出来る範囲で真咲の保護もしていた模様。

*11 どちらかと言えば雨竜の覚悟を試す意味合いという側面の方が強かったと思われる。力を復活させた直後に息子が置いていった手紙について一心と言葉を交わしているし、そもそも交友を持つ友人やその妻の忘れ形見を助けるのを断る理由はどこにもないため。

*12 こういった点から宗弦は死神との対話と共闘がなされた時は帝国の情報を渡して、ユーハバッハを打倒する算段もあったように感じられるし、もしかしたら本編で語っていた虚討伐よりもそちらの方が本命かもしれない。

*13 一心は体が弱かったから衰弱死したと語っているが、ユーハバッハ本人が「全ての混血統は雨竜以外息絶えた」とも言っているので、死は避けられなかったと思われる。

*14 アニメ版では、彼女が幼児期の雨竜を抱いている写真に変更された。

*15 正確にはユーハバッハが敗北した一護の力を直接奪った。

*16 この時にユーハバッハも「キルゲの檻は滅却師を捕らえられない」と語っているので、ここで初めて一護を滅却師と見なしている。

*17 過去の描写からバズビーは完全に反逆を狙っているし、従順と思われたハッシュヴァルトですら恩義自体は抱きつつも少々思うところがあり、完全に従っているわけではない。

*18 言うまでもないが尸魂界に攻め込んだのは帝国の方である

*19 さらに言えばユーハバッハは最後の聖別時に息子すらもう要らないと言っているので、聖別で自身の血杯を飲んだ石田も死んだと確信していた節もある。

*20 竜弦も鏃を息子に渡す際に「『お前』が撃つべき鏃」と語っている。

*21 石田家は元々、混血統滅却師の使用人が多数いた。

*22 現世は生物の肉体やその他物質は「器子」で形成されているが、虚圏や尸魂界は物質も「霊子」で形成されている。

*23 ロイドが化けた偽物