山怪獣ドルゴ

登録日:2023/08/12 Sat 02:32:20
更新日:2023/12/23 Sat 21:45:37
所要時間:約 5 分で読めます







ドルゴとは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『ウルトラマンブレーザー』に登場する怪獣である。


【データ】

別名:山怪獣
身長:69m
体重:6万5,000t
スーツアクター:新井宏幸


【概要】

第5話「山が吠える」に登場。
四足歩行型の怪獣で、鼻先が鋭く尖った岩のような外見の頭と、その両側頭部から伸びて繋がっているリング状の角を持つ。
背中には緑がうっそうと茂っている他、土の塊のような突起物と岩のような背びれが生えている。
なお、後ろ足は殆ど退化しているらしく、一見すると体と一体化しているような目立たない形になっている。

ミナミ アンリの故郷である秋田県市之字村に1000年以上前から住み着いており、地元では水を浄化し、土を豊かにしてくれるその地の守り神「土留牛」として言い伝えられており、その頭部には御神体である地蔵を納めた祠がある。
実際、アンリの友人にして地元神社の孫娘であるミズホの実家には、そんなドルゴの姿が描かれた太平風土記絵巻物*1が代々伝わっている。

その絵巻物によると、大昔には暴走を起こして大きな被害をもたらしたようだが、今ではその祠によって長い休眠状態になっていた。
しかし、市之字村が地球防衛隊の新兵器・メガショットの実験地に選ばれてしまい、その設置工事の過程で祠が壊された事でその眠りから目覚めつつあり、付近ではそれに伴う小規模な地震が度々起きていた。


【生態・能力】

主な武器は鼻先から放つ黄色の光線と、リング状の角から放つ青と紫の電撃。
鼻先からの光線は単なる破壊光線ではなく、直撃すれば一撃でアースガロンの操縦系統に異常を起こしてダウンさせられる辺り、機械にジャミングを掛ける事も可能な模様。
また、その両肩にはたまたまその真上に設置されていたメガショットを背負っており、ドルゴの意志と関係なく眼前の敵に対して自動で攻撃を加えてくる。

戦闘能力そのものはメガショットを抜きにしても高い方だが、ドルゴ本人(?)は本能に忠実で非常に自由。
この手の封印されていた怪獣にありがちな「自分の存在を蔑ろにして狼藉を働いた人間への怒り」といった感情は一切なく、劇中での行動はあくまでも自分が元々持っていた本能によるものである。

休眠状態になると背中の突起を収納すると共に生命反応を完全に消して「山そのもの」に擬態し、表向きは市之字村の霧野山として佇んでいる。
しかし、今回はそれが大騒動の原因になることに……


≪メガショット≫

地球防衛隊が開発した大型レールガン。2挺1組であり、地面に設置して使用する固定砲台となっている。
自動照準機能を備え、敵の位置をレールガンそのものが探知し、大本の標的はもちろんのこと、そこから放たれる弾丸や光線といった飛翔体も的確に撃ち抜く事すら可能とする。
エネルギー源は超電磁力であり、毎時マッハ5の速度でエネルギー弾を毎秒30発連射し、その威力は空中を飛ぶウルトラマンブレーザーすら一撃で撃ち落とす程。
これからの対怪獣戦闘での活躍が期待されていた新型兵器だが、誤ってドルゴの背中に建ててしまったために目を覚ましたドルゴに持っていかれてしまい、
その影響なのか制御不能に陥って目先の敵を見境なしに攻撃する暴走兵器になってしまう。


【劇中での動向】

本編開始前、祠が壊された上に背中にメガショットを建てられた痛みから目を覚ましつつあり、本編でのアースガロンとメガショットの実践演習中、遂に完全覚醒。
覚醒早々に目の前のアースガロンを邪魔だと言わんばかりに鼻先からの光線でダウンさせると、そのまま更なる攻撃を加えんと突進してきた……

かに見えたが、実際の目当てはその後ろにあった湖であり、そこに顔を突っ込んで水をがぶ飲みするとそのまま目を閉じ、鼻提灯を膨らませながら二度寝した。
ナグラ テルアキによれば「久々の覚醒で体機能がまだ不安定であり、この眠りも1時間程度で覚めるような浅いもの」とのことで、メガショットも持っていかれて制御も効かないという危機的状況の中、
別行動を取っていたアオベ エミが独自調査の末に歴史博物館のデータベースにあった絵巻物の続きから、「頭部の祠にあった御神体はドルゴの『ツボ』を刺激して眠らせる為の要」という事実が判明。
さらにはミズホがその御神体を工事の際に出た廃棄物の中から密かに回収していた事から、それを元々あった場所に戻すべく、アンリとヒルマ ゲントでドルゴの体を登る事になるが、
その最中にメガショットの充電設備内で火災が発生し、その衝撃でドルゴが再び目を覚ましてしまう事態に。

その動きでゲントは振り落とされてしまうも、落下しながらブレーザーに変身し、ドルゴの動きを止めようとする。
それに対してドルゴも抵抗する上、暴走するメガショットがブレーザーに牙を剥くが、そこへ修理を済ませたアースガロンも駆け付けて互いに西部劇のような撃ち合いを展開した末に、
ほんの一瞬の隙を突かれて土台をアースガンで撃ち抜かれ、砲身そのものも2本に分割されたスパイラルバレードを投げつけられた事でようやくドルゴの体から切り離された。

それでも依然として抵抗を続けるドルゴだったが、ブレーザーに抑え込まれている間にアンリが御神体のある祠に到達。


―――眠ってけれ!!


意識を集中し、チェストー!!頭部に突き立てた御神体によって活動を停止。
そのままブレーザーによって元いた場所に戻されると、その体を山そのものへと変え、再び永い眠りについたのだった。


【余談】

  • 本格登場前からオープニング映像に出演しており、劇中にも登場した古文書の絵がそのまま載せられた他、実際の頭部も一瞬ながら映っている。

  • 人間側の兵器によって安息を乱された」「言い伝えを軽視した人間の狼藉で封印を破られて目を覚ますといった、ある意味ウルトラシリーズのお約束を2つ踏襲した本エピソードだが、今回の場合は事情を細かく見てみると、
    • メガショットそのものに危険なエネルギーや技術は使われておらず、あくまでも地球人が扱える範疇の技術の産物だった
    • メガショットそのものが危険だったのではなく、それを設置する環境が適切ではなかった事が今回の原因だった
    • その環境についても、地球防衛隊は事前に地質調査をした上で問題なしと判断しており、未発見だったドルゴの特異性については誰も知り得なかった
    • 今回の騒動も地球防衛隊側は「課題」として受け止めており、ドルゴを敵視したり邪険にするような真似はしなかった
      ……といった具合で、今回に限っては人間側の落ち度や過失がほとんどない珍しい結末になった。

  • ソフビも発売されており、こちらは両肩のメガショットが着脱可能な仕様になっている。


追記修正は、ドルゴを目覚めさせないようにお願いします。
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最終更新:2023年12月23日 21:45

*1 よく見ると、先が焼き切られたかのように途切れている。