異世界ひろゆき

登録日:2023/08/16 Wed 19:26:54
更新日:2024/03/28 Thu 11:47:34
所要時間:約 2 分で読めます





「死ねッ!!最終奥義『デス・ビーム!』」

「ビーム要素ないじゃん」




概要


かつては匿名掲示板2chの管理人、今ではすっかり「どんな相手も論破してしまう知識人系タレント」として認知されている一般男性「ひろゆき」こと西村博之氏の冒険を描いたファンタジー漫画。
異世界に召喚された彼がなりたいなどと全く思っていないであろう勇者となり、異世界を支配する魔物どもをばったばったとなぎ倒していく冒険譚である。

むろん、「論破王」の異名を持つひろゆき氏が振るうのは剣やメイスではなく、その鋭い弁舌である。
(彼専用のスキルがあるとはいえ)暴力を一切振るうことなく巧みな舌戦(レスバ)で魔物を下していく新感覚バトル(?)が特徴。
話を書いているのは戸塚たくす氏と西出ケンゴロー氏のお二人であるが、ひろゆき氏自身も監修で携わっている。

なお、内容は異なるが、ひろゆきが主人公の別作品がある。


あらすじ


100年に一度、人類は異世界から「勇者」を召喚する事で長い間魔王軍を退けていた。
しかしある時、魔王軍が勇者への対抗策を閃いた。
それは召喚が行われるタイミングで召喚士を拉致しておき、召喚直後の無防備な状態を狙って勇者を殺すこと。
この試みは見事に成功し、 大魔王はこの歴史的な偉業を記念して、この年を「ハメ殺し元年」と定めた。
以降、人類は連戦連敗を続け、世界の殆どが魔王軍の手に落ちてしまう。

そして、ハメ殺し暦1000年目。
召喚士はとても悩んでいた。
「どんな勇者を呼べばいいの? わからない…誰か私の悩みを消し去って!」
かくして召喚された勇者は、2ちゃんねる創設者にして論破の達人、ひろゆきだった!


登場人物


ひろゆき

本作の主人公。
作中で妻帯者であることを明かすシーンがあるので、時系列としては「偉い人」こと植木由佳氏との結婚後。
本人の攻撃力は「1」と仮にも成人男性なのに赤ちゃん並みの最低クラスだが、スキル「論破王」により、舌戦で勝てば物理的に再起不能にすることができ、また弁論に参加している間あらゆる攻撃を受けない。
なお、あくまで攻撃におけるダメージを受けないだけであり、掴まれれば普通に無力化され、水中などで窒息させられれば命の危険があるという事が弱点。

性格はといえば端的に言って泰然自若&マイペースの極みであり、「使命感」「責任感」といったものとは程遠い。
(事実、1話の時点で、自分が勇者として召喚されたことを把握していながら速攻で「帰っていいですか?」と発言し周囲を驚かせている)
しかし、その身勝手な性格ゆえにスキル「論破王」を完全に使いこなしており、メソールからは「スキルではなく精神性がチートなのだ」と評されている。
ベゲークの「ハメ殺し」を逃れたのもいつもの遅刻癖のせいで出てくるのが遅れたからである。

ほぼ何を言われても意に介さない鋼メンタルの持ち主だが、好物である酒類をはじめとした娯楽の類がこの世界にほぼないことは気にしており、そういった娯楽が手に入らないと知ると目に見えて凹む。
また、メソールの悩みを解決する事が困難で元の世界への帰還が難しいと悟った時には、自身の論破王の効果でダメージを受けるほどショックを受けた。

作中では「服装は地球基準でもおしゃれとは言えない」だの「性格が悪い」だのと度々ボロクソに貶されており、(メソールを除く)仲間からの認識も一貫して「クズ」扱い。
著者の戸塚たくす氏の証言によれば、これは監修についているひろゆき氏本人が悪ノリしているためであるらしく、ひろゆき氏の側から(魔物へ対する)悪口を提案したり、「さすがに怒られるだろう」と思って出した案が通って驚いた等の裏話が明かされている。


メソール

ひろゆきを召喚した召喚士の女の子。
魔法使いとしての能力は極めて優秀であり、ひろゆきの"強さ"の根源がスキルではなく精神性であることを即座に見抜くなど、冒険者としての素養はとてつもなく高い。
また、この世界においては一つの属性しか魔法を扱えないのが普通であり、召喚や回復を含め複数の属性の魔法を操る事のできるとんでもない逸材でもあった。
ちなみに、攻撃魔法を使う瞬間だけは何故か超強気で魔法をぶっ放す事ができる。
しかし、ビビりな上に優柔不断で何事も自分では決められず、しかもネガティブな性格なため、上記の素質はまるで生かされていない。
衣服さえも決められないがために持っているのは今の服1セットのみ、靴下は左右長さが違うものを選べずに片方ずつ履いているという有様で、人を巻き込む恐怖のせいで人や魔物に向けて魔法を撃てないため、作中では自他ともに認める落ちこぼれであった。
優秀な姉がいたという点もコンプレックスであり、彼女の遺品である杖を私物化している事に負い目を感じていた。
ひろゆきにおそらくもっとも影響を受けている人物であり、ひろゆきの強靭な精神性に感銘を受け、少しずつ成長中。


「大魔王」ベゲーク

魔王軍の総統。
攻撃力・防御力ともに999999の最強の魔物。
ゲーム的に言えばクソゲーもいいところだがおつむの方は魔物基準で見てもよろしくはなく、最終奥義が「デス・ビーム(足で踏みつける)」と「ベゲークスペシャル(口から出すビーム)」だったり損得勘定ができなかったりと残念さが目立つ。
とはいえ、圧倒的なフィジカルの強さと『いつ地雷を踏み、殺されるか分からない』という災害のような性格から魔物・人間問わず恐れられており、恐怖による支配という点においては成功していたと言える。

ひろゆきと対峙した際は技名がチグハグな事や最終奥義なのに複数ある事を突っ込まれて恥をかき、
さらに「ハメ殺し」がベゲークのアイデアでなく他人のパクリである*1ことを看破されてあっさり敗北。
ひろゆきの「論破王」のシステム上死にはしなかったが、力の大半を失ったことで部下からの求心力を失い、見捨てられる形で魔王軍を離脱。



「死皇帝」ハヴェール

不老不死の肉体と山をも破壊する超火力を兼ね備えた魔物。
ベゲークに勝るとも劣らない戦闘能力の持ち主だが魔王軍には属しておらず、第三勢力的な立場。
関西弁っぽい喋り方で、一人称は「朕」。
死を超越した気高い存在としてメソールを始めとした人間からは畏敬の念を抱かれていたが、実物は長生きしてるとは思えないほど短気でガラが悪い。
綺麗な石が落ちてた山がお気に入りで、それをひろゆきに壊された(実際にはベゲークスペシャルの流れ弾で消し飛んだ)と思いこんで八つ当たりで別の山を破壊するなど、凄まじく自分勝手な生き物でもある。
当然ながら長生きできる事に絶対の自信を持っていたが、「長く生きてるだけで密度が薄い」事を指摘され、それを自覚してしまったばかりに論破王に敗北。
やきうのお兄ちゃん(なんJ民)を意識したようなデザインの鳥の姿に変えられてしまう。

目的なく生きてきた事は真面目にショックだったらしく落ち込むが、すぐに「ひろゆきを完膚なきまでに言い負かして泣かす」ことを目的とし、弱点を見つけるためにひろゆきらに同行する事となった。
姿が変わっても人間の倍ほどは大きく、人を乗せて飛ぶ事も出来るため一行の移動手段となった。
なお、不死と言うよりは死んでもすぐ復活する方の不死性である為、その気になればメソールでも一時的に倒す事は可能。


「毒女帝」ゾゾラ

巨大な蜘蛛に妖艶な女性の体が生えた、あらゆる毒を操る魔物。京風の言葉で喋り、一人称は「わっち」。
人間をあえて殺さず、毒による死への不安を集める事で生きてきた頭脳派。
その不安から「安寧の糸」という守りに優れた糸を生み出す事で、絶対的な防御力を誇っていた。
ひろゆきを毒の水に沈めて無力化するところまで追い込むが、メソールの機転とハヴェールの時間稼ぎにより形勢逆転。
ひろゆきに「人間を殺さなくても共生すれば生きられる」事を説かれて敗北を認め、人と魔物の共栄を目指すようになる。
かつては孤独による不安を誰よりも恐れており、人格者だった育ての親もベゲークの癇癪により命を落とした為、何よりもベゲークの事、そして死の危険に不安を抱いていた。
結局、論破王の影響下にある事が彼女の最も求めていた安寧であると気付き、ひろゆきと行動を共にする事になる。

論破王により無力化された姿は幼女の姿。
アルコールも毒として操れるため、彼女の爪先から生成される「ゾゾラビール」はひろゆきの潤いとなった。

「暴露王」バスラ

巨大な猿のような魔物。
ゾゾラ達四天王には劣るが、逃げ回る力に関しては四天王を凌いでいる。
何より彼の特徴は相手の心を読む事であり、その能力を活かしてあらゆる秘密を暴露して楽しんでいた。
この能力の前にはひろゆきの論破王も相性が最悪……と思われたが、バスラを煽る事しか考えてなかったひろゆきの心の声を盛大に浴びた結果自爆。
子猿の姿となって逃げ出してしまった。


用語


論破王

ひろゆきに与えられた特殊能力。
『論破王』と口頭でのやり取りをしている間、『論破王』を含めやり取りに参加しているすべての存在に以下のルールを課す。

  • 打撃、魔法による肉体的ダメージを受けなくなる。ただし、あえて攻撃するように促した場合に限り、攻撃は通る。
  • 相手の口を塞いでも論破王の言葉は防げない。
  • 精神的ダメージを受けた場合、負った心の傷の大きさに応じて肉体的にもダメージを受ける。
  • 精神的ダメージで論破された(=心が折れた)存在は権威と力を失い、それに応じた弱々しい姿に変化させられるため、周囲からめちゃくちゃ舐められるようになる。

対物理であればほとんど無敵だが、あくまで会話に持ち込むことが前提の能力なので、窒息など自然の摂理に基づいた死は防げない。
また、相手を掴む、縛る等の行為は、それ自体のダメージこそ発生しないが、拘束自体は有効となる。
そして餓死や窒息死などの自然死は有効である為、寿命や病死なども防げない可能性は高い。
『論破王』スキルを持つ勇者自体はひろゆき以前にも居たことが示唆されており、一部の魔族にはこうした特性が把握されている。


勇者

本作の世界では、100年に一度だけ、異世界人を「勇者」として召喚できる。
具体的には、召喚士が「〇〇してほしい」と勇者に対して願い事をしつつ召喚の儀式を行うと、その願い事を叶えられる資質を持った人物がオートで選定され喚ばれるという仕組み。
このときの「勇者」はそれに応じた特殊能力(チートスキル)を持たされ、勇者はその召喚士が掛けた願い事を解決するまで滞在し、解決すると元の世界に帰還できる。
召喚士が願うのは普通「魔王の打倒」などなので、本来なら武術に秀でた者が召喚され魔物を倒して帰っていく流れになるはずなのだが、召喚士メソールは「ハメ殺し」の恐怖に怯えるあまり「私の悩み事をすべて解決してほしい」というアバウトな私欲を願掛けしてしまったため、武術の心得のないひろゆきが召喚されるというイレギュラーが発生した。
この関係上、ひろゆきはメソールの悩み事を「すべて」解決するまでは元の世界に帰れない。


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最終更新:2024年03月28日 11:47

*1 しかも「ハメ殺し」の発案者を口封じのため始末している