字一色(麻雀)

登録日:2023/09/24 Sun 03:29:52
更新日:2023/09/25 Mon 23:00:59
所要時間:約 6 分で読めます







神が…選びしは…わしっ…!わしだけっ…!


王である…この鷲巣巌だけっ…!


鷲巣 字一色小四喜 テンパイ…!




概要



字一色(ツーイーソー)とは、とは麻雀における役の1つで、役のクラスでは最高位の役満に含まれる。
子:32000点・親:48000点





条件
  • 字牌のみでアガリ形を作ってアガる。



立ち位置としては清一色(純チャン)とは別分岐の混一色(チャンタ)の上位役に当たり、清老頭(役満)と真逆の立ち位置にある。

多少なりとも麻雀をかじった人ならば分かるだろうが、字牌に当てはまるのは漢字一字の風牌(東・南・西・北)4種と三元牌(白・發・中)3種の計7種で枚数は28牌。
でも白は字が書いてないのに使える。


そこから5種14枚(+α)を使って4面子1雀頭(必然的に対々和の形になる)を作る必要がある。


14種類の牌全てに制約がかかっているため成立難易度はかなり高いのだが、鳴きが許される点や、14種の牌全てに制約のある役で使用できる牌がさらに少ない清老頭や緑一色イカサマをしない限り100%運頼りの役、天和・地和などの更に難易度の高い役満の存在もあり、役満全体での難易度は中程度と言ったところ。

事実、数学的な確率に基づく役満内での成立難易度のランキングでは5位にランクインしている。*1





特徴



まず特徴としては「アガりへの目標が見えやすい」点が挙がる。
イメージが容易な形である上に字牌は三元牌・自風牌・場風牌と3枚集めるだけで1翻役になる牌が多く、集める動機がはっきりしているため、不自然な牌の集め方で怪しまれるというリスクが少ないのが特徴。

また、最初役満狙いといかなくても混一色などを狙っていた時に字牌が集まってきたことで字一色に切り替えるという後付けの選択も可能(と言うか配牌が字牌で偏らない限りは字一色を目指すパターンはこの場合が多い)なので、字牌の集まり方で字一色を視野に入れた役作りを行うかどうかを判断しやすく、ある意味では初心者にも優しい役と言える。難易度は優しくないが。

その他の特徴として…



(…この局だけは の捨て牌に合わせるしかないやろ…)

お、引いたな。ツモだ トリプル…四暗刻 字一色 大三元…!

(バ バカな………)

クク……三倍役満九万六千点……親のあんたは四万八千点払い……トビだ

ツキがなかったな……

………


このように「他の役満と複合しやすい」というものがある。

単なる可能性で言えば、四暗刻の方が複合できる役満が多いのだが、あちらは暗カン以外の鳴きが出来ないので、役の上乗せと言う意味ではこちらに分がある。

麻雀の役満では大三元や小四喜/大四喜はアガるために必要な牌の大半が字牌であり、余った面子や雀頭に字牌を当てられれば、字一色も上乗せできる。
特に大四喜との複合であればルールによってはトリプル役満にまで行ける可能性を秘めている。


また、お目にかかる機会は滅多にないだろうが、門前で揃えれば四暗刻や四槓子、他にも天和・地和とも複合できる。

そんな夢のある役、字一色だが、「鳴きが可能」という点が足を引っ張ることがある。

まず7種の字牌の中には3枚集めても役にならない客風牌が2~3種含まれ、これらから鳴くと当然他家に警戒心を抱かせてしまう。
では役牌ならば問題ないかと言われると必ずしもそうとは言えず、複数回の鳴きを挟まれればやはり同じように警戒心を抱く結果につながる。

また例え字一色を警戒されなくとも混一色の可能性を追われる可能性もある上に、そうでなくとも他家からすれば手中で浮いた役牌を切ったことで、鳴きを挟まれて役を確定させられるのは嬉しい事態ではないため、危険牌とみなされて鳴きに必要な枚数が揃っていない前半に早めに切られるか、もしくは終盤まで切られないかと言った事態になる事も少なくない。

また、欲しい字牌を自分が2枚、他家の誰かが2枚合計4枚持っている状況で、互いに残りの1枚を待っていると言うような場合では膠着状態に陥る事も考えられる。

と、鳴くことで聴牌への近道が出来る字一色だが、鳴くことがリスクにもつながりやすいという特徴があるため、幾つかは暗刻で持っていると幾分楽に進めていく事が出来る。


鳴きのリスクを常に考える必要のある字一色だが、役満上乗せが容易な点は決して小さくないメリットなので、過剰なリスクを避けるか欲張って点数の一獲千金を狙うかは打ち手次第になるだろう。


大七星



七対子の形でアガる字一色。「字牌七対子」や「大福星」とも。

立ち位置としては字一色の特殊形に当たるのだが、ルールによっては字一色の上位役としてダブル役満のローカル役として別の役で設定されることもある。
一般的にローカル役満は通常のルールでは役満とみなされない形になっている事も珍しくないため、大七星は通常でも役満、ローカルならダブル役満と言う珍しい立ち位置の役になっている。
因みに読み方は「ダイチーシン」だが、日本語読みで「ダイシチセイ」という事もよくある。

字一色は通常鳴きを絡めた5種14牌の対々和の形になるのが一般的だが、使用できる牌が7種ある為、字牌全種を2枚ずつ用いて七対子を作る事が出来る。*2
全ての字牌を2枚揃えて作るアガりの形は非常に美しい為、「名前は知っている」と言う人もいるだろう。

しかしその反面、難易度は通常の字一色の比ではない。
まず字牌は七対子が成立するギリギリの7種しかないため、必然的にアガり時の形はただ1つに限定されてしまう。
本来七対子は待ち変えが容易な点がメリットとして挙がるのだが、上記の関係で聴牌した際に待ち変えも出来ないため、残り1種が役牌で3枚とも他家の手の中で握り潰されていたりする可能性があるうえに、巡目や捨て牌の状況から厳しいと判断した場合、諦めて別の役に行く必要がある。(一応この時点では門前混一色と七対子の5翻の満貫、字牌以外の牌が19牌ならば混老頭も付いて跳満にはなるのだが。)

また一般論として、シャボ待ち(最大2種4牌)になる事の多い対々和と単騎待ち(最大1種3牌)で確定している七対子では明らかに後者の方がアガりにくい上に、鳴きが出来ないと言った厄介な問題を抱えている。

また、アガりやすさ以外でも「他の役満との複合が出来なくなる」問題も決して小さくなく、対々和の形で進めていれば鳴くことで他の役満との複合を見込めた所を七対子の形にした事で諦めなければならないという何とも歯がゆい状態になってしまう。
(ダブル役満扱いされることがあるのも、難易度上の上位役である他にも、こういった役満との複合を捨てる選択を強いる性質を考慮している可能性が挙げられる。)

が、こちら特有のメリットもあり、通常の字一色の場合、場に2枚切れている字牌が3種あった時点で4面子1雀頭が作れなくなり、字一色のアガりが消滅するのだが、大七星の場合はこの時点でもまだアガりの可能性が残っているため、いささか消極的ではあるが、「予定していた対々和の形にできない時のプランB」と言う選択肢にすることも可能。

また、鳴けない点も派手なアクションが発生しない分バレるリスクも下がる点ととらえることも出来るため、数よりも種類の観点で字牌が多く集まっていて、アガれる確信ができているならば攻めていくのも悪くない。

通常の字一色に比べると難点も多い形だが、やはりアガり形にはロマンがある為、自身がある人はこちらで上がるのを試してみるのもいいかもしれない。


余談



  • 他役満との複合については、風牌4種で3面子1雀頭を作り、残った1面子に対して字牌の面子を当てればよく、なおかつ鳴きが使用できる小四喜との組み合わせが特に成立しやすい。





追記・修正は四槓子・四暗刻単騎・字一色・大四喜を全て複合させながらお願いいたします。


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最終更新:2023年09月25日 23:00

*1 因みに1~4位は上から順に四暗刻→国士無双→大三元→小四喜。

*2 因みに七対子の形で役満になれるのは他には天和・地和のみ。