SHOCKER(シン・仮面ライダー)

登録日:2023/10/06 Fri 22:25:54
更新日:2024/04/25 Thu 07:24:14
所要時間:約 12 分で読めます





私たちは人類を持続可能な幸福へと導く

愛の秘密結社です


SHOCKER(ショッカー)とは、映画『シン・仮面ライダー』に登場する組織。
正式名称は「Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embeded Remodeling(計量的な知能の埋め込み改造により持続可能な幸福を目指す組織)*1」。


概要

およそ昭和時代に日本の石神グループ創業者・石神大造が設立、現在は人工知能「アイ」が運営する秘密組織。
並外れたテクノロジーや改造手術を有しており、日本各地に秘密の研究施設やアジトを持ち、海外にも手を伸ばしている。


組織構成

原典に当たるショッカーや、その系列の悪の秘密結社は幹部が怪人の、怪人が戦闘員の生殺与奪権を握り、
首領が「もういい」と言い出したら組織そのものがリストラ=死を賜るような超絶ブラック組織が多かった。
しかしSHOCKERはそういった「武力による部下の統制」は行っていない。というよりも最下層の戦闘員を除けば「統制」すらしていない、自由度が高い個人プレーが目立っている。
その上、現場指揮官レベルのオーグメントに「自制」とか「抑制」といった考えは絶無。
それどころかやってる事はいわば自分達の目的と意志が組織の中で最優先事項とされているため、たとえ失敗しても全く咎められず、「失敗した者は死だ!」というお決まりの粛清は無いのである。
言ってしまえば、ラ集団不在のグロンギみたいなものである。

このように組織の環境はかなり自由な雰囲気であるが、あくまで極秘の組織であるため、
機密保持のために構成員全員が死亡すると身につけた衣服も含んだ全身が泡状に融解して死体は残らなくなるよう身体改造を施されている。
また組織を裏切った者は、死の粛清を受ける。


活動目的

彼らの目的は原典通り世界征服………ではなく名前の通り「人類の幸福」
しかし全ての人を幸福にするという善意的なものではない。
人工知能アイが亡き創設者の意向を元に「偏った嗜好・思想を持つが故に常人ならざる絶望を持つ人間」を救済するといった行動プランこそが人類の目指すべき幸福であるという結論に至った。
そのため、現在の具体的な目的は「世界で少数派の、最も深い絶望を抱えた人間を幸福にする」と、当初の目的からかなりねじ曲がってしまっている。

救済といっても現実との折り合いをつけるためカウンセリングをしたり限定的に願いを叶える…といった生易しいものではなく、
彼らが持つ世間一般の常識・倫理から逸脱した欲求……殺人や破壊、他者の隷属などを満たすことの技術・資金の支援
いわば異常なエゴの全肯定であり、その過程で多数派の感性を持つ一般人の犠牲を容認する
そして歪んだ思想を持った構成員達はまるで自分達を不幸にしてきた世間・社会に復讐するかのように多くの人々に対して牙を剥く。
結果、少数の幸福追求という善意の下で大勢の人間に不幸をもたらすという、絶大な矛盾を抱えた非道の組織と化している。

そのためメンバーはほぼ危険な思想を持った者で占められており、日本政府は極秘裏にテロリスト組織としてマークし、組織壊滅のため「アンチSHOCKER同盟」なるものを設立している。
また、メディア展開にも積極的である


歴史

AIによる新たな産業革命を予見した大富豪・石神大造が人間の脳活動の研究を元に、最新のAI技術の開発を行っていた当時のベンチャー企業「ファウスト」に莫大な投資を投じて、人工知能アイとアイの代わりに外界を観測するための人造人間ジェイを開発。
その後はファウストを母体にSHOCKERが結成され、アイは徐々に自己改良を繰り返していく内に高い知能を身につけていった。
進化し続けるアイを見た石神大造は、やがてアイこそが全ての人類を幸福に導くという理想のために必要な存在と考え、
アイとジェイの後任であるケイに「人類を幸福に導く」という命令を与えSHOCKERの運営を任せた後、拳銃自殺でこの世を去る。

石神の死後、秘密裏に世界各地で活動を広げるまでに拡大したSHOCKERだったが内部抗争が発生。
  • 軍事企業にまで成長したファウストの経営陣らが率いる兵器事業による利益拡大を目論む「企業組」
  • 絶望に苦しむ少数のための幸福を主張する「絶望組」
の2つの派閥に分かれ対立し、やがて暗殺や戦争にまで発展した。
そんな中、絶望組に所属する緑川弘が新たな生命エネルギー・プラーナを発見したことにより状況が激変。人間と他生物の遺伝子の融合によるオーグメント手術の開発によって絶望組が勝利を果たす。

その後もAIによる世界支配を唱える一派との対立もあったが、SHOCKERは絶望組が支配権を握ったことにより現在の組織体制となった。
映画本編にて構成員達は自分達の幸福のために殺人・洗脳などあらゆる悪事に手を染めていくのだが、SHOCKERの裏切り者にして最大の敵対者・仮面ライダーが現れてしまう。


構成員

創設者

  • 大富豪/石神大造
演:松尾スズキ

かつて日本にいた大富豪。名前はスピンオフ漫画『真の安らぎはこの世になく』で登場。
莫大な資産を投じて世界最高の人工知能アイを開発させた、事実上SHOCKERを設立した男。
その高度な演算能力をもって「全人類の幸福」を達成させるべく「深い絶望から人はいかにして幸福になれるか」を調べるよう指示を出した。
その1年後、ジェイがケイにアップデートされた後、アイとケイに人類の幸福を託して自ら命を絶った。

運営

  • アイ

SHOCKERを管理している人工知能。
「人間の最大的幸福」を探求すべく製造されたが、長年の演算の果てに「最も深い絶望を抱えた人間を幸福にすること」と解釈し、現在のSHOCKERを作り出した。
あくまで構成員達の幸福を尊重しており、組織の活動は全て上級構成員が独自に幸福を追求したり任務を遂行するという放任主義に近い形を取っている
外界から完全に隔絶されたクローズドネットワークに存在しており、単独では外部の情報は入手できない。
一応明確な自我は存在しスタンドアローンで稼働しており、緑色の光を点滅させ通信音を発信している。

  • ジェイ

あなたが私のcreaterですか?

動くことが出来ないアイの代わりに地上の情報を収集するために作られた「外世界観測用アンドロイド」
左半分が内部構造の露出したスケルトン状になっており、自律行動は出来ないため、車椅子に乗って創造主の石神大造によって移動できていた。話すこともでき英語を話すときはネイティブな発音になる。
1年後に後継機のケイが誕生したことで筐体の電源を落とされ、活動を停止した。

  • ケイ

……やはり人間は面白い。

CV:松坂桃李

ジェイのアップデート版として生み出されたアイの端末である「外世界観察用自律型人工知能」
無骨なボディにスーツを着た外見をしており、ジェイと異なり自立二足歩行による移動が可能になっている。
ジェイ同様アイの代わりに外界の情報収集が主な役目だが、ケイ自身は人間に対し興味を抱いており、
構成員が死亡した時には胸ポケットに白い花を飾り哀悼の意を示したり、自分が人間ではないかという疑いに対し「中の人などいませんよ」と冗談交じりに返すなど人間らしさが出ている。
内部抗争時にはアイの意志の下に絶望組の指揮系統を担っていたが、現在は中立の立場を貫いており、裏切った緑川ルリ子の反逆行為も観測の一部として止めるようなことはしていない。


上級構成員/オーグメント

正式名称は人外合成型オーグメント
SHOCKERの幹部格にあたる構成員達で、動物と人間の遺伝子による改造手術・オーグメンテーションを受けた超人の総称。
メンバーの殆どはかつて現代社会で絶望した過去、歪んだ思想を抱えており、SHOCKERの支援によって自分達の幸福・エゴを叶えるために様々な悪事に手を染めている。

昆虫・哺乳類・爬虫類等の生物の遺伝子とプラーナが組み込まれたことで、人間とは異なる生物とも呼ぶべき怪人に変身し、強化された肉体や元となった生物の能力など人知を超えた力を持つ。
ただしプラーナは変身によって精神への負荷が大きく、消費し過ぎると肉体を維持できず崩壊してしまうリスクがある。

また、オーグメントは各々モチーフになった生物を模したヘルメット状のマスクを装着しているが、
このマスクには装着者の生存本能を増幅させる機能が搭載されており、これを付けていると内なる破壊衝動や自己防衛に突き動かされてしまう。
元一般人が多いオーグメントが躊躇いなく殺人が行えるのは、これの影響が大きい。


  • チョウオーグ/仮面ライダー第0号
俺は俺のやり方で人類を救う。

身長/不明
体重/不明
特色・力/大量のプラーナを扱う能力、華麗な格闘攻撃
演:森山未來

蝶の能力を有したオーグメントであり、通称「アルティメットオーグメント」
その正体は緑川博士の実の息子にしてルリ子の義理の兄・緑川イチロー
SHOCKERに入ったばかりの頃、敵対勢力の凶弾で死にかけたことで緑川の延命処置でプラーナを移植された、人外合成型オーグメント第0号にあたる。
上級構成員の1人に過ぎないが、オーグメントの中でも高い能力を持つことからSHOCKERの実質的なトップに君臨している。
幼い頃に母親を通り魔強盗に殺され、深い絶望に堕ちたところを父と共にSHOCKERに加入。
自身の経験から人類から不幸を引き寄せる暴力といった負の感情を根絶すべきと考え、全人類を人間のプラーナを保存できる空間「ハビタット世界」に送り込んで、嘘偽りのない理想郷を作り出そうとしている。
また自分がかつて信じていた幸福を目指すSHOCKERも歪んだ道に進んでしまった事に失望しており、彼らもハビダット世界に送り込んで壊滅しようとしていた。

ビジュアルは概ね青い仮面ライダーといった具合だが、白いマフラーや2つのタイフーンを備えたベルト「アルティメットハーフタイフーン」が特徴。
このベルトはイチロー専用に開発された特殊装備であり、大量のプラーナの制御だけでなく、プラーナの圧縮・変換効率・安定性・最大出力といった全ての面で最高のパフォーマンスを発揮。ハビタット計画を完遂し得る者に相応しい強大な力を齎す。
大漁のプラーナを取り込んで完全変態を遂げた後は、舞のような体術で1号2号を真正面から相手取り圧倒した。

原典はおそらくイナズマンと仮面ライダーV3の複合で、デザインモチーフはシャドームーン*2。また、変身者の名前はキカイダー01を思わせ、マスクの造形はどことなくスカルマンっぽい、親を悪人に殺されたという動機や女兄弟が止めようとしている設定はバドーを思わせる、まさに石ノ森キャラの闇鍋のようなキャラクター性は多くのファンの笑いを誘った。


  • クモオーグ
あなたも同じオーグメント……なのに! この幸せが何故分からんのです!?

身長/不明
体重/不明
特直・力/粘着性の糸を利用した攻撃、機械仕掛けの子グモ、4本の隠し腕
CV:大森南朋

蜘蛛の能力を有した人外合成型オーグメント第1号。主に裏切り者の粛清や暗殺といったSHOCKERの汚れ仕事を請け負っている。
極度の人間嫌いで、SHOCKERに加入したのも人間であることを捨てるため。

原典は蜘蛛男該当項目を参照。


  • コウモリオーグ
緑川……なぜ誰もワシを理解しないのだ……

身長/不明
体重/不明
特色・力/翼の展開と飛行、優秀な頭脳
演:手塚とおる

蝙蝠の能力を有したオーグメント。
他の幹部オーグメントとは違いマスク等のメカニカルな装備をしていないが、その顔は蝙蝠の羽のように尖った耳と、
本来の位置に加えて額にまで蝙蝠の鼻に似た器官が付いており、他のオーグよりも生物的嫌悪感が強い。

SHOCKER最高の生化学主幹研究員を自称しているが、反面他人を信用しない猜疑心の強い性格をしており、1人で人里外れた廃ドームをアジトにし、下級戦闘員ではなくヒト型等身大対人兵器を警護を行わせている。
その上研究者としてのプライドは極めて高く、特に同じ研究者の緑川弘に対しては並々ならぬ対抗心を燃やし、彼の遺した緑川ルリ子と本郷猛の抹殺を企てている。

研究家故に戦闘力は他のオーグメントに劣るものの両腕から生える蝙蝠の羽による飛行能力を持っており、
自身の本領である頭脳を活かした研究活動の過程で生み出した人工ウイルス「バットヴィルース」を大きな武器としている。
このバットヴィールスを使って疫病による人口を作為的に減らし、「選ばれた価値ある人間だけの幸福な世界」を作ろうとした。

原典は蝙蝠男。研究者なのは蝙蝠男の人間態が科学者風だった事からだと思われる。


  • サソリオーグ
さぁ……イッツショータイム!!

身長/不明
体重/不明
特色・力/猛毒、左腕の大きな爪、頭上のサソリ
演:長澤まさみ

の能力を有した女性オーグメント。
コウモリオーグ同様マスクを装着せず、代わりにサソリの仮面で顔の左側を隠し、中華風のセクシーなスーツを身に纏っている。
常時ハイテンションな性格かつ英語混じりで話すなどユーモア溢れる印象を受けるが、SHOCKERに入る前の彼女は父親から母親共々苛烈な虐待を受けており、
その生い立ちから人を殺したり自分も殺されることに性的興奮を覚え、戦闘を楽しんだりするなど戦闘狂に近い性質を持っている。
しかし映画本編では登場して早々に警官隊からの一斉射撃を受け、画面の外で戦闘不能になりあっさり退場するという酷い扱いであった。

蠍の鋏と化した左腕や、体のあちこちに仕込んだ鋭い針、刃などで標的に突き刺しそこから猛毒を流し込んで絶命させる。
この毒は同じオーグメントにも効くため、かなり危険な代物。

原典はさそり男。ただし性別や立ち位置はかなりかけ離れている。


  • ハチオーグ
私はルリ子を泣かせたいの。

身長/不明
体重/不明
特色・力/巧みな剣術、高速移動、プラーナの強奪
演:西野七瀬

蜂の能力を有したオーグメントの少女。本名はヒロミ。
ルリ子とはSHOCKER時代からの親友であり「ルリルリ」と呼んでいる。
蜂を彷彿とさせる着物を着込んでいたり、アジト内に多くの刀のコレクションを飾る等和風を愛用しており、
茶を嗜んで敵であるルリ子と本郷をアジトに招待するなど、これまで出てきたオーグメントの中で最も社交的な性格をしている。
が、実は「人間の支配」を至上の幸福と見做しており、付近の町の住人をプラーナの装置で洗脳し女王蜂のように管理下に置いている。
特にルリ子に対しては異様なまでの歪んだ想いを抱いており、彼女が組織に戻らないならば自分の手で殺すと宣言。
ルリ子の悲しむ姿をこの目で見たいという欲望を溢し、もはや愛憎の域に達している。
そのためルリ子のSHOCKERを脱退する事への説得に対してはSHOCKERに生まれし者はSHOCKERに還る。それが筋よね?と冷徹に返している。

自慢の刀を得物に蜂特有の高速移動による戦法を得意とし、部下のプラーナを吸い取ることでさらに力を増強する特性を持つ。

原典は蜂女。原典ではサーベルで戦っていたが、こちらは日本刀。


  • カマキリカメレオンオーグ
裏切りは人殺しよりも悪、仇討ちは人助けよりも善……!

身長/不明
体重/不明
特色・力/迷彩機能を備えたポンチョ、左腕に隠した鎌
演:本郷奏多

蟷螂カメレオンの能力を有したオーグメントの青年。通称「K.K.オーグ」カメレオンの頭文字はCなんですが……
SHOCKER科学陣・死神グループによって生み出された次世代型の人間と2種類の生物からなる3種合成型オーグメントで、自らを「最新最高の作品」と称している。
カメレオンの透明のステルスマントで姿を隠し、自慢の大型ナイフと腕から生える蟷螂の鎌を使った暗殺を得意とする。

殺人に快楽を抱いており、特に「復讐」を最も崇高な感情と考えており、復讐を行うことを至上の幸福にしそれを成し遂げた自分を好む生粋のナルシスト。
クモオーグとはかなり仲が良かったらしく、彼を「クモ先輩」と敬愛していた。

原典はかまきり男死神カメレオンゲルショッカーの合成怪人の要素も入っている。


  • 大量発生型相変異バッタオーグ
身長/不明
体重/不明
特色・力/仮面ライダーと同等の戦闘能力、連携攻撃

第1第2とは異なり、群生相のバッタの能力を有した大量発生型のバッタオーグ。
11体いるがそれぞれが仮面ライダーと同等の力を持ち、首には黄色いマフラーを付いている。
群生相へと相変異した影響で凶暴性が強く、戦闘では量産型サイクロン号と自動小銃を使いこなし連携戦術による数の暴力で敵を仕留める。

原典はショッカーライダー。群生相のバッタとは蝗害のことである。


  • サラセニアオーグ
サラセニアの能力を有したオーグメント。未公開シーンにて名前のみ登場。
本作で唯一の植物モチーフのオーグメントだが、動物と異なる生態である植物のオーグメンテーションは人間との合成が難しいとされていたため、合成後は文字通り植物状態で死亡してしまったらしい。
ルリ子とヒロミとは旧知の仲で、本名は「トオル」。

原典はサラセニアン。ちなみにK.K.オーグの素顔がサラセニアンに酷似している。

  • コブラオーグ
コブラの能力を有したオーグメント。
名前のみの登場で、姿・能力・活動は不明。

原典はコブラ男


番外編

  • 雲オーグ
『クレヨンしんちゃん』とのコラボエピソード『しん・仮面ライダーだゾ』に登場するオーグメント。素性は不明。
赤い全身タイツと緑の目を備えた身体が雲のようなもやで覆われている。
クモオーグと似た2本の隠し腕に加え、身体を気化させて瞬間移動する能力「雲隠れ」を操る。
後述の怖顔オーグと梅オーグを指揮してショッカー伝統(と言いつつ実は歴代ショッカー怪人では初)の幼稚園バスジャック作戦を実行に移すが、ギャグ回故にツッコミ担当が回ってきがちでどこか憎めないキャラ。
SHOCKERでは珍しい非生物型のオーグメントだが、あくまでパラレルワールドということか、その辺については特に触れられなかった。

言うまでもなくクモオーグのパロディキャラ。

  • 怖顔オーグ
『しん・仮面ライダーだゾ』に登場。
ふたば幼稚園の組長園長先生こと高倉文太がSHOCKERに拉致され、オーグメントとなった姿。
胴体が丸ごと園長先生の怖い顔になっているというインパクト抜群の外見が特徴。というかいったい何と合成されたらこんなオーグメントが生まれるんだ?
能力の類は不明だが、少なくとも2つの怖い顔による威嚇効果は抜群なようで、同じSHOCKERの仲間である雲オーグですら思わず「顔怖っ!」と怯えるほど。
最後はアクション仮面のアクションキックで倒され、改造された部位のみが泡となって元の園長先生に戻った。
ちなみに園長先生の先代の声優である納谷六郎氏は初代『仮面ライダー』第9話から第13話まで本郷猛/仮面ライダー1号の吹き替えを担当し、さらにショッカー首領役納谷五郎氏の弟でもある。

  • 梅オーグ
『しん・仮面ライダーだゾ』に登場。
ふたば幼稚園のまつざか梅がSHOCKERに拉致され、オーグメントとなった姿。
胴体が顔がついた梅……ではなく梅干しになっている、怖顔オーグに負けず劣らず特徴的な外見。「じゃあ梅干しオーグじゃん」とか言ってはいけない。
口から強烈なアルコール臭を放つ全く梅と関係ない必殺技「合コン失敗ヤケ酒ビーム」を駆使し、酒を飲まない本郷と一文字を苦しめた。
最後は本郷に巻き込まれる形で仮面ライダーとなったしんのすけの「ライダーなオラキック」で倒され、やはり改造された部位のみが泡となって、元のまつざか先生に戻った。

  • ゲバオーグ
『しん・仮面ライダーだゾ』に名前だけ登場。
ルリ子が「結婚式場に出現した」と本郷と一文字に報告したのみで、詳細は不明。

原典はゲバコンドルだが、何故コンドルオーグではなくゲバオーグなのかは不明。


その他戦力

  • SHOCKER下級構成員
身長/個体によって異なる
体重/個体によって異なる
特直・力/集団戦闘、不眠不休の長時間労働など

SHOCKERの戦闘員
原典におけるショッカー戦闘員に相当し、黒一色のスーツとベレー帽、顔を覆い隠す集中線の柄が付いた仮面を身につける。
主に幹部の護衛や粛清対象の捕獲を行い、SATといった公的組織に偽装することもある。
その正体はSHOCKERに拉致され、プラーナによる洗脳と改造を受けた一般人の成れの果て。
上級構成員と異なり簡易的なオーグメンテーションを施されており、力は通常の人間の3倍で電気槍やナイフ、ライフルで武装するが上級のオーグメントの足下にも及ばず、ライダーパンチを喰らえば簡単に頭や体は潰れて血飛沫を上げるという凄惨な最期を迎える。
組織の中で最も位が低いため基本的に捨て駒として扱われ、挙句には訓練のための道具にされる。
ただしハチオーグ直属の背広の男といった一部の下級構成員は通常のオーグメントに近い実力を持ち、側近として扱われることもある。


  • ガーディアン
ファウストが開発した人型ロボット兵器。
マネキンのような姿をしており、人間の頭を簡単に潰せるほどの力を持つ。
本編にてガーディアンの後継機と思われる人型ロボットがコウモリオーグの護衛を務めている。


協力者・科学者

SHOCKERの資金・技術面のサポートを担う面々であり、表社会での社会的地位が高い者も多い。主に新たなオーグメントの開発や非人道的な人体実験などを行っている。
原典における幹部キャラにあたるが、今作では主にオーグメントを技術面で支援しているという立ち位置。だが、彼らもまたオーグ達を利用して自分達の研究欲を満たしている節がある。

  • ヘルマン
軍事企業「ファウスト」の幹部にして企業組の代表。「地獄の男」という意味の名を持つ。
一見常識的に見えるが、自身が気に入った人材はたとえ敵だろうと絶対に手に入れようとし、丸腰の状態で交渉へ臨むなどSHOCKERの人間らしく頭のネジが外れている。

  • イワンコフ
SHOCKERの科学面を担う不気味な風貌の男。
クモオーグとサソリオーグの上司であり、精神的に異常をきたし危険な思想を持った人間*3を組織にスカウトしていた、現在のSHOCKERを作り上げた1人とも呼べる人物。
オーグメンテーションを始め洗脳による改造手術を行っており、その非道さからヘルマンからは「死神」と揶揄され、本人もそれを認めている。

  • ウルフソン
米国支部の管轄を担当している幹部。表の顔は実業家であり、政府との繋がりを持つなどかなりの大物。
自分以外の人間を見下しているが、ある総統閣下を非常に崇拝しVR空間で将校を思わせる軍服を着て彼を信奉する軍人になりきる自分に浸っている。
将来アイが暴走・反逆を行う危険性を唱え、新たなAI・カイによる人類の支配を訴えたことでケイが率いる日本支部と対立することとなる。


離反者

  • 緑川弘
演:塚本晋也

緑川イチローの実父で、生体エネルギー・プラーナの発見者。
かねてよりSHOCKERからのスカウトを受けており、妻が死亡したことでイチローと共にSHOCKERに入ったが、
プラーナとオーグメントの力を自分達のエゴに使うまでに腐敗した組織を見限って、娘のルリ子と教え子の本郷猛と共に離反した。
ここまでだと善良な人間に見えるが、SHOCKER時代はまだ小学生だった息子を半ば強引に組織に入れ、
プラーナの手術の成功に狂気の笑みを浮かべるなど他のSHOCKERのメンバーと大差ない歪んだ科学者であり、過去の影響で犯罪者を実験対象に非道な実験を繰り返していた。

  • 緑川ルリ子
演:浜辺美波

緑川博士の娘で、イチローの血縁上の妹。
幼少期はSHOCKERの中で育ってきたが、外の世界を見たことで組織の理念に疑念を抱き、本郷猛と共に逃亡生活を送りながらSHOCKERとの戦いに身を投じる。

  • 本郷猛/第1バッタオーグ/仮面ライダー
演:池松壮亮

孤独相の飛蝗の能力を有したオーグメント。
オーグメントの中で最高傑作と呼ばれるほどの強さを誇り、緑川ルリ子やアンチSHOCKER同盟の助けも借りながら人間の自由と平和を脅かすSHOCKERに立ち向かっていく。

  • 一文字隼人/第2バッタオーグ/仮面ライダー第2号
演:柄本佑

イチローが仮面ライダーに対抗するため、本郷と同じ改造と改良を施して生み出した第2のバッタオーグ。
モチーフは1号同様、孤独相の飛蝗。
一時は仮面ライダーを追い詰めるが、ルリ子の情報演算能力で洗脳を解かれ、彼女への恩返しのためにもSHOCKERを裏切ることになる。
その後一文字の失敗を踏まえ、完全に人間性を喪失させ命令通りに動くのみの大量発生型相変異バッタオーグが作られる事になる。


余談

  • 「死亡すれば遺体は瞬時に分解され跡形も残らない」は十中八九初代『仮面ライダー』におけるショッカー怪人の最期のオマージュ。
    また、「怪人の殆どはつらい過去を持っている」点については、『仮面ライダー555』のオルフェノクと共通する(ちなみに『555』は庵野秀明監督が療養中に鑑賞していた作品)。


  • 初代『仮面ライダー』放送当時にあったショッカー怪人が受話器で会話するカード「もしもしテレフォン」シリーズを再現した「#シン仮面ライダーもしもし」を公式SNSで挙げており、劇中した登場人物だけでなくチョイ役の女性戦闘員や人型ロボットまで受話器を持って登場している。


  • 原典におけるOPナレーションで仮面ライダーは「人間の自由のため」ショッカーと戦うと語られており、歪んだ自由を是とする本作のSHOCKERはある意味逆転している。ティザービジュアルに記されたこれに相当する英文では、仮面ライダーは"to ensure human beings stay human"=「人間が人間であり続けるため」SHOCKERと戦うとされている。

不幸と絶望を味わって持続的な幸福を目指してから追記・修正お願いします。

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最終更新:2024年04月25日 07:24

*1 『真の安らぎはこの世になく』では、「計算機知識を組み込んだ再造形による持続可能な幸福組織」。

*2 デザイナーの出渕裕氏がパンフレットにて明言している

*3 イワンコフ曰く失うものがなく、頭のネジが飛んでいるヤツら