雛鶴あい

登録日:2023/10/21 Sat 04:11:18
更新日:2024/01/02 Tue 08:02:08
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雛鶴(ひなつる)あいとはりゅうおうのおしごと!の登場人物。
声-日高里菜

目次

【概要】

本作の主人公である九頭竜八一の一番弟子であり、ヒロインの一人。
第1巻時点では小学3年生で9歳(1巻は小3の春休みで2巻から小4。8巻時点で進級し小5)。

石川県の超老舗旅館「ひな鶴」の一人娘。
旅館の跡取りとして厳しく躾けられたため、9歳という年齢に似合わず礼儀正しく、家事全般が得意でも金沢カレーは勘弁な!
一方で、母親譲りのこうと決めたら譲らない頑固な一面もある。

主人公の八一とは歳が離れているが、幼いながらに一人の男性として好意を寄せており、八一が他の女性に気がある素振りを見せると嫉妬し、時に独占欲の強いヤンデレな面を見せることもある*1
そしてあまりにも行き過ぎたのか、原作9巻限定版のドラマCD(盤外編1に再録)にて「ヤンデレチェック」をやることに…。果たして結果は…。
漫画版4巻の巻末インタビューでは、女流棋士になったとしても若い間に自由にさせてもらえた分、
家族や従業員への恩返しとして最終的には温泉旅館の跡を継がなければならないと考えていることを述べており、伴侶は婿養子になってくれる人がいいと答えている。
なお、あいと八一の中の人(日高里菜内田雄馬)は実際に結婚した。

【棋風】

祖父は将棋好きだが母親が将棋嫌い*2だったため、弟子入り前は祖父の残した詰将棋本による独学でしか勉強しておらず、第1巻時点では将棋を学び始めてから僅か3カ月しか経っていなかった。
にもかかわらず将棋図巧*3という全問解ければプロになれると言われるほどの詰将棋本をクリアし、平手(ハンデなし)で差した八一を打ち負かしかけるほどのとんでもない才能を持った逸材。詰将棋については師匠の八一を上回っている。

その圧倒的な、「頭の中に将棋盤が11面見える」と自ら語る程の読みの速さと抜群の記憶力から、終盤戦では無類の強さを発揮する。
将棋に関しては上記のように天才肌のため、女流棋士が多く参加するマイナビ予選では現役女流棋士を相手に圧勝し*4、感想戦にてその相手が完敗していたことを無自覚に指摘して相手に「二度負ける*5」ことを感じさせたり、一般人相手の指導対局では、容赦のない天才肌の指導でさばき過ぎて切り捨ててしまうこともある。

【来歴】

竜王戦の最終局が「ひな鶴」で行われたことがきっかけで八一に憧れ、長期休暇を利用して単身八一の家に押し掛けてきた。
八一自身は忘れていたが、竜王戦最終局面で疲労と緊張のあまり廊下で倒れていた八一に水を差しだしたことがあり、この際に「弟子にしてもらう(正確には“何でも言うことを聞いてもらう”)」約束を取り付けていた。
当初は「まあ一度対局してあげれば帰るだろう」と追い返す心算で試しに将棋を指すが、油断もあったとはいえ現竜王である八一を後一歩まで追い詰めた事で八一があいの才能に惚れ込み、最終的には弟子として認められた。
なお、彼女の母親から弟子入りを認めるにあたって一つの条件が出されている。
それは「中学卒業までにあいがプロになれなかったら*6、彼女を引退させた上に八一は婿入りして旅館経営を学んでもらう」というもの(八一自身は引退する必要なし)。
つまりどう転んでもあいには超おいしい条件を出してきたため、この話を聞いたときはすごくノリノリだった。 
周囲にはあいの父親含め結構人がいたが「一緒に頑張りましょう(諦観)」「北陸からでも通える」などと言い、誰も止めなかった。

5巻で史上最年少の10歳1ヶ月で女流棋士となる。
10巻で元奨励会会員の岳滅鬼(がくめき)(つばさ)を破り女流名跡リーグ入り(同時に規定により女流初段に昇段)。
14巻では13巻最後でのJS研の水越澪との別れ、そして女流名跡リーグでの月夜見坂戦での敗北や当時の担任の勧めもあり、あえて自ら依存を断ち切り八一の内弟子を解消して関東に移籍した。
ひな鶴も東京に支店を出したこともあり当初は東京支店を拠点にしていたようだが、15巻でネット対局が縁で山刀伐の研究部屋に転がり込んだ。
15巻で女流七大タイトルの一つ山城桜花(やましろおうか)のタイトルホルダーである供御飯(くぐい)万智(まち)*7を破り女流名跡リーグを制覇しタイトル挑戦権を獲得(同時に規定により女流二段に昇段)。
16巻で釈迦堂(しゃかんど)里奈(りな)を破り女流名跡(じょりゅうみょうせき)のタイトルを獲得(同時に規定により女流三段に昇段)。女流タイトルホルダーとなった。
そしてそんな中、「奨励会に入らずにプロ編入試験だけでプロ棋士入りする」という将棋界から見れば挑発的な夢を公表*8。周囲からバッシングをも受けながらもさらに先へと進んでいくことになる。

【余談】

明言はされていないが、おそらくモデルは小学生の時に内弟子として棋士宅に住み込んだ経歴を持ち、「女流王将」タイトルを獲得した元女流棋士の林葉直子。
『りゅうおうのおしごと!』のほとんどが2代目将棋星人のせいで現実以下となってしまったが、あいの様な「デビュー初期からタイトルを獲るほど活躍する小学生女流棋士」に近い存在は未だ実現していないことから*9「フィクション最後の壁」なる珍妙な称号を得ている。

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最終更新:2024年01月02日 08:02

*1 作者からもアニメ1話放映後にツイッターで「実は作中で一番ヤバい子」と言われている。

*2 なおあいの母が将棋嫌いになったのはあいの祖父が将棋関連で散財したことと清滝を中心とする関西棋士たちの乱痴気騒ぎ

*3 正式名称:象棋百番奇巧圖式。江戸時代の名人候補、初代伊藤看寿が作った詰将棋集。多くの技巧を凝らした、今なお詰将棋集の最高傑作と呼ばれているもので、とくに「裸玉」「煙詰」「寿」の三題は神局と評される。

*4 漫画版ではそれが強調され、内心「(並みの女流棋士は)弱すぎる」と手応えのなさを感じていた。

*5 勝負に負けた後、感想戦で完敗していたことを指摘されること。

*6 アニメではもっと厳しくタイトルを獲れなかったら、となっている

*7 8巻で山城桜花5連覇を達成して永世称号である「クイーン山城桜花」の資格を取得。

*8 現実では2014年から「プロアマトーナメントでの6割5分以上の好成績」によりプロ編入試験を受けることが可能となり、実際に2023年には小山怜央がそれで奨励会に入らずプロとなり、女性でも受験だけなら元奨励会員の里見香奈が挑戦し敗れたのだが、18巻後書きによると本作の世界では「あいがプロ棋士入り挑戦により編入制度実現に奔走する」展開を描くためあえてプロ編入試験制度の有無をあいまいにしていたという。

*9 囲碁の世界では2019年に仲邑菫が10歳0か月でプロ棋士となったが、初タイトル獲得は中学校進学後の2023年であった。