登録日:2023/10/28(土) 21:05:29
更新日:2023/11/24 Fri 15:59:02
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夜空に舞い上がるヒトヒラの夢
次、出会うときには笑顔で
貴方に出会わなければ───
薄墨桜
-GARO-
【概要】
監督は『
TRIGUN』『
はじめの一歩』シリーズの西村聡、脚本におなじみ
小林靖子、音楽は高田龍一、MONACA。キャラクターデザインは、桂正和(原案)と横山愛&海老原雅夫(アニメーション)。アニメーション制作は、スタジオM2とスタジオVOLNが初めて担当する。なお、MAPPAから変更された理由としては同時期にGARO VANISHING LINEを制作したことが原因だと思われる。
【あらすじ】
嶐鑼事件の後、都の様子は変化していた。番犬所の命令で保輔が九国に向い、雷吼と星明そして金時の3人が都を守っていた。また、時丸という盗賊が都を騒がし、藤原道長の元には新しい陰陽師・明羅が仕えていた。そんな折、菅原道真の形見である薄墨桜が咲こうとしていた。かつて、その呪いで都すら焼き、
魔戒法師の命と引き換えに封印された薄墨桜が咲けば、都は再び火の海となってしまう。雷吼たちは薄墨桜の元に向かうが、3人の前に明羅が立ち塞がる。
【キャラクター】
雷牙の中の人と同じ人が演じる、平安の世を駆ける
黄金騎士・牙狼。引き続き、表の顔として星明の屋敷で扇子を作りながら生計を立てている。守りし者の使命を自覚している面はテレビシリーズ同様で、中盤、それが原因で検非違使から逃げることが叶わなかった。
薄墨桜の前で明羅と対峙し、時丸が人間として生きていることを伝えられ、薄墨桜を倒すことができず撤退する。しかし、明羅の罠に落ち薄墨桜関連の元凶の罪をなすりつけられ、検非違使から暴力を受け晒し者にされる。瞳から光が失われるほどに衰弱するも、火羅が都を襲っていることを知り、拘束具を引きちぎり脱出。薄墨桜火羅と対峙し、駆けつけた保輔とともに星明が呼び出した封印の槍で倒す。戦いの後、明羅を助けられなかったことを悔いる。
稀代の魔戒法師。テレビシリーズの黒星明を経た後の成長した姿を見せてくれる。今作では、明羅と仲がよさそうな雷吼に苛立ちを覚えるシーンもある。
明羅の罠で雷吼たちが囚われるも、一人抜け出し難を逃れる。1人になるも頼信に事情を話し単身で明羅に立ち向かう。しかし、薄墨桜火羅を止めることができず、都への侵入を許してしまう。雷吼が戻ってきた後、封印の槍を召還し、薄墨桜火羅撃破の糸口を作った。明羅の件で気落ちしている雷吼を見て拗ねたが、出かける雷吼に付き添う正妻ムーブを見せた。
雷吼の従者を自称する少年。相変わらず2つの棒を使って戦闘を行い、火羅の判定も行っている。序盤の火羅戦で扇子を落としたことが後々大変なことに...。
序盤の火羅戦で雷吼の扇子を落としてしまい、雷吼が検非違使に疑われる原因を作ってしまう。雷吼ともども明羅の罠で検非違使の手に落ちてしまい、雷吼の従者を辞めるとまで言い出す。頼信の手で救出され、薄墨桜火羅との戦いでは雑魚を倒したほか、星明の封印の槍の召還を手伝った。
白蓮騎士・斬牙。今作では、番犬所の命令で九国に赴いており都を留守にしている。九国の厄介な火羅を倒したことが言及されているが、尺のせいか描写されなかった。残念。
九国から都まで3日かかることから、都の薄墨桜騒動に間に合わないかと思われていたが、新しく得た魔導馬・レッカで魔界を通過するという荒業で都に辿り着く。雷吼の封印の槍を薄墨桜火羅に刺すために助力し、撃破に貢献した。
毎作おなじみのブラック上司。本作では、「天」以外は台詞がない。番犬所の長老である・天狐(CV:
中田譲治)や、九国の番犬所の遣い・梟帥(CV:
関智一)と会話を行い、本作の事件謎を解き明かす役目を担った。
雷吼の弟。引き続き、検非違使として仕事を全うしている。序盤で検非違使の仕事の兼ね合いもあり、雷吼たちになかなか会えていないことが言及される。真の出番は中盤から。
雷吼と金時が捕まったことを星明に聞き、検非違使を襲撃。2人を解放する。最終決戦にも参加し、金時とともに都の人を守りつつ雑魚の火羅を撃破したほか、星明の封印の槍の召還を手伝った。
権力の闇を体現する男。平安京の支配者。本作では、その狂気が嫌というほど表現されており、テレビシリーズ以上にヤバい人物として描写されている。
明羅の作戦を全て感付いており、わざと自分の近くに置いていた。その理由も、嶐鑼事件以来自分の命が危機に晒されておらず、刺激が足りなかったためと豪語している。薄墨桜火羅が近くに来ても、むしろ菅公の怨念を見たいという理由で目の前へ飛び出していき、黒幕である明羅を煽るという暴挙に出たため、星明に心底呆れられていた。薄墨桜事件後は、あまりにも狂気なところを検非違使看督長(CV:
宮本充)に目撃されていたため、捕縛されていたが、道長の権力の強さからしてすぐに釈放されるはずだと、星明が語っている。
新たに藤原道長に仕える魔戒法師。火羅と戦っているところを道長に目撃されて拾われたようだ。どこの番犬所にも属しておらず、道長の手先として雷吼たちの前に姿を現す。
菅原道真同様、土師の一族の血が流れている。道長を恨む両親が死に、復讐のために弟の時丸とともに道真の薄墨桜を使い道長を殺そうと企む。薄墨桜火羅として都の道長に迫るも、あと一歩のところで時丸が、都で苦しむ人々の姿に苦悩し消滅。しかし、明羅は復讐の念を捨てることなく薄墨桜火羅の人柱になるも、牙狼と斬牙の討滅させる。消滅の寸前時丸から復讐に苦しむ明羅を救いたかったと打ち明けられる。
追いはぎをする盗賊。序盤の火羅が生まれるきっかけを作り、雷吼たちと遭遇するが、金時に見逃された。その後、薄墨桜の前に立ち、薄墨桜に吸収された。
明羅の弟。追い剥ぎはあくまでも薄墨桜に陰我を捧げるための行為で、本心ではやりたくない様子を見せていた。復讐にも乗る気ではなく姉のためだけにやっており、薄墨桜火羅に取り込まれた後でも都の人の苦しむ姿に同情し、消滅するだけの良心は持ち合わせていた。明羅が両親の死後、魔戒法師に拾われた経歴であることを考えると、時丸も魔戒法師だった可能性がある。
菅公その人。史実同様に、藤原家の人間に左遷された。既に故人となっている。薄墨桜は、彼の形見であり、怨念がこもっている。
時丸と明羅の手によって呼び出され、薄墨桜火羅として復活する。
【魔戒騎士】
雷吼が纏う金色の鎧。今作の基本形態は、陣と翼人のハイブリッドのような姿をしている。
今作では新たに魔導馬・
轟天を入手したほか、新しい形態・
牙狼槍陣が登場。
保輔が纏う白色の鎧。
【用語】
かつて左遷された菅原道真が都にいる家臣に送った桜。一度は枯れるものの、道真が作った土人形で復活する。道真の死後、火羅として都を焼きつくすことになる。魔戒騎士や魔戒法師が束になって戦うも倒すことができず、ある魔戒法師が命と引き換えに生み出した封印の槍で封印された。その後、長年枯れていたが、時丸の暗躍で花が咲き始める。
時丸が陰我を注いだうえで人柱となり、さらに道真の土人形を迎門として使用したことで、道真の怨霊も呼び出され、ついに薄墨桜火羅と化す。巨体もさることながら、花びらを迎門にして土偶火羅を呼び出す能力や、花びらの落下地点を炎上させる能力があり、都を破壊しつくしながら進んでいった。力尽きた時丸に代わり明羅が人柱になったことでさらに強化され、青い光線を放つようになる。封印の槍を持った牙狼・槍陣と斬牙によって討滅された。
かつて薄墨桜を封印した槍。星明が薄墨桜の前にやって来たとき、薄墨桜の手前に落ちていた。効果はすでに失われている。
星明が薄墨桜火羅を倒すために生み出そうとする。かつて魔戒法師の命を奪ったように星明の命を奪うと思われていたが、金時と頼信が力を貸したため事なきを得た。
【余談】
本作上映に合わせて、
クロスオーバードラマCDが作られており、3作品が劇場で配布され、最後の1作品がブルーレイの特典として同梱された。内容としては、アニメ牙狼シリーズ3世代を繋ぐ物語であり、
炎の刻印やVANISHING LINEのキャラクターも登場するものとなっていた。VANISHING LINEのルークの鎧の名前など、そこで初めて明かされた設定もあるため、入手できる手段を用意してほしいと考えるファンは少なくない。
頼信が嶐鑼事件で袂を分かったはずの道長の配下になぜか戻っていることや、明羅の師匠が明かされないことなど本作で残った謎は少なくない。
哀しくも儚い復讐劇を見届けた方が追記・修正を行ってください
- 余談のこともそうだしもしこれが紅蓮ノ月の後日談なら平安京なんべんスクラップ&リビルドしてるんだって問題があるからやっぱり繋がってない「そういう世界」なんじゃないかと個人的には思ってる -- 名無しさん (2023-10-30 05:31:30)
- 紅蓮ノ月本編での修復も割と早かった感じはある。光宮が出てこなかったのが不気味だったけどまあ赫夜もいなくなって火羅から守る力もなくなったし取り壊されたんだろうか -- 名無しさん (2023-10-31 20:44:42)
- 道長こそホラーの憑依対象になる悪だろうと思ったけど、尋海アリスみたいに、その狂気が「陰我」じゃなくて「純粋さ」と見なされたのかな -- 名無しさん (2023-11-24 15:59:02)
最終更新:2023年11月24日 15:59