とんでもスキルで異世界放浪メシ

登録日:2023/12/03 Sun 23:00:00
更新日:2024/02/11 Sun 03:34:31
所要時間:約6分で読めます






その男

異世界の胃袋を鷲掴み!!



とんでもスキルで異世界放浪メシ』は、江口連による日本ライトノベルである。
略称は「とんスキ」。すき焼きでも豚肉料理の亜種でもない。

小説家になろう」にて2016年1月から連載が開始し、オーバーラップノベルズより同年11月から刊行されている。

既刊14巻(2023年4月現在)

【概要】


異世界召喚により、召喚された主人公が旅をする中、特有のスキルで様々な成果を上げていく、というコンセプトは変わらないのだが、本作の主人公の獲得スキルは「ネットスーパー」。異世界でも現代風の料理を楽しんでしまおうというのがコンセプトである。
よって、「飯テロ」要素が組み込まれていると言えよう。話の展開もどちらかといえばバトルよりはグルメ漫画要素に傾斜している。
実際のそれらに対する描写は小説・漫画・アニメともにこだわりがあり、共感が得られている。

また本作は、他のなろう作品のように「無双」する要素も存在するが、主人公のムコーダは戦闘向きの性格ではない。もっぱら彼の従魔達がその役目を担っており、結果的に彼の名声が高まることになっている。

なお、本作では現時点においてメインヒロインのような女性キャラは確認できていない。
ムコーダ自身、女運があまりないという設定が反映されているためと思われるが、旅の途中で女性キャラに会い、たちまちフラグが立ち、いつのまにかハーレムが形成されるという展開になりがちななろう作品の中では比較的珍しい。(勿論、女性キャラが全くいないというわけではない)。
何ならIFも含めれば一番慕われているであろう女性キャラがその設定はIFの物であり正史ではとっくに別キャラと結婚済とか言い出してる

ちなみになろうのトップに書いてあるのでわかるが正月休みに思いついた話らしい。

(メディアミックス)


①漫画
赤岸Kによるコミカライズ版が「コミックガルド」より連載されている。
また、双葉ももによるスピンオフ漫画『とんでもスキルで異世界放浪メシ スイの大冒険』が連載されている。
②テレビアニメ版
2023年1月~3月の期間でテレビ東京系にて放送された。全12話。
また、第2期の製作が決定されている。
③無料ゲーム
2018年5月にRPGアツマールにてゲーム化された。

【あらすじ】


うまいメシは種族を超える

ある日突然異世界へと召喚された
普通のサラリーマン、向田剛志。
異世界の住人となった彼の固有スキルは
ネットスーパー
という一見しょぼいものだった…。
落胆するムコーダだったが、
実はこのスキルで取り寄せた現代の食品は
異世界だととんでもない効果を発揮して…!
(アニメ公式HPより引用)

【キャラクター】


(主要人物)

ムコーダ/向田剛志
CV:内田雄馬
異世界に召喚された元サラリーマン。
どこにでもいそうな風貌の27歳の青年。性格はややヘタレ気味で優柔不断なところがある。控えめな性格であることから、極力周囲から目立つことは避けようとしているが、いかんせんフェルが強大な力を駆使し、上位モンスターやレアモンスターなどを持ってきてしまうことから、ギルドの面々等から注目されることになる。
なお、人徳はあるのだが、女運はまるでなく、大体が「良い人」という印象で終わり、深いお付き合いにまでは至らない。

固有スキルは「ネットスーパー」。画面状のインターフェースで地球・現代日本のネットスーパー(疑似)を開き、通販スタイルで物品を購入、瞬時に異世界に取り寄せることができる。
また、それだけではなく容量無限大の「アイテムボックス」「鑑定」スキルを持っている等固有スキル抜きでも商人として活動するのならば非常に有能
倒したモンスターの素材を現代社会から取り寄せた調味料などを使って味付けし、それを現代風の料理にして行く先々で振舞っていく。
戦闘は苦手だが、無関心なわけでなく、戦闘スキルを向上させようとする努力はしている。(放任主義のフェルにモンスターのいる密集地帯に放り投げられて、そこで戦闘スキルを磨くというスパルタ訓練により、火と土魔法を得ることが出来た。)
元から料理は得意で、召喚前は地方のグルメを取り寄せたり学生時代は飲食店でアルバイトした経験もある。動画サイトで魚をさばくことも研究するなど、料理に関するこだわりは深い。

召喚された際は、自身の持っているスキルの都合等も考えて他に呼ばれた勇者たちを尻目に早々に国外を脱出して商人として生きることを決めた。その後フェルを従魔として迎え入れてからは、彼の食費確保のため、商人ギルドの他に冒険者ギルドにも登録している。
以降、フェル達従魔の活躍も相まって、魔物の大量討伐と難関ダンジョンの踏破を成し遂げた結果、ギルドランクが最上級のSランクまで無試験で昇格するまでに至った。
(なお商人ギルドのランクは最低限の取引ができるレベルにとどめている)

フェル
CV:日野聡
白銀の毛並みを持つ狼型の魔獣フェンリルの雄。
ムコーダの最初の従魔であり、風の女神ニンリルの眷属。
世界で数える程しかいない超希少種であり、あらゆる属性の魔法を行使可能で驚異的な戦闘能力を有している。人々の間では「伝説の魔獣」と謳われるほど、その存在は稀有なものである。

そんな彼だが、ムコーダが作った「レッドボアの生姜焼き」の匂いを嗅ぎつけて姿を現し、その味に感銘を受け、従魔になる代わりに食事を提供してもらうことを条件に旅のパートナーになった。
素材は自分で採ってくることを約束にしていたことから、毎度自分でモンスターを狩って、その素材で料理を要求するのだが、その多くが上位種や希少モンスターを大量に持ち込んでくるので、ギルドの解体作業が思うように進まず、ムコーダを悩ませている。

基本的に肉料理を好む。
そして体格の都合上、大量の肉が必要になるので、ムコーダも調理するのが大変である。
犬に近いところもあるためか、身体を洗われることを極端に嫌っている。
また、スイの加入以後、その扱いが段々と悪くなりつつあり、本人も不満を抱いているようだ。

スイ
CV:木野日菜
特殊個体のスライム。フェルが張った魔物除けの結界内でムコーダが発見した*1。発見当時生後3日。
普段はムコーダのカバンの中に入っている。本作のマスコットキャラ。
素直で大人しい性格なため、ムコーダから可愛がられている。そしてスイと比較した際、回を重ねるごとに扱いが雑になっていくフェルは、ムコーダに不満を抱くことになる。
雑食で肉類・甘い物などの一般的な食物、はたまた異世界のゴミまで食べてしまう。また消化する物を選択する事も出来るようで、最初は皿ごと消化していたものの注意する事で皿は残して汚れを綺麗さっぱり食べてくれる為、
ムコーダは食洗器代わり+ネットスーパーで購入した調味料容器を処理してくれる存在としても重宝している。
コミュニケーションは基本的に念話。ムコーダのことを「あるじ~」と呼んでいる。

酸弾を使い、当たったものを溶かす能力や、「超巨大化」で10mほどの大きさに巨大化することもできる。増殖能力もあり、多数の個体に分裂して戦闘やドロップアイテムの収集も可能である。
また、旅の途中、ヒーリングマッシュルームを摂取した結果、回復薬生成もできるようになった。

(神界の登場人物)


ニンリル
CV:内田真礼
ムコーダの姉風の女神。
フェルを通じてムコーダを知り、自身も現代の食べ物を食したいという願望に流され、弟を下僕にするムコーダに加護を与えると同時に貢物としてネットスーパーで得た甘味をたかるようになった。女神のプライドもへったくれもない様子

主にネットスーパーで得た菓子パンやどら焼き、ケーキなどの菓子をたしなんでいる。食べ過ぎた結果、太り気味になってしまった。
痩せる努力もしているようだが、なかなか手に入らない異世界のお菓子の魅力には抗えず、カロリーを摂取し続ける毎日が続いている。

キシャール
CV:甲斐田裕子
土の女神。
ニンリルがムコーダから貢物をもらっているのを見てから、自分もたかる様になった。その際、ムコーダに土の加護を与えている。
当初は甘味だったが、後に美容品にも注目している。

ルサールカ
CV:白砂沙帆
水の女神。他の三柱と比べて容姿が幼い。
キシャールに教えられてお供えの際に乱入して自身もたかる様になった。
当初ムコーダには水属性の適性がないため、見返りの加護を与えることが出来なかったが、スイに加護を与える代わりにお供えをもらうことになった。
主に洋菓子を好む。
また、他の五柱と比べると計画性があるのか後に下記のお仕置きを受けた際も水の魔法で取り置きしておいた以前のお供え物を取り崩す事で他に比べるとダメージ無く過ごしていた。*2

アグニ
CV:大地葉
火の女神。一人称オレ
キシャールに教えられてお供えの際に乱入して加護を与える見返りとしてたかるようになった。
最初は甘味だったが、後に異世界の酒に興味を抱くようになった。

ヘファイストス
ヴァハグン
へファイストスは鍛冶神でヴァハグンは戦神。
共に飲兵衛であり、アグニが異世界の酒を受け取るようになってから酒の匂いを嗅ぎつけて乱入し、加護を与える見返りとしてたかるようになった。
両神とも度数の高い酒を好んでおり、種類を楽しむ為にお供えの予算を合算してまとめて種類を購入して貰って二柱で分け合う形を取っている。

デミウルゴス
創造神であり、ムコーダが転移した世界の最上神。
ムコーダにたかりまくっている上記バカ六柱を見つけて乱入し、全員に「その回のお供え物全没収」と「一定期間の謹慎」の罰を与える。
そのお礼としてムコーダからこっそりとお供え物を貰っており、代わりに加護を渡している。*3
実は地球の神とは知己であり、好物は日本酒である程度ならば地球のエンターテイメントも知っている。その為お供え物は日本酒とおつまみセット。

【用語】


〇固有スキル
個人限定の固有能力。
利用できるのは本人のみに限定される。

〇ネットスーパー
ムコーダの固有スキル。
現代の地球物資を異世界の資金をチャージすることによって購入し、異世界に召喚できる。時間制限付きではあるが、その食材は摂取者のステータスを向上させる効果がある。
ちなみに実際に地球のネット及びネットスーパーに繋がっているわけではなく、ネットスーパーの要素をスキルが再現しているとのこと。

〇レイセヘル王国
ムコーダが召喚された国。表向きは人族以外のエルフやドワーフや獣人などの入国を禁止している。裏では彼らを奴隷として酷使しているという。

〇フェーネン王国
レイセヘル王国の南東にあり、ムコーダがレイセヘルから出て初めて訪れた国である。
人族至上主義の考えはあるが、レイセヘルよりは人族以外にも最低限度の生活を保障している。

〇ルバノフ教
ルバノフ神を崇める人類至上主義の宗教。ルバノフ神聖王国と言う宗教国家まで打ち立てられている。
世界全体に広く布教されている宗教であり、神聖王国本国以外でも人族至上主義の国家ではほぼ国教、平等主義の国家とは対立関係にあるがそちらへも布教自体は行われている。
各教会では高額のお布施と引き換えに武器に聖印を施す事が出来、聖印を施した武器は攻撃回数限定ながらもアンデッドへの絶大な効果を付与される。
作中世界のアンデッドは聖印を施さない限り火か聖魔法でないとダメージすら与えられない事から冒険者達から非常に重宝されており、対立関係の国家からも布教を許されている理由はそれ。*4

【テレビアニメ版】


2023年1月から3月までテレビ東京系で放送された。製作会社はMAPPA。
本篇終了後には「異世界おかわり劇場」が放送された。
第2期の製作も決定している。

(主題歌)


OP:「贅沢な匙」
Van de Shopによる第1期オープニングテーマ
ED:「Happy-go-Journey」
ムコーダを演じた内田雄馬による第1期エンディングテーマ

(タイアップ)


ムコーダのスキルであるネットスーパーについて、アニメ版ではイオンをはじめ実際のネットスーパーの画面や実際の商品が使用されており、タイアップとして機能している。

協力企業

イオン
エバラ
花王
KAGOME
SUNTORY
ロッテ
ハインツ日本
他多数

具体的なタイアップの数例を下記に記したい。

1話:「イオン ネットスーパー」
上記の通り、イオンがスポンサーに付いたため、ネットスーパーのスキル使用画面はイオンのそれそのものになっている。
ちなみに原作小説の方では「エオン」とフィクション作品における実在の商品などの言い換え表現のように微妙にぼかされていた。

1話:「エバラ 生姜焼きのたれ」
豚肉などにかけて味を染み込ませた後、焼けば生姜焼きになる簡単料理として重宝されている調味料。
1話でムコーダがフェルのために振る舞った際、これに感銘を受けたフェルが従魔契約を結ぶに至った。

第2話:「エバラ てりやきのたれ」
ロックバードの照り焼きを作る際に使用された。フェルや同行していた冒険者ギルドの面々から好評だった。

第3話 「KAGOME 国産野菜で作ったミートソース」
ミートソース缶。フェルが採集した肉を合いびき肉にしてミートソーススパゲティを振る舞う。

第12話 「ハインツ デミグラスソース
ワイバーンの肉でシチューを作った時に使用された。実際の商品は1972年以来長期にわたって販売されている人気調味料である。

他にもムコーダが4話で大量の菓子パンを購入してニンリルに提供したり、5話でプレミアムモルツを模したビールを飲んだりとどこか見覚えあるような食品パッケージの描写が確認できる。そうしたギミックを探してみるのも面白いと言えよう。



追記・修正は、異世界でネットスーパーを使い調理を始めたときにお願いします。

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最終更新:2024年02月11日 03:34

*1 結界自体はムコーダ基準に合わせて「脅威となり得る魔物を排除する」形で展開されていた為「脅威にすらならない矮小な魔物」として見過ごされていた。現にスライムは上位種でないと攻撃すら行わずに逃げ隠れするだけとの事

*2 さすがに「既に取引が成立している物」はデミウルゴスも見逃した為。他の五柱はお供えはほぼ全て消費していた為以前の在庫も没収となるとルサールカのみ実質罰が非常に重くなるのも大きい

*3 「お供え物をたかれるように加護を押し付けた」他六柱と違い「ムコーダが自分の意志でお供え物を渡している為そのお礼として加護を渡している」形

*4 その代わり平等主義国家では「聖印付与を求める冒険者以外からは相手にされない」とほぼ聖印付与所的な扱いを受けている