ミスティック・ソードマン(遊戯王OCG)

登録日:2023/12/16 (土曜日) 12:00:00
更新日:2024/02/05 Mon 10:29:59
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決闘者A「(俺の伏せたカードはサイバーポッド。俺の手札もフィールドもカラだが、これでお前のモンスターも全滅させて仕切り直してやる。)」

決闘者B「俺のターン!俺はミスティック・ソードマン LV2を召喚!バトルフェイズ、ミスティック・ソードマンLv.2で裏側表示モンスターを攻撃!」

決闘者A「残念だったな、俺のモンスターはサイ……。」

決闘者B「無駄だ!ミスティック・ソードマンは攻撃した裏守備モンスターを裏側のままで破壊する。リバース効果は発動できない!」

決闘者A「なにぃ!?」

決闘者B「よってサイバーポッドはそのまま墓地へ。こいつでとどめだ!ニュート、イグザリオン・ユニバース、そしてカイザー・グライダーでダイレクトアタック!!」

決闘者A「ぐわぁぁぁ!」



【概要】

「ミスティック・ソードマン」は遊戯王OCGのモンスター。2004年発売の第4期パック「SOUL OF THE DUELIST」で登場。
ホルスの黒炎竜アームド・ドラゴンとは同期の、いわゆるLVモンスターの始祖のひとつに当たる。
それらと比べると専用サポートもアニメでの使用者も存在せず地味な印象が強いが、当時の環境にマッチした効果で環境で活躍したこともあるいぶし銀なカードである。

外見はエボシのような兜をかぶった剣士。レベル2から4、6とレベルアップしていくにしたがって、最初はちんまりした容姿がスマートなナイトへと成長していく。
共通する効果は「裏側表示モンスターを攻撃した際に、そのモンスターを裏側のまま破壊する」。
当時は裏守備モンスターへの対抗策が少なく、制限である《サンダー・ボルト》や自分のモンスターも巻き込む《ブラック・ホール》を別としても、確実に仕留められるのは《抹殺の使徒》くらいしかなかった。
除去効果モンスターが氾濫するようになる後年とは裏腹に、この当時には有効な除去効果付きモンスターは《ならず者傭兵部隊》くらいしかなく、それも制限であったのでリバース効果モンスターの発動成功率は高かった。
しかもこの当時のリバース効果モンスターは禁止カードにもなる上記の《サイバーポッド》や《聖なる魔術師》を始め、サイクル・リバースモンスターもロックカードで守りながら効果の再発を連発してくるために環境の一角にいた。
それらに対するメタとして生み出されたモンスターと言える。
初登場時にLV2はレア(いわゆる文字キラ)、LV4とLV6はウルトラレアで収録されており、当時の制作側として強力なカードとして意識されていたことがうかがえる。
イラストとしてもウルトラレア仕様で白銀に輝く刃はなかなか見応えがある。

当時としては強力な効果を持つモンスターなのだが、運用するにあっての制約も付けられていた。
1つは裏側モンスターを破壊する効果では「戦闘破壊」を要件とするレベルアップの条件を満たせないこと。
破壊効果の流れを簡単に書くなら「裏側モンスターに攻撃→双方チェーン無し→ならそのまま効果で破壊」という形になるため、戦闘を行ったとみなされない。
これにより裏側モンスター対策の効果とレベルアップ条件が両立できないため、当時から強いけれども癖も強いモンスターと見られていた。
もう1つは上位種を通常召喚することもできるが、その場合は裏側守備表示のセットで出さなくてはならないこと。
LV2の攻撃力900では素の状態で倒せるモンスターは限られるが、かといってLV4から通常召喚しようとするとセットから始まるため、肝心の効果がすぐに使えないのだ。

召喚時の制約に加えて、登場から20年近く経過した現在ではそもそもモンスターをセットしてターンを渡すという行為が少なくなっており、環境での活躍は厳しい。
特に裏側表示そのものが存在しないリンクモンスターは相性最悪。また、墓地に送られた時に発動する効果は通してしまう。
しかし能動的に効果を発動可能にするカード自体は増え続けており、やりようによっては懐かしい活躍をさせるのも不可能ではない。


◆ミスティック・ソードマン LV2
効果モンスター
星2/地属性/戦士族/攻 900/守 0
裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、
ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地に送る事で「ミスティック・ソードマン LV4」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。
初期形態。ステータスは貧弱だが裏守備モンスターへの効果はすでに問題なく備えている。
唯一召喚に制限が無いため、当時は汎用カードとして採用率の高かった《増援》からのサーチ先候補としてこのカードのみを出張させる使い方が多かった。

■ミスティック・ソードマン LV4
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1900/守1600
このカードを通常召喚する場合、裏側守備表示でしか出せない。
裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、
ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地に送る事で「ミスティック・ソードマン LV6」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。
レベルアップすると2刀流の剣士に。一気にアタッカー級のステータスを持った。
しかし上述の通り召喚する際には一度裏守備で出さなくてはいけないため扱いづらいのが難点。
特殊召喚には制限が無いため、《切り込み隊長》で特殊召喚するコンボが一般的だった。

★ミスティック・ソードマン LV6
効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2300/守1700
このカードを通常召喚する場合、裏側守備表示でしか出せない。
裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。
この効果で破壊したモンスターを墓地へ送らず、相手のデッキの一番上に置く事ができる。
最終形態。2刀流のまま剣が横に大きくなり大鎌のような形になった。このカードのみSOUL OF THE DUELISTではなく次弾のRISE OF DESTINYに収録されている。
通常召喚したい場合は1体リリースした上で裏側で出さなければならないため、LV4の効果かもしくは《レベルアップ!》などの他のカードの効果で特殊召喚しよう。
しかし攻撃力がラインに一歩届かない上、守備力も下級に割られてしまうラインなのは上級モンスターとして正直心もとない。
一方で効果は強力になり、裏側モンスターを破壊した際に相手のデッキトップに送ることができるようになりドローロックをかけられる。
帝の一種《風帝ライザー》は使い切りとはいえ戦闘を介さずドローロックができる上にサポートカードの差もあって厳しいライバル。種族サポートで差をつけられるか。

【運用方法】

かつてあったLV2のみを出張要員として使う方法はインフレによって現在ほぼ意味が無い。
現在でデッキを組むとすれば専用デッキを組むことだろう。幸い「戦士族・地属性」なのでサポートは豊富。
ミスティック・ソードマンの特性として、効果を発動するには相手が裏側でなければならず、進化するためには戦闘破壊せねばならないと相反する条件なのがまずもって問題。
そのため、サポートするカードは相手を裏側にする《月の書》《月読命》《妖精伝姫-シラユキ》のようなカード。さらには自身を強化する《突進》相手のステータスを下げる《収縮》などのカードが考えられる。
確実に戦闘で勝利させるならば《聖騎士の追想 イゾルデ》とのコンボできる《月鏡の盾》も強い。ただし進化したら装備カードも外れてしまうために場合によって進化しない判断も必要となる。
《ナイト・ドラゴリッチ》であれば後出してEXデッキから出された相手モンスターをチェーンを組まずに弱体化できる。
LV4、6を2を介さずに出したい場合は《太陽の書》という手もある。
もっとも簡単という方法は他のカードの効果で特殊召喚してしまうこと。
そうして相手の展開を裏側表示にすることで妨害していき、LV6の効果でドローロックして決めるのが理想的な流れ。

圧倒的にアドバンテージを稼いでいく現在の環境からは遠い迂遠な戦法であるが、現在では春化精カードなど相性のいいカードも多く意外にあっと驚くデッキも組める。

環境がカードに合わないならば、活躍できるフィールドを用意するのもデュエリストの腕の見せ所なのだから。


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最終更新:2024年02月05日 10:29