おかしな転生

登録日:2023/12/24 Sun 21:00:00
更新日:2023/12/27 Wed 08:19:11
所要時間:約 7 分で読めます




甘くておかしな王道スイーツ・ファンタジー

おかしな転生』は古流望による日本のライトノベル。
小説家になろう」にて2015年2月より連載開始され、2015年10月より「TOブックス」より書籍化されている。
既刊25巻(2023年10月現在)

【概要】


前世は有名パティシェとして名を馳せた青年が不慮の事故でその人生の幕を閉じてしまった。その男が異世界の貴族の息子として生まれ変わるという展開がこの物語のはじまりにあたる。

本作のポイントはタイトルにある通り、「お菓子作り」が物語の軸になっているところである。
前世とはお菓子作りの技術も材料も異なる世界観であるが、お菓子作りにかける情熱は消えることなく、転生することによって得られた才能を駆使して、いつか「お菓子の国」を夢見て邁進していくところが見どころである。
一方、そうしたお菓子作りの描写に力を入れている中で、貴族間同士の政治的な駆け引きや、異世界ならではの戦に対する描写や戦術的な描写も充実させているところも見どころである。
グルメ漫画的な展開だけにとどまらず、異世界を世界観にしているからこそ、そうした背景描写にも説得力を持たせようとしている取り組みが個々の描写から見とれると言えよう。

2023年8月時点でシリーズ累計部数は120万部を突破している。

メディアミックス


①コミカライズ版
脚本:富沢みどり 作画:飯田せりこによるコミカライズ版が「comicコロナ」にて2017年より連載されている。(既刊10巻)
②スピンオフ漫画
桐井によるスピンオフ漫画『おかしな転生~リコリス・ダイアリー~』が連載されている。メインヒロインのリコリスを主役に添えている。既刊1巻
③舞台
2020年12月から『おかしな転生~おいしい笑顔の作り方~』のタイトルで舞台化された。
④テレビアニメ版
2023年7月から9月までの期間でテレビ東京にてテレビアニメが放送された。
⑤ゲーム版
2023年11月より『おかしな転生~スイートユートピア~』がG123で配信されている。

【あらすじ】


貧乏領地・モルテールン領の次期領主として期待される少年・ペイストリー。

幼くして類まれな才能を発揮する彼の前世は、将来を約束された天才菓子職人だった!!


「お菓子で笑顔を作ってみせる」

変わらぬ決意を胸に、転生した世界でもお菓子作りに励むペイストリー。


だが、若き少年に数々の苦難と試練が降りかかる。


領地を襲撃する盗賊に、一癖も二癖もある腹黒貴族たち、

さびしい懐事情に、水も乏しく枯れ果てた土地と前途多難......。


立ち向かう武器は、持ち前の知略とお菓子作りへの愛情。

果たして、ペイストリーは幸せ溢れる領地を作れるのか!?


甘くておかしな王道スイーツ・ファンタジー開演!
(アニメ公式HPより引用)

【キャラクター】



(主要人物)


ペイストリー=ミル=モルテールン
CV:村瀬歩
前世は世界大会に出場するほどの名パティシェであった。しかし、お菓子を製作中の不慮の事故でこの世を去ってしまう。(労災案件ではないかと突っ込んでしまうが・・・)
なお、前世の姿はアニメでも不明である。青年ということだけは確認できるが。

転生後は異世界の貧乏貴族であるモルテールン騎士爵家の6人姉弟の末っ子として生まれる。末っ子ではあるが唯一の男子であったことから、次期当主として両親の愛情を受けつつ、教育や鍛錬を受け続けてきた。

指定した対象物の持つ性質や状態をあらゆるものに付与できる「転写」の魔法が使える。これは相手の魔法を対象にすることも可能であり、実際父親の瞬間移動の魔法を転写して窮地を乗り越えたことがある。しかし、一般にこれが知れ渡ると、様々な悪事や陰謀に使われかねないため、一般向けには単なる写真や印刷の延長戦上の効果としか周知していない。

前世の記憶を引き継いでおり、夢は「お菓子の王国」を作ること。
しかし前世と違い、その技術が大きく後退している異世界において、何とかお菓子作りに必要な素材や技術を調達しようと無茶をしたり、時には領地を巻き込んでのトラブルに発展したりすることがある。父親からすれば悩みのタネになることもある。
一方で自身の作ったお菓子の由来を使い、相手の気持ちに寄り添い説得につなげることもしており、その姿はまるで某東西新聞社の究極のメニュー作り担当を思わせる安定感がある。

貴族間の交渉事に関しては父親に代わり領主代理として出向くことがあり、様々陰謀渦巻く貴族社会の中でも堂々と交渉事を進めている。
反面、恋愛事に関しては疎い。しかし、婚約者になったリコリスのことは大事にしており、一緒にお菓子作りに興じるなど、ゆっくりながらも、仲睦まじく親睦を深めている。

カセロール=ミル=モルテールン
CV:土田大
ペイストリーの父親。
モルテールン領の領主。
実利主義で柔軟な思考の持ち主であるが、親バカで子煩悩なところがある。

元は騎士爵家の従士:カセロール=ベニエとしてプラウリッヒ神王国に仕えており、ヴォルトゥザラ王国との戦役における英雄として戦功をあげたことで、現在のモルテールン領を拝領した過去がある。
しかし、このモルテールン領がヴォルトゥザラ王国と山脈を挟んで隣接する貧しい領地であったことから、資金を稼ぐために傭兵まがいなこともやっていたという。
結果、幽霊騎士・首狩り騎士・大戦の英雄・神出鬼没・逃げ一番・南部指折りの愛妻家・神王国一の親バカなど複数の異名を持つ。(だんだん異名がプライベート方面に映っているのではないかという突っ込みがあるが

武勲を挙げている有能な父親も息子たちの前には親バカになってしまうのだが、そのペイストリーはお菓子作りのことになると周りが見えなくなり、とんでもない奇怪なことやらかしてしまうこともちらほらある。最近の悩みのタネにもなりつつあるようだ。

自身や自身に触れているものを移動させる「瞬間移動」の魔法が使える。

アニエス=ミル=モルテールン
CV:生天目仁美
ペイストリーの母親。
国内の伝統貴族・デトモルト男爵家の令嬢であったが、カセロールとは駆け落ち同然の形で結婚したため、実家とは絶縁状態という。

子どもたちへの愛情は深く、他国や盗賊との戦闘状態に子供たちが巻き込まれるのではないかとよく心配する。特に末っ子のペイストリーに対して母親として次期当主として成長してくれることを頼もしく感じつつも心配な様子。
また、ペイストリーの容姿を気に入ってか、女物の洋装を着させようとすることがある。

ペイストリーが転写の技術で映した自身の似顔絵を見て、目元の小じわを消せないか頼むなどちゃっかりしているところがある。

後にペイストリーの婚約者としてやってきたリコリスも実の娘と同じように可愛がっている。

ジョゼフィーネ=ミル=モルテールン
CV:大久保瑠美
モルテールン騎士爵の五女。
ジョゼという愛称で親しまれている。

貴族の令嬢らしからぬ明るく活発な性格。
やや淑女としての振舞に欠けているようなところがあるが、モルテールン領内ではアイドル的な人気があるという。
後にモルテールン領にやってきたリコリスとは年も近いことから早々に打ち解けることが出来た。
現在は社交界デビューし、父と共に嫁ぎ先を探している様子。

リコリス=ミル=フレーバク
CV:本渡楓
本作のメインヒロイン。
フレーバク辺境伯の四女。ペイストリーより五歳年上。
双子の姉である三女のペトラと瓜二つの容姿をしているが、ペトラの髪色は薄紫に対してリコリスは黒髪。社交的なペトラに対してリコリスは内向的という違いもある。このため、貴族の社交界のパーティーなど人が多いところは苦手である。

一方でそうした控えめな性格だからこそ、深窓の令嬢のような気品さを感じるところもある。

ペトラの婚約発表の際、ペトラと間違われて誘拐されてしまった時にペイストリーに助けられた。
社交的な姉に対してコンプレックスを抱いていたところがあるが、ペイストリーからリコリスを1人の女の子として向き合ってくれたことから信頼を持つようになった。

誘拐事件のあとペイストリーと婚約して、領地での戦争から疎開する名目でモルテールン領に身を寄せることになる。
それ以降はモルテールン家の家族とも打ち解けることができ、ペイストリーと一緒にお菓子作りをしている姿が見られ、微笑ましい様子が見て取れる。

(モルテールン家関係者)


シイツ=ビートウィン
CV:若林佑
モルテールン家の私兵団団長兼従士長。カセロールとは20年来の戦友。
気さくで面倒見がよい。一方でペイスに振り回されることが多い。彼の事は「」と呼んで、おり兄貴分的な役割を持っている。
はるか遠くの物を見ることができる「遠視」の魔法を行使することが出来る。
(本人は覗き屋と称される所以になることから、あまり好きでない模様)

マルカルロ=ドロバ
CV:藤原夏海
愛称はマルク。ペイストリーの幼馴染。
マルクとルミ、ペイスの3人でお菓子作りについて奇抜なことをやらかすことが多い。三バカトリオみたいな印象。このため大人たちは3人が悩みのタネになっている。
後にマルクはルミと婚約を果たす。

ルミニート=アイドリハッパ
CV:内田真礼
愛称はルミ。ペイストリーの幼馴染。
さばさばしたボーイッシュな性格で、自身のことを「俺」と称している。
盗賊襲撃で負傷した際に、紆余曲折がありマルクと婚約することになったが、「いいんじゃね?」と軽いノリでOKをもらった。

(カドレチェク侯爵家)


エリゼビオ=ハズブノワ=ミル=カドレチェク
CV:堀内賢雄
カドレチェク公爵家の当主。
カセロールとペイストリーに一目置いている。
孫のスクヮーレに軍閥での地位を引き継がすべく地盤固めをすべく様々暗躍していることもある。

スクヮーレ=ミル=カドレチェク
CV:加藤渉
カドレチェク公爵の嫡孫。
ペイストリーの転写魔法によって描かれたペトラの容姿を気に入り、彼女と婚約する。
フバーレク辺境伯家の援軍に赴いた際、敵に襲われ窮地に陥ってしまうが、ペイストリーらに助けられる。
仲間を失ったことで自信をなくしてしまうも、ペイストリーの作ったタルトタタンの由来を踏まえた説得で自信を取り戻す。

ペトラ=ミル=フレーバク
CV:奥野香耶
フレーバク辺境伯家の三女。
リコリスの双子の姉。スクヮーレと婚約することになる。
リコリスと婚約を果たしたペイスのことも気に入っており、自身を「姉さま」と呼んでもいいと提案するなど気さくに接している。


(レーテシュ伯爵家)


ブリオッシュ=サルグレット=ミル=レーテシュ
CV:日笠陽子
若くしてレーテシュ伯爵家を継いでしまったため、長きにわたり独身を貫く。
ペイストリーに一目置いており、自身が若ければ婿に呼んでいたと言わしめるほどである。
だからこそ、彼がリコリスとの婚約によりフレーバク家やカドレチェク家とつながりを持つことを快く思っていなかった模様。

後にリコリスとの婚約関係をつぶそうと暗躍するも、ペイストリーの機転でその暗躍は流れただけでなく、彼の転写技術で復讐に遭い、ショタコン疑惑をひっかけられることになってしまった。

(フレーバク辺境伯家)


ドナシェル=ミル=フレーバク
CV:子安武人
フレーバク辺境伯の当主。
ペイストリーとモルテールン家の将来性を見極めて、半ばだまし討ちの形でペイストリーとリコリスとの婚約を決めた。

【用語】


〇プラウリッヒ神王国
本作の舞台となる大国。

〇モルテールン騎士爵領
プラウリッヒ神王国の南部の西部辺境。隣国には山脈を挟んでかつて戦ったヴォルトゥザラ王国を対峙している。乾燥した盆地で少々作物の育成に不向き。

〇ボンカ
現世でいう「リンゴ」。ペイストリーはこれを勝手に大量に購入したことで父親から小遣いを没収された。

【テレビアニメ版】


2023年7月から9月までテレビ東京系にて放送された。
ほぼ原作通りの進行である。全12話の1クール。
アニメーション制作はSynergySP。

主題歌


OP:「Brand new day」
Sanaによるオープニングテーマ曲。
ED:「風味絶佳」
YuNiによるエンディングテーマ。

追記・修正はお菓子の王国が出来たときにお願いします。


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最終更新:2023年12月27日 08:19