シラユキヒメ(競走馬)

登録日:2024/01/04 Thu 18:38:08
更新日:2024/04/24 Wed 21:23:14
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シラユキヒメは日本競走馬・繁殖牝馬。
とある特徴で有名になった。

目次

【データ】


誕生:1996年4月4日
死没:2019年5月5日
父:サンデーサイレンス
母:ウェイブウインド
母父:Topsider*1
調教師:後藤由之(美浦)
馬主:金子真人
生産者:ノーザンファーム

父は大種牡馬で父が同じ同期にはアドマイヤベガや馬主も同じなトゥザヴィクトリー*2がいる(なおこの2頭もノーザンファーム産)。
母はアメリカ生まれで未出走のまま繁殖入りした。近親には活躍馬がほとんどおらず祖母のStorm and sunshineがアメリカのGⅡを勝っているぐらい。
ノーザンファームは名門牧場であり馬主はのちにディープインパクトキングカメハメハも所有する金子真人氏。
名門牧場大種牡馬の父大馬主という組み合わせはのちに本馬の運命を大きく変えることになる。

【誕生・競走馬時代】

1996年4月4日、ノーザンファームで誕生。
その時ウェイブウインドの出産を担当していたスタッフは驚きの声で包まれた。
ウェイブウインドの96*3は毛色が生まれつき白い「白毛」だったのだ。

一度でも競馬を見たことがある人の中には「白い馬が走っているレースなんて珍しくないじゃないか」と思う人もいるかもしれない。

しかし、サラブレッドにおける「白い馬」のほとんどは、産まれたばかりの頃は別の毛色でありながら、年齢を重ねると段々体毛が白化していく芦毛という毛色であり、産まれたばかりの頃から既に真っ白な白毛の馬というのはとんでもなく希少なのである。

通常、白毛の馬というのは、両親のどちらかが白毛でないと生まれてこない。しかし、この馬の場合、父は黒鹿毛、母は鹿毛…そう、シラユキヒメは突然変異によって産まれた白毛だったのである

突然変異で白毛馬が誕生する確率は1万分の1と言われており、このようなケースの白毛馬が誕生したのは、1979年に生まれたハクタイユー以来、実に17年ぶりの出来事だった。

美浦の後藤由之厩舎に入厩しデビューに向けるも、仕上がりが遅く初めて走ったのは数えで5歳となった2001年。
引退する同期も多くなり始めた時期の2月、小倉競馬場で格上挑戦となる500万下戦で初出走した(11着)。
その後も中京や福島、函館と札幌で走り3着が最高順位。一応これは白毛の中央競馬では初の馬券内となる*4ものの結局未勝利のまま、トゥザヴィクトリーが2001年エリザベス女王杯に輝く陰で、2001年9月を最後にひっそりと引退した。


【繁殖牝馬時代】

2002年からノーザンファームで繁殖入りした。
相手はブラックホーク(鹿毛)・クロフネ(芦毛)・キングカメハメハ(鹿毛)であり、全て金子氏所有のGⅠ馬となる*5
そして2003年~2016年にかけて12頭の産駒が生まれ、そのうち10頭が白毛だった*6
シラユキヒメ自身は突然変異だった為どの程度継承されるか分からなかったが、産駒と子孫は白毛継承率50%となっている。
2017年に繁殖牝馬を引退、2019年5月5日死亡したが理由は明らかにされていない。

そして最大の特徴は白毛史上最高、普通の繁殖牝馬としても歴史に名を遺す程の産駒を残し続けたと言う事である。
上記競争馬時代の項目通り中央では白毛馬は勝つどころか馬券内すら本馬の1度きり、と言う状況だったのだが、
GⅠ馬をつけた影響もあり輩出した白毛馬10頭の内中央勝ち上がりが7頭・牝の産駒7頭は全頭繁殖入り、出世頭の第3仔ユキチャンに至っては交流重賞3勝をしている。
牡の仔の方は残念な事に繁殖入り出来なかったものの、時期自体は違うが第1仔シロクン・第2仔ホワイトベッセル(白毛馬初の中央勝利馬)・第5仔シロベエ(未出走馬「シラユキヒメの2008」)・第10仔シロニイはその白さから誘導馬入りを果たしている。
ちなみに第8仔マーブルケーキ・第9仔ブチコ・第12仔ブッチーニは単なる白毛ではなく白地にぶち柄な毛並みをしており、シロニイは右目が青いオッドアイの持ち主である。
さらにその子孫に至ってはさらなる活躍をしており、第9仔ブチコの娘ソダシ中央はおろか世界史上初となる白毛馬によるGⅠ制覇を成し遂げ*7その妹のママコチャ(こちらは鹿毛)もGⅠを制する、
別系からも第6仔マシュマロの子ハヤヤッコが芝ダート重賞を共に制する、ユキチャンの仔のアマンテビアンコが2024年より開始されたダート三冠の1冠目羽田盃(Jpn1)*8を制する、孫の鹿毛の暴走名古屋走りお嬢様メイケイエールも重賞6勝を挙げるなど、
シラユキヒメ牝系として白毛であると言う事を考えなくとも現代の日本競馬界で重要な立ち位置を占めるようになっている。


追記・修正は白毛の馬体に惚れ惚れしつつお願いします。

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最終更新:2024年04月24日 21:23

*1 英米で18戦8勝した競走馬で日本ではシンコウウインディやウイングアローの父父でブルーメンブラットの母父に当たる。

*2 総計GⅠ含む重賞4勝、芝メインながらダートのドバイワールドカップ・フェブラリーステークスでも好走した名牝であり、引退後も繁殖として重賞馬3頭を輩出している。

*3 馬は生まれて名前をつけられるまで母名+年で呼ばれる。

*4 地方では2歳下のホワイトペガサスが大井で8勝している。

*5 ちなみにディープインパクトは同父(サンデーサイレンス産駒仲間)であり近親過ぎて繁殖は不可能だった。

*6 2006年は流産。

*7 阪神JF、桜花賞、ヴィクトリアマイルの3勝。

*8 日本独自G1の為国際レーティングには反映されないものの国内ではG1と同等の価値がある