異世界で配信活動をしたら大量のヤンデレ信者を生み出してしまった件

登録日:2024/01/24 Wed 16:46:51
更新日:2024/04/26 Fri 15:22:30
所要時間:約 6 分で読めます





王女、聖女、魔王、暗殺者、みんなヤンデレ信者になっちゃった!?


「異世界で配信活動をしたら大量のヤンデレ信者を生み出してしまった件」とは、2022年3月よりカクヨムより連載されている小説である。
著者は「みょん」氏。
2023年2月からコンプティークより漫画化。作画は「伊予嶺 つく」氏


概要

「剣と魔法、そして中世ヨーロッパさながらの身分制度がある異世界」に転生した主人公が、
転生時に神様からもらったチートと前世の知識より、その世界では唯一無二の配信者となる…という話である。
しかし、異世界にはインターネットがないために、異世界住民には煽り耐性も中毒耐性もなければアニメや漫画もないため現実と妄想の区別がつかない人間たちを相手に配信をしてしまったこと、
現状の世間や制度をあまり知らず現代日本人の価値観で世間語りや政治語りをしてしまったため、
聖女や王女、魔王といったお偉いさま方や、彼の配信をよく思わない封建貴族といった多数のリスナーから執着されてしまう。
そんな中、主人公は匿名で配信を行っていたが、口癖や手の怪我といったふとした拍子からリスナーに身バレしてしまい、気が付けばヤンデレ地獄へと陥ってしまった…という作品である。
小説家になろう風の世界観ではあるが、なろうでは連載されておらず、カクヨムオンリーとなっている。
カクヨムでは書籍化作品でも少ない1万フォロワーを達成している。

漫画版では原作には無い細かなオタクネタが含まれており、これがウケてかちいふよのようにニコニコ静画にて無料公開された際、フォロワーが10万人にも達していた。

あらすじ

剣と魔法の世界アタラシア。
そこに転生した1人の少年カナタは
前世からの憧れだった配信活動を始める。

数多くの娯楽はあれど、
そのようなモノが存在しなかった世界で
カナタの配信は注目を集め、
少しずつ世界を変えていくことに――
(公式サイトより引用)


世界観

アタラシア

作中の世界であり、剣と魔法が存在し、人間と魔族が長い間戦い続けている世界
魔法が発達しているがゆえに、身分よりも魔力の有無や、その実力がモノを言う世界。
…ではあるのだが、それでも根強い身分制度が残っており、良識のある人間たちはその現状を憂いている。

ロギアス王国(王都)

作中舞台となる王国。
魔力により平民でも学校に通える懐の広さはあるとはいえ、いまだに身分差による差別は大きく、一時期は奴隷制度さえも黙認されていた。
近年になって、王女や聖女の取組で奴隷制度の廃止など大きな民主化の動きがあったが、そこにはハイシンの影響が少なからず存在した。

ハイシン

主人公による前世の知識と、無限大の魔力によってアタラシアに構築されたネットワークより行われている、配信もとい音声ラジオ。
主人公カナタはここではハイシンと名乗り、くだらない世間話や実体験を客観的に述べたりしている。
なお、ネットワークの構築からの配信には莫大な魔力を消費するため、アタラシアでは配信者は主人公しか存在しない。
とある人間が配信の乗っ取りを試みたものの、沢山の人間から魔力を搾り取った上でわずかな時間の乗っ取りがやっとであった。

魔族

角や羽などが生え、人間とは似て非なる文化を持った者たち。そのことが原因で人間とは長い間戦いを続けていた。
しかし、魔王がその現状に疑念を抱いていたこと、そしてハイシンのある一言がきっかけとなり、和平への道があっさり開かれてしまった。


登場人物

カナタ

「さてと、今日もやりますか!」
本作の主人公にして現代日本の異世界転生者。
転生者特典として、「無限の魔力」を貰っている。
そのため、魔力の所持量が大きな強みとなる異世界において、平民でありながら学校に通うことが許されている。
実力は作中でもトップクラスではあるものの、本人は英雄や勇者といったものに興味がなく驕ったりもしない。なお、戦闘がメインな作品でもないため戦闘は基本的に無限の魔力によるゴリ押しで戦闘描写も薄味。
ただ、少しでも彼に危害を加えたり悪口を言おうものなら、信者たちによる過激な制裁が待っている。
異世界で配信活動を始めたのは「ただ楽しいと思うことをしたい」という動機によるもの。
いくら現代日本の標準的な価値観を持っているとはいえ煽り耐性は人並みであり、童貞全開な発言をしてしまい「だからモテない」とコメントをぶつけられた時には発狂した。
そんな彼だが、身分制度に奴隷制度、職業差別など多くの問題が蔓延る封建制度のナーロッパ世界において、民主主義国家の価値観思想でコメント返しをしてしまったことが、世界制度の大きな改革のきっかけとなる。
なお、彼には前世というものがあるはずだが一切描かれておらず、精神年齢もチェリーボーイなところも含めて外見相応に落ち着きがない。

マリア

「この学院に通う以上貴族も平民も関係ない、彼には……いいえ、他の平民たちもその資格があるからこそここに通っている。くだらないプライドを彼らに押し付けるのはやめなさい」
王国の第三王女であり、カナタのクラスメイトではあるが、上述の通り身分にとらわれず人間を見る平等主義者。
かつて、奴隷制度が存在しないと教わりながら奴隷市場を目の当たりにしてしまった際、ハイシンに投げ銭をして意見を募り、行動を起こして奴隷を解放した過去がある。
現在はハイシンの重度のリスナーであり、まだ知らぬハイシンの姿を妄想してアヘ顔を決めて、毎日ポケットマネーで金貨10枚を投げ銭している。*1
そんな彼女だが、「んじゃ」というハイシンの配信終わりの挨拶と、カナタの別れの挨拶に妙なシンパシーを感じて、「カナタがハイシンではないか」と思うようになり…

シュロウザ

「我もハイシンのリスナーだからな。確かに彼も言っていた……否、彼の言葉があったからこそ我は変わったのだ」
魔族の王、もとい魔王
魔王城に侵入した人間の冒険者が落としていった端末から配信を聞くようになった。
職務や食事を蔑ろにしてすっかり嵌ってしまい、姿を見せない声だけのハイシンに対して重たい愛を抱いてしまいヤンデレと化してしまった。
元より人間との関係に関しては疑念を抱いており、ハイシンの言葉を聞いて人間との和睦を決意、長年続けていた争いをあっさり辞めて不可侵条約を結んだ。*2
不可侵条約を結んでおきながらハイシンのアンチの人間には容赦なく手を上げるのは御愛嬌。
とある事件により、部下である魔族から「異常な魔力を持った人間がいる」との報告を受け、ハイシンかもしれないとカナタの元へリア凸する。
魔族と人間も手を取り合えると表面上は綺麗な別れをするが、内面ではそれどころではなかった模様。

アルファナ

「ふふ、ちゃんと大人っぽい仕草も出来るんです♪」
カナタが住む王国の聖女であり、その存在は他国とも交渉する際にも鍵となる神聖な存在。
自分が聖女であることを隠したままとはいえ、胸元をチラ見せして恩人にして童貞の仕草を嘲笑ったりと中々に良い性格(カナタ談)をしている
お約束のごとくハイシンの重度のリスナーであり、誰も居ないところで彼の声に発狂している。
そんな彼女だが、カナタが「手元を移す配信」を行った際に写った手の甲に絆創膏が、昼間に当たり屋から助けてくれたカナタと同じものをしていたことに気づいてしまい、カナタの学校のクラスに押しかけてしまう。

カンナ

「ふふ、私ね? 多くの男性を相手していたからこそ見分け方というか、観察眼にはそれなりに自信があるの」
色気たっぷりな高級娼婦。その職業柄か王宮事情にも詳しいが、若さだけで生きている現状と老後の将来を憂いている。
娼婦という職業差別を良しとしないハイシンの励ましを聞いて以降、重度の彼のリスナーとなる。
ある日、変態貴族より身売りを強要されたところをカナタとマリアが出くわして助け出されるも、
その際の「職業差別するな」というカナタの言葉と、「怪我をしていない方の手」を見たことでカナタがハイシンであることを確信。「無償で癒してあげる」と童貞である彼をおちょくった。
後に、カナタが追い詰められたとある事件の際にその力を貸すことになる。

ミラ

「初めましてハイシン様、私は怪しい者ではなくファンであります!!」
「どの口が言ってんだ!?」*3
伝説の暗殺者カラス。
ハイシンのリスナーであり、ハイシンの暗殺を依頼した人間たちを全員殺害している。
カナタに喧嘩を売り返り討ちに遭った貴族より、カナタの暗殺を受注するが、その際にカナタの配信姿を目撃ほどなくして依頼者の貴族は消されました。
カナタがハイシンであることを知った彼女はその後数日間不眠不休で彼の生活を見届けた。
気の緩みからカナタにその姿を目撃されてしまい上述の自己紹介をするも、躊躇なく自刃しようとするミラの姿にカナタも彼女を許すことになる。
しかし、タイミング悪く彼女がすぐ傍にいるところで、ネットワーク乗っ取りからのデマの拡散が行われ、彼女はカナタもといハイシンの身の潔白のためにその力を貸すこととなる。



追記修正は推しの配信者への凸の準備をしながらお願いします。

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最終更新:2024年04月26日 15:22

*1 金貨一枚一万円相当(カナタ談)

*2 その際、人間との対立を望む大勢の魔族を粛清したことを仄めかしている。

*3 カナタの寝室に現れた際の初対面の一言