ウィリアム・ナイツ

登録日:2024/02/01 (木) 13:00:52
更新日:2024/04/22 Mon 00:04:28
おい所要時間、何分だ?:12個入りです




ウィリアム・ナイツ(通称・ウィル・ナイツ)とは、スクウェア製作『サガフロンティア2』裏舞台の主人公である。
作中世界サンダイルの歴史を陰で守ったと言える人物。


【生涯】

《知られざる少年期》

優秀なディガーであるヘンリー・ナイツと、妻キャサリンの息子として生を受ける。
ウィルが4歳の頃、クヴェルが存在しないとされる南大陸の大砂漠の探検から帰ってきた父ヘンリーは、エッグというクヴェルを発見し持ち帰ってきた。
だがこのエッグは恐ろしいクヴェルであり、その支配に抗うヘンリーの様子は徐々に変貌していったものと思われる。
ウィルが7歳の頃にヘンリーは完全にエッグの支配下に置かれるが、キャサリンはヘンリーをおかしくしている元凶と思われるエッグの奪取を試み、共に砂漠から帰ってきた旧知のディガーであるアレクセイ・ゼルゲンに連絡を取り策を練る。
だがキャサリンの策は実らず、両親共により殺害され以降は叔母のニーナ・コクランと夫ポールに引き取られ養育される。
しかし幼いながらにショックな光景だったからか記憶も曖昧で、ニーナ夫妻やウィルは両親の死にアレクセイが関わっている程度にしか認識できていなかった。


《復讐と勇躍の青年期》

15歳になったウィルは父と同じようにディガーを目指し、発掘のメッカと言われるハンの廃墟を探索するためヴェスティアへ向かう。
ヴェスティアの酒場からは既にとあるパーティが出立した後であり完全に出遅れた形になってしまったが、そこで新米ヴィジランツで同年代の異性であるコーデリア、寡黙な漢でイカした頭をしたヴィジランツのタイラー、経験豊富な術士のナルセスと出会い、初代ウィル・パーティが出来上がる。
多くのディガーが発掘に向かってもう何も見つからないだろうというハンの廃墟において、見事にクヴェルを発掘。
だがヴェスティアの酒場でナルセスが加わりたくなかったパーティというのがアレクセイのものだったということで、両親の死の謎に近づけると考えつつテルムへの帰路に着く。

翌年、その考えを実行するためウィル・パーティにニーナも加えてその昔二度と来んぞと放言していたナルセスも一緒に岩荒野を渡り大砂漠のメガリスへと辿り着く。
帰還後、アレクセイに接近するためウィル・パーティのうち一人とニーナでアレクセイの部下に加わった。
この頃にはかなりコーデリアとの仲が進んでいるようだった。
だがアレクセイにはウィルがヘンリーの息子だということを見抜かれており、そこで「キャサリンがヘンリーを刺した」という事実の一部だけを伝えられ、激しく動揺する。*1

この時コーデリアが潜入していた場合、匹夫の勇を見せてしまった彼女は嬲り者にされ重傷を負い、ウィルの両親はアレクセイが殺したことを伝え事切れる。こうしてアレクセイとは更なる因縁ができる。

そして石切場跡で父(とコーデリア)の仇であるアレクセイとの対決に挑む。
そこでアレクセイは魔物除けのクヴェルの力で小型の龍ヘルウィンガーを二匹も操り、ウィルとニーナ、そして仲間たちは全員が瀕死されるにまで追い込まれる。*2
しかしニーナが命懸けの術を使い、ヘルウィンガーを追い散らしてウィルと仲間たちは回復し九死に一生を得る。
アレクセイはナイトサーバント三匹を操り、その内の一匹に自分が跨り自らの手でウィルたちを亡き者にしようと尚も襲いかかってくるが、ウィルと仲間たちは見事アレクセイを討ち果たし仇を取った。

しかし更なる代償もあり、ニーナはテルムの自宅まで運ばれたものの、ウィルとポールが見守る中そのアニマは大地に還った。
そして墓に添える花を買うために訪れたテルムの市街で、再びエッグが宿すヘンリーのアニマを感じ取る。
あのクヴェル・・・エッグは谷底に消えたはずなのに未だに存在している。
そこでウィルは悟る。自分とエッグとの戦いが、まだ終わっていないということを……


《タイクーン・ウィル》

その一抹の不安は胸の奥底に仕舞い、ディガーとして活動するウィル。
ディガーは優れたアニマの感知能力を持つため、時として鉱山の発掘方向を定めることもある。
ある時、鉱山がまずい方向を掘っていると忠告したものの、所詮は勘である。受け容れられることはなかった。
だが勘が的中。鉱山はモンスターの巣と繋がってしまい大変なこととなったが、ウィルは仲間たちと共に現場に向かい発生源を止めた。

その後ウィルはグラン・タイユでの探検を行うため、活動の場をロードレスランド南部へと移そうとしていた。
これにナルセスは難色を示して同行したがらず、またグラン・ヴァレの橋も通行料が途方もない額にまで跳ね上がっていた。
ここで困っていたところ、偶然通りがかりの(コーディが死んでいた場合妻となる)女性ラベール*3と出会い、彼女の提案もあり深い霧に覆われ視界がなく迷ってしまうという霧の谷を超えようとする。
そこで遅れてナルセスも合流し、霧が発生する元凶となっていた火山のような魔物ヴォルガノイドに突き刺さっていたクヴェル氷の槍を回収。霧を晴らしたウィル・パーティは、無事にロードレスランドの町ラウプホルツに辿り着く。
だが結局ナルセスは寒いのが苦手だと言ってパーティを離脱。それと入れ替わるかのように現地で新米ヴィジランツの青年パトリックと出会い、パーティに加えた。

ここでラベールが本来の目的を語り、それに乗ったウィルは氷のメガリスと氷河を観測しているラベールの兄の元へ行く。奇遇にもその名はウィリアムであった。
ウィリアムの観測のおかげで氷河の間に道が出来る時間を知り、ウィルと仲間たちはウィリアムを加えて共に氷河の先にある氷のメガリスへと向かう。
だが氷のメガリスの中枢部に入ったところで、とてつもない耳鳴りに襲われる。仲間たちが次々と意識を失う中、ウィルは最後まで仲間を助けようとしたが、それも空しく倒れてしまった……

そこで目を覚ましたウィルは、なんとクヴェル夢魔のメダリオンを手にしていた。
「仲間を助けたい」という純粋な強い想いが、クヴェルとなって現れたのだ。
これを見たウィリアムは氷のメガリスの中枢にあるものが人の想いを叶える装置だと理解し、「ディガーの中でも最高の功績を持つと呼ばれるタイクーンになりたい」という幼稚で邪な願いを叶えようとした。
だがメガリスによって資格を持っていないと判断されたウィリアムは、メガリスビーストという巨大なモンスターに変貌させられてしまう。
ウィルは仲間たちと共にこれを退けつつ氷河を渡り切り、間一髪振り切った。
こうしてウィルはこの一連のメガリス探索における功績により、タイクーンの称号を得た。
二人のウィリアムの結末は、何とも皮肉なものであった……

ちなみにラベール曰くウィリアム兄さんは泳ぎが苦手だったのでモンスターになっても氷河を渡れなかったとのことだったが、町シナリオでヴァイスラントを選べば何度でも逢える。兄さん頑張った。


《エッグとの対決》

その後拠点を再びヴェスティアへと戻したウィルだが、ある日鉱山の落盤に見舞われ、工夫たちを助けて無事脱出した。
この頃になるとコーデリア(ラベール)との間に子供ができたのか、彼女はパーティを引退して外れている。

その後「アニマ教の教祖がエッグを持っているらしい」という噂を耳にし、新米ヴィジランツのレイモンを加えハンの廃墟の奥を拠点にしているアニマ教徒と接触しようとする。
だがこの折、奇しくもギュスターク13世がフィリップ二世暗殺の恨みを晴らすためアニマ教徒を根絶やしにしようとしていた。
ギュスターヴ軍による殲滅作戦で混乱している最中、教祖は廃墟の奥でモンスターに襲われ驚き転落し水底へ沈む。
結局何もわからず終いのままギュスターヴ軍から逃げ切ることとなり、空振りに終わってしまった。

翌年「海賊がエッグを持っている」という話を聞いたウィルは、大胆な行動に打って出る。
なんと海賊にウィル自ら情報を流し夜の街を襲わせ、その隙に海賊船に潜入し、海賊たちが船に帰ってきたところでエッグを探し出すというのだ。
しかし引退したナルセスがこれを耳にして大激怒。病み上がりの身を押してヴェスティアの酒場に乗り込んできて危うく殴り合いになりそうになる。
だがタイラーが俺達が夜の街を守る筋書きだろうと漢気を見せて制したことでその場は収まった。
しかし実は裏からギュスターヴ軍に夜の街に海賊が来ることを事前に知らせており、ちゃんとした予防線も張っていた。
ただ海賊が現れモンスターを各地に放ったことにギュスターヴ13世は自ら討伐するから兵に手を出させるなと指示を飛ばすほどノリノリで、本当に仲間たちとギュスターヴ陛下直々の4人で共に夜の街を守ることになるとはさすがにわからなかった。

船底に潜んでいたウィルは、船が沖に出たところでいろいろな濃いやりとりを経て甲板に辿り着く。
すると船底で船酔いしていたはずのダメな海賊・・・オルフェがエッグを持って待っていた。
そしてウィルとエッグの、直接対決が始まる。
オルフェはエッグのアニマを吸収する能力が実戦でも役立つことを知り、調子に乗って何度もエッグを近づけてくる。
だがここまで歴戦を繰り広げタイクーンとまで言われるようになったウィルが、ダメ海賊の付け焼刃ごときを甘んじて受けはしない。力ずくで叩きのめして*4熟練の技によって、オルフェが近づけてきたエッグを払い落とす。
するとエッグは勢いよくオルフェの手から離れていき、それを追ったオルフェと共に甲板から落ちて海の底へ沈んでいった……

こうしてエッグとの戦いは終わった。だが海賊船を探索していた時に、栓を抜いて勢いよく浸水させてしまったことを思い出す。
最早自分が生きて帰れないことを悟り、父や母を想うのだった……






が、ギュスターヴ軍の出した船によりまもなく海賊船は拿捕され、ウィルは助かった。


《安寧なはずの壮年期》

こうした戦いの日々の間で上述のように子供ができたことから、対決前にウィルは表舞台がきな臭くなってきたテルムからワイドに居を移していた。息子の名はリチャード。
だがリチャードは周囲に偉大な父ウィルと比較されるのが面白くなく、ある日家出して剣を片手に*5リッチの通称でディガーとして活動するようになる。
リッチのことはナルセスが可愛がっていたようで、彼から情報が入っていたのかあまり心配はしていなかった様子。

そんな中、リッチがエッグを持つ幼女・・・ミスティと出会い、話し掛けてしまう。リッチはウィルが以前していた話から只事ではないと自ら実家にまで出向いて自首報告に来た。
だが「エッグからミスティを救う」ことを前提に話すリッチと「ミスティを犠牲にしてもエッグを破壊・投棄する」ことを前提に話すウィルは相容れることはない。結局喧嘩別れのようになってしまい、リッチは再び実家を出て行った。
未だ戦いが終わっていないことを知らされたウィルも、20年前の時のように頼れる仲間はおらず表立って動くことはできない。
再び不安を胸の奥に仕舞って、平和とディガーとしての仕事の日々を送る。

それから十数年後、北大陸のリッチの元から孫を身籠ったというディアナが手紙と共に送られてきた。
その後新たな生の誕生を祝い孫娘にヴァージニアと名付けるが、息子リッチは終ぞ帰ってくることはなかった。
何故ならその瞬間にリッチ・ナイツは……


《決着の老年期》

御年85歳。孫娘や義娘らと共に平和とディガーとしての仕事の日々を送っていた。
だがヴァージニア・ナイツことジニー・ナイツは父リッチのことを周囲の人物の話からしか知らず、直接会ったことが無いことをコンプレックスに思っていた。
そしてある日ジニーはウィルから留守番を任せられている日に家出を決行、単身北大陸へと密航する。どうしてナイツ家というのはこう冒険家気質で向こう見ずなのだ?

気が気でない日々を送ることになったが、なんとかジニーの行方を掴んで北大陸のノースゲートにて虫のメガリスから帰還したジニーと再会。ジニーが持ち帰ったバッグから、リッチが虫のメガリスで命を落としていたことを知る。
そして現在偽ギュスターヴがエッグを手にしているということを知り、テルムの酒場でヴァンアーブルの弟子ミーティアと共にジニー・パーティに加わってハン・ノヴァへ向かう。
だが敵地においてエッグと互いに感付きあってしまい、エーデルリッター達による包囲網を敷かれ辛くも脱出する羽目になる。
その後サウスマウンドトップの戦いに敗れた偽ギュスターヴが配下を連れて北大陸奥地に向かったことを聞き、ジニー・パーティの一員として星のメガリスで三度エッグとの対決に臨んだ……


そうして決戦に勝利した後、全員が信じられないものを目にした。
それは星のメガリスを利用して人型大の大きさにまでなったエッグ。最早ウィル自身でもどうにかする方法は思い浮かばない。
だが金属はアニマを通さない。かのギュスターヴ13世が打った鋼鉄の剣を、ファイアブランドを受け継いだ男が振るった時……

「ギュスターヴ公の剣が・・・折れた・・・」

だが……





この決戦の後十数年、孫娘ジニーはタイクーンと呼ばれるようになった。
そしてタイクーン・ウィルことウィリアム・ナイツは、自宅にて大往生を遂げたという。
享年101歳。その生涯の長きに渡りエッグに振り回され、戦い続けてきた。
それが終わった余生は、憂いなく、ただひたすらに平和なものだったに違いない……


【ゲーム中での性能】

グラフィックが青年期と老年期に分かれるが、総じて言えることは「体術が使えない」*6「最初のプレイヤーキャラで唯一最終パーティに入る」
『サガフロンティア2』の世界観におけるアニマを使いこなすエリートといった形で、術の得意資質は本人の穏やかかつ優しく、そして内に秘めた頑迷で激しい性格を表すかのようにと4つもある上に、得意でない音獣も割と資質があり伸びやすい。
というか全体的な術の伸びに関しては仲間になるメンバーのうち全体で二番目という屈指の高さを誇り、その仲間想いな優しい性格も相まってタイクーンになるのは当然であり必然なほど。高名な術士に見出されていればヴァンアーブルのように王家のお抱え術士になってもおかしくないレベルである。
一方で得意武器は杖のみ。なんだか頼りなさそうに見えるが、杖は立派な鈍器であり杖技もあるのでご安心を。
むしろ杖だからこそカッコいいのだ。
杖以外の武器のツール制作がしたい?ならウィル・ナイツの術技のレベルを全て25以上に上げれば良い。フォーゲラングでは弓が手に入らないという欠点があるが、ハンの廃墟でランドアーチン先生にお願いすればどうとでもなる。
以上のことから表の主人公であるギュスターヴとは全く対照的だが、「実力で以て表の世界で名を馳せる」という点においては共通しており、上述のように共闘する場面もある。

[青年期]
当然ながら最初はあまり強くない、術の分ギュスターヴの少年期よりは強いか。
だが河津神が「サガフロ2は若木の杖を20本買うことから始まる」と言っているように、とにかく育成を頑張ろう。若木の杖はコスパ最強なのでどんどん使って折っていくべし。
パーティの入れ替わりが激しい本作において、最終パーティに残るとなればいくら鍛えても無駄にならない、自分が満足するまでひたすらに鍛え続けよう。若い内にカンストさせておくと後年で上限をオーバーするぞ。*7
30代後半になっても姿は変わらないものの、体力・術力ともに大きく伸び、タイクーンに相応しい成長を感じさせる。

[壮年期]
リッチ編で妻と共に一瞬だけ出番があるが、それだけ。作画班を労わった。

[老年期]
出番は少なく当然ながら体力面はかなり落ちているが、術力だけはむしろ増している。老いて益々盛んといったところ。
それでも鍛えた分は落ちていないので、また鍛え直せると喜んでも良い。
サボってさえいなければ、若く才能あふれるジニー・パーティにあっても足を引っ張ることはないと断言できる最高の術士となる。*8
タイクーンとしての実力を如何なく発揮してもらおう。


「ウィル、もう帰ってきたのかい。追記・修正はできたんだろうね?」
「ほら、」
「お前はいい子だよ」


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最終更新:2024年04月22日 00:04

*1 実際はキャサリンがエッグを手放させるために刺したのであって、これは直接の死因ではない

*2 この時のヘルウィンガーのHPは無限だがLPが100と有限なので一応倒せないこともない

*3 美人という意味の通称。まあそのぐらい押しが強くないとコーデリアを失ったウィルには迫れないだろう

*4 ここは普通に倒すこともできる

*5 実は資質としては槍の方が超得意で、剣の方は最初こそ高いものの伸びにくい

*6 サンダイル世界では野蛮として使おうとしないという設定がある・・・のではなく実のところドット絵が大きすぎるので作画班が死んでしまうから。そのため実は体術の資質も設定上は残されている

*7 ただしWPとJPは必要以上に鍛えすぎるとオーバーフローにより大変なことになる。こっちはほどほどに抑えるべし

*8 ジニーは術の伸びに関しては一段下で最強武器の丙子椒林剣との兼ね合いもあって術士には向いておらず、ロベルトはタフだが石の伸びが悪い。プルミエールは資質通りの蛮人で、ミーティアは育成期間、グスタフは武器が大問題。頑張れば全部なんとかなりはするが・・・