ベンガルヤマネコ

登録日:2024/03/02 Sat 17:14:57
更新日:2024/03/03 Sun 15:59:11
所要時間:約4分で読めます




ベンガルヤマネコとは、食肉目ネコ科に属する哺乳類。学名はPrionailurus bengalensis。

【概要】

ネコ科ベンガルヤマネコ属に属する種。ロシア沿海州から中国、東南アジア、インドを経てアフガニスタンにかけての広い範囲に生息している。多くの亜種にわかれており、後述するが日本のツシマヤマネコとイリオモテヤマネコもベンガルヤマネコの一種である。

パッと見は虎毛の猫といった感じで、額から肩にかけて5本くらいの黒っぽい縞模様がある。身体には斑点模様があるが、亜種によって色味とかが違っている。目の周りには白い線があり、隈があるようにも見える。耳は丸っこい形をしており、耳の後ろはのように黒地に白い斑点がついている。尻尾は太く、体形はやや胴長短足。

ネズミや小鳥、トカゲ、カエル、昆虫など様々な小動物を食べる。またイエネコと違い水を嫌がらず、水に飛び込んで魚などを捕らえることもある。
夜行性で基本的に単独生活をするが、繁殖期にはつがいで生活する。一度に子供を1~3頭ほど産む。子供は生後10か月くらいまで母親に育てられる。寿命は8年ほど。


【様々なベンガルヤマネコ】

ツシマヤマネコ

長崎県の対馬にいるヤマネコ。分類上は朝鮮半島や中国東北部、ロシア沿海州にいるアムールヤマネコと同亜種である。
斑点模様は暗褐色で不明瞭。野ネズミが餌の9割を占めるらしい。
野生のツシマヤマネコは100頭くらいしかいないようで、環境省レッドリストでは絶滅の危険性が最も高い絶滅危惧IA類(CR)に指定、また国の天然記念物、国内希少野生動植物種に指定されている。

イリオモテヤマネコ

沖縄県の西表島にいるヤマネコ。独立した亜種で西表島の固有種である。
爪の鞘が不完全で頭骨が厚いなどネオテニー的(≒原始的)特徴や、耳の骨と頭骨の後頭傍突起が癒合していないという本亜種以外には遠縁のチーターや地球の裏側のコドコドにしか見られない特徴を持ちベンガルヤマネコの中では著しく形態が異なるため、
1967年の発表当初からDNA鑑定が発展するまではネコ亜科の中でも最も原始的な独立種だと思われていた。最も近縁なのは台湾の個体群らしい。
斑点模様はこちらも暗褐色だが、ツシマヤマネコよりははっきりしている。
餌はネズミ、オオコウモリ、クイナ、トカゲ、カエル、甲殻類などレパートリーが豊富。その中でもクイナなど水鳥が6割を占めるという。
こちらも野生のものは100頭くらいしかおらず、環境省レッドリストで絶滅危惧IA類(CR)、国の天然記念物、国内希少野生動植物種に指定されている。

Sunda leopard cat

日本語にするなら「スンダヤマネコ」か。スマトラ島、ボルネオ島、ジャワ島、バリ島、フィリピンなどに生息する。
額の縞模様は2本で、斑点模様は黒くはっきりしている。
元はベンガルヤマネコに含まれていたが、現在ではPrionailurus javanensisとして独立した種に分類される説が出ている。

ベンガル

ベンガルヤマネコを飼いならしたもの……ではなく、アメリカでベンガルヤマネコと短毛種のイエネコとを交雑させて生まれた品種。
身体は細長く、模様ははっきりしたブチやマーブル模様。野生の血が濃いため、好奇心旺盛で運動量が多い。性格は穏やかで人間によく甘えるという。


【ベンガルヤマネコをモチーフとしたキャラクター】

日本の創作上では「ベンガルヤマネコ」として出ることはほぼなく、ほとんどが国内で知名度のあるイリオモテヤマネコとして登場している。ツシマヤマネコ涙目。


【余談】

対馬や西表島では、通常のヤマネコよりも大きなネコのような動物の伝承や目撃例があり、未確認生物(UMA)の一種ともいわれている。一方でヤマネコや野良猫の見間違いではないかともいわれており、小さな島で大型の肉食獣が種を存続させるほどの数を保てるのかという問題もある。

先述したように日本のヤマネコは非常に数が少なくなっており、イエネコ由来の感染症や交通事故などにより更に数を減らす可能性があり、国などは保護に力を入れている。




追記・修正はヤマネコの個体数増加を願いながらお願いします。

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最終更新:2024年03月03日 15:59

*1 設定上はアムールトラのライカンスロープとなっているが名前や模様の入り方などにベンガルヤマネコ要素が強い。