悪いが私は百合じゃない

登録日:2024/04/24 Wed 22:36:50
更新日:2024/05/06 Mon 10:57:55NEW!
所要時間:約 11 分で読めます





「悪いが私は百合じゃない」とは、もちオーレ氏の書いた漫画作品である。
なお主人公が百合じゃなかった時期はほんの最序盤くらいである。
そもそも作者がガチ百合好きな時点で運命は決まっていた。


【概要】

とある女子校。
主人公藤堂いつみはあこがれの先生(男)に自分を惚れさせるために「惚れ薬」を購入。
…するものの、ひょんな事からクラス委員長の四方塚まことにそれを飲まれ、惚れられてしまう。
女同士ということもあり最初は抵抗するいつみであるが、まことが大企業の社長の娘という事もあって自らのチヤホヤの為に百合行為をする…ものの、惚れ薬が切れてしまい一気に愛想を尽かされてしまう。
それ以降も個性豊かすぎる女子たちに振り回されながらも、いつみはどんどんタイトル詐欺に落ちていく…。

いつみ以外にも彼女の通う学校は同性愛に対するハードルがやたら低く、サブキャラ同士でも矢印が向き合いまくっている。
と言えば単なる百合漫画であるがキャラクターはどいつもこいつも個性が強い。
そんな少女達の光景を眺めるコメディ作品である。

ちなみに基本的に話は一話完結であるが、コミックス4巻のケイドロ編、6巻のドッジボール編と長編も2つある。


【登場キャラクター】


藤堂いつみ

主人公。桃色のツインテールにポンチョが特徴的な少女。
口も頭も悪い上にお調子者であり、運動神経もダメダメ。しかし「隠蔽と改竄だけは誰にも負けない」と自負するように口は非常によく回る。
また顔立ちも整ってはいるが、作中ではやたら美人が多い為かあまり美人に見られることはない。
更に性格もあまり良くなく、概要で語った「先生」に惚れさせようとするのも恋愛感情等ではなく「あのイケメンが恋人であれば自分がチヤホヤされるから」である。
とまぁここまで言えば紛うことなきクズであるが、しかし他人に対して色眼鏡で見ることはあまり無く、物怖じせずに素直に言いたいことを全部言ったりする素直で直情的な言動は周りの女性達を惹きつける。
特に人付き合いの苦手なタイプに惚れられやすいようだ。
…と言えば聞こえが良いが結局のところ考えなしに発言しているだけであり自分が殴られそうになったらすぐ撤回する

とここまでならコミカルな主人公であるが、実際の彼女は両親からは非常に疎まれており、また中学時代にはたくさんの黒歴史を持っていると何処か闇を感じさせる過去を持つ。

ちなみに百合漫画のクズ主人公としては「クズ浪人生、人生が辛いので夜のお姉さんを呼んでみた」の英真希乃と同じくらい名前が挙がる。タイトルからして「クズ」である彼女に並ぶとかよっぽどであろう。


河野るる香

いつみの幼馴染でありよくつるんでいる眼鏡の少女。タヌキに似ている。
いつみの事は「いっちゃん」と呼び、彼女の妹のあられの事もよく知っている。
周りの女子らの言動にいちいちいツッコみたがる常識人であるが、実はいつみに惚れている。犬にイツミって名前付けてるけど。
というより彼女の肉体に惚れており、事あるごとにセクハラをかまそうとする。
だが好きなのは変わりないがいつみがやばい状況になったら平気で見捨てるというこいつも紛うことなきクズである
いつみも彼女と恋愛関係になりたいとは思ってはないが、平時は一緒にゲーセンにいったり談笑したりしている為、友達としてはセーフなのだろう。
だが恋人としては愚か、友達としてもいつみからは「一番」と見なされていない。リップクリームを盗むとかアホなことをしてるから悪いんだが。
ちなみに単にエロい体の女子も好きっぽく、幡龍の事を見て「いいケツしてるな」と心の中で述べたこともある。


四方塚まこと

委員長であると同時に真面目で学年一の成績を誇る女性。大企業の社長の一人娘であり自分もかなりの豪邸に住んでいる。
最初の方は他人を見下しており、特にいつみに対してはスカートの丈が短いとしょっちゅう言っていたようだ。ポンチョはいいのか…。
しかし惚れ薬を飲んだせいでいつみに対し激しいセクハラを敢行し、薬の効力が切れた後も「理由はわからないが私は判断を誤らない、だから藤堂さんには底知れない魅力がある」ということで意識するようになる。
何故かエッチな知識も豊富であり、いつみと初めてHしたのも彼女であるだが運動神経はポンコツ。

このように自分に自信があり一見クールに見えるが、実際のところはかなりの天然ボケである。
「私は判断を誤らない」という自負を持つが外から見たらミステイクばかりやっている。
また夜寝る時はイモムシのようなぬいぐるみを抱かないと寝られないという可愛い所もある。
クラス対抗ドッジボールをする際もチーム決めの際に自分の取り巻きばかりを指定して運動神経のあるメンバーをほとんど向こうに取られたりした際も何が悪いのか全くわかっていなかった

ただし根は真面目なのは事実であり、不登校気味の生徒を登校させるために気を張ったり、事情のある生徒には配慮を見せたりする。
そういった事から取り巻きの数も非常に多く、実家で彼女の世話をしているメイドなんかにも惚れられているようだ。
また学校での取り巻きは偶然にも全員が「鳥の名前」だったりする。


羽根井凛

いつみの1つ年下の生意気な後輩。
メスガキのような言動で年上を煽るため、いつみだけでなくるる香にも嫌われている。
だがある意味ではいつみのことを最も理解しているともいえ、惚れ薬が入れられた飲み物を渡された際「何か盛ってる」と察知して飲まなかったが、そのお陰で素の状態でいつみと話し合うことが出来、急接近することとなった
以降もいつみが媚薬を飲まされたときに顔が浮かんだり、家で暇な時は真っ先に呼ばれる等、恐らく恋愛レースではトップを走っている。
いつみの妹あられとも本を貸し借りする仲だが、彼女のいつみにした所業を見てどう思うかは今のところ謎である。


加賀谷花


マスクをしている女子生徒。
かなりの情報通であり、あまりつきあいの無かった頃からいつみの過去のやらかしや家族構成等を知っていた。
…と同時にかなりの百合好きであり、女の子のイチャイチャが非常に好きである。
更にそのイチャイチャに自分が入ることはNGであり、そのような状態になりそうだと狼狽する変なところでこだわりの強い女子である。なお逃げ切れずいつみ、白城、岩垣らと一緒に寝る羽目となった。
意外にも長身で運動神経に優れる他、髪を金に染めたヤンキーのような姉がいる。
彼女本人はるる香と親しい仲だが、いつの間にか「藤堂軍団」扱いされている。

割と謎に包まれた女子であるが、実は作者の前作「ゆりなつ-民宿かがや-」の登場キャラ。五人姉妹の一番末っ子である。
ゲーム版でのCVは白城なお
こちらではレギュラーであり姉同士やお客の百合を楽しむ業の深い中学生であった。
優れた運動神経や高めの身長、上記のポリシーを持つに至った経緯、金にがめつい理由などがわかるため、興味があったら読んでみるのも悪くはない。

ちなみに上の「ヤンキーのような姉」も同じくゆりなつの登場人物。また「出会い系で妹と出会う話」で主人公を振る役目として都合3作品に登場している。


白城黒姫

眼帯にバラの髪飾りをつけ常に日傘を持ち歩いている長身の女子。
そんな派手な格好をしているが極度のアガリ性であり、さらにその事で気を使うと相手を「木偶」呼ばわりする等逆ギレする。
授業中に漫画を書きながら笑っているという、要するにオタク気質の女子である。
とてもエロい下着を穿いておりそれをいつみにめっちゃ煽られたせいで傘に仕込んでいる模造刀を抜いてブチ切れそれを見たるる香はいつみを見捨てて逃げるが、そのいつみに書いている漫画を褒められたせいで惚れてしまうチョロさを見せた。
以降もアクシデントでエロ下着を見られたり作中初めて乳首を見せたりとお色気キャラのように扱われている。

こうなった理由は彼女の中学時代の経験があり、成長するに連れ趣味が変わった友達についていけずに疎遠になっただけでなく、最初から友達じゃなかったかのように振る舞われた事がトラウマとなっている。
その事からいつみに対しては半ば依存したかのような振る舞いを見せている。
以降はるる香や花ともつるんでいるらしく、やはり「藤堂軍団」として一纏めにされている。


神定日葵

ヤンキーであり巨乳。
いつみをパシらせたり買ってきた飲み物をカツアゲしたりと不良であるが、惚れ薬を飲んだ後は意外とウブなことが判明した。
その後もいつみに対してはしおらしい言動を見せている。
惚れ薬を飲んだ翼とはいつみを取り合うライバル関係だったが、向こうの薬の効力が突然切れた為になんか有耶無耶になった。


大門翼

クラスメイトの王子様的存在であるボクッ娘。
運動神経抜群であり女子たちにモテモテだが、いつみの惚れ薬入りのジュースを誤って飲んだせいでやっぱり惚れてしまう。
しかも基本的に数時間で切れるはずのその薬の効力が非常に長く続いた上に、周りの女子たちの体を性的に見てしまうようになった
その際、保健室で山村先生に恐らく自慰の仕方を教えられ、以降はその先生に惚れてしまったようである。

神定とはいつみを取り合った関係であり、惚れ薬が切れた後でもライバル視している。
また「運動神経抜群」ということでそういうのが必要な際には真っ先に呼ばれており、なにげに出番が多いキャラである。


岩垣結菜

眼鏡に帽子、パーカーが特徴的な少しヤンチャそうな女子。
幼少期は病弱でありクラスメイトにいじめられていたが、そこを日葵に助けられて以降彼女に惚れている。
かつては黒のロングヘアだったが、恐らく日葵にあわせる為に髪も染めている。
しかしその日葵がいつみに惚れて以降結菜の運命は激変する。
好きだった長髪もバッサリ切り落とすなど明らかにNTRめいたことをされてブチギレてしまい、いつみをボコボコにしようとする。
だが殴られたくないいつみから来た答えは「岩垣に惚れている」という衝撃的な言葉であった。
勿論それは殴られない為の嘘であるが、互いに思うことがあり「一応メールする仲にはなった」他、この奇妙で嘘の状況は続いている。それといつみは結果的に殴られた。
とはいえ真っ向から意見を言うタイプなのでなんやかんやでいつみと相性は良かったりする。
一人称は「結菜」と自分の名前であり少し病んでいそうだが、根は常識人である。
神定大好きであるもののいつみの事も満更ではないようで、自分と一緒にいるのに他の女の事ばかり話してる時はブチ切れたり流れで一緒に寝たりもした。


柳弥生

神定以上に不良の少女。
見た目は黒髪ロングのお嬢様であるが、現在は不登校。
喫煙疑惑がある(実際はニコチンなどがない何かを吸っているらしい)など黒い噂があるが可愛いもの好きであり、いつみにぬいぐるみを取ってもらって以降絡むことになった。

学校に来ていた時は神定や岩垣らとつるんでいたが、ある日その神定のカバンから財布を盗もうとしている同級生と遭遇。
彼女を説得し、取り戻した財布を戻そうとしているところを岩垣に見られ、そのまま罪を被った事で不登校になった。
どうにも彼女の庇った人間は「昔から悪いことをして気をひこうとする」傾向にあり放っておけずにいるらしく、
四方塚ですら「彼女には複雑な理由がある」難しい問題となっている。
自分の周りにはトラブルが良く起こることから友達にも言えずに1人抱え込んでいるという、結構繊細な性格の少女である。
それはそれとしてレズセックスのテクニックには定評がある。

本格登場する前にも実は岩垣の回想に写っているが、顔を赤らめてポースしているという割と可愛らしい映り方をしている。

すっごいヤンキーな双子の妹がいる。


幡龍佐智枝

でその神定や柳以上の不良娘が彼女。なんとヤ◯ザの娘である不良多いなこの学校。楽しい事が大好きな快楽主義者である。
彼女も不登校気味であるが、柳のような複雑な理由ではなく単に「つまんないから」来ていないだけ。
父親のことを「パパ」と呼び彼の言うことを聞くなどファザコン気味であるが、年上の女性「アール」をペットにしている他、多数の女の子達を風呂で侍らせている等やっぱり百合系である。
その事もあって四方塚からは特に目の敵にされているが、彼女に褒められた時は顔を赤らめていた他、都度煽られては満更でもない反応を見せている。
またいつみのことは「ブス」と呼んでいるが、彼女の正論に耳を貸すなど気に入っている節がある。
約束事は守る律儀な一面があり、なんやかんやで学校に来た際に煙たがられている状況には思うところがあるらしく、とても平和的な方法で苛められっ子を助けて友達になり、その後もなんやかんやでクラスメイトに受け入れられている。

長編であるケイドロ編、ドッジボール編双方で彼女が言い出しっぺであり、ある意味ではトラブルメーカーじみているが、実際のところ言うほど悪い人間でもわがままでもない。少なくとも藤堂軍団の連中よりかは。
本人も学食のパンが美味しかったりで学校に馴染もうとしており、わがままを通した後にクラスの和を見出したことに気落ちする一面もある。
四方塚とドッジボールで戦う際のチームメンバーも運動神経に優れたメンツを重点的に取っている等、割とちゃんと皆を見ていたりする。藤堂軍団からるる香だけ貰ったり神定軍団から岩垣だけ外したりしてる等、人間関係までは把握しきれていないが。


藤堂あられ

いつみの妹。芸能活動をしているらしく都度両親と共に東京に出かけている。
花曰く端役であるがドラマデビューも決まったらしいが、その本質は姉以上にチヤホヤされたいと思っている。
だがなまじ幼い頃から周りの人間全員があられに対し好意的だった為に「すべての人間が自分に惚れるのは当然」と思い込んでおり、その気配のない姉のいつみの存在が許せなかった。
その為にまずは両親を懐柔し、姉を嫌わせ自分だけを見るように洗脳、拠り所の無くなったいつみを手に入れる算段であった。
…が、そのいつみは上述の通り学園生活を満喫したりしている為に痺れを切らせ、襲われる覚悟で媚薬を飲ませた…のだが、興奮してしまい自慰をしているところを姉に見つかってしまう。
そんな姉から帰ってきた答えは「そういうのは好きな人とやれ」「私お前のことそんなに好きじゃないから」という薄情すぎる答えであった。
実際彼女が登場する前もいつみは妹のことを話されると露骨に不機嫌になる為に、そんなに好きじゃないというのは本音中の本音であろう。
ただし高すぎる自己顕示欲や他人を平気で実験台に使う薄情さ、覚悟したときの行動力などは姉譲りと言える。

あられの話題は都度出てきたが、そんな彼女の正体は姉を孤立させるという余りにもえげつない行動をするという事で読者に衝撃を与えた。
またもちオーレ氏は今まで何度も姉妹百合作品を書いてきており、ここまで脈なしな姉妹も珍しいものである。

倉本俊介

いつみが惚れていた…はずの男性先生。
一匹狼でクールな性格であり眼鏡を掛けたイケメンであるが、どうにも他人を信用できないらしく、生徒からの差し入れを「赤の他人から貰ったものを飲めるわけ無いだろう気色悪い」とまで言い張った。まぁその差し入れに薬が盛られていたのでその勘はあたっていたわけだが。
ただし「喫茶ラフレシア」のミルクコーヒーだけは話は別であり、それだけは飲んでしまった…惚れ薬が盛られていることを知らず。
だがいつみを見てもなんとも思わず、そこに偶然現れた滝波先生(男性)に「ビリッ」と来てしまいあれよあれよと惚れ込んでしまった
その後も滝波先生の近くにはいるが、生徒たちが何故ドッジボールをしているか理解してなかったりと、どうにも女性に興味の無い仕草を見せている




他にも個性的過ぎるキャラクターが大量に登場する。
モブですら一筋縄では行かない為油断ならない漫画と言える。



余談

公式などの説明では「担任の男性教師に恋をしている藤堂いつみは、ある日いけないサイトで惚れ薬を入手し、担任に飲ませようとする」
…と書かれているが、前述の通りいつみが担任の先生を恋人にしたいのは自分がチヤホヤされたいだけであり恋心である可能性は限りなく低い。
一巻の最後の時点で惚れている相手と言われてまず四方塚の顔が出てきて肝心の先生の存在を忘れており、さらにその先生は潜在的に男性好きだった事が判明し、以降はたまに出てくる程度となってしまった。以上のことからぶっちゃけるとタイトル詐欺だったりするのだが、不思議とそれに怒る読者は存在しない

また全年齢向けコミックスであるが普通に乳首の描写がある上に、言葉ではぼかされているが明らかにヤッている描写がある。
カバー裏も登場キャラクターの素っ裸である為、お子様に与えるのには注意しよう。









追記修正はwiki籠もりに惚れ薬を飲ませてお願いします。



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最終更新:2024年05月06日 10:57