ヘラード・シュバイツァー

登録日:2012/03/18(日) 00:17:13
更新日:2023/08/30 Wed 10:19:52
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SCHWEITZER


川上稔の長編ライトノベルシリーズである都市シリーズの中でも最長編となる機甲都市伯林の主要登場人物の一人。

所属:G機関空軍部
役職:中尉→大尉
字名:音速裁断師(ツェアステーラー・シャルマオアー)
戦種:全方位義体師(推定)、結界師
装備:強臓式義腕“英雄”
備考:次期五大頂候補

機甲都市伯林の主要登場人物の一人、ダウゲ・ベルガーのライバル。レーヴェンツァーン・ネイロルと共に、ベルガーとそのパートナーであるヘイゼル・ミリルドルフの前に幾度と無く立ちはだかる。


□外見

大柄な体躯に刈り込んだ金髪と、いかにも軍人然とした背格好の青年。
登場時はほぼ全て軍服。例外はエリンギウムの結婚式のみで、この時は白のシャツに紺のスラックスという軽装であった。
やはりというべきか、背格好に違わず無骨であまり装飾を気にしない性格。
唯一の飾りは右耳にのみ付けている耳飾り。これはベルガーやアルフレート・マルドリックのものと同様に、赤珠をあしらったものとなっている。

最大の特長は右腕の変わりに付けられている巨大な義腕“英雄”。これは彼自身の腕を材料に作られた新型兵器であるが詳細については後述。


□性格/特徴

独逸竜騎師の末裔が集うG機関に所属する軍人。初登場時の階級は中尉。
空軍部所属ではあるものの、戦闘機や重騎の操縦による戦闘はあまり無く、基本的には義腕“英雄”を絡めた肉弾戦闘を得意とする。
次期五大頂候補と言われているあたりエリート組で、実際に作中では26、7歳で大尉にまで昇進している。
由来は不明だが“音速裁断師”の字名を持つ。また、彼の父親であり「全方位結界師」だったベルテヒトも同じ字名で呼ばれていたらしい。

真面目で実直。若干堅物で不器用な性格。
現場での戦闘だけではなく、デスクワークにおいてもなかなか優秀で、ガルド級二番艦を利用した首都防空プランは彼の案を元にしている。

ベルガーやアルフレート、マルシュ・ガントとエリンギウム・イルヘイムとは高校時代の同窓生。
もっとも、ベルガーとは思想の違いから別れ、マルシュは本編開始以前に死亡、エリンギウムは“ある事件”により記憶を失っているため距離をとっており、現在交遊があるのはアルフレートのみとなっている。

ベルマルクシリーズの“射撃人形”ベルマルク・フィーアを副官に持つ。
過去に父親は永遠の幼女を、自身は病弱美少女を助けた経験があり、彼女達にとって“音速裁断師”は正に“英雄”であった。

エリンギウムとの約束は“この国の守護を”。


□戦闘能力

次期五大頂候補だけあって非常に高い。凡百の兵士や並の重騎師程度では相手にすらならず、ベルガーとのコンビで当代最強の航空戦艦を墜とした事もある。
肉弾戦闘や銃器を使用した戦闘能力の他、航空機の操作も一通り出来るが、特筆すべきは強臓式義腕“英雄”を使用した結界術。
ちなみに白杖のみでも結界は張れ、最終巻ラストでは結界自体を敵にぶつけるという攻撃を行った。


○強臓式義腕“英雄(デア・ヘルト)”
シュバイツァーの右腕を材料にして作り出された義腕型の強臓式機械。強臓式機械について基本的なことはリンク先を参照されたし。

その形状は、重金属制の四角く巨大な二の腕部と、その先に接続された砲のような射出機。射出機の口先には金属製の杖が突き出ている。
この先端の杖で空間を突く事により、仮発動/駕発動を発揮させる。

因みに“英雄”の掃除は、定期的に自分で行っているもよう。


○仮発動/駕発動
仮発動は「結界術の使用」。
空間中を「流体の青白い線」で立方体状に囲う事で、立方体内の空間に対し、何らかの操作を行う事が可能。
作中においては、逃げようとするヘイゼルを結界内に囲い、結界内の方角を変える事で逃走の向きを変えたり、結界内の物体や武器を破壊することで足止めや、相手の攻撃手段を奪う等の活躍をしていた。


《光の散る空に星が散り
 空の上にて優は決せり
 己が高さを比べるなかれ
 全て力は人の前に失われ
 高きは空行く竜とならん
 低きは大地の礎とならん》

駕発動は「定型言実詞による、空間内の流体の完全停止」。
都市シリーズにおける機械、兵器は流体を燃料として動いている。
“英雄”の駕発動を発動した場合、仮発動同様に結界で囲われた空間に存在するあらゆる流体の流れを停止させることにより、全ての機械を使用不可能にする他、流体を使用した紋章技術全般の使用を強制的に止める事が出来る。
派手な攻撃力は無く、どちらかと言えばサポート向きの能力ではあるものの、あらゆる機械の使用を否定できるあたり、強力な能力であると言えるだろう。



□作中での活躍

○一巻
プロローグにて、彼と“疾風”の戦闘から機甲都市伯林の本編は始まる。
その後は、ベルガーと“救世者”ヘイゼルを取り合って鬼ごっこが続く。
一度はヘイゼルを拿捕するものの、テンペルホーフ空軍基地内にてヘイゼルをG機関本部へと送る飛行機を待っている間にベルガーの襲撃を受ける。
あわや救世者を取り逃がす寸前で“疾風”が乱入、ヘイゼルを奪われる。ヘイゼルを奪い、月まで向かわんとする“疾風”を追い、ベルガーと一時的に手を組み、北極海へと向かう。
航空艦“王飛竜”で“疾風”を追い、最後はヘイゼル自身の力もあり、“疾風”を撃墜。予言を果たすが、ヘイゼルは国外へと逃亡してしまう。

○二巻
レーヴェンツァーンのケンカを止めた夜、G機関大将軍グラハム・カールスルーエより大尉昇進の命を受ける。
大尉昇進と共に、G機関長に会うための試練を受け、それを乗り越え見事G機関長としてのレーヴェンツァーンに出会うい、レーヴェンツァーンの誕生日パーティーで現五大頂と会話する機会を得る。
が、パーティーの途中で反独隊急襲の報を受け、出撃。
アルフレートを戦場に送るがそれ以降は空気。

○三巻
レーヴェンツァーンと共に、エリンギウムの結婚式のため、ボルドーゾン、“免罪の村”へと向かう。結婚式はつつがなく終わるが、同様に“免罪の村”に来ていたヘイゼルとベルガーを捕らえるため動く。
なんとか追い込み、ヘイゼルを国外へと逃亡させぬよう独逸遺伝詞を撃ち込もうとするが、ベルガーに庇われ、撤退。

○四巻
ヘイゼルを捕らえる。
そして、ヘイゼルとの会話を終えたレーヴェンツァーンが部屋に来たため慰め、レーヴェンツァーンに「真実が知りたくなった時のため」鍵を託される。

その後、反独隊が攻めてくるが、殆どがアルフレートの闘いに割かれていたため空気。
強いて活躍をあげるなら死にに行くアルフレートを止めようとして腹パンされたくらい。

○五巻
レーヴェンツァーンに託された鍵を使い、機甲都市化計画や破滅の転輪等、全てに対する真実を知る。
そしてレーヴェンツァーンの意志を果たすためベルガーと対峙。
レーヴェンツァーンが敗れ、全てが終わったと思われた所に大黒竜が出現したため、レーヴェンツァーンと共に“救世者”に下り、最後の闘いへと赴いた。

戦後もG機関で働いているが、“英雄”は外した様子。また、ボルドーゾンに送られたレーヴェンツァーンともたびたび会っている。


ちなみに『創雅都市S.F』収録の設定解説によると、都市世界の2002年時点でも存続しているG機関の「長」は「グリレ・シュバイツァー」と呼ばれる女性らしい。


追記、修正頼みます。

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最終更新:2023年08月30日 10:19