パンを踏んだ娘

登録日:2011/05/13(金) 21:31:06
更新日:2024/01/02 Tue 00:01:14
所要時間:約 6 分で読めます




パンを踏んだ娘』とは、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの創作童話である。
皆さんも一度は幼稚園や保育園の頃に見た記憶はないだろうか?




■あらすじ
ある村に、インゲルと言う美しい少女が住んでいた。
インゲルは裕福な家庭へ奉公に出されたが、それは元から自分の美貌を鼻に掛けるところが有った彼女の高慢な性格に拍車をかけることとなった。

ある日、インゲルは里帰りをすることになり、奉公先の夫人からお土産にパンを持たせられる。
しかしその帰り道、インゲルは雨上がりに出来たぬかるみの前で立ち止まる。
そして、自分のドレスを汚したくないと思い、お土産のパンをぬかるみに放り投げ、パンの上に飛び乗った。

ところが、その途端にパンはぬかるみの底へインゲルを乗せたまま沈み、二度と浮かび上がることは無かった。

インゲルが慢心のために底無し沼へ沈んだ話は人々の間で語り草となり、その様子は地獄に落ちた彼女の耳にも伝わって来た。
インゲルの母が愚かな娘を持ったことを嘆きながらの床に就いても、インゲルは
「たかがパン一切れのために、どうして自分が地獄へ落ちなければならないのか」と全く反省しなかった。

そんなある日、いつものように地上で底無し沼へ沈んだインゲルの話をしていた子供たちの中で、一人の少女がインゲルを憐れみ、神様に彼女が天国へ行けるよう祈りを捧げる。
その少女もやがて年を取り、死の床に就くが、幼い頃に聞いたインゲルの話を片時も忘れることは無く、彼女の為に涙を流して天に召された。

その祈りは聞き届けられ、インゲルは灰色の小鳥に生まれ変わる。
そして、インゲルはどんな小さなパン屑であっても粗末にせず、他の鳥に分け与えた。
そして、灰色の小鳥が他の鳥に分け与えたパン屑の量があの時に踏んだパンと同じ量になった時にインゲルの罪は許され、長い苦しみから解き放たれて天国へ召されたのであった……。




……という、なんとも暗い話である。

絵といい内容といい、幼子にとってはかなりのトラウマもの。
これを見せられた後、鬱な気分になった子供はきっと多いことだろう。

まぁこの作品が何を伝えたかったのかと言うと、


食べ物を粗末にするなバカ者!

ということだろう。

更に言うと、キリスト教の教義では、パン=イエス・キリストの肉体の象徴である。
つまりは、

キリストを冒涜するなかれ

という意味にもなる。

そして何よりトラウマなのが、この童話がNHKで放送された際に流れた主題歌である。
気になる人はYouTubeで検索してみよう。



パンを~踏んだ~娘~
パンを~踏んだ~娘~




地獄にお~ち~た~


……怖いわ!ちびっ子泣くわ!



追記・修正はパンを大事に食べながらお願いします。

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最終更新:2024年01月02日 00:01