飢餓の声、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Voice of Hunger(MtG)

登録日:2011/09/03 Sat 22:03:38
更新日:2023/11/19 Sun 22:13:13
所要時間:約 4 分で読めます






「死する者一人あれば、十人が立ち上がる。新ファイレクシアの啓示はもう間もなくだ」



《飢餓の声、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Voice of Hunger》とは、トレーディングカードゲーム「Magic the Gathering」の登場人物。
2011年5月13日に発売されたエキスパンション“新たなるファイレクシア”にてカード化された。


概要

カーンによってもたらされた旧ファイレクシアの侵略兵器「ぎらつく油」から生まれた新生ファイレクシアを率いる五人の法務官のひとり。

頭部と肩部を骨のようなもので覆った巨大な肉食獣の姿を持つ、男性。

緑の派閥である「悪意の大群/Vicious Swarm」を指揮し、「非ファイレクシア勢力を食物連鎖の輪に組み込み、最強の捕食者たるファイレクシアの餌食とする」ことを目指し、弱肉強食の世界の中、日々進化してきた土着の生物を捕食者として最適化するべく改良を行っている。

ミラディン潜伏中に、かつて暴走した監視者からミラディンを救うも、あらぬ疑いをかけられ追放されたエルフの女性グリッサを自らの右腕とし、後の侵略戦争を有利に進めた。

派閥内部も弱肉強食の行動原理で支配しており、組織だった行動は弱者が己を強く見せるためのまやかしと考えている。また、自然の摂理を見ず、実験を繰り返しているジン=ギタクシアスを嫌悪している。

カード解説

飢餓の声、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Voice of Hunger (6)(緑)(緑)
伝説のクリーチャー - ファイレクシアン・法務官
トランプル
あなたがマナを引き出す目的で土地を1つタップするたび、あなたのマナ・プールにその土地が生み出したいずれかのタイプのマナ1点を加える。
いずれかの対戦相手がマナを引き出す目的で土地を1つタップするたび、その土地はそれのコントローラーの次のアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
7/6

自軍のマナ生産量を2倍、相手方のマナ生産量を実質半分に縛る、見た目に反した能力を持つ。
マナブーストを得意とする緑ということもあり、極楽鳥や原始のタイタン等を経由すれば、最速で4ターンで出せる。
……タイタンが出れば勝てるとか言わない。

能力も地味に厄介で、早いターンで出せればそれだけで相手にプレッシャーをかけられ、土地展開でかなりの差がつけられる。

8マナ7/6というスペックから派手な甲鱗様ともごく一部では呼ばれるそうだ。



余談となるが、
かつての英雄を堕落させ、実験大好きジン先生と中が悪いと、さぞやすごいかと思いきや、
特になにもしていない
「ヴォリンクレックスには大々的な計画など無かった。生物を価値ある捕食者に進化させるのは、油がやってくれたことだ。」

あれ?法務官?

また、一人だけ二つ名の理由が明らかにされてなかったり、人物紹介のイラストで、なぜかワンコ座りだったりと扱いが悪い。

法務官……

終いには、派閥の主導権をグリッサに奪われ、遂には本拠地に引きこもることに。

……もはや何も語るまい。

そのあまりの不甲斐なさから“悪堕ちエルフとまるで駄目な巨獣”という薄い本を幻視した者もいたとか。


派生カード

それからおよそ10年後、カルドハイム次元に奇怪な怪物が出現した。

巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス/Vorinclex, Monstrous Raider (4)(緑)(緑)
伝説のクリーチャー — ファイレクシアン・法務官
トランプル、速攻
あなたがパーマネントやプレイヤーの上にカウンター1個以上を置くなら、代わりに、そのパーマネントやプレイヤーの上にそれぞれその2倍の個数のその各種類のカウンターを置く。
対戦相手がパーマネントやプレイヤーの上にカウンター1個以上を置くなら、代わりに、その対戦相手はそのパーマネントやプレイヤーの上にそれぞれその端数を切り捨てた半分の個数のその各種類のカウンターを置く。
6/6

何らかの手段を用いたのか、次元を超えてカルドハイムにやってきたヴォリンクレックス。
「有機組織を失い金属と骨格だけになった」という設定が現在唯一稼働しているポータルである「次元橋/Planar Bridge」を連想させていたが、後にテゼレットの協力を得て次元を渡ったことが明言された。
ヴォリンクレックスが一番手として選ばれたのも、現地の生物を取り込むことで有機部分を補えるためと思われる。

ともかく、シェイプアップしたことにより6マナ6/6速攻トランプルという優秀な性能となったことで使い勝手は大幅に良くなっている。ただ殴りかかるだけでも十分な仕事は果たせるだろう。

システムクリーチャーとしての能力は「カウンターの増減」。こちらがプレインズウォーカーを出せば最初に置かれる忠誠度カウンターは倍増してすぐに奥義を使うことができ、英雄譚を出せば毎ターン2項目ずつ進んでいく。対戦相手のプレインズウォーカーはマイナス能力を使うのにも難儀し、英雄譚はただの置物になる。特に除去としてよく使われる英雄譚である《エルズペス、死に打ち勝つ》《古き神々への拘束》に耐性を備えているのは大きな長所。
そして+1/+1カウンターを乗せる英雄譚の《第1回イロアス競技会》《騙し屋の崩落》などは爆発的な破壊力をヴォリンクレックスに与えることだろう。《オゾリス》を通じて+1/+1カウンターを移動させるだけでもその数は4倍になる。

ただし、この能力は必ずしもプラスに働くとは限らない。《アクロス戦争》や《精神迷わせの秘本》の寿命は半分になってしまうし、相手が《九つの命》を出すと殴り倒すことが不可能になってしまう。
特に「機械兵団の進軍」で登場したカードタイプであるバトルとの相性は最悪で、自分のバトルの守備カウンター(=耐久値)が倍になるだけでなく、相手のバトルの守備カウンターが半分になってしまう。

競合の強さから使われなかった先代と比べるとかなり実用的になっており、スタンダードおよびヒストリックでは、他の強力なカードと共に出現の根本原理で踏み倒す【スゥルタイ根本原理】を環境レベルに押し上げた。

ただし他の法務官より一足早く登場したため、「団結のドミナリア」と共にローテーションして一人だけスタンからハブられるという事態に。
このまま蚊帳の外で決着が付いてしまうのではと思われていたが……?


ヴォリンクレックス / Vorinclex (3)(緑)(緑)
伝説のクリーチャー − ファイレクシアン・法務官
トランプル、到達
ヴォリンクレックスが戦場に出たとき、あなたのライブラリーから森・カード最大2枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。
(6)(緑)(緑):ヴォリンクレックスを追放する。その後、これをオーナーのコントロール下で変身させた状態で戦場に戻す。起動はソーサリーとしてのみ行う。
6/6
偉大なる進化 / The Grand Evolution〔緑〕
エンチャント — 英雄譚
(この英雄譚が出た際とあなたのドロー・ステップの後に、伝承カウンター1個を加える。)
I ― カード10枚を切削する。その切削されたカードの中からクリーチャー・カード最大2枚を戦場に出す。
II ― あなたがコントロールしている望む数のクリーチャーを対象として7個分を割り振る。それらの上にその割り振った個数の+1/+1カウンターを置く。
III ― ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは「(1):あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。このクリーチャーはそれと格闘を行う。」を得る。偉大なる進化を追放する。その後、これを(第1面を表にして)戦場に戻す。

「機械兵団の進軍」では他の法務官と共に両面カードとして登場。
第1面では出た時に森2枚をサーチする。タイプのみの指定のため、《踏み鳴らされる地》や《ジェトミアの庭》などもサーチ可能。
変身は8マナと重いが、自身が6/6トランプル&到達と優秀かつ土地をサーチできることから、条件達成は自然に出来るだろう。

変身して第2面になると英雄譚となり、Ⅰ章で切削した中からクリーチャーを踏み倒し、Ⅱ章でカウンターを割り振り強化。
Ⅲ章で格闘を付与することによって相手の生物を殲滅する。
8マナと英雄譚の性質のためかなり悠長であり、オーバーキル感は否めない。とはいえ第1面でアドバンテージを稼げることから、選択肢の一つとしては十分に強力。



-Φ-ㅤ追記・修正は、生皮を剥がされ機械の体を手に入れて「完成」した方のみお願いします。ㅤ-Φ-

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最終更新:2023年11月19日 22:13