母(あたしンち)

登録日:2012/01/14(土) 23:59:53
更新日:2024/03/12 Tue 18:55:53
所要時間:約 12 分で読めます





\情熱の赤いバラ~♪そしてジェラシ~♪/


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概要

あたしンち』に登場する(きっと)人間。
本作を代表するキャラだが、主人公ではない。正式な主人公は娘のみかんで、母は主役と言った方が相応しい。
分厚くて大きい唇に首のない顔、ヒレのようにも見える髪型といった半魚人のような容姿が特徴。
某岩男のXシリーズ三作目に出てきた凶悪な電気鯰やサンリオのあのキャラクターにも似ている。


姓は立花。下の名前は不明。専業主婦。
家族構成は、サラリーマンの、高校生の娘みかん、中学生の息子ユズヒコ

年齢:約43歳
実家:大分県の農家
身長:165cm
苦手:犬
趣味:書道、水泳
好物:煎餅、プリン、バナナ、乾パン、食パンの耳、五家宝
体脂肪率: 51%

家族からは「お母さん」、主婦仲間や知り合いからは「立花さん」と呼ばれている。



性格

自分勝手でものぐさで無神経であるが、無駄を嫌う性格。特に初期は言動も荒っぽくヒステリックで嫌味ったらしい物言いを多用していた。
また、声や動きのリアクションが大きくひょうきんで、何かをする度にいちいちやかましい。
その割にはかなりの内弁慶で、いざ店員と話そうとしてもマトモに発語できないくらい緊張してしまい、回転寿司の注文すらできないレベル。
ゆえにパートを始め労働はしておらず、長年専業主婦を貫いている*1
家族や友達のことは大事に思っているが、理解されがたい母独自の価値観や斜め上の行動で周囲を困惑、脱力、時には笑わせる。
世話好きな面もあるものの、大抵ありがた迷惑になることが大半。だが母本人には自覚が無いことが多い(特に子どもに対して)。

娘のみかんには厳しいが息子のユズヒコにはやや甘い*2、父の意見には基本的に従うといった対応に代表されるように、昭和の九州の田舎出身のせいか男尊女卑的な思想が垣間見える。
自分が言い負かされると誤魔化して逃げるか、昔話等を持ち出して徹底的に逆ギレする。自身の非を認めて謝ることは滅多にない。
みかんの言い分に納得することもたまにあるが、大体斜め上の解釈をするためみかんを脱力させる。

また、かなりの面倒くさがり屋。
足で雑巾掛けしたり、雨だから買い物に行かなかったり、風呂上がりはタオルを巻かずに息子の前でもお構い無しに裸で歩いたりする。
他にも、「どうせすぐ成長するから」とユズヒコの服をどう見ても合っていないほど大きいサイズで買ってくる。
無論ユズヒコは怒ったが、母はその理由を全く理解できておらず自分が正しいと思い込んでいた。
本人曰く効率を重視しているらしいが、その割に家事を中途半端なまま放置していき(通称:やりっぱなし天国)次から次へと別の家事に移ってしまうなど、結果的には要領の悪さが目立っている。
片付けも苦手で物を捨てられず溜め込み無理矢理押し込むため、開けた瞬間に飛び出る、どこに何があるか母にしか把握できない、物が潰れていて取り出せないといったことが多い。

専業主婦らしく、一円も無駄にしたくない節約家。
冷蔵庫は一秒以内に開け閉めしている(まず一回開けて一秒で目当ての物の場所を覚え、次に開ける時に一秒で取り出す)。
食料品も日用品も、常に一円でも安い商品を買っている。
だが、トイレットペーパーはお気に入りのがあるらしく、他に安いのがあってもお気に入りの方を買う。
一応、子供の学費などきちんと貯金しているらしい…が、みかんに対し「振袖を着るなら大学にはやらない」「高卒でもいいからとにかく家に金を入れろ」など自分の老後資金の方を優先している様子。
「満期のアレ」(恐らく満期になった定期預金)を引き出すために躍起になったり、父の資産を勝手に投資して成功していたりと、金融関係にも積極的。

一方でバーゲンなどで安かったり荷物持ちの子どもと買い物に来たりしていると理由もなく大量に買い込み、その結果消費しきれず期限切れになる、
100円ショップにハマった際には安いからと必要ないものを買ったり、デパートに行った際きちんと大きさを把握できていなかったりしてサイズが合わない物ばかり買ったりなど結局無駄遣いになることも多い。
さらに、バザーに出品するからと家の金目のものをみかんやユズヒコが大切にしていたぬいぐるみやゲーム機を無断で売り払い、引き換えに粗悪なガラクタを大量に買ってくることも。

家族に節約を強いる割には、自身は友達と足繁く喫茶店に通い、それなりに旅行にも行くとかなり散財しているように見受けられる。
安物買いの銭失いになったり、ツアー旅行で元を取ることにこだわりすぎて旅行自体を楽しめなかったりなど、本末転倒となることは日常茶飯事。



料理

母の料理にはかなり粗があり、面倒くさがりな性格も相まって些細な理由にかこつけて手を抜いたり、料理らしい料理すらしない日も多い。
さらには猫舌なせいもあって料理をしても勝手にアレンジを加えて台無しにしてしまう。
例:パスタをゆでた後に水ですすぐ・半端に余った調味料(醤油・だし等)を全部入れる(翌日容器をゴミに出せるから)

料理本も一切信じておらず「本に頼っていたら自分で思考できなくなる」と全否定している。
レシピや料理番組を見て料理することもあるが、持ち合わせていない材料は有り合わせのもので代用したり、作り方を間違えて失敗したりするため、謎のオリジナルメニューが完成してしまう。
このように何か不都合な事があると真っ先に味やボリュームを犠牲にするため、度々家族(特にみかんとユズヒコ)からは不満や苦情が噴出している。

ちなみにメニューはどんな感じかというと

  • 給料日前や買い物に行かなかった日は、ご飯と味噌汁+既製品一品(例:ちくわ、缶詰(4人で一つ)、なめたけの瓶、チョー酸っぱい煮豆)
  • 夕食にトーストのみ(主に父が家で夕飯をとらない日にこうした大幅な手抜きをするため、ユズヒコはそうした日をXデーと呼んでいる)
  • しじみの味噌汁を作ろうとしたとき味噌がなかった為、刺身に殻付きのまましじみカレー。(作った母自身すらもどう食べたらいいのか分からず困惑していた)
  • 冷蔵庫に卵しか無かった為朝・晩どちらもたまごかけご飯
  • 雨で買い物に行ってないため、台所にあった1人前のレトルトカレーを無理やり4人分に薄めて出す
    (出来たカレーは余りにもサラサラしすぎて家族から不評を買ってしまい、それでも母はスープカレーだと言い張ってゴリ押ししたが結局バレた)
  • ダイエットで絶食中&見たいテレビの時間ギリギリという理由で、その辺にあった食材をグチャグチャに鍋で煮たものを出す(勿論父らは大激怒でユズヒコからは食べ物じゃないと言われる程の不味さ)。だが、断食中かつそもそも味音痴なこともあり母は泣いて喜ぶほど美味しく食べた
  • 数日間連続で海苔巻きだけ(最初はほぼ具なし)(母は「自分の子どもの頃は贅沢品だった」と苦情を一蹴。みかんに至ってはおかずに海苔巻きの具を詰めただけの弁当を出される羽目に)。
  • オムライスのチキンライスのケチャップの代わりに中濃ソース(途中まで調理したのはみかんだが、ケチャップが不足していたため勝手にドバドバ入れた。無論散々な味になったが、母は笑顔で「まあまあね☆」とご満悦。)

父とみかんの弁当もご飯+一品で、鮭の切り身一つだけ、ミートボールだけ、ブロッコリーだけ、などである。
それにしびれを切らしたみかんがカラフルな弁当を作ってもらうよう頼み込むが、そのおかずが ミックスベジタブルのみ という徹底ぶりは「あたしンち」を代表するエピソードの一つ。
アニメ2期ではユズヒコの弁当に大きな肉まん一つをそのまま入れたりしている。
その一方で、なぜか朝食の描写はトーストにサラダ付きなど並以上で、実質朝食がいちばん豪華という謎。

また、味音痴であり、自分の作った料理は基本美味しいと思っている。さらにアニメではこれが少しずつみかんやユズヒコに伝染しつつある
ちなみに母の母(みかん・ユズヒコの祖母)も料理が下手だったらしいので、遺伝のようである。
その反面アニメではあまりに夕飯にちくわを出し過ぎたせいで、家族から手料理でもなんでもないちくわが「我が家のおふくろの味」として認定された際には流石にショックを受け、その日手間暇かけて料理を作っている。
と、その気になればちゃんとした料理も作れるようで、手抜きせず自己流に走らず、尚且つ何かしら都合が悪くなったりしなければ料理上手な模様。



その他

高い体脂肪率が物語っている通り、食べることは好き。というか大概のシーンで何か食べている。
その様子はユズヒコ曰く「顔全体で物食べてるよね」。アニメでは咀嚼時に口が波打っている。

歌うことも好きな様子で、普段から作業中に歌ったり、歌い口調で会話したりしており、アニメでは沢山のオリジナルソングを聴くことができる。
アニメでの持ち歌は記事冒頭の「情熱の赤いバラ」で、ことあるごとに出だしのパートを歌っている。

自他ともに認める雨嫌いであり、雨が続くと冷蔵庫が空っぽになっても出かけられない*3。一度無理に雨が降りそうな日に買い物に出たところ、帰りに降られてそれが原因で体調を崩して寝込んだ(恐らく風邪ではなく精神的なショックによるもの)。

学生時代のあだ名はバンバン(由来は不明)だが、母は昔のあだ名をみかんに尋ねられた際に急激に機嫌を悪くした様子から、このあだ名を嫌っている模様。
野良犬に追い掛けられたトラウマから、犬が苦手。
サスペンスドラマに出てくる俳優(○曜サスペンス劇場や崖が似合うあの人のパロディ)のファン。

ゲームで測定した脳年齢が88歳であったり、易しいクロスワードやクイズ番組にも苦戦するなど、あまり頭は回らない様子。
タバスコなどの辛いもの全般を「からし」、ヘッドホンを「耳栓」と言ったり、ブティックの発音を間違えたり(ブチック)と、言葉の覚え方がやたらとテキトーで、言い間違いも非常に多い。
例:ペースメーカー→ヘルスメーター、ミディアムステーキ→ミレニアム(後者はそれが原因で時間制限付きの大食い用特大ステーキが出てきたが気合でクリア)
また、難しい漢字はルビが無いと読めないようで、「生姜焼き」を「なましょうがやき」と間違えたりする。



家族関係

家族からは呆れられたり不満を口にされることも多いがなんやかんやと愛されている。
よそ様からは意外と高評価なことが多くみかんやユズヒコの同級生たちからは面白がられながら好意的に見られている。
それに対してみかんやユズヒコは母を見られると恥ずかしがるという思春期らしい反応。

厳しく接する事が多く、年頃故に度々口喧嘩している。
みかんが屁理屈をこねて対抗するのでさらにヒートアップしたり呆れたりすることもしばしば。
だが、母自身は憎いからではなく可愛いから叱っている。
(しかしみかんに聞かれた際、憎いと可愛いを逆に言ってしまい誤解された。)

息子だからか、基本的に甘い。
ゆーちゃんと呼んでおり、あまり叱りはしないが、みかんと一緒に母の理不尽の餌食にはなる事も多い。
やや神経質な所がある彼は母の無神経ぶりによくイライラしているが
肝心の母はその理由を「ただの反抗期の難しい年頃」で済ませており自身に非があるとは全く思っていない。

内弁慶な割にかかあ天下ではないようで夫には中々頭が上がらない。父の発言には、不本意でも結構従う。
とはいえ亭主関白の関係ではなく、母が一方的に行使しているだけであり、父自身は母の対応は大して気にかけていない。
父も母もお互いを振り回し合うことがある…となんやかんやでお似合い夫婦。
母は長年の付き合いで無口な父の気持ちを分かっているつもりでいるが、まだ分かり切れていない一面も多々。
父とはお見合い結婚で結婚前は不安もあったが、休みの日には一緒に出かけるほど仲は至って良好。

ちなみに父曰く結婚の理由は「人助け」でそれを聞いた母は大笑いしていた。
母曰く「口が大きい気の強い女性が好み」なことも理由の一つと考えられる。



母を取り巻く人物

  • 水島
CV.愛河里花子
母の最大の友人。三角形の目と、アニメではソプラノな高い声が特徴。
母とよく気が合い、もう一人の友人である戸山も加わった三人組でよく喫茶店や旅行に行くことが多い。
息子はみかんと小学生時代に同級生であり、母との出会いも小学校のPTAから。
初対面時はそれぞれ心の中で「半魚人」「河童」と感じていた。水棲UMA同士で波長が合ったようだ

  • 戸山
CV.玉川紗己子
水島に次ぐ母の友人。四角の大きなメガネをかけ、フリルの付いた服を好む。
母や水島と比べておっとりしている面が強く、若干マイペース。口癖は「あら、いいじゃな~い」
娘は受験を控えている。

  • 三角
医者の夫を持つマダム。
母、水島、戸山とは違いかなり落ち着きがあり、観光や美術鑑賞など優雅な趣味を持つ。
その三人と一緒に行動することがあるが、庶民的でハイテンションな三人のノリに着いて行けていない場面が多い。
様々な犬を飼っており、毎度会う度に違う犬を連れているほどの犬好き。
犬がきっかけで一人悩んでしまうこともある。

  • マチ子
カオナシのような顔が特徴の母の友人。母とは以前から友人だった水島を経由して知り合った。
常に微笑を浮かべている様子から「ホホエミさん」とも呼ばれている。
中々物を言い出したり否定したりしにくい奥手な性格であり、そのせいで嘘を付いてしまったり迷惑をかけたりする悪い癖がある。
高校生の息子との関係を嘘をついて姉弟だと言ってしまったことも。



余談

この母のキャラクターは原作者の母親がモデル。実際にしじみカレーも出たのだとか。
しかし実際の原作者の母は生計を立てるために熱心に働いていたなど、改変されている箇所もある。
苦労していた母に楽をしていてほしいという思いから生まれたキャラクターなのかもしれない。

新聞連載終了後の「SUPER」では時代の変化に合わせてか性格が丸くなっており、家族に過度な節約を強いるなどの自分本位で理不尽な面が抑えられるようになった。

上記のようにおかずがちくわだけのことは原作では1回ほどしかなかったのだが、アニメ1期中後期では徐々に露出が増え、4割ほどの頻度でおかずがちくわ料理になるように。
他にも冷蔵庫にちくわを俵のように山積みする、かまぼこ博物館でのちくわ作り体験でとてつもなく必死になるなど、まるで母がちくわ好きかのような描写が目立つようになった。
『あたしンち』を代表する食べ物といえばちくわ、というイメージはアニメ中後期によるもの。
パラレル回でもちくわが主題になることが多く、
  • 料理回ではみかんとユズヒコがちくわ料理で対決
  • 母が旅館の女将となる回では母の父母に似た幻想の客にちくわ料理のフルコースを出す
  • 未来編では暴走した大量の母型ロボットの気を引くためにちくわ型ロケット開発
  • 母が探偵になる回ではちくわが散りばめられた格好の「チクワーヌ」が犯人として登場
  • 時代劇、西部劇パロディではちくわが金融資産として取り引きされる

ゴリ押しとも呼べる勢いだったが、ちくわ製造企業がスポンサーについたことは無かった。
父役の緒方賢一氏は、同じくシンエイ動画制作の『忍者ハットリくん』で自身が演じていた獅子丸の大好物がちくわだったことと関係があるのでは?とコメントしている。




追記・修正は情熱の赤いバラをフルで聴いてからお願いします。

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最終更新:2024年03月12日 18:55

*1 「SUPER」頃からはパートなどの労働経験があるという設定に変わっている

*2 しかし時にはみかんにも甘く接しており、二人が風邪を引いた時の対応を見るに、みかんは甘やかすと調子に乗りやすく自己主張も強いので厳しく、ユズヒコは逆に甘やかしても調子に乗らず意見もためらいがちなので甘めにと、性格に合わせて対応を変えているとも取れる

*3 何日も雨が降り続いて水で薄めた食事を出したり、洗剤やシャンプーを薄めた際は、買い物に行けていないのがバレて家族から怒られた