豆になった子供達

登録日:2011/05/13 Fri 19:44:43
更新日:2023/10/15 Sun 15:12:10
所要時間:約 3 分で読めます




「豆になった子供達」は、ベトナムに伝わる民話である。






~豆になった子供達~

昔々、ある所に四人のとても仲の良い女の子がおりました。

名前を、それぞれ紅い服を着た紅ちゃん緑の服を着た緑ちゃん白い服を着た白ちゃん黒い服を着たクロちゃんといいました。

四人は、いつもいつも四人一緒になって遊んでいました。


中秋の晩の事です。近くの村でお祭りがあるというので、四人は仲良く出掛けました。
村では一様に白い服を着た子供達が、楽しそうにおどっています。

子供達は、四人の姿を見つけるとすぐに近くに集まって来て、一緒に踊ろうよと声をかけてくれました。


ところがです。












「はぁ? バッカじゃないの? あんた達は私の友達じゃなくて、よその村の子じゃない」


「……私は……他の村の子達と踊るのは……イヤ」


「折角だけどごめんねー。私達は私達で踊るから」


「クロちゃんです!ワワワワワァ~♪」



と、四人は四人だけで手をつないで楽しそうに踊りました。

その様子を見ていた風は、顔をしかめました。


「なんて我が儘な子達だ、これはちょっとばかり叱る必要があるな。雲、あんた月の所に行ってあの子達を叱るよう頼んできてくれないか」



風は近くにいた雲を、まで押し上げました。雲は月に、四人の子供達を叱るよう頼みました。
ちょうど月も、子供達の様子を見て顔をしかめていた所だったのです。











月は子供達を、四本の木に変えてしまいました。











ついでに村の子供達も苗に変えてしまいました。











月は、「みんなが仲良くなったら出てきますよ」と雲の陰に隠れてしまいました。


苗はぐんぐん成長し、やがて一面たわわにお米を稔らせた田んぼになりました。

四本の木々も、お米に負けじと次々に実っていきます。

紅ちゃんは小豆、緑ちゃんは青豆
白ちゃんは白豆に、クロちゃんは黒豆になってそれぞれの木からぽぽぽぽーんと飛びだしました。

村の人達は中秋になると、このお米とお豆でお粥を作って月にお供えしました。

「お月様、ほら、みんな仲良くなりましたよ」

それを見た月は、満足そうに中秋になると毎年雲の陰から顔を覗かせます。
今でも中秋には、月の下で子供達が楽しく踊っているという事です。めでたしめでたし。





追記・修正はみんな仲良くなってからお願いします。

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最終更新:2023年10月15日 15:12