ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1072 れいむに関する三つの間違い
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ankoss
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※独自設定垂れ流し
※最近の短編が投稿される流れに触発されて書きました
※最近の短編が投稿される流れに触発されて書きました
間違いをテーマにした三つの短編集
・「かわいくってごめんね!」の間違い
・「れいむだっていきてるんだよ!」の間違い
・「れいむはこそだてじょうずなんだよ!」の間違い
・「かわいくってごめんね!」の間違い
・「れいむだっていきてるんだよ!」の間違い
・「れいむはこそだてじょうずなんだよ!」の間違い
・「かわいくってごめんね!」の間違い
「かわいくってごめんね!」
身をくねらせ、ぱちりとウインクし、そのゆっくりれいむは決め台詞を放った。
決まった。最高だ。れいむは自分のかわいさに酔いしれ、うれしーしーが漏れ出しそうな
思いだった。と、れいむは思っているが、実際のところ本当にしーしーがだだ漏れだった。
だが、れいむにとってそれも無理はないことだ。なにしろれいむはとってもとってもかわ
いそうゆっくりなのである。
ツガイにしてあげたまりさはれいむが満足できるほどあまあまを集めることもできない無
能ゆっくりだった。
おちびちゃんができて数日。ある朝のこと、まりさは動かなくなっていた。しなびてやせ
て、無能なまりさは本当に使いものにならなくなってしまった。仕方ないから食べてあげ
たが、「それなりー」な味だった。最後まで使えないまりさだった。
しんぐるまざーになってしまったれいむは、おちびちゃんたちを立派に育てることにした。
すごくすごくがんばった。
ところが再び、健気なれいむを不幸が襲った。最愛のおちびちゃんたちが、なんとゲスに
なってしまったのだ。一生懸命子育てしている親の鑑であるれいむに向かって、ゲスなわ
がままを言いたい放題。なんということだろう。れいむは泣きながらおちびちゃんたちを
「せいっさい」した。それがしんぐるまざーのれいむがおちびちゃんに捧げる、最後の愛
情だった。
れいむはひとりぼっちになってしまった。
誰かが助けるべきなのだ。そうじゃなくちゃおかしい。だってれいむはこんなにかわいそ
うだ。
だから朝から人通りのある道にでて、自分がいかにかわいそうであるかを切々と語った。
通りを行く人間たちは誰も彼もゆっくりしてなくて、その上バカだかられいむの声に足を
止めもしなかった。
だが、ついにれいむの奴隷となるべき人間が現れた。立ち止まり、れいむの言葉に耳を傾
ける男がいたのだ。
れいむは今までのつらく悲しいゆん生を語った。そして最後に、過去最高の「かわいくて
ごめんね!」を決めた。
完璧だ。バカで愚かな人間も、これならイチコロ間違いなし。これでれいむが飼いゆっく
りになることは確定的に明らかになったのだ。
これから思う存分あまあまを食べてあったかいおうちで人間を奴隷にしていつまでも限り
なくゆっくりと暮らすのだ。
れいむはしーしーだけでなく、口元からよだれまで垂らし始めた。まさに餡子脳内はヘブ
ン状態だった。
だから、
決まった。最高だ。れいむは自分のかわいさに酔いしれ、うれしーしーが漏れ出しそうな
思いだった。と、れいむは思っているが、実際のところ本当にしーしーがだだ漏れだった。
だが、れいむにとってそれも無理はないことだ。なにしろれいむはとってもとってもかわ
いそうゆっくりなのである。
ツガイにしてあげたまりさはれいむが満足できるほどあまあまを集めることもできない無
能ゆっくりだった。
おちびちゃんができて数日。ある朝のこと、まりさは動かなくなっていた。しなびてやせ
て、無能なまりさは本当に使いものにならなくなってしまった。仕方ないから食べてあげ
たが、「それなりー」な味だった。最後まで使えないまりさだった。
しんぐるまざーになってしまったれいむは、おちびちゃんたちを立派に育てることにした。
すごくすごくがんばった。
ところが再び、健気なれいむを不幸が襲った。最愛のおちびちゃんたちが、なんとゲスに
なってしまったのだ。一生懸命子育てしている親の鑑であるれいむに向かって、ゲスなわ
がままを言いたい放題。なんということだろう。れいむは泣きながらおちびちゃんたちを
「せいっさい」した。それがしんぐるまざーのれいむがおちびちゃんに捧げる、最後の愛
情だった。
れいむはひとりぼっちになってしまった。
誰かが助けるべきなのだ。そうじゃなくちゃおかしい。だってれいむはこんなにかわいそ
うだ。
だから朝から人通りのある道にでて、自分がいかにかわいそうであるかを切々と語った。
通りを行く人間たちは誰も彼もゆっくりしてなくて、その上バカだかられいむの声に足を
止めもしなかった。
だが、ついにれいむの奴隷となるべき人間が現れた。立ち止まり、れいむの言葉に耳を傾
ける男がいたのだ。
れいむは今までのつらく悲しいゆん生を語った。そして最後に、過去最高の「かわいくて
ごめんね!」を決めた。
完璧だ。バカで愚かな人間も、これならイチコロ間違いなし。これでれいむが飼いゆっく
りになることは確定的に明らかになったのだ。
これから思う存分あまあまを食べてあったかいおうちで人間を奴隷にしていつまでも限り
なくゆっくりと暮らすのだ。
れいむはしーしーだけでなく、口元からよだれまで垂らし始めた。まさに餡子脳内はヘブ
ン状態だった。
だから、
「誠意が足りない」
男のゆっくりできない言葉を理解することができなかった。
「ゆ?」
「謝っているってのに誠意が全然足りない。それじゃああまあまはやれないな」
「なにいってるのおおおお!? れいむはかわいそうなんだよおおお! やさしくしなく
ちゃいけないんだよおおお!」
「お前に限らず、ゆっくりの頭がかわいそうなのはよく知ってる。それはそれとして、謝
るならきちんとやれ。誠意のない謝罪は不愉快なだけだ」
「謝っているってのに誠意が全然足りない。それじゃああまあまはやれないな」
「なにいってるのおおおお!? れいむはかわいそうなんだよおおお! やさしくしなく
ちゃいけないんだよおおお!」
「お前に限らず、ゆっくりの頭がかわいそうなのはよく知ってる。それはそれとして、謝
るならきちんとやれ。誠意のない謝罪は不愉快なだけだ」
れいむは憤慨した。このバカな人間はなにを言っているのか。難しい言葉を使っていてよ
くわからないが、れいむのゆん生最高の「かわいくてごめんね!」にけちをつけているら
しい。
なんと愚かな。でも、れいむは慈愛に満ちたゆっくりだ。バカでもわかるように、もう一
回やってやろう。そうすれば人間はもうメロメロになるに違いないのだ。
くわからないが、れいむのゆん生最高の「かわいくてごめんね!」にけちをつけているら
しい。
なんと愚かな。でも、れいむは慈愛に満ちたゆっくりだ。バカでもわかるように、もう一
回やってやろう。そうすれば人間はもうメロメロになるに違いないのだ。
「かわいくってごめんねっ!」
「あー、全然だめ」
「あー、全然だめ」
れいむの餡子脳は怒りのあまり沸騰しそうになった。
なんだ、なんだ、なんだ! このゆっくりしていない人間は!
れいむは意地でも認めさせてやりたくなった。
なんだ、なんだ、なんだ! このゆっくりしていない人間は!
れいむは意地でも認めさせてやりたくなった。
「かわいくってごめんねえええええ!」
「だめだめ、声でかくしてるだけじゃん」
「かわいくってごめんねぇぇ……」
「今度は小さすぎ。極端過ぎなんだよ、ばーか」
「か、かかか! かわいくってごめんねえええ!」
「笑顔が歪んでるぞ。やる気あるのかお前?」
「だめだめ、声でかくしてるだけじゃん」
「かわいくってごめんねぇぇ……」
「今度は小さすぎ。極端過ぎなんだよ、ばーか」
「か、かかか! かわいくってごめんねえええ!」
「笑顔が歪んでるぞ。やる気あるのかお前?」
れいむはゆふーっ、と大きく息を吐いた。だめだ。ゆっくりしなくてはだめだ。ゆっくり
すればいつだってうまくいく。無能なまりさを食べることにしたときも、おちびちゃんた
ちをせいっさいしたときも、悲しいことはみんなこうして乗り越えてきたんだ。
大丈夫。だって、絶対、れいむはかわいいんだから。
気を落ち着けた、笑顔を取り戻した。そして、自慢のあんよでくるりとターン。一回転し
たところであんよをぴたっと止めて、のーびのびして決めポーズ。パチリとウインク。そ
して、
すればいつだってうまくいく。無能なまりさを食べることにしたときも、おちびちゃんた
ちをせいっさいしたときも、悲しいことはみんなこうして乗り越えてきたんだ。
大丈夫。だって、絶対、れいむはかわいいんだから。
気を落ち着けた、笑顔を取り戻した。そして、自慢のあんよでくるりとターン。一回転し
たところであんよをぴたっと止めて、のーびのびして決めポーズ。パチリとウインク。そ
して、
「かわいくって、ごめんねっ!」
言った。まぎれもなくゆっくり史上最強最後の「かわいくってごめんね!」だ。
これでお兄さんは絶対メロメロの腰砕けになるはずだ。そうに違いないそうに決まってる
それ以外ありえない!。
これでお兄さんは絶対メロメロの腰砕けになるはずだ。そうに違いないそうに決まってる
それ以外ありえない!。
「かわいくねーなー」
「かわいくなくてごめんねっ!」
「かわいくなくてごめんねっ!」
おにいさんのぽつりと漏らした一言に、れいむは反射的に言い返していた。
……ゆ? ゆゆ? れいむいま、なんていったの?
何か致命的な間違いを犯したように思えて、れいむは混乱した。
だが、れいむにその混乱を収める暇はなかった。
……ゆ? ゆゆ? れいむいま、なんていったの?
何か致命的な間違いを犯したように思えて、れいむは混乱した。
だが、れいむにその混乱を収める暇はなかった。
「そうそう! よく言った! えらい!」
今まで仏頂面だったおにいさんが破顔一笑、がしがしと頭をなでてくれる。その感触はと
てもゆっくりできるものだ。それなのに、なぜだか全然ゆっくりできない。
てもゆっくりできるものだ。それなのに、なぜだか全然ゆっくりできない。
「ゆ? ゆ? ゆ?」
「よおし、間違いをちゃんと正して誠意を示したお前に、あまあまをご褒美だ」
「よおし、間違いをちゃんと正して誠意を示したお前に、あまあまをご褒美だ」
おにいさんは手にした鞄からビニールで包まれたメロンパンを取り出した。ちょっとつぶ
れてぞんざいに扱われたそれは、昼ご飯に買って食べきれず、鞄につっこんでいただけ、
という感じのものだった。
だが、生まれついての野良ゆっくりであるれいむにとっては至高のあまあまに見えた。
れいむが混乱からさめないうちに、おにいさんはビニールからメロンパンを取り出すとれ
いむの前に置いた。
甘い香料のにおいはとてもゆっくりできる。
そのはずなのに、れいむは全然ゆっくりできないでいた。
れてぞんざいに扱われたそれは、昼ご飯に買って食べきれず、鞄につっこんでいただけ、
という感じのものだった。
だが、生まれついての野良ゆっくりであるれいむにとっては至高のあまあまに見えた。
れいむが混乱からさめないうちに、おにいさんはビニールからメロンパンを取り出すとれ
いむの前に置いた。
甘い香料のにおいはとてもゆっくりできる。
そのはずなのに、れいむは全然ゆっくりできないでいた。
「じゃあな! がんばれよ!」
そう、さわやかに言って、おにいさんは立ち去った。
れいむはそれからたっぷり一時間以上ぼーっとしてから、ようやく我に返った。
自分は、いつもの決め台詞を言っただけのはずだ。
ほら、いつも言っている……。
れいむはそれからたっぷり一時間以上ぼーっとしてから、ようやく我に返った。
自分は、いつもの決め台詞を言っただけのはずだ。
ほら、いつも言っている……。
「かわいくなくってごめんね!」
口をついてでた言葉は、意に反した言葉だった。
本当はわかっていた。
野良生活で薄汚れた肌に泥まみれの髪。そんな汚らしい外見
ツガイのまりさにちっとも優しくしてあげなかったこと。そんな醜い心。
大事なおちびちゃんをせいっさいしたこと。愛するおちびちゃんをゲスに育て上げた、そ
んな酷い親。
れいむがかわいいはずなんて、ない。
れいむはゆっくり特有の愚かさゆえに、そんな当たり前のことからずっと目を背けている
ことができた。
だが、ゆっくりは思いこみにナマモノ。口にしたことがすべて。
れいむは口に出して言ってしまった。認めてしまった。
かわいくない、と。
本当はわかっていた。
野良生活で薄汚れた肌に泥まみれの髪。そんな汚らしい外見
ツガイのまりさにちっとも優しくしてあげなかったこと。そんな醜い心。
大事なおちびちゃんをせいっさいしたこと。愛するおちびちゃんをゲスに育て上げた、そ
んな酷い親。
れいむがかわいいはずなんて、ない。
れいむはゆっくり特有の愚かさゆえに、そんな当たり前のことからずっと目を背けている
ことができた。
だが、ゆっくりは思いこみにナマモノ。口にしたことがすべて。
れいむは口に出して言ってしまった。認めてしまった。
かわいくない、と。
「かわいくなくってごめんね! かわいくなくってごめんね!」
れいむは必死になって自分の今までの決め台詞を言おうとした。だが、口に出るのは認め
てしまった事実だけだった。
てしまった事実だけだった。
それかられいむは日が暮れるまで叫び続けた。
自分をかわいくなと称するゆっくりは珍しく、また、メロンパンが既に置かれていたこと
が呼び水となり、れいむに食べ物を恵んでやる物好きな人間が何人か現れた。
そして、れいむの前には野良ゆん生かつてないたっぷりのあまあまの山が築かれた。
自分をかわいくなと称するゆっくりは珍しく、また、メロンパンが既に置かれていたこと
が呼び水となり、れいむに食べ物を恵んでやる物好きな人間が何人か現れた。
そして、れいむの前には野良ゆん生かつてないたっぷりのあまあまの山が築かれた。
しかし、れいむはまったくゆっくりできなかった。
・「れいむだっていきてるんだよ!」の間違い
「れいむだっていきてるんだよ! こんなひどいことするなんてまちがってるよ!」
薄暗い地下室の中、そのれいむはそんなことを叫んだ。
言われた男は、ぽかーんと口を開いた。
そのゆっくりれいむは既にあんよは焼かれ髪の多くが引き抜かれぼろぼろ、片目もアマギ
られているしほっぺただって何度もたたいて腫れ上がっている。
言われた男は、ぽかーんと口を開いた。
そのゆっくりれいむは既にあんよは焼かれ髪の多くが引き抜かれぼろぼろ、片目もアマギ
られているしほっぺただって何度もたたいて腫れ上がっている。
「今頃そんなこと言ってもなあ……」
もう虐待もクライマックス。あとはとどめを刺すだけ、という感じだった。
男はゆっくりの虐待を趣味にしている。ときおりこうして、自分が生きていることを主張
してくるゆっくりはいる。
だが、こんな間際になって今更言ってくるゆっくりは珍しく、思わず呆れてしまったのだ。
男はゆっくりの虐待を趣味にしている。ときおりこうして、自分が生きていることを主張
してくるゆっくりはいる。
だが、こんな間際になって今更言ってくるゆっくりは珍しく、思わず呆れてしまったのだ。
「まちがってるよ……どぼじで……どぼじでごんなごどずるのぉ……」
呆れていた男だったが、れいむの言葉を耳にしてにやりと微笑んだ。
「どうしてこんなことをするの、か。どうしてだと思う?」
「ごんなっ! ひどいごどっ! どうしてするかなんて、わからないよっ! れいむだっ
ていきてるんだよっ!」
「そうだな、おまえは生きているなあ」
「こんなひどいことをするのはっ! まちがってるよおお!」
「でも俺は、おまえが生きているから虐待するんだぞ」
「ゆ?」
「ごんなっ! ひどいごどっ! どうしてするかなんて、わからないよっ! れいむだっ
ていきてるんだよっ!」
「そうだな、おまえは生きているなあ」
「こんなひどいことをするのはっ! まちがってるよおお!」
「でも俺は、おまえが生きているから虐待するんだぞ」
「ゆ?」
男の言葉に、れいむは残った片目をぱちくりさせた。
「お前が泣き叫ぶのを見たくてほっぺたをそんなに叩いたんだ」
「そんな……」
「お前が動くという自由を奪われ、絶望するのが見たくてあんよを焼いたんだ」
「そんな、そんな……」
「お前が痛みと光を失う苦しみにもだえるのが見たくて片目をえぐってやったんだ」
「そんな、そんな、そんなっ……!」
「ゆっくりの声はただの鳴き声で、生き物じゃないというやつもいる。でも俺にとっては
違う。ちゃんと考えて、喋ることができる。生きてるんだ。生きてるから楽しいんだ」
「そんなのまちがってるよ!」
「そうだな。間違ってると俺も思うよ。こんな趣味、人には言えない。でも、本当に間違
っているのはな、れいむ。お前が生きていることなんだ」
「ゆゆゆっ!? な、なにをいってるのぉぉぉ!?」
「考えてみろ。お前、虐待されて痛かったろ? 苦しかったろ? 悲しかったろ?」
「そうだよ! すっごくすっごくゆっくりできなかったよ!」
「生きていなければ、そんな思いしないで済んだのに」
「ゆゆう!?」
「そもそもお前らゆっくりが生きていなければ俺は虐待なんてしようと思わなかった」
「れいむがいきていたから……なんて……」
「だいたい饅頭が生きていること自体、間違ってるよなあ」
「れいむは……おまんじゅうさんじゃ……ないぃ……」
「そんな……」
「お前が動くという自由を奪われ、絶望するのが見たくてあんよを焼いたんだ」
「そんな、そんな……」
「お前が痛みと光を失う苦しみにもだえるのが見たくて片目をえぐってやったんだ」
「そんな、そんな、そんなっ……!」
「ゆっくりの声はただの鳴き声で、生き物じゃないというやつもいる。でも俺にとっては
違う。ちゃんと考えて、喋ることができる。生きてるんだ。生きてるから楽しいんだ」
「そんなのまちがってるよ!」
「そうだな。間違ってると俺も思うよ。こんな趣味、人には言えない。でも、本当に間違
っているのはな、れいむ。お前が生きていることなんだ」
「ゆゆゆっ!? な、なにをいってるのぉぉぉ!?」
「考えてみろ。お前、虐待されて痛かったろ? 苦しかったろ? 悲しかったろ?」
「そうだよ! すっごくすっごくゆっくりできなかったよ!」
「生きていなければ、そんな思いしないで済んだのに」
「ゆゆう!?」
「そもそもお前らゆっくりが生きていなければ俺は虐待なんてしようと思わなかった」
「れいむがいきていたから……なんて……」
「だいたい饅頭が生きていること自体、間違ってるよなあ」
「れいむは……おまんじゅうさんじゃ……ないぃ……」
その存在のおかしさを問われ、れいむは自分のあらためて自分の現状を省みた。
髪はほとんど引き抜かれ、片目はつぶされ、あんよも焼かれた。もはやまともには生きて
いけないことは餡子脳でも理解できた。
そして、生きていることが間違いだと言われた。
男の身勝手な理屈を、単純すぎる餡子脳は心理として誤解してしまった。
だから、絶望した。
髪はほとんど引き抜かれ、片目はつぶされ、あんよも焼かれた。もはやまともには生きて
いけないことは餡子脳でも理解できた。
そして、生きていることが間違いだと言われた。
男の身勝手な理屈を、単純すぎる餡子脳は心理として誤解してしまった。
だから、絶望した。
「……れいむをころしてね」
れいむは静かに涙を流しながら、男に願った。
生きていることが間違いなら、死ぬことが正しいのだ。
死の際にありながら、れいむのこころはおだやかだった。今までのゆん生で感じたことの
ない、実にゆっくりした気持ちだった。
そんなれいむの願いに、男はさわやかな笑顔で答えた。
生きていることが間違いなら、死ぬことが正しいのだ。
死の際にありながら、れいむのこころはおだやかだった。今までのゆん生で感じたことの
ない、実にゆっくりした気持ちだった。
そんなれいむの願いに、男はさわやかな笑顔で答えた。
「お断りだ」
・
・
・
・
・
気がつくと、れいむは元いた森にいた。
傷はほとんどが治っていた。頬の腫れは引き、あんよは前ほど元気に動かせそうにはない
がはいずる分には十分なほどに修復されていた。抜かれた髪とえぐられた片目はなおらな
かったが、どうにか生きていけるほどに回復していた。
目の前には食べ物が積み上げられている。れいむが一週間は食べるのに困らない量だ。
れいむはあたりをみまわした。
暖かな日差し。木々の香る青臭い匂い。優しい風。すべてが生のすばらしさを歌っている。
世界は生に満ちあふれていた。なにもかもが優しかった。残酷なほどに優しかった。
傷はほとんどが治っていた。頬の腫れは引き、あんよは前ほど元気に動かせそうにはない
がはいずる分には十分なほどに修復されていた。抜かれた髪とえぐられた片目はなおらな
かったが、どうにか生きていけるほどに回復していた。
目の前には食べ物が積み上げられている。れいむが一週間は食べるのに困らない量だ。
れいむはあたりをみまわした。
暖かな日差し。木々の香る青臭い匂い。優しい風。すべてが生のすばらしさを歌っている。
世界は生に満ちあふれていた。なにもかもが優しかった。残酷なほどに優しかった。
・「れいむはこそだてじょうずなんだよ!」の間違い
「れいむはこそだてがじょうずなんだよおおお! だからすてないでええええ!」
れいむは飼いゆっくりとして、いままでずっとゆっくりとした暮らしを送ってきた。
たくさんのあまあま。快適なお部屋の中で、何度もおちびちゃんを産んで、みんな立派な
ゆっくりに育て上げてきた。
ところがある日、突然告げられたのだ。
たくさんのあまあま。快適なお部屋の中で、何度もおちびちゃんを産んで、みんな立派な
ゆっくりに育て上げてきた。
ところがある日、突然告げられたのだ。
「れいむ。お前はたくさん子供を産んできた。もう限界だ。子供は産めない。だから、お
前を捨てる」
前を捨てる」
そしてれいむは透明な箱に詰められ、こうして男の手により運ばれているのだ。
れいむのいくら泣き叫んでも、男は歩みを止めることなく無視した。
だが、
れいむのいくら泣き叫んでも、男は歩みを止めることなく無視した。
だが、
「子育てが上手、か」
男は初めてれいむの言葉に反応した。
れいむはそこに救いを見いだした。
れいむはそこに救いを見いだした。
「そうだよ! れいむはこそだてがじょうずなんだよ! だからおにいさん、すてないで
えええ!」
えええ!」
れいむはすがるように泣き叫ぶ。必死だった。これを逃せばチャンスはもうないことぐら
い、巡りの悪い餡子脳でも理解できていた。
だが、男から返ってきたのは餡子脳には想像もつかないことだった。
い、巡りの悪い餡子脳でも理解できていた。
だが、男から返ってきたのは餡子脳には想像もつかないことだった。
「知ってるか? 『れいむは子育てが上手』ってのは、ゆっくりってナマモノが持つ迷信
……間違いなんだぞ?」
「ゆゆう!?」
……間違いなんだぞ?」
「ゆゆう!?」
れいむは透明な箱の中で飛び上がった。
「れいむは子育てが上手」……これは、れいむにとって生まれたときから知っている知識
であり、実践してきたことなのだ。否定することなど夢にも思わない常識なのだ。
男はいままでれいむが見たことのない、酷薄な笑みを浮かべて語り始めた。
「れいむは子育てが上手」……これは、れいむにとって生まれたときから知っている知識
であり、実践してきたことなのだ。否定することなど夢にも思わない常識なのだ。
男はいままでれいむが見たことのない、酷薄な笑みを浮かべて語り始めた。
「子育てが上手って、お前なにができるっていうんだよ?」
「お、おうたをおしえてあげたり、いっしょにすーりすりしてあげたり……」
「そんなの、他のゆっくりだってできるだろう。まりさならそれに加えて狩りを教えられ
る。ぱちゅりーなら『賢者の知恵』を教えられるし、ありすなら『とかいは』だ。まあ、
どいつも大して変わらない。どんなゆっくりだって子育てはそれなりにできるさ。れいむ
だけが特別ってわけじゃない」
「ゆ、ゆうう……」
「お、おうたをおしえてあげたり、いっしょにすーりすりしてあげたり……」
「そんなの、他のゆっくりだってできるだろう。まりさならそれに加えて狩りを教えられ
る。ぱちゅりーなら『賢者の知恵』を教えられるし、ありすなら『とかいは』だ。まあ、
どいつも大して変わらない。どんなゆっくりだって子育てはそれなりにできるさ。れいむ
だけが特別ってわけじゃない」
「ゆ、ゆうう……」
男の指摘にれいむは言い返せない。「れいむは子育てが上手」というのは漠然と、餡子脳
に最初からあった知識であり、今まで疑問に思うことなどなかった。だから、根拠などな
いのだ。
に最初からあった知識であり、今まで疑問に思うことなどなかった。だから、根拠などな
いのだ。
「にも関わらず、お前らゆっくりは『れいむは子育て上手』だと信じてる。なぜだかわか
るか?」
「………」
「答えられないか。まあ、じつのところ理由は簡単だ。統計で出てる。『れいむを母親に
持つゆっくりは、おとなまで育つ可能性が高い』んだ。どうしてかわかるか?」
「そ、それはれいむがおちびちゃんをとってもゆっくりしたゆっくりにそだてるから……」
「だかられいむが特別子育てがうまいわけじゃないっつってんだろ?」
「ゆ、ゆうぅぅ!」
るか?」
「………」
「答えられないか。まあ、じつのところ理由は簡単だ。統計で出てる。『れいむを母親に
持つゆっくりは、おとなまで育つ可能性が高い』んだ。どうしてかわかるか?」
「そ、それはれいむがおちびちゃんをとってもゆっくりしたゆっくりにそだてるから……」
「だかられいむが特別子育てがうまいわけじゃないっつってんだろ?」
「ゆ、ゆうぅぅ!」
男の声にれいむは震える。
男は今までれいむの世話をしてくれた優しい人間だった。だが突然捨てると言ってから、
全然ゆっくりしていない。そのギャップと、語られるゆっくりできないことがなおさられ
いむをおびえさせるのだ。
そんなれいむを見ながら、男は満足そうに笑う。
男は今までれいむの世話をしてくれた優しい人間だった。だが突然捨てると言ってから、
全然ゆっくりしていない。そのギャップと、語られるゆっくりできないことがなおさられ
いむをおびえさせるのだ。
そんなれいむを見ながら、男は満足そうに笑う。
「そうそう。ゆっくりはおびえてるのが一番いい。いっつもしあわせそうにしてやがるお
前の世話をするのは嫌だったんだ。ずっとむかついてたんだよ」
「お、おにいさん……?」
「さて、『れいむは子育てが上手』という迷信の真相を教えてやろう。それはな、れいむ
種というゆっくりが、多産なことに加えて、生まれる赤ゆっくりが丈夫な傾向にあるから
なんだよ」
「たざん……? けーこー……?」
「あー、つまりだ。元気なあかちゃんをいっぱいうむってことだ。これがれいむ種最大の
特徴だ」
「そ、そうだよ! あかちゃんがいっぱいいるとゆっくりできるんだよ!」
「そう、お前等はそういう風に考える。だから赤ゆっくりをいっぱい産むれいむ種は優れ
た母親に見える。加えて丈夫な子だから、おとなまで育つ可能性が高い。結果、『子育て
が上手』に見える」
「ゆぅぅ? どういうことなの?」
「お前にもわかるように言うと、れいむってのは『子育てが上手』なんじゃなくて、『子
づくりが上手』なんだよ」
「ゆがーん!」
前の世話をするのは嫌だったんだ。ずっとむかついてたんだよ」
「お、おにいさん……?」
「さて、『れいむは子育てが上手』という迷信の真相を教えてやろう。それはな、れいむ
種というゆっくりが、多産なことに加えて、生まれる赤ゆっくりが丈夫な傾向にあるから
なんだよ」
「たざん……? けーこー……?」
「あー、つまりだ。元気なあかちゃんをいっぱいうむってことだ。これがれいむ種最大の
特徴だ」
「そ、そうだよ! あかちゃんがいっぱいいるとゆっくりできるんだよ!」
「そう、お前等はそういう風に考える。だから赤ゆっくりをいっぱい産むれいむ種は優れ
た母親に見える。加えて丈夫な子だから、おとなまで育つ可能性が高い。結果、『子育て
が上手』に見える」
「ゆぅぅ? どういうことなの?」
「お前にもわかるように言うと、れいむってのは『子育てが上手』なんじゃなくて、『子
づくりが上手』なんだよ」
「ゆがーん!」
男の言葉はれいむにも理解できた。
子づくりが上手。だから子育てが上手に見えるだけ。
れいむは今までたくさんの赤ゆっくりを産んできた。立派なおとなに育て上げてきた。自
分は子育ての名人だと思っていた。
それが間違いだと知らされたのだ。今までのゆん生を否定されたのに等しい。
疑問は解けた。だが、もうひとつの疑問があった。
子づくりが上手。だから子育てが上手に見えるだけ。
れいむは今までたくさんの赤ゆっくりを産んできた。立派なおとなに育て上げてきた。自
分は子育ての名人だと思っていた。
それが間違いだと知らされたのだ。今までのゆん生を否定されたのに等しい。
疑問は解けた。だが、もうひとつの疑問があった。
「どぼじで……ぞんなごどいうの……?」
今まで優しく自分の世話をしてくれた男が、れいむにひどいことばかりを言う。そのこと
がれいむにとって疑問だったのだ。
がれいむにとって疑問だったのだ。
「ああ、それは俺が加工場の職員で、お前が廃棄処分になった生産用のゆっくりだからだ
よ」
「か、かこうじょうおおおお!?」
「ああ、そうだよ。お前は知らなかっただろうけどな。お前が育てたゆっくりどもはみん
な加工されて菓子として出荷されたよ。喜べ、お前の『おちびちゃん』たちは、みんな高
級品として売られて大好評だ」
「ぞ、ぞ、ぞんなあああああ!?」
よ」
「か、かこうじょうおおおお!?」
「ああ、そうだよ。お前は知らなかっただろうけどな。お前が育てたゆっくりどもはみん
な加工されて菓子として出荷されたよ。喜べ、お前の『おちびちゃん』たちは、みんな高
級品として売られて大好評だ」
「ぞ、ぞ、ぞんなあああああ!?」
れいむは高級品生産専用のゆっくりだった。
ここが加工場であることをまったく知らされず、何一つ不自由なことなく子供を産み、育
てていく。子供も成体ゆっくりに育つまでは実にゆっくりと過ごす。
そして、成体ゆっくりまで育ったところでれいむには「飼い主に引き取られることになっ
た」と告げられ、実際には加工されるのだ。
まったくストレスのないゆっくりした生活から急転直下、加工場の技術の粋を凝らした特
場の虐待を受ける。その落差が高品質な甘みを生み出すのだ。
そして生産用だったれいむは、経年劣化によりその機能を失ったため、処分されることに
なったわけである。
ここが加工場であることをまったく知らされず、何一つ不自由なことなく子供を産み、育
てていく。子供も成体ゆっくりに育つまでは実にゆっくりと過ごす。
そして、成体ゆっくりまで育ったところでれいむには「飼い主に引き取られることになっ
た」と告げられ、実際には加工されるのだ。
まったくストレスのないゆっくりした生活から急転直下、加工場の技術の粋を凝らした特
場の虐待を受ける。その落差が高品質な甘みを生み出すのだ。
そして生産用だったれいむは、経年劣化によりその機能を失ったため、処分されることに
なったわけである。
「そんな、そんな、そんな……」
子育てが得意という、唯一ともいっていいアイデンティティの崩壊。
そして、今でもゆっくりと過ごしているに違いないと思っていたおちびちゃんたちが加工
場の製品として悲惨な結末を受けていたこと。
今までのゆん生すべての完全否定。
れいむは絶望に打ちひしがれ、ぐんにょりと潰れた。
そして、今でもゆっくりと過ごしているに違いないと思っていたおちびちゃんたちが加工
場の製品として悲惨な結末を受けていたこと。
今までのゆん生すべての完全否定。
れいむは絶望に打ちひしがれ、ぐんにょりと潰れた。
「お? いい感じで絶望したな。どれどれ……」
男は透明な箱のふたを開くと、れいむに人差し指をぶすりと突き刺した。相当な痛みがあ
るだろうに、絶望に打ちひしがれたれいむはびくりと一回、震えただけだった。
指を抜き、男はぺろりとひと舐め。
るだろうに、絶望に打ちひしがれたれいむはびくりと一回、震えただけだった。
指を抜き、男はぺろりとひと舐め。
「うーん、微妙。やっぱりこいつ、子づくりしか能がねえなあ」
男の追い打ちの言葉。だが、すべてを否定され絶望に沈んだれいむが反応をかえすことは
なかった。
なかった。
了
by触発あき
挿絵 byM1
・過去作品
ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐!
ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口
ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ!
ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談
ふたば系ゆっくりいじめ 199 ゆっくりたねをまいてね!
ふたば系ゆっくりいじめ 201 ゆっくりはじけてね!
ふたば系ゆっくりいじめ 204 餡小話の感想れいむ・その後
ふたば系ゆっくりいじめ 211 むかしなつかしゆーどろ遊び
ふたば系ゆっくりいじめ 213 制裁は誰がために
ふたば系ゆっくりいじめ 233 どすらりー
ふたば系ゆっくりいじめ 465 おぼうしをおいかけて
ふたば系ゆっくりいじめ 469 おぼうしをぶん投げて
ふたば系ゆっくりいじめ 478 おぼうしのなかにあったもの
ふたば系ゆっくりいじめ 513 ネリアン
ふたば系ゆっくりいじめ 534 ラストれいむロストホープ
ふたば系ゆっくりいじめ 537 地べたを這いずる饅頭の瞳に映る世界
ふたば系ゆっくりいじめ 574 けがれなきゆっくりパーク
ふたば系ゆっくりいじめ 596 復讐の為の人生なんて
ふたば系ゆっくりいじめ 611 とくべつなあまあま
ふたば系ゆっくりいじめ 656 かなう願いかなわぬ望み
ふたば系ゆっくりいじめ 695 おうち宣言成立理由
ふたば系ゆっくりいじめ 837 よいこのれいむとゆっくりしよう
ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐!
ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口
ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ!
ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談
ふたば系ゆっくりいじめ 199 ゆっくりたねをまいてね!
ふたば系ゆっくりいじめ 201 ゆっくりはじけてね!
ふたば系ゆっくりいじめ 204 餡小話の感想れいむ・その後
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ふたば系ゆっくりいじめ 478 おぼうしのなかにあったもの
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ふたば系ゆっくりいじめ 695 おうち宣言成立理由
ふたば系ゆっくりいじめ 837 よいこのれいむとゆっくりしよう
nue010 anko705のあの人の人生
nue034 anko767のおねえさん一問一答.txt
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上記より前の過去作品一覧は下記作品に収録
ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね!
ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね!
挿絵:M1