ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0770 よくあるお話
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ankoss
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・ササッと読める話を目指しました。よって盛り上がりどころはないです。
では、ゆっくりしていってね!!!
とある昼間の住宅街。
学校帰りと思われる三人の小学生が歩いています。
「今日は何して遊ぼっか?」
「ん~…久しぶりに高鬼やりてえ!」
「えー?やだ!絶対ケンちゃんが勝っちゃうんだもん」
「それじゃ何すんだよ。まさかおままごと(笑)とか?」
「ち、違うもん。でももっとおとなしい遊びがいいの!」
上から、小柄な男の子。大柄で気の強そうな男の子。そして髪を小さくまとめた女の子。
歩きながら、ああでもないこうでもないと言い合っています。
そんな彼らのところに―――
「おいちび!」 「へ?」
急に呼びかけられ、その方向へ視線を向けてもそこには誰も居ません。
おかしいな、と思い更に視線を下に向けると・・・
「まりささまがよんだんだからさっさとへんじをするのぜ!!」
「ばかがきはこれだからいやだね!かわいいれいむをみならってほしいよ!」
「しかたないわよ。どこからどうみてもこのちびたちいなかものだもの!!」
上から、ゆっくりまりさ、ゆっくりれいむ、ゆっくりありすと呼ばれる不思議饅頭がそこには居ました。
汚れた身なりや下卑た言動から察するに、どうやら野良のようです。
「あ、ゆっくりだね」
「ああ、これが。教科書くらいでしか見た事ないから知らねえや」
「うわー、汚くて気持ち悪い……」
何でもないといった素振りの者。
物珍しそうな目で見る者。
泥やゴミにまみれて汚いゆっくりに、眉を顰める者。
ゆっくりの言う事には耳を貸さずに、三者三様の反応を見せています。
そしてそれからまもなく、小柄な少年が言い出しました。
「じゃ、さっさと行こうよ。遊ぶ時間無くなっちゃうよ」
「え?こいつら放っといていいのかよ。ウチの母さんがゆっくりは害獣だって言ってたぜ。駆除しねーと」
「やめてよ。こんな汚くて気持ち悪いのに触りたくないわ」
「え~、なんだよそれ。お前だってゆっくり飼ってるんだろ?おんなじじゃん」
「ちょっと!こんなのとウチのさなえを一緒にしないでよ!!」
「ご、ごめん・・・」
「まあまあ。それはともかく、
先生が言ってた事聞かなかったの?野良ゆっくりとは関わっちゃ駄目だって」
「あー、言ってたっけそんなこと。そういえば言ってたような気もするな」
「いっつも寝ようとばっかりするからそうなのよ。ちょっとは真面目に聞きなさいよ」
「そういうこと。じゃ、いこっか。その内こいつらは誰かが潰してくれるよ」
「おー」
何も見ませんでした、といった様子で去ろうとする少年達。
しかし、当然ゆっくりがそれを見過ごすわけがありません。
「おいちびども!にげるんじゃないんだぜ!!」
「いくられいむたちがこわいからってにげれるとおもってるの?ばかなの?しぬの?」
「れいぎもしらないなんて、さすがはいなかもののこどもだわ」
その物言いに、今度はカチンときた大柄な少年。
「はあ?誰が逃げるって?」
「や、やめなよ!ついさっき納得したばかりじゃん!」
「おまえは腹立たないのかよ!」
「立たないよ。だってこいつら、これが鳴き声なんだから」
「え、そうなのか?」
「うん。こいつらはその時の気分や状況に合わせて幾つかのパターンで話すだけなんだって」
「でも私の家のさなえはちゃんと話せるよ?とってもいい子だもん」
「ちゃんとしつけられたゆっくりは知能が伸びるから話せるようになるんだってさ。
だからそういうのは教養が無い野良だけなんだって」
「そーなのかー」
「じゃ、いこうよ。正直僕もあんまり関わりたくないし」
「うーん……」
又もやそっちのけで唸っている子供達に、とうとうゆっくりが痺れを切らしました。
「うがあぁぁ!むじずるなぁぁぁ!!!
もういいんだぜ!さっさとあまあまよこすんだぜ!!」
「そうだよ!ちびたちがさからおうとしてもむだだよ!
れいむたちつよいんだよ!かてるわけないよ!!ぷくー!!!」
「それともそんなことがわからないほどおろかなのかしら」
「ふん!どっちでもいいんだぜ!さっさとよわむしなくそがきはしーしーもらすまえに『オラァ!』びゅげっ!?」
「やっちゃえま・・・りさ・・・?」
一番前に出て、吠えていたまりさが大柄な少年に蹴飛ばされました。
蹴られたまりさは壁に激突して痙攣しています。
死んではいません。しかし上顎が殆ど無くなって、舌先がえぐれています。
これでは話す事もままならないでしょう。
「ば、ば、ばでぃざぁぁぁぁ!!」
「なんてことするのぉ、ごのいながものぉぉぉ!!」
「ひゅー、ひゅー…はひはひょほふひはぁ……」
まりさはもはや虫の息です。
しかしそんな様子に一番驚いているのは、ゆっくりを蹴った少年でした。
「うわ、弱っ」
「ちょっと、何してるのさ!あれほどやめとこうって言ったのに!!」
「だって鳴き声って言われてもイラッて来たんだからしょうがないじゃん。
それにあんだけ大口叩くんだから、てっきりそれなりに強いのかなって・・・」
「そんなわけ無いじゃん!動く饅頭だよ!?こいつらバカなだけなんだって!
あーあ。残骸でグチャグチャじゃない。見つかったら怒られちゃうよ・・・」
その小柄な少年の物言いが、れいむの気に障ったようです。
「ゆがぁぁ!!でいぶばかじゃな゛い!!
ばでぃざやでいぶをいじめるくそちびはゆっぐりじねぇ!!」
「って言ってるけどどうする?これじゃきっと追ってくるぜ」
「やだ……やっつけてよ」
「しょうがないなぁ…潰しちゃだめだからね」
「よっしゃ、任せとけって」
「「ゆ゛っ!!?」」
許可を得た少年がゆっくり出来ない笑顔で迫ってきます。
予想外の展開に驚くのはゆっくりたち。
「ど、どおじてこっちくるのぉ!?やめてね、こないでね!!
あやばっでよぉ!!でいぶだぢこわいでじょ!?ぷ『うっせーよっと』う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ”!!!」
顔を膨らませようとしたところで、頬に蹴りを入れられました。
足は頬を突き破り口内に達した拍子に、
思わずバランスを崩して体重が掛かった少年の蹴り足がれいむの下顎を踏み抜きます。
「で、でいぶぅぅぅ!!」
「って、何いきなり約束破ってるのさ!!」
「ごめん!思ったより柔らかかったから勢いつきすぎてバランス崩しちまった!
…あー!靴が餡子まみれになっちまった!母さんに叱られる!!」
「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ………」
れいむは激痛のショックでピクピクと痙攣していました。
舌は半分千切れて、歯もなく、下顎の一部はあんよまでぺしゃんこに潰れています。
こちらもまりさと同じく生きているというよりも死んでないといったほうが的確な表現でしょう。
「まだ死んでないの?すっごく柔らかいのに」
「うん。饅頭だから脆いけど、餡子が無くならないと死ぬほど痛くても死ねないんだってさ」
「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!ばでぃざもでいぶもゆっぐりじでぇぇ゛ぇ゛!!!」
「くっそー。公園の水道であら・・・えないか。やっぱり」
叫ぶありすを余所に少年達は、頭を抱える大柄な少年を『言わんこっちゃない』と呆れた様子で笑っています。
そののどかな様子が、ありすには不可解でした。
「どおじでこんなことずるのぉぉ!!?」
「は?こっちの台詞だよ。何で俺達に話しかけたわけ?」
「にんげんのおちびはよわよわだから、あまあまさんをうばいとろうってまりさがいったのよぉ!」
「あー。そういうことか。まあたしかに大人にゃ負けるけど、お前らよりは強いみたいだな」
「ご、ごべんなざい!ゆるじでくだざい!!あでぃずがわるがっだでず!!もうじまぜんがら!!」
ありすは必死になって謝ります。他の二匹のようにはされたくないのでしょう。
「・・・なんか拍子抜けしちまったなあ。どうする?」
「許してあげてもいいんじゃないかしら。反省してるみたいだし…」
「まあいいんじゃないかな。反省はしてないみたいだけど」
小柄な少年の言葉に、他の少年や少女は眉を顰め、ありすはギョッとしました。
「どういうことだよ」
「さっきも言ったでしょ?こいつらの言葉は鳴き声だって。謝るのも鳴き声だよ。
何が悪いのかは解ってないけど、とりあえず謝っとけば人間相手なら生存確率は上がるからだって」
「マジかよ・・・」
「じゃあ試してみようか? ねえありす。何が悪かったのか言ってみてよ」
「ゆ゛っ!?あ、ありすは・・・あでぃずは・・・」
「どうしたの?何を許して欲しいの?何が悪かったの?何をもうしないの?」
ありすは口篭りました。少年の言うとおり、なにが悪いのか解っていないのですから当然でしょう。
ただ謝っておけば、と思わず口から出てしまっただけなのです。反省の心など欠片もありません。
それを見た大柄な少年は一歩前へ出ました。先程までとは違って、顔は全く笑っていません。
「気が変わった。やっぱこいつもやっとくわ」 「えぇ!?」 「どうしたの?」
「ゆっ、ゆるじでぐだざい!どがいはなあでぃずをゆるじでくだざい!!」
黙ってありすへ歩み寄る大柄な少年。
ありすは少年の顔を見て危機を感じて、顔をぐしゃぐしゃにしながら必死に命乞いを続けます。
「いながものっていってずびまぜんでじだ!だから「うるせーんだよ!!」・・・ゆがああぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
踵で目を蹴り抜かれたありすは絶叫して転がりまわります。
しかし少年の足に縫いとめられた後、もう片方の目も蹴り抜かれました。もう何も見えません。
「あ゛ぁ゛ぁ゛!!あでぃずのつぶらな゛おめ゛め゛!!どおじで!どぼじでぇぇぇ!!!」
目を潰した少年は冷淡な目で叫ありすを見下します。
「わかってねーな。俺は“悪いと思ってないのに謝った”から怒ってんだっつーの。
『ごめんなさいは気持ちを込めて』 今どき一年生でも知ってるぜ!」
「な゛にがわるがっだの!?あでぃずわがらないわ゛!どうでぼいいがらや゛べでぇぇ゛ぇ゛!!」
「…チッ。もういいや、喋んな。俺は嘘吐きと、口先だけのやつが大ッ嫌いなんだよ!!」
「ぎっ!?ぎぃぃ゛ぃ゛!!いひゃいぃぃ゛ぃ゛!!!」
それだけ言うと少年は真正面からありすの口に足を突っ込んで、そのまま舌ごと踏み潰しました。
「ああ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!い゛びゃい!あひひゅほほはいははへひへひはぁ!!」
おまけに踏み潰されついでにぺにぺにまで潰されてしまったようです。
これではもう、趣味だったそこら辺の野良ちびゆっくりれいぷをする事もできません。
「あー、これでいいや。これ以上靴汚すと本当に母さんに家から閉め出されちゃうし」
図らずもれいぱー魔の凶行を防いだ少年は、最初と違ってどこまでも冷め切った顔です。
「なんか、なんでこいつらに関わるなって先生が言ってたのか分かる気がする」
「情操教育上悪いってPTAからも苦情が来てるみたいだからね。
だからってすぐに何かできるわけじゃないし今は口だけの注意みたいだけど、
その内加工所から大掛かりな駆除チームが組まれるみたいだよ」
「じょうそうきょういく……?で、でもよかったわ。じゃあこれからはもうこんなの見なくて済むのね」
「・・・っていうか何でお前そんなに詳しいんだよ」
「近所に住んでる親戚の兄ちゃんが加工所で働いてるから色々聞けるんだよ。
でも正直言って聞いても難しい言葉だらけなんだよね。
僕もさっきから説明してる事の半分もわからないんだけど」
「なんだよそれー」
「あはははは。
さ!もう行こうよ。ほんとに時間無くなっちゃうし。何しよっか?」
「あ、そういえばミッちゃんが新しいゲーム買ったんだってさ。
みんなでできるやつだから遊びに来いって言ってたぜ!!」
「たまにはゲームも良いかもね。じゃ、行きましょ!」
子供達はもう道端に転がっている饅頭の事など忘れて、元気に駆けていきました。
残ったのは上顎や下顎を仲良く削られ、傷だらけになった野良ゆっくりだけです。
「ふぁひひゃほひゃひゅひぇひぇへ…はへはははいひょうひゃふぁひひゃほ……」
「ばんべがばいぼうばべいぶがごんばべに゛……」
「ふひゃひゃひゃひゃひゃ!ひゅっひひ!ひゅっひひぃぃぃ!!!」
何を言ってるのか、お互いでも理解する事ができないようです。
口が裂け、顎が砕かれ、目も舌もまむまむもぺにぺにもあんよも潰されてしまいました。
もうありすは何も見えません。まりさ以外は跳ねる事もできず、ずりずりと這いずるしかありません。
舌が潰れて何を食べても味がわかりません。そもそも歯が殆どなくなったので咀嚼ができません。
まともに話せもしません。すっきりもできません。ぷくーすらもできません。
ただでさえ弱いというのに、数少ない武器すら失ってしまったゆっくりたちの行く先は目に見えています。
今まで話し声が聞こえるというだけで警戒していた鴉も、もう容赦する事はないでしょう。
ぷくーに驚いて避けていた野良犬や野良猫も、これからは躊躇なく襲い掛かるでしょう。
餡子が少しずつ漏れ出るせいで何時、何処から蟻が這い登ってきて体内を食い荒らすのか、気が気ではありません。
そして何よりも自分達と同じ野良ゆっくりが、自分達が碌に抵抗もできないと知って何もかも奪っていくでしょう。
当然気持ち悪い見た目でボロボロの、汚い野良ゆっくりを助けようなどと思う人間など居る訳がありません。
必死に命乞いをしても、むしろ目障りだということで止めを刺されるであろうことも言うまでもありません。
それでもこの三匹は死んではいません。ろくに動けずとも、生きている以上はどんな苦痛からも逃げられません。
息絶えるその瞬間まで身をよじり、叫び、ただ命を少しずつ削っていくのでしょう。
しかしこれは特別な事ではありません。
身の程を知らずに、勝手に何かに突っかかっては無残で惨めな末路を辿る。
それは街で生きるゆっくりにとってはなんでもないお話。何も珍しい事などない、よくあるお話。
「「「ひゅっひゅひひゃひぇひぇぇぇぇ!!!」」」
ただ、それだけのお話でした。
・あとがき
最後のとおり、ただそれだけの話です。
鳴き声とは言うけど、思いもしないのに謝るとかゲスのすることじゃね? と思ったので書きました。
でもそれじゃ野良ゆっくりの九割はゲスになっちゃう気がするなぁ。
ではまた近いうちに!!
小五ロリあき
・過去作品
ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と
ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳
ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気
ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前
ふたば系ゆっくりいじめ 494 ドスと理想と長の資格 後
ふたば系ゆっくりいじめ 514 僕とさくやとおぜうさま
ふたば系ゆっくりいじめ 548 てんことれいむとフィーバーナイト 前編
ふたば系ゆっくりいじめ 559 てんことれいむとフィーバーナイト 後編
ふたば系ゆっくりいじめ 583 ゆっくりしたけりゃ余所へ行け
ふたば系ゆっくりいじめ 599 はじめてのくじょ~少女奮闘中~
ふたば系ゆっくりいじめ 615 お兄さんは静かに暮らしたい
では、ゆっくりしていってね!!!
とある昼間の住宅街。
学校帰りと思われる三人の小学生が歩いています。
「今日は何して遊ぼっか?」
「ん~…久しぶりに高鬼やりてえ!」
「えー?やだ!絶対ケンちゃんが勝っちゃうんだもん」
「それじゃ何すんだよ。まさかおままごと(笑)とか?」
「ち、違うもん。でももっとおとなしい遊びがいいの!」
上から、小柄な男の子。大柄で気の強そうな男の子。そして髪を小さくまとめた女の子。
歩きながら、ああでもないこうでもないと言い合っています。
そんな彼らのところに―――
「おいちび!」 「へ?」
急に呼びかけられ、その方向へ視線を向けてもそこには誰も居ません。
おかしいな、と思い更に視線を下に向けると・・・
「まりささまがよんだんだからさっさとへんじをするのぜ!!」
「ばかがきはこれだからいやだね!かわいいれいむをみならってほしいよ!」
「しかたないわよ。どこからどうみてもこのちびたちいなかものだもの!!」
上から、ゆっくりまりさ、ゆっくりれいむ、ゆっくりありすと呼ばれる不思議饅頭がそこには居ました。
汚れた身なりや下卑た言動から察するに、どうやら野良のようです。
「あ、ゆっくりだね」
「ああ、これが。教科書くらいでしか見た事ないから知らねえや」
「うわー、汚くて気持ち悪い……」
何でもないといった素振りの者。
物珍しそうな目で見る者。
泥やゴミにまみれて汚いゆっくりに、眉を顰める者。
ゆっくりの言う事には耳を貸さずに、三者三様の反応を見せています。
そしてそれからまもなく、小柄な少年が言い出しました。
「じゃ、さっさと行こうよ。遊ぶ時間無くなっちゃうよ」
「え?こいつら放っといていいのかよ。ウチの母さんがゆっくりは害獣だって言ってたぜ。駆除しねーと」
「やめてよ。こんな汚くて気持ち悪いのに触りたくないわ」
「え~、なんだよそれ。お前だってゆっくり飼ってるんだろ?おんなじじゃん」
「ちょっと!こんなのとウチのさなえを一緒にしないでよ!!」
「ご、ごめん・・・」
「まあまあ。それはともかく、
先生が言ってた事聞かなかったの?野良ゆっくりとは関わっちゃ駄目だって」
「あー、言ってたっけそんなこと。そういえば言ってたような気もするな」
「いっつも寝ようとばっかりするからそうなのよ。ちょっとは真面目に聞きなさいよ」
「そういうこと。じゃ、いこっか。その内こいつらは誰かが潰してくれるよ」
「おー」
何も見ませんでした、といった様子で去ろうとする少年達。
しかし、当然ゆっくりがそれを見過ごすわけがありません。
「おいちびども!にげるんじゃないんだぜ!!」
「いくられいむたちがこわいからってにげれるとおもってるの?ばかなの?しぬの?」
「れいぎもしらないなんて、さすがはいなかもののこどもだわ」
その物言いに、今度はカチンときた大柄な少年。
「はあ?誰が逃げるって?」
「や、やめなよ!ついさっき納得したばかりじゃん!」
「おまえは腹立たないのかよ!」
「立たないよ。だってこいつら、これが鳴き声なんだから」
「え、そうなのか?」
「うん。こいつらはその時の気分や状況に合わせて幾つかのパターンで話すだけなんだって」
「でも私の家のさなえはちゃんと話せるよ?とってもいい子だもん」
「ちゃんとしつけられたゆっくりは知能が伸びるから話せるようになるんだってさ。
だからそういうのは教養が無い野良だけなんだって」
「そーなのかー」
「じゃ、いこうよ。正直僕もあんまり関わりたくないし」
「うーん……」
又もやそっちのけで唸っている子供達に、とうとうゆっくりが痺れを切らしました。
「うがあぁぁ!むじずるなぁぁぁ!!!
もういいんだぜ!さっさとあまあまよこすんだぜ!!」
「そうだよ!ちびたちがさからおうとしてもむだだよ!
れいむたちつよいんだよ!かてるわけないよ!!ぷくー!!!」
「それともそんなことがわからないほどおろかなのかしら」
「ふん!どっちでもいいんだぜ!さっさとよわむしなくそがきはしーしーもらすまえに『オラァ!』びゅげっ!?」
「やっちゃえま・・・りさ・・・?」
一番前に出て、吠えていたまりさが大柄な少年に蹴飛ばされました。
蹴られたまりさは壁に激突して痙攣しています。
死んではいません。しかし上顎が殆ど無くなって、舌先がえぐれています。
これでは話す事もままならないでしょう。
「ば、ば、ばでぃざぁぁぁぁ!!」
「なんてことするのぉ、ごのいながものぉぉぉ!!」
「ひゅー、ひゅー…はひはひょほふひはぁ……」
まりさはもはや虫の息です。
しかしそんな様子に一番驚いているのは、ゆっくりを蹴った少年でした。
「うわ、弱っ」
「ちょっと、何してるのさ!あれほどやめとこうって言ったのに!!」
「だって鳴き声って言われてもイラッて来たんだからしょうがないじゃん。
それにあんだけ大口叩くんだから、てっきりそれなりに強いのかなって・・・」
「そんなわけ無いじゃん!動く饅頭だよ!?こいつらバカなだけなんだって!
あーあ。残骸でグチャグチャじゃない。見つかったら怒られちゃうよ・・・」
その小柄な少年の物言いが、れいむの気に障ったようです。
「ゆがぁぁ!!でいぶばかじゃな゛い!!
ばでぃざやでいぶをいじめるくそちびはゆっぐりじねぇ!!」
「って言ってるけどどうする?これじゃきっと追ってくるぜ」
「やだ……やっつけてよ」
「しょうがないなぁ…潰しちゃだめだからね」
「よっしゃ、任せとけって」
「「ゆ゛っ!!?」」
許可を得た少年がゆっくり出来ない笑顔で迫ってきます。
予想外の展開に驚くのはゆっくりたち。
「ど、どおじてこっちくるのぉ!?やめてね、こないでね!!
あやばっでよぉ!!でいぶだぢこわいでじょ!?ぷ『うっせーよっと』う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ”!!!」
顔を膨らませようとしたところで、頬に蹴りを入れられました。
足は頬を突き破り口内に達した拍子に、
思わずバランスを崩して体重が掛かった少年の蹴り足がれいむの下顎を踏み抜きます。
「で、でいぶぅぅぅ!!」
「って、何いきなり約束破ってるのさ!!」
「ごめん!思ったより柔らかかったから勢いつきすぎてバランス崩しちまった!
…あー!靴が餡子まみれになっちまった!母さんに叱られる!!」
「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ………」
れいむは激痛のショックでピクピクと痙攣していました。
舌は半分千切れて、歯もなく、下顎の一部はあんよまでぺしゃんこに潰れています。
こちらもまりさと同じく生きているというよりも死んでないといったほうが的確な表現でしょう。
「まだ死んでないの?すっごく柔らかいのに」
「うん。饅頭だから脆いけど、餡子が無くならないと死ぬほど痛くても死ねないんだってさ」
「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!ばでぃざもでいぶもゆっぐりじでぇぇ゛ぇ゛!!!」
「くっそー。公園の水道であら・・・えないか。やっぱり」
叫ぶありすを余所に少年達は、頭を抱える大柄な少年を『言わんこっちゃない』と呆れた様子で笑っています。
そののどかな様子が、ありすには不可解でした。
「どおじでこんなことずるのぉぉ!!?」
「は?こっちの台詞だよ。何で俺達に話しかけたわけ?」
「にんげんのおちびはよわよわだから、あまあまさんをうばいとろうってまりさがいったのよぉ!」
「あー。そういうことか。まあたしかに大人にゃ負けるけど、お前らよりは強いみたいだな」
「ご、ごべんなざい!ゆるじでくだざい!!あでぃずがわるがっだでず!!もうじまぜんがら!!」
ありすは必死になって謝ります。他の二匹のようにはされたくないのでしょう。
「・・・なんか拍子抜けしちまったなあ。どうする?」
「許してあげてもいいんじゃないかしら。反省してるみたいだし…」
「まあいいんじゃないかな。反省はしてないみたいだけど」
小柄な少年の言葉に、他の少年や少女は眉を顰め、ありすはギョッとしました。
「どういうことだよ」
「さっきも言ったでしょ?こいつらの言葉は鳴き声だって。謝るのも鳴き声だよ。
何が悪いのかは解ってないけど、とりあえず謝っとけば人間相手なら生存確率は上がるからだって」
「マジかよ・・・」
「じゃあ試してみようか? ねえありす。何が悪かったのか言ってみてよ」
「ゆ゛っ!?あ、ありすは・・・あでぃずは・・・」
「どうしたの?何を許して欲しいの?何が悪かったの?何をもうしないの?」
ありすは口篭りました。少年の言うとおり、なにが悪いのか解っていないのですから当然でしょう。
ただ謝っておけば、と思わず口から出てしまっただけなのです。反省の心など欠片もありません。
それを見た大柄な少年は一歩前へ出ました。先程までとは違って、顔は全く笑っていません。
「気が変わった。やっぱこいつもやっとくわ」 「えぇ!?」 「どうしたの?」
「ゆっ、ゆるじでぐだざい!どがいはなあでぃずをゆるじでくだざい!!」
黙ってありすへ歩み寄る大柄な少年。
ありすは少年の顔を見て危機を感じて、顔をぐしゃぐしゃにしながら必死に命乞いを続けます。
「いながものっていってずびまぜんでじだ!だから「うるせーんだよ!!」・・・ゆがああぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
踵で目を蹴り抜かれたありすは絶叫して転がりまわります。
しかし少年の足に縫いとめられた後、もう片方の目も蹴り抜かれました。もう何も見えません。
「あ゛ぁ゛ぁ゛!!あでぃずのつぶらな゛おめ゛め゛!!どおじで!どぼじでぇぇぇ!!!」
目を潰した少年は冷淡な目で叫ありすを見下します。
「わかってねーな。俺は“悪いと思ってないのに謝った”から怒ってんだっつーの。
『ごめんなさいは気持ちを込めて』 今どき一年生でも知ってるぜ!」
「な゛にがわるがっだの!?あでぃずわがらないわ゛!どうでぼいいがらや゛べでぇぇ゛ぇ゛!!」
「…チッ。もういいや、喋んな。俺は嘘吐きと、口先だけのやつが大ッ嫌いなんだよ!!」
「ぎっ!?ぎぃぃ゛ぃ゛!!いひゃいぃぃ゛ぃ゛!!!」
それだけ言うと少年は真正面からありすの口に足を突っ込んで、そのまま舌ごと踏み潰しました。
「ああ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!い゛びゃい!あひひゅほほはいははへひへひはぁ!!」
おまけに踏み潰されついでにぺにぺにまで潰されてしまったようです。
これではもう、趣味だったそこら辺の野良ちびゆっくりれいぷをする事もできません。
「あー、これでいいや。これ以上靴汚すと本当に母さんに家から閉め出されちゃうし」
図らずもれいぱー魔の凶行を防いだ少年は、最初と違ってどこまでも冷め切った顔です。
「なんか、なんでこいつらに関わるなって先生が言ってたのか分かる気がする」
「情操教育上悪いってPTAからも苦情が来てるみたいだからね。
だからってすぐに何かできるわけじゃないし今は口だけの注意みたいだけど、
その内加工所から大掛かりな駆除チームが組まれるみたいだよ」
「じょうそうきょういく……?で、でもよかったわ。じゃあこれからはもうこんなの見なくて済むのね」
「・・・っていうか何でお前そんなに詳しいんだよ」
「近所に住んでる親戚の兄ちゃんが加工所で働いてるから色々聞けるんだよ。
でも正直言って聞いても難しい言葉だらけなんだよね。
僕もさっきから説明してる事の半分もわからないんだけど」
「なんだよそれー」
「あはははは。
さ!もう行こうよ。ほんとに時間無くなっちゃうし。何しよっか?」
「あ、そういえばミッちゃんが新しいゲーム買ったんだってさ。
みんなでできるやつだから遊びに来いって言ってたぜ!!」
「たまにはゲームも良いかもね。じゃ、行きましょ!」
子供達はもう道端に転がっている饅頭の事など忘れて、元気に駆けていきました。
残ったのは上顎や下顎を仲良く削られ、傷だらけになった野良ゆっくりだけです。
「ふぁひひゃほひゃひゅひぇひぇへ…はへはははいひょうひゃふぁひひゃほ……」
「ばんべがばいぼうばべいぶがごんばべに゛……」
「ふひゃひゃひゃひゃひゃ!ひゅっひひ!ひゅっひひぃぃぃ!!!」
何を言ってるのか、お互いでも理解する事ができないようです。
口が裂け、顎が砕かれ、目も舌もまむまむもぺにぺにもあんよも潰されてしまいました。
もうありすは何も見えません。まりさ以外は跳ねる事もできず、ずりずりと這いずるしかありません。
舌が潰れて何を食べても味がわかりません。そもそも歯が殆どなくなったので咀嚼ができません。
まともに話せもしません。すっきりもできません。ぷくーすらもできません。
ただでさえ弱いというのに、数少ない武器すら失ってしまったゆっくりたちの行く先は目に見えています。
今まで話し声が聞こえるというだけで警戒していた鴉も、もう容赦する事はないでしょう。
ぷくーに驚いて避けていた野良犬や野良猫も、これからは躊躇なく襲い掛かるでしょう。
餡子が少しずつ漏れ出るせいで何時、何処から蟻が這い登ってきて体内を食い荒らすのか、気が気ではありません。
そして何よりも自分達と同じ野良ゆっくりが、自分達が碌に抵抗もできないと知って何もかも奪っていくでしょう。
当然気持ち悪い見た目でボロボロの、汚い野良ゆっくりを助けようなどと思う人間など居る訳がありません。
必死に命乞いをしても、むしろ目障りだということで止めを刺されるであろうことも言うまでもありません。
それでもこの三匹は死んではいません。ろくに動けずとも、生きている以上はどんな苦痛からも逃げられません。
息絶えるその瞬間まで身をよじり、叫び、ただ命を少しずつ削っていくのでしょう。
しかしこれは特別な事ではありません。
身の程を知らずに、勝手に何かに突っかかっては無残で惨めな末路を辿る。
それは街で生きるゆっくりにとってはなんでもないお話。何も珍しい事などない、よくあるお話。
「「「ひゅっひゅひひゃひぇひぇぇぇぇ!!!」」」
ただ、それだけのお話でした。
・あとがき
最後のとおり、ただそれだけの話です。
鳴き声とは言うけど、思いもしないのに謝るとかゲスのすることじゃね? と思ったので書きました。
でもそれじゃ野良ゆっくりの九割はゲスになっちゃう気がするなぁ。
ではまた近いうちに!!
小五ロリあき
・過去作品
ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と
ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳
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