ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0719 目指せ、ゆっくりユートピア
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ankoss
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れいむは旅に出る。
もう大人になったからだ。
れいむは旅に出る。
もう大人になったからだ。
そう告げると、妹は自分もおねーちゃんに付いて行くと言い張った。
おチビちゃんはまだ子供だから置いていく。
突き放してもまだ文句を言う妹がすぴすぴと泣いている間に、リュックを背負ってゆっくりれいむは旅に出る。
温かな寝床から巣立つ時だ。
おチビちゃんはまだ子供だから置いていく。
突き放してもまだ文句を言う妹がすぴすぴと泣いている間に、リュックを背負ってゆっくりれいむは旅に出る。
温かな寝床から巣立つ時だ。
~2~
さあ、冒険の始まりだよ!
さあ、冒険の始まりだよ!
おにーさんから貰ったピンク色の大きなリュックの中身は、
・非常食のおまんじゅう
・ジュースの入った哺乳瓶
・飼いゆっくりの証明バッジ
・おにーさん手作りの小さな絵本
それと、おにーさんのくれた大きな赤いリボンをつけて。
大人になったゆっくりにだって思い出は必要なのだから、
おにーさんのくれたゆっくりバッジも忘れないよ。
これで準備はカンペキだね。
・非常食のおまんじゅう
・ジュースの入った哺乳瓶
・飼いゆっくりの証明バッジ
・おにーさん手作りの小さな絵本
それと、おにーさんのくれた大きな赤いリボンをつけて。
大人になったゆっくりにだって思い出は必要なのだから、
おにーさんのくれたゆっくりバッジも忘れないよ。
これで準備はカンペキだね。
大きな赤いリボンを着けたれいむちゃんは、おうちの空気をたっぷり吸い込んで
ぷっくり膨らんだまま玄関の戸を押し開きました。
おや?
れいむちゃんは早くもホームシックにかかり、自分の旅の理由を思い出そうとしているみたい。
ご主人さまはおやつの時間になんて言っていたっけ?
ぷっくり膨らんだまま玄関の戸を押し開きました。
おや?
れいむちゃんは早くもホームシックにかかり、自分の旅の理由を思い出そうとしているみたい。
ご主人さまはおやつの時間になんて言っていたっけ?
ゆっくり回想開始―――――――――――――――――――――――――――――――
「むーしゃむーしゃ♪ ちぇあわちぇ~♪♪♪」
「あのさ、お前さ、大人のゆっくりっつーのはさ、やっぱし旅に出ないといけないわけよ」
「たび? たびってなぁに? クッチャクッチャ それってゆっくりできゅりゅの?」
「できるできる。
どこかにある”ユートピア”を探しつつ、結局はその行動自体がさ、
捜し求めた理想の場所だったという事実を逆説的に理解する過程が旅なのだよ」
「わかんないよー! ゆっくりできないよぉー!!」
「ぶっちゃけるとアレだ。公園を抜けたところにあるゆっくりランドが”ユートピア”だ」
「あのさ、お前さ、大人のゆっくりっつーのはさ、やっぱし旅に出ないといけないわけよ」
「たび? たびってなぁに? クッチャクッチャ それってゆっくりできゅりゅの?」
「できるできる。
どこかにある”ユートピア”を探しつつ、結局はその行動自体がさ、
捜し求めた理想の場所だったという事実を逆説的に理解する過程が旅なのだよ」
「わかんないよー! ゆっくりできないよぉー!!」
「ぶっちゃけるとアレだ。公園を抜けたところにあるゆっくりランドが”ユートピア”だ」
”ゆっくりランド”の名前を聞いて、れいむはとても興奮したのを覚えてる。
一度だけ連れて行ってもらったゆっくりランド。
あまあま食べ放題、お友達とも遊び放題ですっごく楽しかったゆっくりランド。
れいむは興奮して、おやつのお皿をひっくり返して叫びだした。
一度だけ連れて行ってもらったゆっくりランド。
あまあま食べ放題、お友達とも遊び放題ですっごく楽しかったゆっくりランド。
れいむは興奮して、おやつのお皿をひっくり返して叫びだした。
「おにーさん! れいむをゆっくりランドにもっかいつれてってね!
もっかいだよ! ぜったいだよ! ぜったいぜったいぜびっ」
奇声を上げたれいむの顔面に、おにーさんのシンプルな目潰しが入ったっけ。
もっかいだよ! ぜったいだよ! ぜったいぜったいぜびっ」
奇声を上げたれいむの顔面に、おにーさんのシンプルな目潰しが入ったっけ。
げほげほと餡子を吐き出しながら咳き込むれいむにおにーさんが話を続けた。
「落ち着いたか? 大丈夫か?」
「だひっ だひじょーぶだよ!」
「なら良かった。ココアもう一杯いる? 80℃ぐらいあるけど」
「け、けっこうだよ! おなかいっぱいだよ!
あのね、それでね、”ゆーとぴあ”っていったいなんなの?」
「落ち着いたか? 大丈夫か?」
「だひっ だひじょーぶだよ!」
「なら良かった。ココアもう一杯いる? 80℃ぐらいあるけど」
「け、けっこうだよ! おなかいっぱいだよ!
あのね、それでね、”ゆーとぴあ”っていったいなんなの?」
おにーさんはニッコリしながら教えてくれた。
「好きな時に寝られて、好きな時にご飯が食べられて、
好きな事が何でも出来る幸せなゆっくりプレイスさ」
「……おにーさんはすでに”ゆーとぴあ”にいきてるよね?」
「……次言ったら蹴り飛ばすぞ」
「ぶってからゆうのやめでぇぇぇ!」
「好きな時に寝られて、好きな時にご飯が食べられて、
好きな事が何でも出来る幸せなゆっくりプレイスさ」
「……おにーさんはすでに”ゆーとぴあ”にいきてるよね?」
「……次言ったら蹴り飛ばすぞ」
「ぶってからゆうのやめでぇぇぇ!」
ゆっくり回想終了―――――――――――――――――――――――――――――――
思い出した。
おにーさんには頭を叩かれたけど(正確には肘を入れられたけど)、
とにかくれいむちゃんはユートピアを理解したよね。
おにーさんがあの後で言うには、
ユートピアさえ見つければおにーさんもれいむちゃんも妹も、みんな幸せになれる。
そんな魔法の国がユートピアだって。公園の向こうのゆっくりランド。
れいむは一匹でそこに行った事は無いのだけれど、おにーさんと可愛い妹のためだもの。
お出かけするぐらい簡単!
そうだよね?
とにかくれいむちゃんはユートピアを理解したよね。
おにーさんがあの後で言うには、
ユートピアさえ見つければおにーさんもれいむちゃんも妹も、みんな幸せになれる。
そんな魔法の国がユートピアだって。公園の向こうのゆっくりランド。
れいむは一匹でそこに行った事は無いのだけれど、おにーさんと可愛い妹のためだもの。
お出かけするぐらい簡単!
そうだよね?
おにーさんにはお留守番してろって言われたけれど、
大人になったゆっくりれいむの好奇心は止められないね。
そっと玄関の階段から転がり落ちて、冷たいコンクリートの歩道に乗ったら、もう戻れない。
だってれいむちゃんはもう、一人前のゆっくりだからね。
大人になったゆっくりれいむの好奇心は止められないね。
そっと玄関の階段から転がり落ちて、冷たいコンクリートの歩道に乗ったら、もう戻れない。
だってれいむちゃんはもう、一人前のゆっくりだからね。
「おチビちゃん、ゆっくりしていってね!」
妹にも大きく別れの挨拶を済ませて前を見ます。
お庭でまだ妹がひんひん泣いているけれど、れいむちゃんは聞こえないふりをして進み始めるよ。
妹にも大きく別れの挨拶を済ませて前を見ます。
お庭でまだ妹がひんひん泣いているけれど、れいむちゃんは聞こえないふりをして進み始めるよ。
さぁ、大きなピンクのリュックを背負い直したら出発進行だね。
おにーさんの描いてくれた絵本の最後のページには、れいむちゃんにもわかるよう
”ユートピア”――ゆっくりランドへの素敵な地図が描いてあります。
賢いゆっくりれいむが旅に出て、たくさんの苦労をして
最後に幸せになるお話を描いた絵本。
おにーさんにこの絵本を読んでもらいながら、大声で歌うのがれいむちゃんの日課だったのです。
おにーさんの描いてくれた絵本の最後のページには、れいむちゃんにもわかるよう
”ユートピア”――ゆっくりランドへの素敵な地図が描いてあります。
賢いゆっくりれいむが旅に出て、たくさんの苦労をして
最後に幸せになるお話を描いた絵本。
おにーさんにこの絵本を読んでもらいながら、大声で歌うのがれいむちゃんの日課だったのです。
大丈夫、まだこの辺りは知っている人間さんばっかりだね!
ゆっくりにはちょっと重い荷物を抱えてよちよちと歩くれいむちゃん。
午後の住宅街をのんびり行く人達も、優しい目で見守っています。
ゆっくりにはちょっと重い荷物を抱えてよちよちと歩くれいむちゃん。
午後の住宅街をのんびり行く人達も、優しい目で見守っています。
れいむちゃんも知っている、近所のおばさんが話しかけてきました。
「れいむちゃんおつかい? 大変だねぇ」
「れーむはたびにでたんだよ! とめないでよね!」
「それはまた大変だね。 頑張ってねぇ」
「じゃあね! ゆっくりばいばいしてね!」
「れいむちゃんおつかい? 大変だねぇ」
「れーむはたびにでたんだよ! とめないでよね!」
「それはまた大変だね。 頑張ってねぇ」
「じゃあね! ゆっくりばいばいしてね!」
リボンとリュックを左右に振りながら、れいむちゃんは歌って旅に出ます。
まだまだユートピアへの道のりは遠いよ。
頑張って!
まだまだユートピアへの道のりは遠いよ。
頑張って!
~3~
さあ、今日は良く晴れた青空。
旅に出るには良い日和。
さあ、今日は良く晴れた青空。
旅に出るには良い日和。
ご主人様の家から右に曲がって、まっすぐ進んで、
横断歩道を左に渡って、公園を通ればそこは夢のゆっくりランド。
おにーさんがくれた絵本にはちゃんと描いてあります。
横断歩道を左に渡って、公園を通ればそこは夢のゆっくりランド。
おにーさんがくれた絵本にはちゃんと描いてあります。
「ゆっ……ゆっくりやすもうね……」
もう休憩?
まだ横断歩道にも着いてないよ?
もう休憩?
まだ横断歩道にも着いてないよ?
「あまあまがたりないよ……わかってりゅよね……」
おやおやれいむちゃんったら、道端にちょこんと座ったと思ったら
あっという間にリュックの中からお饅頭とジュースを出しておやつタイムだ。
ぺちゃぺちゃごきゅごきゅむーしゃむーしゃ。
おやおやれいむちゃんったら、道端にちょこんと座ったと思ったら
あっという間にリュックの中からお饅頭とジュースを出しておやつタイムだ。
ぺちゃぺちゃごきゅごきゅむーしゃむーしゃ。
「しらないおにーさんもたべる? ちょっとだけだよ!」
いえ結構。
「それなられいむひとりでたべるね! しあわせ~♪ しあわせぇ~♪ しあわせぇぇぇ~~ん♪」
でも、こんな明るい所でそんなにおいしそうに食べてると……
いえ結構。
「それなられいむひとりでたべるね! しあわせ~♪ しあわせぇ~♪ しあわせぇぇぇ~~ん♪」
でも、こんな明るい所でそんなにおいしそうに食べてると……
ニャア。
その鳴き声はとても甘えたように響きました。
れいむちゃんは賢くて優しい飼いゆっくりだったので、
不用意な媚びは決して、してはいけないと、
あの地獄のゆっくりしつけ教室で体で教わりました。
なのに目の前の大きな黒くて丸い物体――まぁ、どこかの飼いネコです――は
そんなれいむちゃんの生い立ちをを全然気にせず、
小さなもみあげに持ったお饅頭を見て、媚びるように、にゃあにゃあ鳴きます。
その鳴き声はとても甘えたように響きました。
れいむちゃんは賢くて優しい飼いゆっくりだったので、
不用意な媚びは決して、してはいけないと、
あの地獄のゆっくりしつけ教室で体で教わりました。
なのに目の前の大きな黒くて丸い物体――まぁ、どこかの飼いネコです――は
そんなれいむちゃんの生い立ちをを全然気にせず、
小さなもみあげに持ったお饅頭を見て、媚びるように、にゃあにゃあ鳴きます。
れいむちゃんはこの黒ネコさんの媚びを誰か他の人間に見咎められないか、
ネコだけじゃなく自分まで叱られるじゃないかと浅ましいゆっくりブレインを
「ちょっとしずかにしててね!」
ごめんなさい。
とにかくれいむちゃんは一種の緊張状態を保ったまま、黒ネコさんと会話します。
ネコだけじゃなく自分まで叱られるじゃないかと浅ましいゆっくりブレインを
「ちょっとしずかにしててね!」
ごめんなさい。
とにかくれいむちゃんは一種の緊張状態を保ったまま、黒ネコさんと会話します。
ゆっ! ゆ~ゆゆーんゆっ?
ニャア。
ゆっくりしてよね!
ニャア。
ゆっくりして
フゥゥゥゥッ!
ゆっ……ゆっくりしていってね……
ニャアー。
ニャア。
ゆっくりしてよね!
ニャア。
ゆっくりして
フゥゥゥゥッ!
ゆっ……ゆっくりしていってね……
ニャアー。
やがて、れいむちゃんは寂しそうな顔で、お饅頭を地面にそっと置きました。
ネコはとっても嬉しそう。
泣き出しそうな顔のまま、れいむちゃんは哺乳ビンに入ったジュースをきゅぷきゅぷと飲みました。
でも元気を出して。
れいむだけのお饅頭はなくなったけど、黒ネコさんの機嫌はいいみたい。
半分ぐらいなら返してもらえるかな?
ネコはとっても嬉しそう。
泣き出しそうな顔のまま、れいむちゃんは哺乳ビンに入ったジュースをきゅぷきゅぷと飲みました。
でも元気を出して。
れいむだけのお饅頭はなくなったけど、黒ネコさんの機嫌はいいみたい。
半分ぐらいなら返してもらえるかな?
そーっとそっと……
「ゆ」
「フギャァッ!」
「ゆぎぃぃっ!!」
ああ、あやうくれいむちゃんの首が冬空に舞ってしまうところでした。
「ゆ」
「フギャァッ!」
「ゆぎぃぃっ!!」
ああ、あやうくれいむちゃんの首が冬空に舞ってしまうところでした。
「おとなのせかいってリフジンだね……ゆっくりできてないよね……」
ネコパンチを慌てて避けてしりもちをつきながら、ひぃちゃんはしみじみと言いました。
ネコパンチを慌てて避けてしりもちをつきながら、ひぃちゃんはしみじみと言いました。
~4~
ネコさんの方を見ないようにして、だいぶ軽くなったリュックを背負って
れいむちゃんは横断歩道を目指します。
転んだ時にすりむいたお尻からは、暗い茶色の餡子の血がちょっとだけ流れていました。
ネコさんの方を見ないようにして、だいぶ軽くなったリュックを背負って
れいむちゃんは横断歩道を目指します。
転んだ時にすりむいたお尻からは、暗い茶色の餡子の血がちょっとだけ流れていました。
「なめればだいじょうぶだよ!」
また道路にへたり込んで、ゆっくり体を曲げて傷口をぺろぺろと舐めます。
「ゆゆぅ、こんなことなら たびになんてでるんじゃなかったよ……
おにーさん……おちびちゃん……どうしてきてくれないの?」
お腹の減る音がれいむちゃんの体を震わせ、
もういい加減一人旅にも飽きてきた頃。
また道路にへたり込んで、ゆっくり体を曲げて傷口をぺろぺろと舐めます。
「ゆゆぅ、こんなことなら たびになんてでるんじゃなかったよ……
おにーさん……おちびちゃん……どうしてきてくれないの?」
お腹の減る音がれいむちゃんの体を震わせ、
もういい加減一人旅にも飽きてきた頃。
途端に、甲高い大きな声が聞こえました。
「おわぁー! ゆっくりだー!」
そう言うが早いが、半ズボンの乱暴そうな少年がこちらに駆け寄ってきました。
後ろには彼の友達らしき子が数人います。
「おわぁー! ゆっくりだー!」
そう言うが早いが、半ズボンの乱暴そうな少年がこちらに駆け寄ってきました。
後ろには彼の友達らしき子が数人います。
下校途中の子供達がゆっくりれいむをあっという間に囲みました。
「やだー可愛い」
「ケガしてるよカワイソー」
「飼いれいむじゃん? なんかリボンちょっと違うしー」
「逃げたのかな?」
「ちょっ俺にも触らせろって どけブス!」
「はぁ!? 命令口調?」
「はぁいはぁぁい ゆっくりれいむさまを触らせてくだすわぁぁーい」
「何なのふざけてんのアンタ」
「お前の顔よりはふざけてませーん」
「やだー可愛い」
「ケガしてるよカワイソー」
「飼いれいむじゃん? なんかリボンちょっと違うしー」
「逃げたのかな?」
「ちょっ俺にも触らせろって どけブス!」
「はぁ!? 命令口調?」
「はぁいはぁぁい ゆっくりれいむさまを触らせてくだすわぁぁーい」
「何なのふざけてんのアンタ」
「お前の顔よりはふざけてませーん」
男子と女子の間に険悪なムード。
れいむちゃんは思わず叫びました。
「ゆっくりしていってね! けんかはだめだよ!」
れいむちゃんは思わず叫びました。
「ゆっくりしていってね! けんかはだめだよ!」
それは絶対的服従を誓うはずの人間様に口答えする救い難い下種の思考で即抹殺されるべき
「ちょっとしずかにしててね?」
ごめんね。
「ちょっとしずかにしててね?」
ごめんね。
「にんげんさん、なかよくしていってね!
れいむ、なでなでしてほしいよ! すーりすーりしてあげるよ!
けんかはだめだよ!」
れいむ、なでなでしてほしいよ! すーりすーりしてあげるよ!
けんかはだめだよ!」
れいむちゃんは首をかしげ、大きなリボンを可愛らしく傾げて、険悪な雰囲気の子供達に言います。
大人は子供を導くものですからね。
大人は子供を導くものですからね。
――よく晴れた高い空。
パンパンに空気を入れたサッカーボールを思いきり蹴った時のような、
かすかな金属音を感じる鈍い響きが大きく鳴り渡りました。
パンパンに空気を入れたサッカーボールを思いきり蹴った時のような、
かすかな金属音を感じる鈍い響きが大きく鳴り渡りました。
同時に「ゆぶぅぅぅっ!?」という悲鳴と共に、
れいむちゃんは5mほどお空をぶっ飛びます。
「このバカれいむ、いま人間に反抗したよなぁ?」
「おっしゃーゲス確定じゃん!」
れいむちゃんは5mほどお空をぶっ飛びます。
「このバカれいむ、いま人間に反抗したよなぁ?」
「おっしゃーゲス確定じゃん!」
なんということでしょう。
我らが愛すべきゆっくりのれいむちゃんは
お腹に強烈な小学生キックを無防備に貰ってしまいました。
我らが愛すべきゆっくりのれいむちゃんは
お腹に強烈な小学生キックを無防備に貰ってしまいました。
「ゆっ!? おそらぁっ!? ぎゅぶっ!!」
1.5秒の空の旅からコンクリートの地面に叩き付けられ、
あまりの痛みに、思わずうんうんを漏らしてしまうれいむちゃん。
何とも例えがたい芳しき臭気が、いえ素直に言いましょう。
ウンコの匂いが周囲に立ち込めます。
うんうんの上で転げまわるから、ピンク色だったリュックもすっかり黄土色。
綺麗な赤いリボンはうんうんが付いたまま、所々破けてしまいました。
1.5秒の空の旅からコンクリートの地面に叩き付けられ、
あまりの痛みに、思わずうんうんを漏らしてしまうれいむちゃん。
何とも例えがたい芳しき臭気が、いえ素直に言いましょう。
ウンコの匂いが周囲に立ち込めます。
うんうんの上で転げまわるから、ピンク色だったリュックもすっかり黄土色。
綺麗な赤いリボンはうんうんが付いたまま、所々破けてしまいました。
悲鳴を上げてのたうちまわるれいむを、
男の子たちはバカ笑いしながらもう一度蹴りました。
綺麗な放物線を描きながられいむちゃんは飛びます。
そして当然、コンクリートの上へ再びもんどりうって落ちました。
ここが全面歩道で良かったね。
男の子たちはバカ笑いしながらもう一度蹴りました。
綺麗な放物線を描きながられいむちゃんは飛びます。
そして当然、コンクリートの上へ再びもんどりうって落ちました。
ここが全面歩道で良かったね。
もはや悲鳴ではなく、破壊音波でれいむちゃんは泣き叫びます。
「ちょっと男子ヒドすぎるよ!」
「じゃあお前らがあのウンコマンジュウ助けてやればぁ~?」
「えーやだぁ汚ぁい」
「ゆっぐぢでぎないよぉぉ!! おにいざあああん!」
「おー俺もう帰るね」
「じゃあ俺も」
「どぼぢでぇ、どぼぢでそんなごどすりゅのおぉぉ!?」
「ねぇ、この子かわいそうだってば!」
「だからそんなに可哀想ならお前らが助けてやればいいじゃん」
「でもウンチ出てるよぉ」
「ヤダもう白目剥いてる~」
「塾あるし……」
「ゆっくり系ってすぐにケガ治るらしいし、大丈夫なんじゃ……」
「じゃ、帰ろっか」
「ゆっぐぢぢでよぉー!! どぼじでゆっぐぢでぎないびょぉー!?」
「じゃあお前らがあのウンコマンジュウ助けてやればぁ~?」
「えーやだぁ汚ぁい」
「ゆっぐぢでぎないよぉぉ!! おにいざあああん!」
「おー俺もう帰るね」
「じゃあ俺も」
「どぼぢでぇ、どぼぢでそんなごどすりゅのおぉぉ!?」
「ねぇ、この子かわいそうだってば!」
「だからそんなに可哀想ならお前らが助けてやればいいじゃん」
「でもウンチ出てるよぉ」
「ヤダもう白目剥いてる~」
「塾あるし……」
「ゆっくり系ってすぐにケガ治るらしいし、大丈夫なんじゃ……」
「じゃ、帰ろっか」
「ゆっぐぢぢでよぉー!! どぼじでゆっぐぢでぎないびょぉー!?」
必死に助けを求めるれいむちゃんをよそに、
子供達は家路につきます。
ずっと見ていた周囲の大人たちも、何かを言おうとしてやっぱりやめます。
悲しい人間社会の縮図です。
子供達は家路につきます。
ずっと見ていた周囲の大人たちも、何かを言おうとしてやっぱりやめます。
悲しい人間社会の縮図です。
「たすっ……ユッ……ゆぶっ おにーざ……」
可哀想なれいむちゃんは痙攣が始まったようですね。
もはや儚いゆっくりれいむの命は潰え、旅の終わりも見えてきたようです。
可哀想なれいむちゃんは痙攣が始まったようですね。
もはや儚いゆっくりれいむの命は潰え、旅の終わりも見えてきたようです。
~5~
おや?
見かねた薬局のおじさんがやってきましたね。
おや?
見かねた薬局のおじさんがやってきましたね。
「大丈夫かおまえ?」
「ゆ゙っ」
「これでも飲めよ」
おじさんが出したのはなんと特売一本99円のオロナミンC!
おじさんは気道確保とか舌の引き出しとかヨダレとかおかまい無しに
血涙を流してるれいむちゃんの喉にビンを突っ込みます。
「ゆ゙っ」
「これでも飲めよ」
おじさんが出したのはなんと特売一本99円のオロナミンC!
おじさんは気道確保とか舌の引き出しとかヨダレとかおかまい無しに
血涙を流してるれいむちゃんの喉にビンを突っ込みます。
「ゆぼぉっ!?」
「飲め飲め」
「ゆぶっゆぐっゆぶっゆぐっ…………
ゆっゆーん♪
ゆっくりしていってね!」
「おお! 効いた効いた!」
ちなみに私、こういうご都合主義は嫌いじゃありません。
「飲め飲め」
「ゆぶっゆぐっゆぶっゆぐっ…………
ゆっゆーん♪
ゆっくりしていってね!」
「おお! 効いた効いた!」
ちなみに私、こういうご都合主義は嫌いじゃありません。
完全復活したれいむちゃんは精一杯のお礼の気持ちをこめて、
伸び上がりながらおじさんにお礼を言います。
伸び上がりながらおじさんにお礼を言います。
「れいむ、いますごーくゆっくりしてるよ! おじさんもゆっくりしてね!」
「いやー良かった良かった。お前どうしたのよ? 迷子になったのかい?」
「ううん、れいむはゆっくりランドで”ゆーとぴあ”さんをみつける
たびのとちゅうなんだよ!
”ゆーとぴあ”さんがいれば、れいむも、おにーさんもチビちゃんもしあわせなんだよ!」
「ああ、アレね……良くないよ、やめときな」
「ゆっ? ・・・・・・!
ちがうよ! れいむはおにーさんからにげたんじゃないよっ!!
おにーさんはすっごくやさしいんだよ!」
おやおや、れいむちゃんはてっきり
『適当な言い訳をして虐待から逃亡中のゆっくりだ、とおじさんが勘違いしている』
と勘違いしているようです。
「いやー良かった良かった。お前どうしたのよ? 迷子になったのかい?」
「ううん、れいむはゆっくりランドで”ゆーとぴあ”さんをみつける
たびのとちゅうなんだよ!
”ゆーとぴあ”さんがいれば、れいむも、おにーさんもチビちゃんもしあわせなんだよ!」
「ああ、アレね……良くないよ、やめときな」
「ゆっ? ・・・・・・!
ちがうよ! れいむはおにーさんからにげたんじゃないよっ!!
おにーさんはすっごくやさしいんだよ!」
おやおや、れいむちゃんはてっきり
『適当な言い訳をして虐待から逃亡中のゆっくりだ、とおじさんが勘違いしている』
と勘違いしているようです。
れいむちゃんの熱論を途中で止めて、
「どうしようもないな、ああいうクズは」
おじさんは吐き捨てます。
それを聞いてれいむちゃんは怒りのあまり真っ赤になって息を吸い、2倍ほどに膨れ上がりました。
「ゆぅぅーっ!?
いくられいむをたすけさせてあげたおんじんさんでも
おにーさんのわりゅくちはゆるさないよ!
ゆっくりどげざしてね!!」
「どうしようもないな、ああいうクズは」
おじさんは吐き捨てます。
それを聞いてれいむちゃんは怒りのあまり真っ赤になって息を吸い、2倍ほどに膨れ上がりました。
「ゆぅぅーっ!?
いくられいむをたすけさせてあげたおんじんさんでも
おにーさんのわりゅくちはゆるさないよ!
ゆっくりどげざしてね!!」
薬局のおじさんはエプロンで手を拭きながら、鼻を鳴らしました。
「悪かったよ。それより一緒に付いてってやろうか?」
「ゆっくりそこで つったっててね!」
れいむちゃんはお尻とリュックにべっちゃりと付いたうんうんを
道路脇の排水溝になすり付けて捨てながら、もう半泣き状態ですね。
大好きなご主人様をバカにされたのですから。
「悪かったよ。それより一緒に付いてってやろうか?」
「ゆっくりそこで つったっててね!」
れいむちゃんはお尻とリュックにべっちゃりと付いたうんうんを
道路脇の排水溝になすり付けて捨てながら、もう半泣き状態ですね。
大好きなご主人様をバカにされたのですから。
「本当に付いてかないでいいのかい?」
「さっきはとてもゆっくりできたよ!
でも、れいむはもうおとなだよ!
ひとりでいけるよ!」
れいむちゃんはきっぱりと断りました。
おじさんは悲しそう。
「さっきはとてもゆっくりできたよ!
でも、れいむはもうおとなだよ!
ひとりでいけるよ!」
れいむちゃんはきっぱりと断りました。
おじさんは悲しそう。
「そうか。それならしっかり頑張れよ」
「もちろんだよ! おじさんにこれあげるね!」
ああ、れいむちゃんはリュックの中に頭を突っ込んで
口に挟んだバッジを差し出しました。
「もちろんだよ! おじさんにこれあげるね!」
ああ、れいむちゃんはリュックの中に頭を突っ込んで
口に挟んだバッジを差し出しました。
それは、一番大事なご主人様から貰ったゆっくりバッジ。
ちょっとうんうんが付いて汚れちゃったけど、おにーさんのくれた大事な宝物。
ゆっくりが立派な大人になるには、ぬくぬくして頃の思い出は捨てなくてはならないのです。
第2章冒頭はこの伏線だったのですね。
ちょっとうんうんが付いて汚れちゃったけど、おにーさんのくれた大事な宝物。
ゆっくりが立派な大人になるには、ぬくぬくして頃の思い出は捨てなくてはならないのです。
第2章冒頭はこの伏線だったのですね。
「ああ……元気でなぁ」
少し迷惑そうな顔で、おじさんはバッジを受け取りました。
「さっきはこうふんしてごめんね! いそいでゆるしてね!」
少し迷惑そうな顔で、おじさんはバッジを受け取りました。
「さっきはこうふんしてごめんね! いそいでゆるしてね!」
ぴょこんと器用にお辞儀をして、健気なれいむちゃんは絵本だけを抱え、
青になった横断歩道を不恰好なバランスで渡り出します。
青になった横断歩道を不恰好なバランスで渡り出します。
「おじさんにも”ゆーとぴあ”さんをわけてあげるよ!
ゆっくりまっててね!」
れいむちゃんが薬屋さんの方を振り向いて叫んだ時には
お日さまはまだまだ高く、空も晴れ渡っています。
ゆっくりまっててね!」
れいむちゃんが薬屋さんの方を振り向いて叫んだ時には
お日さまはまだまだ高く、空も晴れ渡っています。
信号機から流れる『とおりゃんせ』のメロディがうるさくて、おじさんには何も聞こえませんでした。
~6~
元気に歌いながら無事に信号を渡りきり、
れいむちゃんはとうとう公園の前に着きました。
この公園はちょっと大きいけれど、具体的に言うと日比谷公園の半分ぐらいだけど
ここを抜けたらゆっくりランドだよ。
頑張って!
元気に歌いながら無事に信号を渡りきり、
れいむちゃんはとうとう公園の前に着きました。
この公園はちょっと大きいけれど、具体的に言うと日比谷公園の半分ぐらいだけど
ここを抜けたらゆっくりランドだよ。
頑張って!
あんなに高かったはずの太陽は、もうだいぶ赤くなり
冷たい風がれいむちゃんの体に吹き付けます。
「ゆぅ……おにーさんのえほんだと、すぐにゆっくりランドなのにぃ……」
ゆっくりランドの大きな看板は遠くに見えますが、全然近づく気配がありません。
冷たい風がれいむちゃんの体に吹き付けます。
「ゆぅ……おにーさんのえほんだと、すぐにゆっくりランドなのにぃ……」
ゆっくりランドの大きな看板は遠くに見えますが、全然近づく気配がありません。
れいむちゃんは舌で小さな絵本のページを抑えながら、地図を確かめています。
おにーさんの手描き地図なので縮尺がメチャクチャだから、
公園がただの小さく適当な円形で表されていて
ゆっくりれいむどころか誰の目から見ても下目黒郵便局以下の狭さにしか思えません。
おにーさんの手描き地図なので縮尺がメチャクチャだから、
公園がただの小さく適当な円形で表されていて
ゆっくりれいむどころか誰の目から見ても下目黒郵便局以下の狭さにしか思えません。
それでもれいむちゃんは、青色のペンで大きく書かれた『ユートピア!!』の文字を頼りに
ぷにぷにとお尻を動かして公園の道を前に進みます。
ぷにぷにとお尻を動かして公園の道を前に進みます。
その時、突然隣の茂みから声がしました。
「ここはわたしのゆっくりぷれいすなのぜ!」
「ここはわたしのゆっくりぷれいすなのぜ!」
ところどころ破れてはいるけれど、枝と葉っぱで豪華に飾り付けられた
(枝が太いほど、力のあるゆっくりである事を誇示しているのですが
今回はそれほど太い枝ではありませんでした)
黒い帽子が現れ、踏みつけられたチューイングガムのような笑顔をたたえながら
夕日に照らされたゆっくりまりさが顔を出しましたよ。
(枝が太いほど、力のあるゆっくりである事を誇示しているのですが
今回はそれほど太い枝ではありませんでした)
黒い帽子が現れ、踏みつけられたチューイングガムのような笑顔をたたえながら
夕日に照らされたゆっくりまりさが顔を出しましたよ。
大体予想してたどころか鉄板過ぎてアクビが出ますよね。
でも、様式美というものは極めて大切にしなくてはならないのです。
特に飼いゆっくりが家出して、一匹で公園を歩いているような場合にはね。
でも、様式美というものは極めて大切にしなくてはならないのです。
特に飼いゆっくりが家出して、一匹で公園を歩いているような場合にはね。
「ゆゆっ!? れ、れいむはたびしてるから、すぐにでていくつもりだよ!」
「おまえのりくつなんてきいてないのぜ?」
「「ままーやっつけちぇー!」」
ボスのカリスマが保たれるためには、定期的にその力を見せ付ける必要があります。
そして今、まりさは子供たちの前でれいむをぐずぐずのぐちゃぐちゃにして
スーパーいばりんぼうタイムを始めるつもりのようです。
「おまえのりくつなんてきいてないのぜ?」
「「ままーやっつけちぇー!」」
ボスのカリスマが保たれるためには、定期的にその力を見せ付ける必要があります。
そして今、まりさは子供たちの前でれいむをぐずぐずのぐちゃぐちゃにして
スーパーいばりんぼうタイムを始めるつもりのようです。
というか、始めました。
しかも軽くもみあげを噛まれ、引っ張られた辺りで
れいむちゃんは既におでこまで真っ赤な泣き顔。
頭の上に載せていた絵本はあっという間にどこかへ飛んでしまいました。
更に子まりさの帽子の先で目を突かれて
アゴの辺りには梅干しのようなシワが出来ています。
しかも軽くもみあげを噛まれ、引っ張られた辺りで
れいむちゃんは既におでこまで真っ赤な泣き顔。
頭の上に載せていた絵本はあっという間にどこかへ飛んでしまいました。
更に子まりさの帽子の先で目を突かれて
アゴの辺りには梅干しのようなシワが出来ています。
「やべでぇぇぇー! やべでっでいっでるでしょおー!」
れいむが泣き叫べば叫ぶほど、子まりさ達は大喜び。
「ままかっちいー!」
「ぶひゃひゃ! あのおねーちゃんないてるちぇ!」
「なけばたすかるとおもったにょ?」
可愛いキンキン声ではやし立て、その声援で親まりさは張り切ります。
れいむが泣き叫べば叫ぶほど、子まりさ達は大喜び。
「ままかっちいー!」
「ぶひゃひゃ! あのおねーちゃんないてるちぇ!」
「なけばたすかるとおもったにょ?」
可愛いキンキン声ではやし立て、その声援で親まりさは張り切ります。
「ちびちゃんたち、よーくみててぜ!
おかーさんのゆっくりきっくだぜ!」
威勢のいい見栄切りと同時に、親まりさは10cmほど飛び上がり
れいむのふにふにとしたお尻の裾の上に落ちました。
そして、れいむのお尻に乗っかってお肉を挟んだまま
体重を使ってずーりずーりと地面に擦り付けます。
ゆっくりの皮膚を直に削るこのキックは、親まりさ最大の必殺技なのです。
おかーさんのゆっくりきっくだぜ!」
威勢のいい見栄切りと同時に、親まりさは10cmほど飛び上がり
れいむのふにふにとしたお尻の裾の上に落ちました。
そして、れいむのお尻に乗っかってお肉を挟んだまま
体重を使ってずーりずーりと地面に擦り付けます。
ゆっくりの皮膚を直に削るこのキックは、親まりさ最大の必殺技なのです。
「びぎゃああああ!」
ゆっくりキックを食らったれいむは、重い親まりさを押しのける事も出来ず
しかも逃げようとすればするほど自分のお尻が削れてゆくので
ただ悲鳴を上げて痛みをごまかすしかないのです。
それでも、どんどんはみ出て行く餡子は止めようもありません。
ゆっくりキックを食らったれいむは、重い親まりさを押しのける事も出来ず
しかも逃げようとすればするほど自分のお尻が削れてゆくので
ただ悲鳴を上げて痛みをごまかすしかないのです。
それでも、どんどんはみ出て行く餡子は止めようもありません。
緩やかな死の道を辿りながら、れいむちゃんは精一杯の声で叫びました。
「や、やべないどおにーさんとおチビちゃんがくるよ!」
その瞬間、にやつきながら腰を動かしていたまりさも
はやし立てていた子まりさ達も動きを止め、青ざめました。
「や、やべないどおにーさんとおチビちゃんがくるよ!」
その瞬間、にやつきながら腰を動かしていたまりさも
はやし立てていた子まりさ達も動きを止め、青ざめました。
「お、おねーちゃん、かわれてりゅの……?」
「どぼぢでみゃりさたちがくろうしてるのに おうちつきがゆっくちしてりゅにょ!?」
「ままのくそばかぁー! いますぐれいむさまにどげざしてね!」
パニックに陥った子まりさ達。
しかし、親まりさは青ざめながらも、れいむちゃんの体を見回して
飼いゆっくりの証拠であるゆっくりバッジを探しました。
(もちろん万が一に備え、れいむのお尻をなめなめして傷を治そうとするのは忘れていません)
「どぼぢでみゃりさたちがくろうしてるのに おうちつきがゆっくちしてりゅにょ!?」
「ままのくそばかぁー! いますぐれいむさまにどげざしてね!」
パニックに陥った子まりさ達。
しかし、親まりさは青ざめながらも、れいむちゃんの体を見回して
飼いゆっくりの証拠であるゆっくりバッジを探しました。
(もちろん万が一に備え、れいむのお尻をなめなめして傷を治そうとするのは忘れていません)
そしてにんまりしながらこう言いました。
「このれいむはうそつきだぜ! へんなえほんはもってたけど、
ばっぢがないから、きっとのらゆっくりか、すてられゆっくりだぜ!
うそつきだぜ! ゆっくりしんでね!」
親まりさが言い放ち、半分アワを吹いていた子まりさ達は
あっさり元気を取り戻してキャパキャパ笑いながらお母さんを応援します。
「このれいむはうそつきだぜ! へんなえほんはもってたけど、
ばっぢがないから、きっとのらゆっくりか、すてられゆっくりだぜ!
うそつきだぜ! ゆっくりしんでね!」
親まりさが言い放ち、半分アワを吹いていた子まりさ達は
あっさり元気を取り戻してキャパキャパ笑いながらお母さんを応援します。
れいむちゃんは必死になって言いました。
「うそじゃないもん! ばっぢはおじさんにあげたんだもん!
おにーさんとおチビちゃんがだずけてくれるもん!」
食いしばった歯の隙間から呻くように怒るれいむを、野良まりさ達はせせら笑います。
「ずっとだまっててね!」
先ほど、ちょっと怯えて尿を漏らしてしまったことを隠すかのように
親まりさは勢いをつけてれいむちゃんを突き飛ばしました。
「うそじゃないもん! ばっぢはおじさんにあげたんだもん!
おにーさんとおチビちゃんがだずけてくれるもん!」
食いしばった歯の隙間から呻くように怒るれいむを、野良まりさ達はせせら笑います。
「ずっとだまっててね!」
先ほど、ちょっと怯えて尿を漏らしてしまったことを隠すかのように
親まりさは勢いをつけてれいむちゃんを突き飛ばしました。
軽く吹っ飛んだれいむちゃんは、公園の道路に思い切り叩き付けられます。
今日はよくお空を飛ぶ日だね。
妙に嗜虐心を煽るような悲鳴をあげながら、れいむちゃんは親まりさに謝ります。
まだここで死ぬわけにはいかないのです。
ゆっくり旅の途中なのです。
とにかくこの場を逃れたい、いや、ゆっくりランドにゆっくり着いて
ゆっくり休みたいという事だけを願いながら、れいむちゃんは親まりさに泣いて謝ります。
無駄だよね。
今日はよくお空を飛ぶ日だね。
妙に嗜虐心を煽るような悲鳴をあげながら、れいむちゃんは親まりさに謝ります。
まだここで死ぬわけにはいかないのです。
ゆっくり旅の途中なのです。
とにかくこの場を逃れたい、いや、ゆっくりランドにゆっくり着いて
ゆっくり休みたいという事だけを願いながら、れいむちゃんは親まりさに泣いて謝ります。
無駄だよね。
辺りはもうすっかり暗くなり、お月様がゆっくりゆっくりと登っていました。
れいむちゃんが撒き散らした餡子の周りで、
親まりさはぐるぐる回りながらゆっくり勝利のダンスを踊ります。
れいむちゃんのぴこぴこもみあげは子れいむ達にとってはちょうどよい遊び道具。
引っ張り合って遊びます。
「ゆるぢで! ゆっぐぢさぜでぇ! れーびゅゆっぐぢらんどにいぐのぉ!
れーぶとおにーざんとおチビちゃんでずっどゆっぐぢずるのぉぉ!」
もう呂律の回らない舌で、それでもれいむちゃんはゆっくりランドへの憧れを叫びます。
もうお尻と背中の痛みしか感じていない脳で、それでもれいむちゃんは妹を思い出します。
「お、おチビぢゃん、このまぢさこわいよ! にげてね! おねーぢゃんが わりゅがったの!」
親まりさはぐるぐる回りながらゆっくり勝利のダンスを踊ります。
れいむちゃんのぴこぴこもみあげは子れいむ達にとってはちょうどよい遊び道具。
引っ張り合って遊びます。
「ゆるぢで! ゆっぐぢさぜでぇ! れーびゅゆっぐぢらんどにいぐのぉ!
れーぶとおにーざんとおチビちゃんでずっどゆっぐぢずるのぉぉ!」
もう呂律の回らない舌で、それでもれいむちゃんはゆっくりランドへの憧れを叫びます。
もうお尻と背中の痛みしか感じていない脳で、それでもれいむちゃんは妹を思い出します。
「お、おチビぢゃん、このまぢさこわいよ! にげてね! おねーぢゃんが わりゅがったの!」
それを聞いたまりさ達はもう笑いが収まりません。
子まりさの一匹なんて尿を垂れ流しながら転げ回りました。
笑い死にそうになりながら(比喩ではありません)
親まりさはれいむちゃんの心にトドメを刺します。
子まりさの一匹なんて尿を垂れ流しながら転げ回りました。
笑い死にそうになりながら(比喩ではありません)
親まりさはれいむちゃんの心にトドメを刺します。
「おっ、おちび、おちびちゃんって、げひ、げひひっ!
こんなくずれいむのおちびちゃんなんて、かんたんにつぶしちゃうんだぜ!」
まるでそれがれいむちゃんのおちびちゃんであるかのように
転がっていた絵本を何度も踏みつけました。
「みゃみゃゆっくちー!!」「ぴきゃー! あぎゃきゃぁー!」「うきゃあー!」
子まりさ達はもはや言葉になっていないほど笑っています。
こんなくずれいむのおちびちゃんなんて、かんたんにつぶしちゃうんだぜ!」
まるでそれがれいむちゃんのおちびちゃんであるかのように
転がっていた絵本を何度も踏みつけました。
「みゃみゃゆっくちー!!」「ぴきゃー! あぎゃきゃぁー!」「うきゃあー!」
子まりさ達はもはや言葉になっていないほど笑っています。
夜の冷たい風に中身の餡子が当たって、震えるれいむちゃんは
絶望に満ちた目をお月様に向けて微かに息を漏らしました。
「おにーざん……おチビちゃん……ゆっぐりじだがったよぅ……」
そしてゆっくりと目を閉じて旅の終わ
絶望に満ちた目をお月様に向けて微かに息を漏らしました。
「おにーざん……おチビちゃん……ゆっぐりじだがったよぅ……」
そしてゆっくりと目を閉じて旅の終わ
あれっ!?
ちょっと何か走って来てますけど
あれどういう事ですか聞いてませんよ!
ちょっと何か走って来てますけど
あれどういう事ですか聞いてませんよ!
-7-
夜になって、妹はいてもたってもいられなくなり家を逃げ出した。
姉の匂いを辿って全力で走る。
いつも自分の上で跳ねていた姉の匂い。
いつも体当たりしてきて、耳を噛んできた姉の匂い。
公園の入り口から、姉のゆっくりれいむのいる処刑場まで妹は真っ直ぐ走って行った。
震える姉の下へ駆け寄るがはやいが、子まりさの一匹を踏み潰し
れいむのもみあげを鼻に入れて遊んでいた子まりさもついでに噛み殺した。
夜になって、妹はいてもたってもいられなくなり家を逃げ出した。
姉の匂いを辿って全力で走る。
いつも自分の上で跳ねていた姉の匂い。
いつも体当たりしてきて、耳を噛んできた姉の匂い。
公園の入り口から、姉のゆっくりれいむのいる処刑場まで妹は真っ直ぐ走って行った。
震える姉の下へ駆け寄るがはやいが、子まりさの一匹を踏み潰し
れいむのもみあげを鼻に入れて遊んでいた子まりさもついでに噛み殺した。
何かが走ってくるのを見て慌てて生垣の下に潜り込んだ親まりさが
目を見開き、震えながら叫ぶ。
「わ、わんわんさん!?」
目を見開き、震えながら叫ぶ。
「わ、わんわんさん!?」
――白い犬が公園の街灯に照らされ、ぼろぼろになったれいむを舐めていた。
「お、おチビぢゃん……あのばでぃさすっごくつよいよ……ゆっぐでぃにげてね……」
途切れ途切れの声で妹に話しかけるゆっくりれいむに、
チビは喉の奥から絞り上げるような声で応える。
「お、おチビぢゃん……あのばでぃさすっごくつよいよ……ゆっぐでぃにげてね……」
途切れ途切れの声で妹に話しかけるゆっくりれいむに、
チビは喉の奥から絞り上げるような声で応える。
自分の帽子の中に隠れている、よく状況が飲み込めていない最後の子まりさを前肢で摺り潰して
白い犬は親まりさの方を向いた。
白い犬は親まりさの方を向いた。
少しでも逃げようとして大きな尻部を押し込みながら、
しかし大きな帽子が生垣に引っかかって全く後進出来ない親まりさは
絶望的な声色でとりあえず目の前のれいむを罵る。
「ぜ、ぜんぜんおちびちゃんじゃないぜ!?
ぽすとさんぐらいおっきいぜ!? ばかなの!? しぬの!?」
更に子どもを失って悲しい分の食料をよこせと言おうとした瞬間、
自分の顔半分が噛み千切られたことに気付いて
残った口を金魚のように開閉しながら奇妙な格好で親まりさは崩れた。
しかし大きな帽子が生垣に引っかかって全く後進出来ない親まりさは
絶望的な声色でとりあえず目の前のれいむを罵る。
「ぜ、ぜんぜんおちびちゃんじゃないぜ!?
ぽすとさんぐらいおっきいぜ!? ばかなの!? しぬの!?」
更に子どもを失って悲しい分の食料をよこせと言おうとした瞬間、
自分の顔半分が噛み千切られたことに気付いて
残った口を金魚のように開閉しながら奇妙な格好で親まりさは崩れた。
後には死にかけのゆっくりれいむと、返り血だらけで吼え続ける白い犬が残った。
自慢のリボンはどこかに飛び去り、れいむの表皮にはひび割れが出来始めている。
「づ、づよいんだねおチビちゃん……
おねーぢゃんぜんぜんしらなかったよ……これでゆっぐりでぎるね」
白い犬はれいむを舐め続けたが、冷たい夜風は容赦なく餡子から水分を奪っていった。
自慢のリボンはどこかに飛び去り、れいむの表皮にはひび割れが出来始めている。
「づ、づよいんだねおチビちゃん……
おねーぢゃんぜんぜんしらなかったよ……これでゆっぐりでぎるね」
白い犬はれいむを舐め続けたが、冷たい夜風は容赦なく餡子から水分を奪っていった。
家から出なければ良かったのに、みんなで仲良く暮らせていたのに、
と妹は泣きながら言った。
そんなチビを安心させるように、れいむはゆっくり笑って妹を慰めた。
「でも、ゆっくりしてたら、たびはできなかったよ。
おそとにでたから、ゆーとぴあさんをさがせたんだよ。
ほんとにこわかったのはさいごのさいごだけ。
おにーさんとおチビちゃんがいるからびくびくじゃなかったよ。
えいむはたびのあいだじゅう、わくわくしてたよ。
ゆっくりしすぎてたらあんなにわくわくできなかったよ。」
経験と確信のみが生み出す響きだった。
と妹は泣きながら言った。
そんなチビを安心させるように、れいむはゆっくり笑って妹を慰めた。
「でも、ゆっくりしてたら、たびはできなかったよ。
おそとにでたから、ゆーとぴあさんをさがせたんだよ。
ほんとにこわかったのはさいごのさいごだけ。
おにーさんとおチビちゃんがいるからびくびくじゃなかったよ。
えいむはたびのあいだじゅう、わくわくしてたよ。
ゆっくりしすぎてたらあんなにわくわくできなかったよ。」
経験と確信のみが生み出す響きだった。
公園の向こうには、夜間も営業しているゆっくりランドの看板が煌々と輝いている。
「すべでのおぢびちゃんも、いづかゆっぐぢたびに……」
旅に出たゆっくりれいむは苦悶の表情を浮かべながら
それでも輝いた目で星空を睨んで、肛門から全部の餡子を吹き出す。
妹がいくら名前を呼んでも、もう答えなかった。
旅に出たゆっくりれいむは苦悶の表情を浮かべながら
それでも輝いた目で星空を睨んで、肛門から全部の餡子を吹き出す。
妹がいくら名前を呼んでも、もう答えなかった。
-8-
大量の拍手と共にVTRが終わり、明るいスタジオが映し出される。
「はいっ!いかがでしたか今回の『目指せ☆ゆっくりゆーとぴあ』!
今回はスペシャルという事でね、指定されたゴールにたどり着いたら
飼い主さんに賞金500万円だったんだよね。
いや~鬼井さん! 今回はとっても惜しかったね!」
大量の拍手と共にVTRが終わり、明るいスタジオが映し出される。
「はいっ!いかがでしたか今回の『目指せ☆ゆっくりゆーとぴあ』!
今回はスペシャルという事でね、指定されたゴールにたどり着いたら
飼い主さんに賞金500万円だったんだよね。
いや~鬼井さん! 今回はとっても惜しかったね!」
ゆっくり種を模した着ぐるみを被った司会役の男性タレントがおどけて喋り、
隣でややぎごちない笑顔を浮かべる青年にマイクを向ける。
「そ、そうですね、イケると思ったんですけどね」
硬い面持ちで青年が答えると、司会は緊張をほぐそうと声色を変えた。
「ですよね~! ボクも後ろから追いかけてたけど賢いもん、あのれいむちゃん。
躾けもかなり苦労なされたんだよね?」
「そうなんですよ、この番組の為に1年ぐらいはんごろしっ
いえ1年半ぐらい優しく愛情を注いでたんですけどね、
飼い主の名前を書いた紙を、糞に出ないよう餡子の中に突っ込むのが
一番大変かつ重要なところで……」
後ろに座っている他のゆっくり飼い主達が、
今大会トップレコーダーの躾けコメントに熱心に耳を傾ける。
隣でややぎごちない笑顔を浮かべる青年にマイクを向ける。
「そ、そうですね、イケると思ったんですけどね」
硬い面持ちで青年が答えると、司会は緊張をほぐそうと声色を変えた。
「ですよね~! ボクも後ろから追いかけてたけど賢いもん、あのれいむちゃん。
躾けもかなり苦労なされたんだよね?」
「そうなんですよ、この番組の為に1年ぐらいはんごろしっ
いえ1年半ぐらい優しく愛情を注いでたんですけどね、
飼い主の名前を書いた紙を、糞に出ないよう餡子の中に突っ込むのが
一番大変かつ重要なところで……」
後ろに座っている他のゆっくり飼い主達が、
今大会トップレコーダーの躾けコメントに熱心に耳を傾ける。
背後の熱気を感じ、おどけた司会はにこやかな顔で話を盛り上げる。
「いや~それにしても鬼井さん今回は本当、惜しかったですよぅ!
公園を抜けても、まだ川とスーパーマーケットを抜けないと行けなかったんだよね。
それでもスタート地点からゆっくりれいむちゃんだけで
1kmも進めたというのは型破りな新記録だよね!
あのワンちゃんはとんだハプニングだったけどね、
でもまぁワンちゃんいてもいなくても結果はあまり変わらなかったよね!」
「いや~それにしても鬼井さん今回は本当、惜しかったですよぅ!
公園を抜けても、まだ川とスーパーマーケットを抜けないと行けなかったんだよね。
それでもスタート地点からゆっくりれいむちゃんだけで
1kmも進めたというのは型破りな新記録だよね!
あのワンちゃんはとんだハプニングだったけどね、
でもまぁワンちゃんいてもいなくても結果はあまり変わらなかったよね!」
「い、犬は、あれ俺の飼い犬で、チビって言うんですけど、マジで勝手に……」
「いやいやいや!
れいむちゃんとワンちゃんとの愛情には思わず感動しちゃったよね~!」
しどろもどろになった青年に対する司会のフォローに、後ろの飼い主たちも頷く。
なにしろ他に参加した飼いゆっくり達は、玄関のドアに挟まれて絶命したり
1階に下りるためのエレベーターのボタンが押せずに発狂してゲームオーバーだったのだ。
中には『とっとと”ゆーとぴあ”につれていってよね!』と怒鳴り続けた挙句
番組カメラマンに思わず蹴り殺されたゆっくりもいた。
「いやいやいや!
れいむちゃんとワンちゃんとの愛情には思わず感動しちゃったよね~!」
しどろもどろになった青年に対する司会のフォローに、後ろの飼い主たちも頷く。
なにしろ他に参加した飼いゆっくり達は、玄関のドアに挟まれて絶命したり
1階に下りるためのエレベーターのボタンが押せずに発狂してゲームオーバーだったのだ。
中には『とっとと”ゆーとぴあ”につれていってよね!』と怒鳴り続けた挙句
番組カメラマンに思わず蹴り殺されたゆっくりもいた。
場の空気がほんわかしてきたのを確かめ、ここぞとばかりに司会は腕を突き上げた。
「と、言うわけで飼い主さんとれいむちゃんの健闘を称えて
鬼井さんにトップ賞50万円を差し上げちゃいまーす!!」
どこか居心地が悪そうだった青年はパッと顔を上げ
戸惑いながらも嬉しそうにガッツポーズをした。
「と、言うわけで飼い主さんとれいむちゃんの健闘を称えて
鬼井さんにトップ賞50万円を差し上げちゃいまーす!!」
どこか居心地が悪そうだった青年はパッと顔を上げ
戸惑いながらも嬉しそうにガッツポーズをした。
「そうゆうてもキミ、犬が助けに来た時点で『めざゆー』としては失格やで!」
ゲストのお笑いタレントがすかさず大声を上げると青年は苦笑いして、会場は笑いに包まれる。
司会も負けじと声を張り上げ、番組は終わる。
ゲストのお笑いタレントがすかさず大声を上げると青年は苦笑いして、会場は笑いに包まれる。
司会も負けじと声を張り上げ、番組は終わる。
「それでは次回の『目指せ☆ゆっくりゆーとぴあ』もお楽しみにね!」
-9-
まりさは旅に出る。
もう大人になったからだ。
まりさは旅に出る。
もう大人になったからだ。
ゆっくりまりさは一人っ子だったので、飼い主のいない間にこっそり窓を開ける。
そして爽やかな朝の風をゆっくり吸い込み、丸々と膨らんで微笑んだ。
雄牛のように生殖器を猛らせたありすが茂みに潜んでいるのも気付かずに。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そして爽やかな朝の風をゆっくり吸い込み、丸々と膨らんで微笑んだ。
雄牛のように生殖器を猛らせたありすが茂みに潜んでいるのも気付かずに。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●「ゆーとぴあ」をキーワードとして出すのは自分でもどうなのかなと思いましたが
「ゆっくりプレイス」だとゆっくり自身の為だけの場所、
しかもそこらのダンボールの上でも自販機の下でもOKって雰囲気が何となくあるので
話に沿うよう名前を変えてみたらufotableのアニメみたいな語感になっちゃったんだね。
びっくりするほど初投稿を理由に言い訳しちゃうんだね。わかるよー。
「ゆっくりプレイス」だとゆっくり自身の為だけの場所、
しかもそこらのダンボールの上でも自販機の下でもOKって雰囲気が何となくあるので
話に沿うよう名前を変えてみたらufotableのアニメみたいな語感になっちゃったんだね。
びっくりするほど初投稿を理由に言い訳しちゃうんだね。わかるよー。
挿絵:儚いあき