ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2862 物乞いれいむのおうた
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ankoss
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『物乞いれいむのおうた』 6KB
虐待 小ネタ 野良ゆ 都会 現代 ご無沙汰しております、ひっそりと活動を再開しようと思います
虐待 小ネタ 野良ゆ 都会 現代 ご無沙汰しております、ひっそりと活動を再開しようと思います
「にんげんさんっ、れいむのおはなしをきいてね!!」
家庭ゴミ収集場に投げ捨てられた廃物に紛れて、一匹の成体れいむが叫んでいた。
れいむの外観は酷く汚れていて、周囲のゴミと分別が付かない程に黒ずんでいる。
街を行き交う人々は掃き溜めの中のれいむに見向きもせず夜の交差点を足早に駆けて行く。
何故れいむがこんな薄暗い一角で、人間の注意が引けない場所を陣取って呼び掛けているのかと言うと、
れいむの底部が焼け焦げており、あんよとしての機能を失っていたからだった。
れいむの外観は酷く汚れていて、周囲のゴミと分別が付かない程に黒ずんでいる。
街を行き交う人々は掃き溜めの中のれいむに見向きもせず夜の交差点を足早に駆けて行く。
何故れいむがこんな薄暗い一角で、人間の注意が引けない場所を陣取って呼び掛けているのかと言うと、
れいむの底部が焼け焦げており、あんよとしての機能を失っていたからだった。
「にんげんのおにーさんっ、たちどまってねっ!!れいむがとっておきのおうたをうたうよ!!」
必死に訴えるれいむの声も車の排気音や人々の足音や街の騒音に掻き消されて伝わらない。
れいむはとにかく焦っていた、このままではたった一人のおちびちゃんが永遠にゆっくりしてしまうからで、
横を見れば薄っすらと目蓋を半開きにして寝息と見間違う程の小さな痙攣を繰り返している子まりさが、母親の頬を借りて寄り掛かり佇んでいる。
子まりさの頬は痩せこけ水分を失った唇に罅を作り眼の下には大きな隈を浮かばせる、見て分かる通りの栄養失調と脱水症状だ。
れいむはとにかく焦っていた、このままではたった一人のおちびちゃんが永遠にゆっくりしてしまうからで、
横を見れば薄っすらと目蓋を半開きにして寝息と見間違う程の小さな痙攣を繰り返している子まりさが、母親の頬を借りて寄り掛かり佇んでいる。
子まりさの頬は痩せこけ水分を失った唇に罅を作り眼の下には大きな隈を浮かばせる、見て分かる通りの栄養失調と脱水症状だ。
「おちびちゃん、まっててね!おかーさんがおいしいあまあまをにんげんさんからもらってくるよ!」
「ゆっきゅり……りきゃい……し、しちゃ……よ」
「ゆっきゅり……りきゃい……し、しちゃ……よ」
なけなしの気力を振り絞って頷く子まりさ、この街で失った他のおちびちゃんと同じに死神に纏わり付かれているその姿は、
大切なおちびちゃんの命の蝋燭が今にも消え入りそうな細い火に過ぎないという事実をれいむに突き付ける。
故にれいむはお腹に精一杯の力を込めて咆哮をあげる。
大切なおちびちゃんの命の蝋燭が今にも消え入りそうな細い火に過ぎないという事実をれいむに突き付ける。
故にれいむはお腹に精一杯の力を込めて咆哮をあげる。
「おでがいでずぅうう!!れいむの、れいむのおちびじゃんがじにぞうなんでずっ!!だれでもいいでずっ!!
だれがれいむのおはなじをぎいでぐだざいっ!!おねがいじまずっぅうう!!!」
だれがれいむのおはなじをぎいでぐだざいっ!!おねがいじまずっぅうう!!!」
これまで発した限界を超える程の大声でれいむが喚くと、それに感化されて一人の女性が視線を落とした。
その期をれいむは見逃さなかった、喉が裂かれて眼が飛び出るほどに大きく口を開けると、駄目押しにもう一度声を張り上げる。
その期をれいむは見逃さなかった、喉が裂かれて眼が飛び出るほどに大きく口を開けると、駄目押しにもう一度声を張り上げる。
「にんげんのおねぇえざんっ!!きいでぐだざぁあぃい!!れいぶのおはなじをぉおっ!!ぎいでぐだざぁあぁいいぃい!!!」
コツコツと革のブーツを地面に叩いてけたたましい音源の方へやってくる女性、
肩まで伸びた髪を揺らしてゴミ収集場までやってくるとれいむと視線を重ねる為に膝を追って蹲った。
肩まで伸びた髪を揺らしてゴミ収集場までやってくるとれいむと視線を重ねる為に膝を追って蹲った。
「どうしたの?私に何か用なの?」
「お、おでーざんっ!!」
「お、おでーざんっ!!」
れいむはギョッとした、女性が咥えていた煙草を見てかつてのトラウマが呼び覚まされたからだ。
足元の黒ずんだあんよが疼く、恐くなって口を紡ぎそうになるがそれらを捻じ込み自らの意思で跳ね除けた。
女性は煙草を指で挟んで白い煙を小さく吹くと、片方の眉を吊り上げた。
足元の黒ずんだあんよが疼く、恐くなって口を紡ぎそうになるがそれらを捻じ込み自らの意思で跳ね除けた。
女性は煙草を指で挟んで白い煙を小さく吹くと、片方の眉を吊り上げた。
「引き止めておいて何も話さない訳?気紛れでゆっくりの呼び掛けに応えるものじゃないわね……」
やや不機嫌そうに女性は膝に手を置き、立ち上がろうとしてれいむが慌てて引き止めた。
「まってね!!おねぇさんっ!!れいむのおはなしをきいてねっ!!」
「……ふぅー」
「……ふぅー」
膝に置いた手を離して、ニコチンを実に美味しそうに摂取している女性は再び視線をれいむに向けた。
こちらの話を聞く気があるのだと理解したれいむは、間髪入れず事情を話す事とした。
こちらの話を聞く気があるのだと理解したれいむは、間髪入れず事情を話す事とした。
「きいてくださいっ、れいむのたいせつなおちびちゃんがいまにもえいえんにゆっくりしてしまいそうなんですっ……!!
でもれいむは、おちびちゃんのためにかりをしようにもあんよをにんげんさんにやかれてうごけないんですっ……!!」
でもれいむは、おちびちゃんのためにかりをしようにもあんよをにんげんさんにやかれてうごけないんですっ……!!」
つい2日前に目の前の女性と同じに煙草を吹かした男にれいむは酷い虐待を受けた。
その出来事を思い出しながられいむは涙を目尻に浮かべて話を続ける。
その出来事を思い出しながられいむは涙を目尻に浮かべて話を続ける。
「れいむのたいせつなおかざりもやぶられてもうありませんっ……!!ぴこぴこさんもひきぬかれまじだ……!!
まむまむさんはぐりとられでっ……!!おでこもやかれまじだ……!!もうれいむはおちびちゃんをつくれないがらだなんでずっ!!
ほかのおちびちゃんもつぶされまじだっ……!!おめめをぬきどられでっ、したをひきちぎられでっ、くるしそうにしんでいきまじだっ!!
もうれいむにはこのおちびちゃんじがいないんでずっ!!おでがいでずっ、おでがいじまずっ、おちびじゃんをだずげであげでくだざいっ……!!」
「それは大変ね……」
まむまむさんはぐりとられでっ……!!おでこもやかれまじだ……!!もうれいむはおちびちゃんをつくれないがらだなんでずっ!!
ほかのおちびちゃんもつぶされまじだっ……!!おめめをぬきどられでっ、したをひきちぎられでっ、くるしそうにしんでいきまじだっ!!
もうれいむにはこのおちびちゃんじがいないんでずっ!!おでがいでずっ、おでがいじまずっ、おちびじゃんをだずげであげでくだざいっ……!!」
「それは大変ね……」
ちらりとれいむが女性を一瞥すると、彼女は口元を隠して少し眼を潤ませて頷いている。
れいむは確信した、このまま畳み掛ければきっと目の前のお姉さんがあまあまをくれる。
そうすればおちびちゃんは直ぐに元気になる、また2匹でゆっくりできると。
れいむは確信した、このまま畳み掛ければきっと目の前のお姉さんがあまあまをくれる。
そうすればおちびちゃんは直ぐに元気になる、また2匹でゆっくりできると。
「おねぇさんっ、どうがおねがいじまずっ、れいむに……おちびちゃんに、あまあまをくださいっ、かわりにれいむがおうたをうたいますっ!!
おねぇさんをゆっくりさせるおうたをうたうので、どうかっどうかっおねがいじまずっ!!」
おねぇさんをゆっくりさせるおうたをうたうので、どうかっどうかっおねがいじまずっ!!」
すかさずれいむは大きくお口を開いて、唯一得意なお歌を披露する。
お歌は気持ちを込めて歌うものだと教えてくれた亡き母れいむの言葉を思い返してれいむはその美声を轟かせる。
目蓋を閉じてれいむは今までのゆん生を思い描く様にその歌に込めた。
お歌は気持ちを込めて歌うものだと教えてくれた亡き母れいむの言葉を思い返してれいむはその美声を轟かせる。
目蓋を閉じてれいむは今までのゆん生を思い描く様にその歌に込めた。
故郷の森で番のまりさを野犬に襲われ亡くしたあの日、大切なおちびちゃんをたった一人で守らなくなったあの日、
れいむは沢山泣いて泣いて決心した、おちびちゃんを絶対に幸せにして見せると。
でもれいむは狩りが下手だった、森ではおちびちゃんを満足させてあげられる物を取ってあげられなかった。
そんな時、友人のぱちゅりーから聞いた桃源郷の存在、人間の街の話。
そこにはあまあまが溢れかえっていて、そこにいるゆっくりはみんな幸せで、誰も不幸にならない場所だと聞いた。
期待に胸を膨らませ長距離トラックに乗り込んで家族と一緒に向かった桃源郷。
でも桃源郷は嘘だった、行き着けた場所は薄暗い路地裏と排気ガスで汚れ沈んだ空気、
野良ゆっくりとの抗争に負けて、人間に痛めつけられて、れいむは大切な物を沢山失った、沢山失ってしまった。
でもせめて、このおちびちゃんだけは守りたい、まりさとの愛の結晶、死んでいったおちびちゃんたちとの約束、
そうだから、このおちびちゃんだけは守りたい――。
れいむは沢山泣いて泣いて決心した、おちびちゃんを絶対に幸せにして見せると。
でもれいむは狩りが下手だった、森ではおちびちゃんを満足させてあげられる物を取ってあげられなかった。
そんな時、友人のぱちゅりーから聞いた桃源郷の存在、人間の街の話。
そこにはあまあまが溢れかえっていて、そこにいるゆっくりはみんな幸せで、誰も不幸にならない場所だと聞いた。
期待に胸を膨らませ長距離トラックに乗り込んで家族と一緒に向かった桃源郷。
でも桃源郷は嘘だった、行き着けた場所は薄暗い路地裏と排気ガスで汚れ沈んだ空気、
野良ゆっくりとの抗争に負けて、人間に痛めつけられて、れいむは大切な物を沢山失った、沢山失ってしまった。
でもせめて、このおちびちゃんだけは守りたい、まりさとの愛の結晶、死んでいったおちびちゃんたちとの約束、
そうだから、このおちびちゃんだけは守りたい――。
れいむは歌い終えた、感極まって涙しながらどうにか歌い切った。
今までの苦労を思い浮かべ、大切な者達が消えていく儚さを思い出し、れいむは歌い遂げた。
ゆっくりと閉じた目蓋を開くと、突然、どこからともなく拍手が送られる。
今までの苦労を思い浮かべ、大切な者達が消えていく儚さを思い出し、れいむは歌い遂げた。
ゆっくりと閉じた目蓋を開くと、突然、どこからともなく拍手が送られる。
パチパチパチッ――。
目の前のお姉さんが、両手を叩き緩めた口を開きニッコリと微笑んでれいむを賞賛していた。
「感動したわ……とても素敵な歌を唄うのね……いいわ、約束通りお菓子をあげるわね」
女性は持っていた鞄から有りっ丈のお菓子をれいむの前に並べた、板チョコや飴やスナック菓子など、
夢にまで見たあまあまが目の前に置かれていくのを見てれいむは眼を輝かせる。
夢にまで見たあまあまが目の前に置かれていくのを見てれいむは眼を輝かせる。
「ありがどうございまずっ、おでぇざんっ、ありがどうございまずぅううっ、このごおんはゆっしょうわずれまぜんっ!!!」
「気にしなくていいのよ、じゃあ私は行くわね」
「気にしなくていいのよ、じゃあ私は行くわね」
立ち上がった女性は颯爽と夜の街へ消えていく。
「おちびちゃんっ!!ねんがんのあまあまだよ!!おかーさんはたべさせてあげられないから、じぶんでむーしゃむーしゃしてね!たくさんでいいよ!!」
顔を捻ってれいむは横を見た、そこには――。
「おちびちゃん……」
半開きだった眼はぎょろりと精一杯に見開かれ、赤く充血した瞳で明後日の方向を見ている子まりさ。
僅かに開いた口元にはフィルターの部分を外に出す形で先端から押し込まれた煙草が槍の様に刺さっている。
口の隙間からまるで白い吐息を漏らすみたくに子まりさは延々と白煙を巻き上げている。
僅かに開いた口元にはフィルターの部分を外に出す形で先端から押し込まれた煙草が槍の様に刺さっている。
口の隙間からまるで白い吐息を漏らすみたくに子まりさは延々と白煙を巻き上げている。
「おちびちゃん、たばこさんはゆっくりできないよ……ゆっくりしないではきだそうね……」
子まりさは応えない。
「おちびちゃん……おぢびじゃんっ…………おぢびじゃぁぁんんぁっ……!!」
蝋燭の火はそこになく、既に深い闇の中。
れいむは沢山のあまあまの前でただただ泣き伏せるだけ。
れいむは沢山のあまあまの前でただただ泣き伏せるだけ。
おわり
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書いた人:おおかみねこあき
挿絵: