ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3311 夕暮れと不平等な世界
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ankoss
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『夕暮れと不平等な世界』 11KB
虐待 差別・格差 日常模様 子ゆ 希少種 現代 独自設定 去年の暮れ以来書いてなかった三日月まりさを書いてみました
虐待 差別・格差 日常模様 子ゆ 希少種 現代 独自設定 去年の暮れ以来書いてなかった三日月まりさを書いてみました
※俺設定注意
※シリーズ「夕暮れの町ゆっくり達」です
※作者は長月
※シリーズ「夕暮れの町ゆっくり達」です
※作者は長月
今まで書いた作品はこちらに
http://www26.atwiki.jp/ankoss/pages/393.html
http://www26.atwiki.jp/ankoss/pages/393.html
美しい自然と夕暮れの美しいことで知られる町、黄昏町。
山々に囲まれたある郊外の町にそのまりさはいる。
野良ゆっくりの身でありながら加工所の敷地内におうちを持ち
お飾り売りとしてゆっくりに飾りを売り歩き
この町のゆっくり達の顔と言われているそのまりさの帽子には、なぜか三日月を形どったお飾りがついているという。
夕暮れと不平等な世界
「さなえをかってください!!さなえはきしょーしゅです。にんげんさんをゆっくりできます!!」
「し、しゃなえをかってくだしゃい!!」
夕方の街中、2匹のゆっくりの悲痛な声が大通りに響いている。
野良ゆが飼いゆっくりにしてくれと懇願する光景は珍しくないが希少種であるさなえが野良なのは珍しい。一瞬だけ通行人の視線が野良ゆ親子に向けられるが
「・・・・・・・」
すぐに不快な顔をして目を背けられる。
なぜならそのゆっくり親子はさなえではないから。
飾りのリボンを外し緑色のペンキで髪を染めたれいむ親子なのだから。
「さなえはきしょーしゅです!!とってもゆっくりできるゆっくりです!!だからおねがいします!!」
「れいみゅ・・じゃにゃくてしゃにゃえはとってもいいこでしゅ!!にんげんしゃんをゆっきゅりさせられましゅ!!」
自分はさなえだと言い張り希少種だから飼ってくれと叫び続けるれいむ親子。
しかし誰も騙される人間など居はしない。
当たり前だ。ペンキで染めたところで所々染めムラがある上、根元は黒いままと言うある意味ひじり状態。恐らくゴミ捨て場に捨ててあったまだ中身の残っているペンキ缶を使ったのだろうが顔にも緑のぺンキがあちこち付いている。
しかもペンキのせいで髪には砂やゴミ、枯葉がこびりついておりただでさえ薄汚れた野良ゆの不潔さを際立たせている。
これでは痴呆老人すら騙せないだろう。
「・・・・・チッ・・」
「なんだよこいつら・・・馬鹿じゃねーの・・・」
「何あれ?マジ受けるんですけどー!!」
「ははっ。ちょーきもーい。」
当然そんな野良ゆに好感を持つ人間などいるはずもなく皆侮蔑と嫌悪の感情を露にし通り過ぎていく。
「さなえをかってくださいぃいいい!!!さなえはゆっくりしたゆっくりですぅううう!!!にんげんさんをゆっくりさせてあげられますぅうううう!!!」
大声で叫べば叫ぶほど嘲りと嫌悪の視線がれいむ親子に突き刺さる。
しかし叫ばずにはいられない。この3日間、雑草すらろくに食べていない。
このままでは干からびた大小のリボンつき饅頭が路地裏に転がっている光景が見られるのも時間の問題だろう。
「おねえさん!!さなえをかいゆっくりに・・」
「ちょっと邪魔なんだけど!!」
「ゆげっ!!」
「マジこいつらうざい。早く死んでくんない?」
なんとか個別にお願いしようとしても蹴飛ばされる始末。誰もさなえのふりをした野良ゆっくりの相手などしてる暇はないのだ。
「どうじでぇええええ・・・どうじでさなえをかってくれないのぉおおおお!!!れいむはさなえなのにぃいいいい!!!」
既に自分がれいむだと半ば自白しているれいむ。
必死に叫び続けても誰も見向きもしない。帰ってくるのは冷たい無反応と冷笑だけだ。
「もうやじゃ・・・・もうやじゃよ!!」
「おちびちゃん!?」
「れいみゅはれいみゅだよ!!しゃにゃえじゃないよ!!」
困惑する母れいむ。ついに子れいむがぐずり始めたのだ。
無理もない。ゆっくりは自分の種が一番ゆっくりできるものでありそれをアイデンティティや存在意義にしている。
ゆっくりが帽子やリボンなどを外されるとまるでこの世の終わりのごとく嘆くのはその為だ。
それを髪をペンキで緑に染め、お飾りのリボンを外し、一人称をれいむからさなえにすることは多大なストレスがかかることなのだ。
そんなゆっくりできない事までしてるのに道行く人間達から帰ってくるのは嘲笑と無視だけ。
飼いゆっくりにしてもらえるどころか話すら聞いてもらえない。
全くの徒労、全くの無駄骨なのだ。
子れいむがもういやだと言い出すのも当たり前のことだろう。
「にゃんでしゃなえってうそつかなないちょだめなにょ!!れいみゅはれいみゅだよ!!」
子れいむの癇癪は止まらない。お飾りを外したストレスが一気に爆発したのだ。
「おちびちゃん・・・」
母れいむとて自分の子供にこんな真似をさせて平気なわけではない。自分の不甲斐ないせいで娘をゆっくりさせてあげられない罪悪感で断腸の思いだ。
「ごめんねおちびちゃん・・・・・・おかあさんがれいむでほんとうにごめんね・・・」
しかし子れいむにはそんな母の心情など知りはしない。
「もうやじゃよ!!あみゃあみゃたべちゃい!!ふかふかのべっとしゃんでねちゃい!!ゆっきゅりできるおうちがほしい!!あにょさにゃえたちみちゃいに!!」
かんしゃくを起こしその場で地団駄を踏みながらもみあげをわさわさと動かし続ける子れいむ。
「どうにかしちぇよおきゃーさん!!ゆっきゅりさせてくれないとれいみゅぷくーすりゅよ!!!」
おろおろし続ける母にぷくーっと頬を膨らませる。人間には失笑ものでしかないがゆっくりにとっては最高の怒りの表現だ。
「ゆ?おしょらをとんでいるみちゃい・・・」
その時不意に子れいむは浮遊感に襲われた。
「ったく糞野良どもが・・・」
そこに居たのは前掛けをかけた一人の若い男がれいむを汚物でもつまむようにして子れいむを持ち上げていた。
「おにいさんなにするの!!?おちびちゃんをおろして!!」
そんな母れいむの訴えを男は無視し、男はスタスタと路地裏に歩いてく。
「えーんきょわいよー。たすけちぇ、おきゃーしゃーん!!!」
泣き叫ぶ子れいむ。人間で言えば高層ビルに宙吊りにされてるようなものなのだから当たり前だ。
「まってね!!おちびちゃんをはなしてあげてね!!」
れいむもそれについていく。それが男の狙いだとは知らずに。
路地裏に着くと男はクルリと踵を返し
「おにいさん、おちびちゃんをかえし・・」
ブチャ
「・・・・ゆ?」
まるでスーパーボールでも投げるかのように子れいむを地面に叩き付ける。
皮の薄い子ゆっくりはひとたまりもない。そのまま子れいむは地面に餡子の花を咲かせた。
「ゆぁああああ!!!おちびちゃんがぁああああああ!!!」
慟哭する母れいむ。しかし嘆いている暇などれいむにはなかった。
「ゆべっ!!」
「糞饅頭もどきがギャーギャー店先でうるせぇんだよ!!」
男がれいむにサッカーボールキックを喰らわせたのだ。
「よりにもよってうちの前で・・・ケンカ売ってんのかコラ!!」
男はれいむを蹴り続ける。蹴り方にまるで容赦がない。れいむがぼろ雑巾のようになるまで1分とかからなかった。
「ったくこんなんで人間様を騙せるとでも思ってやがってたのか。バッカじゃねーの!!」
グリグリと男はれいむを踏みつける。
「れいむだって・・・れいむだって・・・あんなことしたくなかったよ・・・」
「あーん。まだ喋る元気があるのかてめえ。」
憎々しげに舌打ちし男は踏むのを一旦止めた。
「なんで・・なんでにんげんさんは・・・きしょーしゅばっかり・・・さなえばっかりゆっくりさせるの・・・?れいむにゆっくりさせてくれないの・・?」
半死半生で、少ない語彙を振り絞るように必死に語りかけるれいむ。
れいむはこれまでのゆん生でたくさん見てきたのだ。
新聞紙に包まり寒さに震えている自分達の前を悠然と飼い主と一緒に暖かそうなお洋服を着て跳ねていくてんこを。
道に生えている雑草を食べているすぐそばで飼い主にあまあまを貰っているえーきを。
声が枯れるまで飼いゆっくりにしてくれと懇願しても無視され続けるありすのすぐ横でたまたま山から降りてきたゆうかが人間に拾われていく様を。
あまりに露骨で理不尽な人間たちの希少種たちへの偏愛を。
本当はこんな事したくなかった。嘘なんて憑きたくないしれいむとして産まれた以上れいむとして生き、れいむとして死にたかった。
それが一番ゆっくりできるのだから。
だがつがいを失い狩りもろくにできないしんぐるまざーのれいむにはこれしか生きる手段がなかったのだ。
「んなの決まってんじゃねーか。手前ら野良ゆが糞だからだよ。」
そう言うと男はれいむを持ち上げそのまま生ゴミの入っているポリバケツに放り投げる。
「く・・・そ・・?」
「そうだよ。おまえら野良ゆは糞だ。ましてや通常種なんて糞中の糞だ。汚ねーし、うるせーし、ゴミは漁るし、居るだけで人間をゆっくりできなくさせる糞なんだよ。ゆりんぴーすやゆーシェパードみたいなウジ虫や蝿どもがたかるところもそっくりだしな。」
事も無げにいう男。
男にとって野良ゆは生き物ではない。唯の邪魔で鬱陶しいだけの喋る糞袋でしかないのだ。
「じゃーな、糞饅頭のれいむちゃん。せいぜいこの新しいおうちでおちびちゃんとゆっくりしてってね。」
子れいむの残骸をゴミ箱に入れると男は蓋を閉めそのままどこかへ行ってしまった。
「ゆ・・ゆ・・・おちび・・ちゃん・・・」
れいむは自分のすぐそばにある子れいむの残骸を見て泣くしかなかった。
暗い一筋の光も差さない中反芻され続ける疑問。徐々に遠のいていく意識。
腐臭漂うポリバケツの中でれいむはただ考える。
どうして人間さんはれいむとゆっくりしてくれないのか。
なぜ世界に通常種と希少種がいるのか。
なぜ世界はこんなにも不平等なのか。
そして
「れいむは・・・れいむは・・うまれてきちゃ・・いけなかったの・・・?」
当然それに答えるものなどなく数分後、暗いゴミ箱の中でれいむは子れいむの死骸と共に息絶えた。
「だから言ったのに・・・」
そんなれいむ親子の一部始終を見ていたゆっくりが1匹。
ゆっくりとは思えぬ厳しくどこか憂いのある眼光に帽子には三日月のお飾り。
野良ゆでありながら加工所に住む変わり者のゆっくり、お飾り売りの三日月まりさである。
「バカなやつなんだぜ・・・」
吐き捨てるようにつぶやくまりさ。言葉とは裏腹にその表情は嘲笑ではなく重く暗い。
あのれいむ親子、実は数日前まりさと会っているのだ。お飾り売りとその客として。
その時母れいむはこう言った。人間さんに飼われたい。そのためにさなえのお飾りが欲しいと。
料金は今は支払えないが飼いゆっくりになったら飼い主からもらうあまあまから必ず支払うと。
勿論まりさは断った。
お飾り売りとはいえさなえなどの希少種のお飾りを持っていることはほとんどない。まりさの飾りの入手ルートのほとんどは死んだ野良ゆっくりの飾りなのだから、ほとんど野良ゆとして姿を見かけない希少種の飾りなど持ってるはずがないのである。
そもそもそんなことしても無駄だ。お飾りを取り替えたくらいで騙せるほど人間の目は節穴でもなければ愚かでもないのだから。
そう言って追い返したのだがどうやら諦め切れなかったらしい。その結果があの有様だ。
「やーん。ちょーかわいいー。」
「ほんとよねー。さっきのきったないのとは大違い。」
ふと声のほうに目をやるとそこには2人の高校生らしき女の子達が店のショーウィンドーの前で黄色い声を上げて騒いでいる。
三日月まりさにはその顔に覚えがあった。先程れいむ親子を馬鹿にし蹴飛ばしていった連中だ。
その視線の先には1匹のゆっくりさなえの一家がいた。
「ゆっくりしてってくださいね!!」
「ゆっくちしてってくだしゃいね!!」
このさなえ達はこの店「ゆっくりショップ さなえ」こと通称さなえ屋の看板ゆっくり達だ。
生まれたときからこのショーウィンドーの中にある展示コーナーで育ち、いずれ時期が着たらお金持ちの飼い主に飼われ、一生何不自由なく大きなお屋敷の室内でゆっくりし続ける。
路地裏の世界のことなど知らない、そしてこれからも知ることのない純粋培養のエリート飼いゆっくりなのだ。
先程野良れいむ母子を路地裏に連れて行った男もここの店員だろう。
れいむ達からしてみれば藁にもすがる気持ちでさなえに好意的な人間の多いここを選んだのだろうが、この場所で偽さなえが自分を飼ってくれと言うのは、高級ブランド店の前で粗悪な偽ブランドの露店を開くようなものである。
「ゆっくりしてってくださいね!!」
きっとこのさなえは一生飢えも乾きも、夏のうだるような暑さも冬の餡子まで凍りつきそうな寒さも、路地裏で食べる生ゴミや雑草の味も知らずにゆん生を終えるのだろう。
それどころか野良のようなゆっくりできないゆっくりがいるということすら知らないのではないのだろうか。
逆にあのれいむ親子は例えこの先行き続けてもどれだけ頑張っても報われず、ゆっくりできない悲惨な最後を遂げただろう。
通常種と希少種。本ゆんの努力とは関係ない人間側の都合で。
夕日で紅く染まるショーウィンドーのなかでニッコリと笑い続けるさなえ達一家。
本来なら誰もが飼うことをあこがれ、癒される存在なのだろう。
しかし三日月まりさにはそれがどこか物悲しく思えた。
ドブネズミは害獣、ハムスターは愛玩動物。
ゴキブリは害虫でカブトムシは子供達の人気者。
カラスはゴミを荒らす害鳥で鳩は平和の象徴。
世界はいつだって理不尽で不平等だ。同じ虫、動物そしてゆっくりなのに。
夕日だけが町の皆をゆっくりも人間も、通常種も希少種も平等に赤く、紅く染め上げていた。
後書き
久しぶりに三日月まりさ登場。久しぶりなんでちょっと文章がおかしいかもしれませんがそこはご愛嬌ということで。
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久しぶりに三日月まりさ登場。久しぶりなんでちょっと文章がおかしいかもしれませんがそこはご愛嬌ということで。
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