ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4120 人間とゆっくり
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『人間とゆっくり』 15KB
小ネタ 群れ 自然界 独自設定 こんなゆっくりがいてもいいよね
小ネタ 群れ 自然界 独自設定 こんなゆっくりがいてもいいよね
・虐待及び制裁描写無し
・愛でとも違うと思われ
・独自解釈
・内容は浮き沈みほぼ無し
・分を弁えられるまりさ
・期待せずどうぞ
一匹の老まりさがいた。
聡明でよく気が利き、様々な困難を乗り越えてきた歴戦のゆっくり。
そんなまりさは、長く生きて経験をしたおかげで人間や他の動物などの事をよく理解していた。
そんなまりさは、長く生きて経験をしたおかげで人間や他の動物などの事をよく理解していた。
「……なんでみんなりかいしてくれないんだろう」
そう呟くまりさの表情は悲しげだった。
まりさも最初は人間を誤解していたが、自分自身でそれが間違いだと気付いた。
まりさも最初は人間を誤解していたが、自分自身でそれが間違いだと気付いた。
事はまりさが若輩者だった頃に遡る。
「みんな、きいてほしいよ!
まりさはこれからにんげんさんを『ちょうさ』してくるよ!」
まりさはこれからにんげんさんを『ちょうさ』してくるよ!」
まりさは群れの中心で高々に宣言した。
「ちょうさ?」
皆疑問に思った。人間を調査して何か言い事があるのかと。
ゆっくりしていない人間を調査しても、こっちがゆっくり出来ないだけではないかと。
ゆっくりしていない人間を調査しても、こっちがゆっくり出来ないだけではないかと。
「そうだよ!
てきをしるためにはじょうほうがひつようなんだよ!
だから、にんげんさんが『ぐうのね』もでないほどのしょうこをみつけて、つきつけてやるんだよ!
そうすれば、おろかなにんげんさんも、まりさたちにまけをみとめるんだよ!」
てきをしるためにはじょうほうがひつようなんだよ!
だから、にんげんさんが『ぐうのね』もでないほどのしょうこをみつけて、つきつけてやるんだよ!
そうすれば、おろかなにんげんさんも、まりさたちにまけをみとめるんだよ!」
群れのゆっくり達は湧いた。
まりさの素晴らしい計画に。
まりさは次の夏まで調査をすると言う。
長すぎるという者もいたが、完膚無きまでに敗北させるというまりさの決意に最終的に折れる。
まりさの素晴らしい計画に。
まりさは次の夏まで調査をすると言う。
長すぎるという者もいたが、完膚無きまでに敗北させるというまりさの決意に最終的に折れる。
「ゆっくりちょうさするよ!」
まりさは人間の住んでいる場所が良く見渡せる高台に居を構え、人間を観察し始めた。
無論、自分の狩りもしっかりやる。それくらいできずして群れ一番とは呼ばれない。
無論、自分の狩りもしっかりやる。それくらいできずして群れ一番とは呼ばれない。
まりさは何度も人間を観察した。
昔はまりさも人間はゆっくりしていないとか、食べ物を占拠している、とか思ってたものだった。
だが、慎重だった性格が、人間を観察してみるという他のゆっくりには無い行動をさせた。
まりさは約一年、本当にゆっくりと人間を観察した。
敵を知るのは大事である、と考えたからだ。
昔はまりさも人間はゆっくりしていないとか、食べ物を占拠している、とか思ってたものだった。
だが、慎重だった性格が、人間を観察してみるという他のゆっくりには無い行動をさせた。
まりさは約一年、本当にゆっくりと人間を観察した。
敵を知るのは大事である、と考えたからだ。
そしてまりさは知った。
人間はゆっくりしている事を。
人間は食べ物を独占しているのではなく、作っている事を。
人間も狩りを行っている事を。
人間には人間の『おうちせんげん』がある事を。
その他数え切れないほどの誤解があった事を。
人間はゆっくりしている事を。
人間は食べ物を独占しているのではなく、作っている事を。
人間も狩りを行っている事を。
人間には人間の『おうちせんげん』がある事を。
その他数え切れないほどの誤解があった事を。
人間がゆっくりしていない、のではなく『ゆっくりせずにしていた』だけ。
ゆっくりは人間が家の中に入った後を見た事が無い。
当然だ。仕事をしている姿だけを見て『ゆっくりしていない』と決め付けたのだから。
人間は『ゆっくりせずに』仕事をしている。人間は『ゆっくりするために』仕事をしている。
そして夕刻に迫ると皆家の中に入ってゆっくりしている。
この時間帯はまりさたちゆっくりは野外活動を自粛し始める時間なので、見た事がなかったのだ。
ゆっくりは人間が家の中に入った後を見た事が無い。
当然だ。仕事をしている姿だけを見て『ゆっくりしていない』と決め付けたのだから。
人間は『ゆっくりせずに』仕事をしている。人間は『ゆっくりするために』仕事をしている。
そして夕刻に迫ると皆家の中に入ってゆっくりしている。
この時間帯はまりさたちゆっくりは野外活動を自粛し始める時間なので、見た事がなかったのだ。
人間は食べ物を独占しているわけではなかった。
まりさは見た。何も無い状態の畑をせっせと耕し、種を蒔き、そして収穫を待つ姿を。
最初は何をやってるか意味もわからなかったが、次第に理解できた。
人間はどうやっているかはよくわからないが、野菜が生えるようにしていると。
そしてこれが人間の仕事である事を。まりさたちで言う狩りだと。
まりさは見た。何も無い状態の畑をせっせと耕し、種を蒔き、そして収穫を待つ姿を。
最初は何をやってるか意味もわからなかったが、次第に理解できた。
人間はどうやっているかはよくわからないが、野菜が生えるようにしていると。
そしてこれが人間の仕事である事を。まりさたちで言う狩りだと。
人間も狩りを行っている。
人間はゆっくりが恐れる犬を従えて、他の動物たちを飼っている。
所謂家畜なのだが、まりさにはさすがにそれはわからなかった。
人間は他の動物を狩っているという印象をまりさは持った。
人間は強者である犬たちを従える、大きな強さを持った存在だと思い知らされた。
人間はゆっくりが恐れる犬を従えて、他の動物たちを飼っている。
所謂家畜なのだが、まりさにはさすがにそれはわからなかった。
人間は他の動物を狩っているという印象をまりさは持った。
人間は強者である犬たちを従える、大きな強さを持った存在だと思い知らされた。
人間にもおうちせんげんはあった。
それはまりさたちとは違うものだった。
まりさたちはその場で宣言すればそれでいい。しかし人間は違った。
人間は自分の住居とした場所の近隣の家に何かを持って行っていた。
近くに行って聞いてみると、「最近ここにやってきた」「あの家に住む」など、ちゃんと宣言していたのだ。
ゆっくりは誰かにおうちせんげんを聞かれる必要はない。言った者勝ち。
それ故に、家を放置すると他の誰かに取られてしまう。
だから群れを作って自分の住居は他者に知られるようにする。
人間もそれを行っていたのだ。
ゆっくりがおうちせんげんすると人間は怒ると言う。
そうだ、自分たちも不法占拠されれば怒るだろう。自明の理だ。
まりさは人間のおうちせんげんを理解した。
それはまりさたちとは違うものだった。
まりさたちはその場で宣言すればそれでいい。しかし人間は違った。
人間は自分の住居とした場所の近隣の家に何かを持って行っていた。
近くに行って聞いてみると、「最近ここにやってきた」「あの家に住む」など、ちゃんと宣言していたのだ。
ゆっくりは誰かにおうちせんげんを聞かれる必要はない。言った者勝ち。
それ故に、家を放置すると他の誰かに取られてしまう。
だから群れを作って自分の住居は他者に知られるようにする。
人間もそれを行っていたのだ。
ゆっくりがおうちせんげんすると人間は怒ると言う。
そうだ、自分たちも不法占拠されれば怒るだろう。自明の理だ。
まりさは人間のおうちせんげんを理解した。
まりさは一年の間に人間の『ゆっくりしている』部分をたくさん見た。
そして群れのみんなに報告する事にした。
そして群れのみんなに報告する事にした。
「みんな、ちょうさけっかをはっぴょうするよ」
あまり元気は無い。しかし他のゆっくりは気にしない。一年ぶりに帰ってきたまりさがどんな話を聞かせてくれるか楽しみだった。
「にんげんさんは、とってもゆっくりしてたよ」
群れにどよめきが起こる。
人間がゆっくりしている。そんな言葉がいきなり出るとは思っていなかった。
人間がゆっくりしている。そんな言葉がいきなり出るとは思っていなかった。
「まりさ、なにをいってるの。にんげんがゆっくりしていないのはだれだってしってるじじつよ」
ぱちゅりーが言う。他の者も頷く。
人間と言うのはゆっくりする事が出来ない生物。これがゆっくり界の定説であり、長年言い伝えられて脳に刻まれている事だ。
人間と言うのはゆっくりする事が出来ない生物。これがゆっくり界の定説であり、長年言い伝えられて脳に刻まれている事だ。
「まりさはずっとかんさつしてわかったよ。ぜんぶごかいだったんだよ。
まりさたちがみていたのは『ゆっくりしていないとき』のにんげんさんで、にんげんさんはまりさたちがねちゃうころにゆっくりしはじめてるんだよ」
まりさたちがみていたのは『ゆっくりしていないとき』のにんげんさんで、にんげんさんはまりさたちがねちゃうころにゆっくりしはじめてるんだよ」
まりさは他にも調査結果を発表し、群れはその度にどよめく。
「そんなのうそなんだぜ!!」
若いまりさが叫ぶ。
「にんげんはまりさたちがてにいれるべきゆっくりぷれいすをうばったごくあくにんなんだぜ!
なんでにんげんをかばうみたいなことをいうんだぜ!
ゆっくりできないゆっくりはせいっさいしちゃうんだぜ!!」
なんでにんげんをかばうみたいなことをいうんだぜ!
ゆっくりできないゆっくりはせいっさいしちゃうんだぜ!!」
自分たちの理解を超えた事を許容できない、ゆっくりの大半が持つ特性をそのまま表した言葉だった。
さすがに、一年もの間苦労して調査したまりさを制裁するとまではいかなかったが。
さすがに、一年もの間苦労して調査したまりさを制裁するとまではいかなかったが。
「じゃあ、みんなもまりさみたいにちょうさするといいよ。
そうすればよくわかるよ。にんげんさんがどれだけのくろうをしていきているのかわかるよ」
そうすればよくわかるよ。にんげんさんがどれだけのくろうをしていきているのかわかるよ」
そう言われて調査をする者もちらほらいたが、結局自分たちの活動時間帯部分しか見ない上に、自分の事で手一杯でまったく人間を理解できないままだった。
「やっぱりにんげんさんはゆっくりしてないよ!
あのまりさはうそつきだよ!」
あのまりさはうそつきだよ!」
「あのまりさ、もしかしてにんげんさんとつうじてるんじゃないんだろうかだぜ?」
「むきゅ、そうよ、あんなうそをつくなんてふつうじゃありえないはなしよ」
そんないい加減な調査では考えが改まる事はなく、結局まりさは嘘つきどころか人間の放ったスパイというレッテルを貼られる事になる。
さすがにこのままではいつか制裁と言う名のリンチにあうと理解していたまりさは、皆が起き出さない明け方に、夜逃げを慣行した。
さすがにこのままではいつか制裁と言う名のリンチにあうと理解していたまりさは、皆が起き出さない明け方に、夜逃げを慣行した。
それから、まりさは様々な群れに行っては人間に対する誤解を説いて回ったが、誰も信じなかった。
いや、信じている者もいたが、それを表立って認めては、大多数の否定派に粛清される事を恐れて何も言えなかった。
結局まりさは放浪する身となった。
いや、信じている者もいたが、それを表立って認めては、大多数の否定派に粛清される事を恐れて何も言えなかった。
結局まりさは放浪する身となった。
しかし、そんなまりさにも賛同者は少なからずいた。
会った事も無い人間に対して持つ思想に言葉にならない疑問を持っていた一部のゆっくりが共に旅する仲間となってくれた。
会った事も無い人間に対して持つ思想に言葉にならない疑問を持っていた一部のゆっくりが共に旅する仲間となってくれた。
ゆっくりできない愚かなやつら、として粛清されかけた事もある。
まりさは、すでにゆっくりという存在の中に自分たちの居場所が無いのだろうと考えた。
人間を理解してしまった以上、人間に誤解を持つ者たちと一緒にいても、ストレスにしかならない事は放浪している間に良くわかった。
まりさは、すでにゆっくりという存在の中に自分たちの居場所が無いのだろうと考えた。
人間を理解してしまった以上、人間に誤解を持つ者たちと一緒にいても、ストレスにしかならない事は放浪している間に良くわかった。
自分で確かめたわけでも無いのに勝手な想像で物事を決め付けてはならない。これがまりさが身を持って知った事。
行き場を完全に失ったまりさたちは、いつしか人里に下りていた。
行き場を完全に失ったまりさたちは、いつしか人里に下りていた。
「まりさ、にんげんさんのむれにきちゃったよ。あぶないよ」
いくら人間を理解したと言っても、自分たちはゆっくり。人間からすれば敵である。
人間を理解したからこそ、余計に人間との距離をとっていた一行は、おどおどとしはじめる。
しかし、まりさは決意の目で人間の家に入っていった。
人間を理解したからこそ、余計に人間との距離をとっていた一行は、おどおどとしはじめる。
しかし、まりさは決意の目で人間の家に入っていった。
「ま、ま、まりさなにやってるの!
ころさてしまうわよ!!」
ころさてしまうわよ!!」
仲間のありすが小さい声で叫ぶが、まりさは聞かなかった。
そして仕事中の人間に声をかけた。
そして仕事中の人間に声をかけた。
「にんげんさん、ゆっくりしていってね!」
「なんだ、またゆっくりか……処理するのも面倒なんだよな」
「まってね!
はなしをきいてね!
まりさたちはにんげんさんのものにてをだすつもりはないんだよ!
だからすこしだけおはなしをきいてね!」
はなしをきいてね!
まりさたちはにんげんさんのものにてをだすつもりはないんだよ!
だからすこしだけおはなしをきいてね!」
農夫は潰そうとした行動を止める。
このまりさのゆっくりらしからぬ言葉に、少し興味が湧いた。
このまりさのゆっくりらしからぬ言葉に、少し興味が湧いた。
「お前は人間がゆっくりしてないとか、ここは自分たちのものだとは言わないのか」
「まりさたちはにんげんさんがおしごとをしてるっていうのはりかいしてるよ。
いまだってどうやったかしらないけどおやさいさんがはえてくるようにしてるんでしょ」
いまだってどうやったかしらないけどおやさいさんがはえてくるようにしてるんでしょ」
農夫は驚いた。
こんな事を言うゆっくりは初めてだった。今まで見たのは全部人間を見下したやつらだったが、少なくともこのまりさは人間を見下していない。
こんな事を言うゆっくりは初めてだった。今まで見たのは全部人間を見下したやつらだったが、少なくともこのまりさは人間を見下していない。
「にんげんさんにもちゃんとした『おきて』があるのもりかいしてるよ。
にんげんさんとまりさたちは『おきて』が違うのもわかってるよ。
だから、だから、まりさのおねがいをきくだけきいてほしいよ!
だめならあきらめるから、きいてほしいんだよ!」
にんげんさんとまりさたちは『おきて』が違うのもわかってるよ。
だから、だから、まりさのおねがいをきくだけきいてほしいよ!
だめならあきらめるから、きいてほしいんだよ!」
「わかった。そこまで言うなら聞こう。言ってみな」
必死なまりさの熱意が通じたのか、農夫は腰を下ろして聞く体勢をとる。
「ゆっくりありがとう!
きいてほしいことはひとつだけなんだよ。
まりさたちにおしごとをあたえてほしいんだよ」
きいてほしいことはひとつだけなんだよ。
まりさたちにおしごとをあたえてほしいんだよ」
「それはあれか、人間と共存したいというのか」
「もうまりさたちはゆっくりのむれではいきていけないんだよ。
もういくばしょがないんだよ。
だったら、もうにんげんさんのばしょくらいしかいくところがないんだよ。
おねがいします!
まりさたちはおやさいさんにかってにてをだしたりしません!
だから、だからおしごとをください!」
もういくばしょがないんだよ。
だったら、もうにんげんさんのばしょくらいしかいくところがないんだよ。
おねがいします!
まりさたちはおやさいさんにかってにてをだしたりしません!
だから、だからおしごとをください!」
農夫は少しの間熟考する。
その間は、まりさたちにっとっては生きた心地のしない時間だった。
人間の強さはよくわかっている。ここで否と言われれば、自分たちはただでは済むまい。
その間は、まりさたちにっとっては生きた心地のしない時間だった。
人間の強さはよくわかっている。ここで否と言われれば、自分たちはただでは済むまい。
「よしわかった。少し周りのやつらと相談してこよう。
ちなみに、受け入れられた場合、こっちと決めた『おきて』を破ったら即『えいえんにゆっくり』させられるぞ。いいな」
ちなみに、受け入れられた場合、こっちと決めた『おきて』を破ったら即『えいえんにゆっくり』させられるぞ。いいな」
「みんな、それでいい?」
まりさは後ろで震えている仲間に確認する。
仲間たちは多少戸惑いはあったが、皆頷いた。
こんなゆっくりもいるんだな、と感心する農夫。
仲間たちは多少戸惑いはあったが、皆頷いた。
こんなゆっくりもいるんだな、と感心する農夫。
次の日、相談の結果まりさたちはいくつかのグループにわかれて複数の農家に仕事をさせてもらうことなった。
まりさたちはしっかり仕事をこなしていった。
カカシの代わりとなって畑を荒す動物を追い払ったり、手に負えない場合は大声で誰かを呼んだり、虫を食ったりと、畑の被害を確実に減らしていった。
カカシの代わりとなって畑を荒す動物を追い払ったり、手に負えない場合は大声で誰かを呼んだり、虫を食ったりと、畑の被害を確実に減らしていった。
ある時、まりさの仕事をする畑にゆっくりがやってきた。
いやらしい笑みを浮かべて、見るからにこの場を乗っ取ろうとしている顔だ。
案の定、そのゆっくりたちは畑に入ってきておうちせんげんをしようとした。
いやらしい笑みを浮かべて、見るからにこの場を乗っ取ろうとしている顔だ。
案の定、そのゆっくりたちは畑に入ってきておうちせんげんをしようとした。
「ここをれいむたちの――」
「そこまでだよ!」
「――ゆっ?!」
おうちせんげんを寸でのところで阻止する。カカシではこれはできない。
れいむとまりさを親とした一家であろう一団は、まりさに食って掛かる。
しかし、まりさがすでにおうちせんげんをした、他にも仲間がいる、などと言って、ゆっくり界のルールで説明するとある程度はあきらめて帰っていった。
れいむとまりさを親とした一家であろう一団は、まりさに食って掛かる。
しかし、まりさがすでにおうちせんげんをした、他にも仲間がいる、などと言って、ゆっくり界のルールで説明するとある程度はあきらめて帰っていった。
「そんなことしらないよ!
ここはれいむたちがみつけたんだから、どろぎたないまりさはさっさとどっかにいってね!」
ここはれいむたちがみつけたんだから、どろぎたないまりさはさっさとどっかにいってね!」
中にはこのように暴論を吐いて掛かる者もいたが、最終的には畑仕事などで鍛えられたまりさにこてんぱんにされ、逃げ帰るか人間に処分される。
まりさは決して同族を殺しはしないが、人間が殺そうとするのを止める事はしない。
人間が殺すと判断したなら仕方が無い。自分たちにそんな事を意見するだけの資格も無い。
それに人間が殺そうと判断したと言うのなら、それだけその同族が愚かであったのだろう、と思っている。
まりさは決して同族を殺しはしないが、人間が殺そうとするのを止める事はしない。
人間が殺すと判断したなら仕方が無い。自分たちにそんな事を意見するだけの資格も無い。
それに人間が殺そうと判断したと言うのなら、それだけその同族が愚かであったのだろう、と思っている。
まりさは同族の事を多少見下し始めていた。自分たちの勝手に生きて、偏見と我欲の塊である者に限るが。
少なくとも、人間と自分たちのルールを同一に見ている者は自分たち未満だと思っている。
他の群れには他の群れのルールがあるという事がわかっているのに、何故人間にはそれがあると思わないのか。
そんな愚かしい同族が嫌いになっていた。
そんな風に思っている時点で自分も見たようなもの、とは感じていた。
少なくとも、人間と自分たちのルールを同一に見ている者は自分たち未満だと思っている。
他の群れには他の群れのルールがあるという事がわかっているのに、何故人間にはそれがあると思わないのか。
そんな愚かしい同族が嫌いになっていた。
そんな風に思っている時点で自分も見たようなもの、とは感じていた。
それから何年かが経過した。
まりさたちは最初は少数だったが、その中で伴侶を決め、子供を作り、育て、人間の手伝いという仕事をさせる。
こうしてまりさは代替わりしても人間との関係が壊れないように尽力した。
いつしか人里に限りなく近い場所で、まりさを長としたゆっくりの集落が出来ていた。
数も一帯の畑全てに働きにいけるだけには増えた。
この集落に住むゆっくりは、皆人間を理解し、畏怖し、尊敬をしている。
真にゆっくりするためには一時のゆっくりを捨てなければならない。それがわかった。
自身が関わった野菜などの収穫の際の喜びを知った。
まりさたちは最初は少数だったが、その中で伴侶を決め、子供を作り、育て、人間の手伝いという仕事をさせる。
こうしてまりさは代替わりしても人間との関係が壊れないように尽力した。
いつしか人里に限りなく近い場所で、まりさを長としたゆっくりの集落が出来ていた。
数も一帯の畑全てに働きにいけるだけには増えた。
この集落に住むゆっくりは、皆人間を理解し、畏怖し、尊敬をしている。
真にゆっくりするためには一時のゆっくりを捨てなければならない。それがわかった。
自身が関わった野菜などの収穫の際の喜びを知った。
人間はこの群れを使い勝手のいい道具のように思う事は無い。
最初こそはそう思っていたが、慣れてくるとこれが中々良い関係だと気付く。
ゆっくりというものは元々純粋で、言いたい事は割りとはっきり言ってくる。
おかげで腹を割って話したり、仕事以外の時間でも一緒に過ごす事が多くなった。
喜びを分かち、悲しみを共有する、それが出来る彼らを道具などとして見れるわけが無い。
群れが野生動物に襲われた際は率先して救援に向かい、間に合わなかった者たちを丁重に葬ったりもした。
すでに両者は切っても切れない信頼関係が形成されていたのだ。
最初に厳格で多種のルールを決めていたはずだったが、今では注意事項程度になるほどだ。
最初こそはそう思っていたが、慣れてくるとこれが中々良い関係だと気付く。
ゆっくりというものは元々純粋で、言いたい事は割りとはっきり言ってくる。
おかげで腹を割って話したり、仕事以外の時間でも一緒に過ごす事が多くなった。
喜びを分かち、悲しみを共有する、それが出来る彼らを道具などとして見れるわけが無い。
群れが野生動物に襲われた際は率先して救援に向かい、間に合わなかった者たちを丁重に葬ったりもした。
すでに両者は切っても切れない信頼関係が形成されていたのだ。
最初に厳格で多種のルールを決めていたはずだったが、今では注意事項程度になるほどだ。
そして現在。まりさは仕事を引退し、群れで次代を担う子供たちを教育している。
「いいかいおちびちゃんたち。まりさたちゆっくりは、にんげんさんときょうぞんしてるわけじゃないんだよ。
にんげんさんがいるから、ちょうろうたちはおしごとがもらえて、こうしてゆっくりしているんだよ」
にんげんさんがいるから、ちょうろうたちはおしごとがもらえて、こうしてゆっくりしているんだよ」
「どうしちぇここいがいにょゆっくちたちはにんげんしゃんにおしごちょをもらいにこにゃいの?」
「ほかのむれのみんなは、にんげんさんがゆっくりできないそんざいだとおもっているんだよ」
「どうしちぇ?」
「それはちょうろうもよくわからないよ。
だけどなぜだかうまれたときからにんげんさんはゆっくりしてない、っておもってるんだよ」
だけどなぜだかうまれたときからにんげんさんはゆっくりしてない、っておもってるんだよ」
「れいみゅたちはしょうおもってにゃいよ」
「そうだね。おちびちゃんたちはとってもかしこいからね」
この群れの子供たちは皆人間への偏見が無い。
親から受け継がれた記憶が、人間への負の感情を追いやったと思われる。
いつしか、この群れのゆっくりはこの群れ以外のゆっくりの方こそゆっくり出来ていないと思うようになる。
五世代も経た頃には、人間の領域をわかっていて侵そうとするゆっくりに対しては同族を相手するという気持ちすら無くなっていた。
親から受け継がれた記憶が、人間への負の感情を追いやったと思われる。
いつしか、この群れのゆっくりはこの群れ以外のゆっくりの方こそゆっくり出来ていないと思うようになる。
五世代も経た頃には、人間の領域をわかっていて侵そうとするゆっくりに対しては同族を相手するという気持ちすら無くなっていた。
これも悲しい事かもしれない。長老となったまりさは思う。
しかし、これが一番いい形であるとも思っている。
この群れは人間がこの地にいる限りは存続できるだろう。そうでなくても、この群れの平均的な戦闘能力は他の群れの比較では無い。
毎日の労働、人間の知恵、その他様々な事を知ったこの群れは、生半可な事で全滅する事は無い。
別に支配に興味は無い。群れのルールは平和第一、である。
しかし、これが一番いい形であるとも思っている。
この群れは人間がこの地にいる限りは存続できるだろう。そうでなくても、この群れの平均的な戦闘能力は他の群れの比較では無い。
毎日の労働、人間の知恵、その他様々な事を知ったこの群れは、生半可な事で全滅する事は無い。
別に支配に興味は無い。群れのルールは平和第一、である。
昔、人間のいる場所までやってきたゆっくりたちは人間に淘汰された。
それを繰り返していくうちに、人間はゆっくりできない存在という記憶が受け継がれ、その中で紆余曲折し、最終的には自分たち未満の存在として認識するようになる。
それは仕方の無いことで、なるべくしてなった事だった。
長老まりさはそれを打ち破った。長く積み重なった負の記憶を拭い去って人間と共に生きる道を見つけた。
これはゆっくりとしては外道かもしれない。しかし、生命としては最善だろう。
この群れは幾度か他のゆっくりの群れに襲撃された。これも仕方ない事だ。下等な人間に従属していると思われている以上、そうなる事もある。
それを繰り返していくうちに、人間はゆっくりできない存在という記憶が受け継がれ、その中で紆余曲折し、最終的には自分たち未満の存在として認識するようになる。
それは仕方の無いことで、なるべくしてなった事だった。
長老まりさはそれを打ち破った。長く積み重なった負の記憶を拭い去って人間と共に生きる道を見つけた。
これはゆっくりとしては外道かもしれない。しかし、生命としては最善だろう。
この群れは幾度か他のゆっくりの群れに襲撃された。これも仕方ない事だ。下等な人間に従属していると思われている以上、そうなる事もある。
暫く後、第一世代最後の生き残りであった長老まりさは永い眠りについた。
その事実を知った人間たちは、長い付き合いだった事もあって、群れとともにその死を悼んだ。
その中でも、初めて長老まりさが話しかけたあの農夫は、友と呼ぶほど仲が良い長老まりさの死を悲しむ。
思い起こすのは長老まりさが若かった頃。
ちょっとした言い争いをしたあの頃。酒を飲ませすぎてうっかり死なせかけたあの頃。野犬やゆっくりの群れに襲われた長老まりさを助けたあの頃。
それは人間の友を想う気持ちと何も変わらない、種族を超えた信頼と友情が確かにあった。
その事実を知った人間たちは、長い付き合いだった事もあって、群れとともにその死を悼んだ。
その中でも、初めて長老まりさが話しかけたあの農夫は、友と呼ぶほど仲が良い長老まりさの死を悲しむ。
思い起こすのは長老まりさが若かった頃。
ちょっとした言い争いをしたあの頃。酒を飲ませすぎてうっかり死なせかけたあの頃。野犬やゆっくりの群れに襲われた長老まりさを助けたあの頃。
それは人間の友を想う気持ちと何も変わらない、種族を超えた信頼と友情が確かにあった。
人間とゆっくりは分かり合える。
それを実証した長老まりさ。
長老の意思は次代がしっかりと引き継ぐ。そしてまた次代へと繋いでいくだろう。
それを実証した長老まりさ。
長老の意思は次代がしっかりと引き継ぐ。そしてまた次代へと繋いでいくだろう。
長老まりさの死に顔は、万人が見てもゆっくりとしていて、この上なく安らかであったという。
おわり
anko1241 ゆっくり教材Vol.1『野良に憧れるれいむ』
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