ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4232 ソクラテス
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『ソクラテス』 10KB
愛で 観察 追放 群れ 野良ゆ 都会 現代 愛護人間 ちぇん=ソクラテス・まりさ=プラトン。ディオゲネスとアレク出したかったけど無理。
愛で 観察 追放 群れ 野良ゆ 都会 現代 愛護人間 ちぇん=ソクラテス・まりさ=プラトン。ディオゲネスとアレク出したかったけど無理。
双葉町の二丁目にある宛内公園には愛で派によって作られた人口のゆっくりプレイスがあった。
そこでは、ゆっくりの労働は皆無で、人間によって公園の管理はされ、人間によって食料が手渡されていた。
ゆっくりたちはこの状況に満足し、人間の機嫌を損ねないようにしながら共存関係を築いていった。
さて、時間の余った彼らはただゆっくりとしているだけではなかった。政治というものが生まれたのだ。
各々、自分たちで集まり意見を出し合い、なんらかのプロジェクトを打ち立て、それを実行する。
例えば、運動会を開いたり、裁判を起こしたり、大きな家を建築したり。乱暴者や政敵を追放するなど。
一番大事なものとして、啓蒙があった。人間との共存を推し進める行為だ。
ゆっくり達の基本方針、親人間政策を軸に様々な意見が飛び交い、人間との仲を構築していった。
だが、人間と同じように進歩したかと思えば、人間と同じように退化していく。
政治という物に興味が薄れていったからだ。ギリシャと同じく衆愚政治に陥ってしまったのだ。
誰も政治に興味を示さないからこそ、一部の政治に興味を示すゆっくりが鶴の一声のようになってしまう。
彼らはソフィストのように振る舞い、自分たちのことを“けんじゃ”と名乗った。
「むきょきょ! このもりのけんじゃのぱちぇのはなしをきくのよ!」
彼らの大半は無知なものが多かった。とくにぱちゅりーは自分の知恵をひけらかすことでゆっくりしたのだ。
なによりも、暇に明け暮れ、正しい知識を得なくなってしまったゆっくりにとって、“けんじゃ”の言葉はスポンジにしみる水のようなものであった。
そこでは、ゆっくりの労働は皆無で、人間によって公園の管理はされ、人間によって食料が手渡されていた。
ゆっくりたちはこの状況に満足し、人間の機嫌を損ねないようにしながら共存関係を築いていった。
さて、時間の余った彼らはただゆっくりとしているだけではなかった。政治というものが生まれたのだ。
各々、自分たちで集まり意見を出し合い、なんらかのプロジェクトを打ち立て、それを実行する。
例えば、運動会を開いたり、裁判を起こしたり、大きな家を建築したり。乱暴者や政敵を追放するなど。
一番大事なものとして、啓蒙があった。人間との共存を推し進める行為だ。
ゆっくり達の基本方針、親人間政策を軸に様々な意見が飛び交い、人間との仲を構築していった。
だが、人間と同じように進歩したかと思えば、人間と同じように退化していく。
政治という物に興味が薄れていったからだ。ギリシャと同じく衆愚政治に陥ってしまったのだ。
誰も政治に興味を示さないからこそ、一部の政治に興味を示すゆっくりが鶴の一声のようになってしまう。
彼らはソフィストのように振る舞い、自分たちのことを“けんじゃ”と名乗った。
「むきょきょ! このもりのけんじゃのぱちぇのはなしをきくのよ!」
彼らの大半は無知なものが多かった。とくにぱちゅりーは自分の知恵をひけらかすことでゆっくりしたのだ。
なによりも、暇に明け暮れ、正しい知識を得なくなってしまったゆっくりにとって、“けんじゃ”の言葉はスポンジにしみる水のようなものであった。
「よーく、ききなさい!! にんげんはゆっくりせずにはたらいたりしているわ!!
そう、かれらはゆっくりのどれいなのよ!! ゆっくりしてないどれいにあたまをさげるひつようがあるかしら!?」
「「「「「そうだそうだ!!」」」」」
そう、かれらはゆっくりのどれいなのよ!! ゆっくりしてないどれいにあたまをさげるひつようがあるかしら!?」
「「「「「そうだそうだ!!」」」」」
こうして、無知によって人間に対する意識は薄まり、ゆっくりは次第に横柄になったのは言うまでもない。
しかし、そんなさ最中、真実を求めるゆっくりが一匹いた。そのゆっくりは無知を恥じず、考えることのみを欲した。
しかし、そんなさ最中、真実を求めるゆっくりが一匹いた。そのゆっくりは無知を恥じず、考えることのみを欲した。
ソクラテス
嘘あき
昼寝の音や、生活感あふれる区域。そこは資材を人間からもらい、ゆっくり達によって作られた住宅街であった。
ダンボールによって作られた家の合間を縫って、一匹のまりさが駆け出す。
そこら中にいる間抜けっ面を晒したゆっくりよりもどこか利発そうな雰囲気を醸し出すゆっくりであった。
「せんせい、せんせい!! ちぇんせんせいはどこにいるのぜ!!」
まりさは師匠を探していた。
「どこなのぜー!?」
住宅街を抜けた近くにジャングルジムがあった。その上に丸いシルエットが見える。
「このおすがたはもしや!?」
ピンク色の鉄製のジャングルジムの手すりに飛び跳ねて、まりさは駆け上がっていく。
普通のゆっくりでは足を痛めたり落下する可能性があったが、運動神経の良いゆっくりは登ることが出来た。
頂点にたどり着くと、一匹のちぇんがいた。年老いた姿からはまるで鳥のだしがらのようにしなびている。
だが、その眼孔からはどこか遠くを見据えている望遠鏡のような眼であった。
「ちぇんせんせい、さがしたのぜ!」
まりさの声に気づいたちぇんは視線をそのままに返事をした。
「まりさなんだねーわかるよー」
声をかけたのに相変わらずどこかを見ている師匠に疑問を感じたまりさは問いかけた。
「どうして、とおくをみているのぜ?」
一旦間をおいて、ちぇんは口を開く。
「どうして、ちぇんはちっちゃいんだろうねーわからないよー」
「それは、あたらしいもんだいなのぜ?」
「にんげんさんはとってもおおきくて、いろいろなことをしってるのに、まだせかいがわからないんだねー」
「せかいをすべてしるというのはかみさまのしょぎょうなのですぜ」
「わかるよーでも、ちぇんはしりたいんだねー」
「では、もういちどおききしますが、なぜ、とおくをみていたのぜ?」
「せかいをしりたいからだよーわかってねー」
「そう、なのぜ……でも、そのまえにやることがありますのぜ!!」
「それはなんだい? わからないよー」
まりさが器用にジャングルジムを降りると、ちぇんもそれについていく。着地したところで、まりさは師匠に振り返った。
「ぱちゅりーがまたにんげんひはんをするのぜ! だから、せんせいにがつんといってもらいたいのぜ!!」
最近の“けんじゃ”のブームとして人間批判があるのだ。主張として人間奴隷説がある。
これは主に第3世代のゆっくりが行なっていることで、人間のありがたみを知らないゆっくりによるものだ。
第1、2世代は土着のゆっくりで食糧難に困っていたのを人間に助けてもらっていたので人間をバカにはしない。
きちんと教育を受けたゆっくりは人間のありがたみを知っているのだが、いかんせん、7割は知らないでいる。
「ちぇんは、ただ、ゆっくりしたいだけだよー」
「たのみますのぜ!」
まりさは頭を下げる。
「……わかったんだねーでも、でいぶがおこるよー」
ちぇんは恐妻家であった。それゆえに、何かあるたびに怒鳴られるのがちぇんの日課であった。
「さっさと、あのおくさんとはわかれたほうがいいのぜ? せんせい! それに……」
「わかるよーでも、むりなんだねー」
「まりさのぱぱにたのめばいいのですぜ」
対して、まりさの家は裕福な家だった。政治家としても優秀で、高い地位を持った家である。
「まりさ、りこんはとってもわるいことだとちぇんはおもうんだよ」
「どうしてなのぜ?」
「ちぇんはあいのちかいをたててしまったいじょう、それにしたがわなかったら、ちぇんはしんじつをゆがめてしまうんだねー」
「それでも、ゆっくりできないのはわるいことですぜ!」
「ちぇんはしんじつをまげるぐらいならしんだほうがいいとおもってるんだねー」
「なぜ、しんじつはまげちゃだめなのぜ?」
「ゆっくりはしんじつだからなんだねー」
「む、むずかしいのぜ。とりあえず、ぱちゅりーのはなしがはじまるまえにいきましょうなのぜ!!」
ダンボールによって作られた家の合間を縫って、一匹のまりさが駆け出す。
そこら中にいる間抜けっ面を晒したゆっくりよりもどこか利発そうな雰囲気を醸し出すゆっくりであった。
「せんせい、せんせい!! ちぇんせんせいはどこにいるのぜ!!」
まりさは師匠を探していた。
「どこなのぜー!?」
住宅街を抜けた近くにジャングルジムがあった。その上に丸いシルエットが見える。
「このおすがたはもしや!?」
ピンク色の鉄製のジャングルジムの手すりに飛び跳ねて、まりさは駆け上がっていく。
普通のゆっくりでは足を痛めたり落下する可能性があったが、運動神経の良いゆっくりは登ることが出来た。
頂点にたどり着くと、一匹のちぇんがいた。年老いた姿からはまるで鳥のだしがらのようにしなびている。
だが、その眼孔からはどこか遠くを見据えている望遠鏡のような眼であった。
「ちぇんせんせい、さがしたのぜ!」
まりさの声に気づいたちぇんは視線をそのままに返事をした。
「まりさなんだねーわかるよー」
声をかけたのに相変わらずどこかを見ている師匠に疑問を感じたまりさは問いかけた。
「どうして、とおくをみているのぜ?」
一旦間をおいて、ちぇんは口を開く。
「どうして、ちぇんはちっちゃいんだろうねーわからないよー」
「それは、あたらしいもんだいなのぜ?」
「にんげんさんはとってもおおきくて、いろいろなことをしってるのに、まだせかいがわからないんだねー」
「せかいをすべてしるというのはかみさまのしょぎょうなのですぜ」
「わかるよーでも、ちぇんはしりたいんだねー」
「では、もういちどおききしますが、なぜ、とおくをみていたのぜ?」
「せかいをしりたいからだよーわかってねー」
「そう、なのぜ……でも、そのまえにやることがありますのぜ!!」
「それはなんだい? わからないよー」
まりさが器用にジャングルジムを降りると、ちぇんもそれについていく。着地したところで、まりさは師匠に振り返った。
「ぱちゅりーがまたにんげんひはんをするのぜ! だから、せんせいにがつんといってもらいたいのぜ!!」
最近の“けんじゃ”のブームとして人間批判があるのだ。主張として人間奴隷説がある。
これは主に第3世代のゆっくりが行なっていることで、人間のありがたみを知らないゆっくりによるものだ。
第1、2世代は土着のゆっくりで食糧難に困っていたのを人間に助けてもらっていたので人間をバカにはしない。
きちんと教育を受けたゆっくりは人間のありがたみを知っているのだが、いかんせん、7割は知らないでいる。
「ちぇんは、ただ、ゆっくりしたいだけだよー」
「たのみますのぜ!」
まりさは頭を下げる。
「……わかったんだねーでも、でいぶがおこるよー」
ちぇんは恐妻家であった。それゆえに、何かあるたびに怒鳴られるのがちぇんの日課であった。
「さっさと、あのおくさんとはわかれたほうがいいのぜ? せんせい! それに……」
「わかるよーでも、むりなんだねー」
「まりさのぱぱにたのめばいいのですぜ」
対して、まりさの家は裕福な家だった。政治家としても優秀で、高い地位を持った家である。
「まりさ、りこんはとってもわるいことだとちぇんはおもうんだよ」
「どうしてなのぜ?」
「ちぇんはあいのちかいをたててしまったいじょう、それにしたがわなかったら、ちぇんはしんじつをゆがめてしまうんだねー」
「それでも、ゆっくりできないのはわるいことですぜ!」
「ちぇんはしんじつをまげるぐらいならしんだほうがいいとおもってるんだねー」
「なぜ、しんじつはまげちゃだめなのぜ?」
「ゆっくりはしんじつだからなんだねー」
「む、むずかしいのぜ。とりあえず、ぱちゅりーのはなしがはじまるまえにいきましょうなのぜ!!」
そのぱちゅりーはそれなりの“けんじゃ”でたくさんのオーディエンスが集まっていた。
オーディエンスが求めるのは娯楽であり、その点、“けんじゃ”の言葉は毒にも薬にもなるものであった。
「ぱちぇのはなしをはじめるわよ!!」
オーディエンスの中にはちぇんとまりさが居た。すると、観客がざわつくのだ。
「ちぇんがきたのぜ!」
「あの、へりくつのちぇんよ!!」
まりさはこの反応にいつものことかと笑ってしまった。
「せんせい、きょうもがつんとやりましょうなのぜ!!」
嬉々として喜び、おさげをブンブンと振り回すまりさを静止するちぇん。
「まつんだねーちぇんはけんかしにきたんじゃないんだねー」
「むきゅ、こほん! それではぱちぇのはなしをはじめるわ!!」
オーディエンスが求めるのは娯楽であり、その点、“けんじゃ”の言葉は毒にも薬にもなるものであった。
「ぱちぇのはなしをはじめるわよ!!」
オーディエンスの中にはちぇんとまりさが居た。すると、観客がざわつくのだ。
「ちぇんがきたのぜ!」
「あの、へりくつのちぇんよ!!」
まりさはこの反応にいつものことかと笑ってしまった。
「せんせい、きょうもがつんとやりましょうなのぜ!!」
嬉々として喜び、おさげをブンブンと振り回すまりさを静止するちぇん。
「まつんだねーちぇんはけんかしにきたんじゃないんだねー」
「むきゅ、こほん! それではぱちぇのはなしをはじめるわ!!」
ぱちゅりーのはなしは人間がいかにゆっくりしていないかを論ったものである。
それに賛同するオーディエンスは“けんじゃ”の言葉を鵜呑みにし、各々の人間像を描いていった。
だが、一部のオーディエンスはそわそわとある二匹の出番を待ち構えていた。そう、ちぇんとまりさである。
「――だから、にんげんはゆっくりしてないわ! むきゅ!!」
「ちょっと、いいかなー」
ちぇんが声を上げたのだ。その姿に観客は騒然とする。
「なにかしら!」
毅然とした態度で立ち向かうぱちゅりー。私には悪いことはないと威張っていた。
「にんげんはあたまがわるいってはなしなんだねー」
「そうよ、にんげんはいつもおなじことしかしないわ! あいさつとごみそうじとかりをするだけ!」
「それは、にんげんさんができるのうりょくのいちぶでしかないんだねー」
「むきゅきゅ、でも、にんげんはゆっくりをゆっくりさせるためのどうぐよ!!」
「どうぐじゃないかもしれないんだねーもしかしたら、おとうさんとおかあさんのかわりかもだよー」
「むきゃ? それは、にんげんがおとうさんとおかあさんってことなの? むきゃきゃきゃきゃ!!」
「ちがうんだねー。にんげんはもしかしたら、かみさまなのかもしれないんだねー」
「むーきゃきゃきゃきゃきゃ!! そんなばかなはなしがあるわけないじゃない!!」
「なら、なぜにんげんはゆっくりにつくしてくれるんだろうねー?」
「とうぜんよ、ゆっくりがゆっくりしてるからよ!!」
「なんで、ゆっくりがゆっくりしてるんだろうねー」
「むきゃ、それは……ゆっくりだからよ!」
「こたえになってないんだねー」
オーディエンスがざわついた。ぱちゅりーが負けつつあるからだ。
「むぎぎ。じゃあ、ちぇんはなんでゆっくりがゆっくりしているといえるのかしら!?」
「べつに、ちぇんはゆっくりがゆっくりしているわけじゃないとおもうんだねー」
この答えにはさすがに、ゆっくり達は非難せざるをえなかった。
「「「「「ゆっくりしてないのはちぇんだけだよ!!」」」」」
「むきゅ、そうね! そうだわ!! ゆっくりしてないちぇんはゆっくりしないでね!!」
「まあ、まつんだねー」
「もうおそいわ!!」
「ゆっくりはゆっくりできなかったからゆっくりしようとかんがえたんだよー」
「むきゃ? それはどういうこと?」
「「「「「ゆゆゆ?」」」」」
オーディエンスは静まり、ちぇんの言葉に耳を傾けた。
「おじーさんやおばーさんはゆっくりできなかったっていうよーそれはしってるよねー」
「「「「「しってるよ!!」」」」」
「じゃあ、なんでいまはゆっくりできるんだろうねー?」
「「「「「にんげんがいるからだよ!!!」」」」」
「そうだねーにんげんがいるからゆっくりはゆっくりできるんだねー」
「「「「「な、なるほど……」」」」」
「かりやおそうじはゆっくりできないんだねー。だから、ゆっくりはゆっくりできなかったんだよ」
「むきゃ? ということはゆっくりはゆっくりできないのがうんめいだったってことかしら?」
「そうだよー!」
「「「「「じゃあ、にんげんはゆっくりできるんじゃ……」」」」」
「そうだよー。ふつうにかんがえたら、にんげんはゆっくりできるんだよー」
「まって、にんげんはゆっくりをゆっくりさせるためのどれいよ!!」
「よくかんがえてほしいんだねーいまはにんげんとなかよしだからゆっくりできるんだよー」
「それじゃあ、にんげんがいうことをきかなければぱちぇたちがにんげんをたおせばいいじゃない!!」
「ちからのさにきづいてほしいんだねー」
「むきゅきゅ、それはわたしたちがゆっ……ぱちぇのまけね」
ぱちゅりーは相手の顔を見た。どうせ胸を張って私を見下ろしているのだろうと思って。だが違った。
「でも、にんげんがゆっくりしているわけじゃないんだねー」
「むきゅ?」
「「「「「ゆゆ?」」」」」
ちぇんの言葉にぱちゅりーとオーディエンスは驚いた。先ほどまで人間はゆっくりできると言っていたのに反対のことを言いだすからだ。
「もしも、にんげんがはたらかなくなったら、ちぇんたちはどうなるんだろうねー」
「「「「「ゆっくりできなくなるよ!!」」」」」
「じゃあ、そうなったらにんげんはゆっくりできるかなー?」
「「「「「ゆっくりできないよ!!!」」」」」
「そうだねーこのよにかくじつにゆっくりできることはないんだよーわかってねー」
こうして、ちぇんとぱちゅりーの話し合いは終わり。幕を閉じた。
だが、一部ちぇんをよく思わないゆっくりは長に「ゆっくりはゆっくりしていない」とちぇんが発言していたと報告をすることに。
それに賛同するオーディエンスは“けんじゃ”の言葉を鵜呑みにし、各々の人間像を描いていった。
だが、一部のオーディエンスはそわそわとある二匹の出番を待ち構えていた。そう、ちぇんとまりさである。
「――だから、にんげんはゆっくりしてないわ! むきゅ!!」
「ちょっと、いいかなー」
ちぇんが声を上げたのだ。その姿に観客は騒然とする。
「なにかしら!」
毅然とした態度で立ち向かうぱちゅりー。私には悪いことはないと威張っていた。
「にんげんはあたまがわるいってはなしなんだねー」
「そうよ、にんげんはいつもおなじことしかしないわ! あいさつとごみそうじとかりをするだけ!」
「それは、にんげんさんができるのうりょくのいちぶでしかないんだねー」
「むきゅきゅ、でも、にんげんはゆっくりをゆっくりさせるためのどうぐよ!!」
「どうぐじゃないかもしれないんだねーもしかしたら、おとうさんとおかあさんのかわりかもだよー」
「むきゃ? それは、にんげんがおとうさんとおかあさんってことなの? むきゃきゃきゃきゃ!!」
「ちがうんだねー。にんげんはもしかしたら、かみさまなのかもしれないんだねー」
「むーきゃきゃきゃきゃきゃ!! そんなばかなはなしがあるわけないじゃない!!」
「なら、なぜにんげんはゆっくりにつくしてくれるんだろうねー?」
「とうぜんよ、ゆっくりがゆっくりしてるからよ!!」
「なんで、ゆっくりがゆっくりしてるんだろうねー」
「むきゃ、それは……ゆっくりだからよ!」
「こたえになってないんだねー」
オーディエンスがざわついた。ぱちゅりーが負けつつあるからだ。
「むぎぎ。じゃあ、ちぇんはなんでゆっくりがゆっくりしているといえるのかしら!?」
「べつに、ちぇんはゆっくりがゆっくりしているわけじゃないとおもうんだねー」
この答えにはさすがに、ゆっくり達は非難せざるをえなかった。
「「「「「ゆっくりしてないのはちぇんだけだよ!!」」」」」
「むきゅ、そうね! そうだわ!! ゆっくりしてないちぇんはゆっくりしないでね!!」
「まあ、まつんだねー」
「もうおそいわ!!」
「ゆっくりはゆっくりできなかったからゆっくりしようとかんがえたんだよー」
「むきゃ? それはどういうこと?」
「「「「「ゆゆゆ?」」」」」
オーディエンスは静まり、ちぇんの言葉に耳を傾けた。
「おじーさんやおばーさんはゆっくりできなかったっていうよーそれはしってるよねー」
「「「「「しってるよ!!」」」」」
「じゃあ、なんでいまはゆっくりできるんだろうねー?」
「「「「「にんげんがいるからだよ!!!」」」」」
「そうだねーにんげんがいるからゆっくりはゆっくりできるんだねー」
「「「「「な、なるほど……」」」」」
「かりやおそうじはゆっくりできないんだねー。だから、ゆっくりはゆっくりできなかったんだよ」
「むきゃ? ということはゆっくりはゆっくりできないのがうんめいだったってことかしら?」
「そうだよー!」
「「「「「じゃあ、にんげんはゆっくりできるんじゃ……」」」」」
「そうだよー。ふつうにかんがえたら、にんげんはゆっくりできるんだよー」
「まって、にんげんはゆっくりをゆっくりさせるためのどれいよ!!」
「よくかんがえてほしいんだねーいまはにんげんとなかよしだからゆっくりできるんだよー」
「それじゃあ、にんげんがいうことをきかなければぱちぇたちがにんげんをたおせばいいじゃない!!」
「ちからのさにきづいてほしいんだねー」
「むきゅきゅ、それはわたしたちがゆっ……ぱちぇのまけね」
ぱちゅりーは相手の顔を見た。どうせ胸を張って私を見下ろしているのだろうと思って。だが違った。
「でも、にんげんがゆっくりしているわけじゃないんだねー」
「むきゅ?」
「「「「「ゆゆ?」」」」」
ちぇんの言葉にぱちゅりーとオーディエンスは驚いた。先ほどまで人間はゆっくりできると言っていたのに反対のことを言いだすからだ。
「もしも、にんげんがはたらかなくなったら、ちぇんたちはどうなるんだろうねー」
「「「「「ゆっくりできなくなるよ!!」」」」」
「じゃあ、そうなったらにんげんはゆっくりできるかなー?」
「「「「「ゆっくりできないよ!!!」」」」」
「そうだねーこのよにかくじつにゆっくりできることはないんだよーわかってねー」
こうして、ちぇんとぱちゅりーの話し合いは終わり。幕を閉じた。
だが、一部ちぇんをよく思わないゆっくりは長に「ゆっくりはゆっくりしていない」とちぇんが発言していたと報告をすることに。
「ちぇんはゆっくりをひていしたゆっくりだわ。よって、このむれをついほうする!!」
ちぇんは老いた体を引きずりながら公園を立ち去っていった。その後ろにはあのまりさもいた。
「どうしますのぜ、せんせい!」
ちぇんは笑って答えた。
「これで、ちぇんはじゆうになったんだねー!」
「ど、どういうことですのぜ?」
まりさは師であるちぇんの教えを受けきっていないとしてついてきたのだ。それも、死を覚悟して。
頭の良いまりさにはわかっていたのだ。人間の加護を受けねば生き長らえないことを。
しかし、まりさは自分の師匠が正しいことを貫いた事を知っている。だからこそ、ついてきたのだ。
「ちぇんはせかいをしらないんだねーだから、いっぱいしりたいんだねー」
「しかし、せんせい。よのなかにはゆっくりをしにいたらしめるものがたくさんあるとききますのぜ」
「それもせかいのいっかんなんだよー!」
「どうしますのぜ、せんせい!」
ちぇんは笑って答えた。
「これで、ちぇんはじゆうになったんだねー!」
「ど、どういうことですのぜ?」
まりさは師であるちぇんの教えを受けきっていないとしてついてきたのだ。それも、死を覚悟して。
頭の良いまりさにはわかっていたのだ。人間の加護を受けねば生き長らえないことを。
しかし、まりさは自分の師匠が正しいことを貫いた事を知っている。だからこそ、ついてきたのだ。
「ちぇんはせかいをしらないんだねーだから、いっぱいしりたいんだねー」
「しかし、せんせい。よのなかにはゆっくりをしにいたらしめるものがたくさんあるとききますのぜ」
「それもせかいのいっかんなんだよー!」
その後、宛内公園ではあのちぇんとまりさを見たものはいない。
なぜなら、彼らは無謀にも人間と敵対し、滅びたからだ。
なぜなら、彼らは無謀にも人間と敵対し、滅びたからだ。