ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4220 ゆロピコ1
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『ゆロピコ1』 41KB
愛で 観察 考証 群れ ドスまりさ 希少種 自然界 人間なし 独自設定 トロピコ要素はそんなにない。プレイしたのは1と2のみ。友人とciv4で対戦してボロ負けしました。立地が悪かったんや!
愛で 観察 考証 群れ ドスまりさ 希少種 自然界 人間なし 独自設定 トロピコ要素はそんなにない。プレイしたのは1と2のみ。友人とciv4で対戦してボロ負けしました。立地が悪かったんや!
著者 嘘あき
目次
序章 動け! このポンコツ!
第二章 ようこそプレシデンテ!
第三章 粛清されるべき運命なのだ
第四章 ソ連とアメリカ
第五章 布告
第六章 狩猟と産業と教育
最終章 圧政の結果
序章 動け! このポンコツ!
第二章 ようこそプレシデンテ!
第三章 粛清されるべき運命なのだ
第四章 ソ連とアメリカ
第五章 布告
第六章 狩猟と産業と教育
最終章 圧政の結果
新章その1 復活
新章 その2 ゆっくりしていってね!!!
新章 その3 ゆん材誘致
新章 その4 外交のバイアス
新章 その5 世襲、そして腐敗
新章 その2 ゆっくりしていってね!!!
新章 その3 ゆん材誘致
新章 その4 外交のバイアス
新章 その5 世襲、そして腐敗
序章:動け! このポンコツ!
まぶたの隙間から強烈な光が差し込む。ひどく眩しい。無意識にまぶたがゆっくりとアサガオのように開いていく。
目が覚めた。目下に広がるのは黄色っぽさが目立つ黄土色の地面と、自分の背丈と同じくらいに大きいゆっくりが数匹いる。
あたりを見回してみる。ゆっくり達を背景に生い茂った草木のどれもが普通の物よりも大きく、そして深いのだ。
おかしい、目が覚めた時に見た何もかもが、巨大に見えてしまう。
そんな筈はないと、私は立ち上がろうとするが、体がピクリとも動かない。足が反応してくれない。
目が覚めるまでに何があったのか、記憶は……ない。だが、確実に言えるのは自分が病み上がりということだ。だからこそ、この状況は非常に危ない。
ガリバー旅行記の巨人族や食人族の人間が知性的で、迷える旅行者を丁重に扱ったが、ゆっくりだとそうはいかないだろう。
なにせ、彼らは人間が嫌いだ。加えてドスクラスの大きさを持つゆっくりが集団で襲いかかってきたら、私は圧殺される可能性がある。良くて体当たりを食らって骨折。
何とかしてこの場を動こうとするが、どうしても体が動かない。手を動かしても足を動かしても。何もかもが反応しない。
クソ、クソ、動け! 動け!
体を徐々に揺らすことはできるが、一向に歩を進めることは叶わじ。まさか、気絶している間に足がなくなったのだろうか。
恐る恐る私は自分の足元を見る。
そこにあったのは、小麦色のカーブを描いた肌だけだった。これは自分の腹だということが分かる。服がはだけているのだろうか。
だが、それよりもだ。足がない。両足そのものがないのだ。まるで、もともと無かったかのように。
冷や汗がこめかみをつたる感触がした。手でそれを拭おうとしたら、ブラシのようなものが私のこめかみをくすぐった。
私は手に何かを握っているのか。それを確かめようと、両目をキョロキョロと横に動かすが、肩が一向に見えない。
変わりに見えたのは紫色をした髪の束であった。ありえない。私は髪を今までに一度も染めたことがないからだ。
それに、私は散髪屋ではいつも髪を短く切ってもらう。例え、私が気絶している間に髪が紫に染められていたとしても髪が伸びることなんてありえない。
まさか、カツラを被せられているのか? だが、まて。先程のこめかみを拭ったものは一体何だったのか。
試しに、私はこめかみ部分の神経を尖らせてみる。そして、もみあげに意識を張り巡らせる。
そして、動かしてみる。感触があった。まるで、腕の関節を曲げるがごとく、動くのだ。
ありえない。何もかもがありえない。たしかに、こめかみ部分を動かしてみせた友人がひとりいたが、そんなちゃちなもんじゃない。
まるで、髪自身に神経そのものが通っている感じだ。ゴーゴンのように、髪が生き物で出来ているんじゃないかと錯覚を覚える。
いや、そんな生物を私は知っている。そう、目の前で各々ゆっくりしているゆっくりだ。
ゆっくりはもみあげを人間の手の代わりに使うそうだ。物を持ち上げたり、他ゆんを攻撃するために。
そうだ、ゆっくりには足がないし腕もない。ただ、頭のみが存在する。まるで、今の私のようではないか。
ありえないと言う言葉を何度使えば良いのだろうか。まさか、私がゆっくりだった。そんなバカな。
「ゆゆ、ぱちゅりー、どうしたの? なんだかゆっくりできないことでもあったの?」
いま、後ろから声がしたが、今なんと言ったのだろう。確か、“ぱちゅりー”と言ったな。
「ぱちゅりー、それがわたしのなまえ……」
「どうしたの? まさか、ぱちゅりーはぱちゅりーのなまえをわすれたの? ふふ、ゆっくりしてるね」
「いや、そうじゃない……」
後ろを振り向こうとしたら、なんと振り向いてくれたが、体が非常に苦しい。
「うぇっぷ……」
「ぱ、ぱちゅりー? どうしたの? いきなり、ねーじねーじなんかして」
私に話しかけてきたのは一匹のれいむだった。いかにも親切そうなゆっくりで助かった。というわけで、私は早速、ね-じねーじとやらのことを聞く。
「ね、ねーじねーじ?」
「そうだよ、ねーじねーじしてるけど、どうしたの?」
視線の焦点を腹に当てると、なんと体が足元から右回りに捻れていたのだ。どうりで、腹が気持ち悪いわけだ。
人間でも、体を捻って動かすことはあるが、それ以上にキモい。内臓をダイレクトにアタックする動きだ。
「わ、わたしはね、ちょっとからだのうごかしかたをわすれてしまったの」
「ゆーん? どゆこと?」
「このじょうきょうをだはするほうほうはないかしら?」
「それなら、ぴょんぴょんすればいいとおもうよ!」
それは跳ねろということなのだろうか。私は体を宙に浮かすイメージを行った。
「ぴょんぴょん!」
思ったことが口に出てなんだか恥ずかしい。認めたくないが、私はゆっくりなのだろうか。まあ、そうなんだろうな……
目が覚めた。目下に広がるのは黄色っぽさが目立つ黄土色の地面と、自分の背丈と同じくらいに大きいゆっくりが数匹いる。
あたりを見回してみる。ゆっくり達を背景に生い茂った草木のどれもが普通の物よりも大きく、そして深いのだ。
おかしい、目が覚めた時に見た何もかもが、巨大に見えてしまう。
そんな筈はないと、私は立ち上がろうとするが、体がピクリとも動かない。足が反応してくれない。
目が覚めるまでに何があったのか、記憶は……ない。だが、確実に言えるのは自分が病み上がりということだ。だからこそ、この状況は非常に危ない。
ガリバー旅行記の巨人族や食人族の人間が知性的で、迷える旅行者を丁重に扱ったが、ゆっくりだとそうはいかないだろう。
なにせ、彼らは人間が嫌いだ。加えてドスクラスの大きさを持つゆっくりが集団で襲いかかってきたら、私は圧殺される可能性がある。良くて体当たりを食らって骨折。
何とかしてこの場を動こうとするが、どうしても体が動かない。手を動かしても足を動かしても。何もかもが反応しない。
クソ、クソ、動け! 動け!
体を徐々に揺らすことはできるが、一向に歩を進めることは叶わじ。まさか、気絶している間に足がなくなったのだろうか。
恐る恐る私は自分の足元を見る。
そこにあったのは、小麦色のカーブを描いた肌だけだった。これは自分の腹だということが分かる。服がはだけているのだろうか。
だが、それよりもだ。足がない。両足そのものがないのだ。まるで、もともと無かったかのように。
冷や汗がこめかみをつたる感触がした。手でそれを拭おうとしたら、ブラシのようなものが私のこめかみをくすぐった。
私は手に何かを握っているのか。それを確かめようと、両目をキョロキョロと横に動かすが、肩が一向に見えない。
変わりに見えたのは紫色をした髪の束であった。ありえない。私は髪を今までに一度も染めたことがないからだ。
それに、私は散髪屋ではいつも髪を短く切ってもらう。例え、私が気絶している間に髪が紫に染められていたとしても髪が伸びることなんてありえない。
まさか、カツラを被せられているのか? だが、まて。先程のこめかみを拭ったものは一体何だったのか。
試しに、私はこめかみ部分の神経を尖らせてみる。そして、もみあげに意識を張り巡らせる。
そして、動かしてみる。感触があった。まるで、腕の関節を曲げるがごとく、動くのだ。
ありえない。何もかもがありえない。たしかに、こめかみ部分を動かしてみせた友人がひとりいたが、そんなちゃちなもんじゃない。
まるで、髪自身に神経そのものが通っている感じだ。ゴーゴンのように、髪が生き物で出来ているんじゃないかと錯覚を覚える。
いや、そんな生物を私は知っている。そう、目の前で各々ゆっくりしているゆっくりだ。
ゆっくりはもみあげを人間の手の代わりに使うそうだ。物を持ち上げたり、他ゆんを攻撃するために。
そうだ、ゆっくりには足がないし腕もない。ただ、頭のみが存在する。まるで、今の私のようではないか。
ありえないと言う言葉を何度使えば良いのだろうか。まさか、私がゆっくりだった。そんなバカな。
「ゆゆ、ぱちゅりー、どうしたの? なんだかゆっくりできないことでもあったの?」
いま、後ろから声がしたが、今なんと言ったのだろう。確か、“ぱちゅりー”と言ったな。
「ぱちゅりー、それがわたしのなまえ……」
「どうしたの? まさか、ぱちゅりーはぱちゅりーのなまえをわすれたの? ふふ、ゆっくりしてるね」
「いや、そうじゃない……」
後ろを振り向こうとしたら、なんと振り向いてくれたが、体が非常に苦しい。
「うぇっぷ……」
「ぱ、ぱちゅりー? どうしたの? いきなり、ねーじねーじなんかして」
私に話しかけてきたのは一匹のれいむだった。いかにも親切そうなゆっくりで助かった。というわけで、私は早速、ね-じねーじとやらのことを聞く。
「ね、ねーじねーじ?」
「そうだよ、ねーじねーじしてるけど、どうしたの?」
視線の焦点を腹に当てると、なんと体が足元から右回りに捻れていたのだ。どうりで、腹が気持ち悪いわけだ。
人間でも、体を捻って動かすことはあるが、それ以上にキモい。内臓をダイレクトにアタックする動きだ。
「わ、わたしはね、ちょっとからだのうごかしかたをわすれてしまったの」
「ゆーん? どゆこと?」
「このじょうきょうをだはするほうほうはないかしら?」
「それなら、ぴょんぴょんすればいいとおもうよ!」
それは跳ねろということなのだろうか。私は体を宙に浮かすイメージを行った。
「ぴょんぴょん!」
思ったことが口に出てなんだか恥ずかしい。認めたくないが、私はゆっくりなのだろうか。まあ、そうなんだろうな……
第二章:ようこそプレシデンテ!
捻れた体も元に戻った。何となくわかったことだが、思ったことを意識すれば体が解釈して動いてくれるらしい。
試しに、円を描くようにその場で跳ねてみた。
「ぴょんぴょん!」
動かなかった足が動いたのだ。まるでウサギになった気分だ。
「やった! やったぞ!!」
「ぱちゅりーがそれでいいなら、いいんだけど……いつものぱちゅりーらしくないよ……」
「え? あーごめんごめん」
うれしさで思わず跳ね飛び回っていたので、れいむのことをすっかり忘れていた。しかし、今、れいむは私らしくないと言ったな。
「ははは、わすれんぼさんでこまったこまった」
そのことはあまり深く追求しないでおこう。
兎にも角にもこれで移動したいという願いはかなった。だが、これからどうするかだ。人間の世界に戻る方法を探す。これが第一条件だ。
「ねえ、れいむ。にんげんがいるところをしらないか?」
とりあえず、質問を振ってみるとれいむは体を横に振って答えた。
「れいむはしらないよ」
知らないということはこの群れは人間と関わり合いのないところで暮らしていると見える。
TVのドキュメンタリーで見たが土地所有者がゆっくりの群れと契約を結ぶというのがあった。
ゆっくり用につくられた破れない濡れない紙を使用したゆっくりでも理解できる契約書を渡すのだ。
そうして、ゆっくりと人間は共存していくというドキュメンタリーだ。
だが、この群れでは行われていないということは、人間からまだ発見されていないということ。
要するに、山奥に群れを構えているということが分かる。よく見れば、周りのゆっくりに子供が多いのが見て分かる。
すっきりー制限をしていない資源が豊富な土地だ。だからこそ、人間との問題が起きずに済んでいる。
あまり良い状況でないことは分かった。ゆっくりの体で人間の元へたどり着くのは不可能に近いかもしれない。
なによりも、私はぱちゅりーなのだ。体がひ弱で有名なゲロ袋。この体では長旅は不可能だろう。
「どうしたものか……」
「それよりも、ぱちゅりー。れいむはどうしてもいいたいことがあってここにきたんだよ!」
「いったいなんのこと?」
「げすのことだよ。さいきん、ほかのゆっくりのえさをうばってるらんぼうもののまりさのことだよ!!」
はてさて、なにか困っていることは分かるのだが、生憎、新参者の私には関係のないことだ。
「ほかのひとにたよったほうがいいんじゃないの?」
本音を述べたつもりだったが、れいむは眉をひそめてみせたのだ。不満があることがよく分かる面だ。
「あれ? なにかわるいこといったか?」
「ぱちゅりーはおさなんだからしっかりしてよ!」
「おさ? いったいなんのことだ?」
れいむはため息をついて恐るべき真実を打ち明けてくれた。
「ぱちゅりーはえいえんにゆっくりしたせんだいのひとりむすめだから、おさになるのはとうぜんなの! ゆっくりわすれないでね!!」
「とつぜんそんなこといわれてもなぁ。はなしきいているかぎりでは、ようするに……てんせいしたわけか」
輪廻転生という言葉があるように、私はゆっくりに成り下がったと見ていいのかもしれない。それも元々存在したぱちゅりーに憑依した形で。
私は死んだのか? だが、記憶があるのは確かだ。
「いったいなにをいってるのかわからないけど、おさのせきむをはたしてね!!」
なんだか、このれいむ、すっごくゆっくりしてない。普段見かけるゆっくりは楽観主義ですべてをアバウトにするタイプが多い。
特にれいむ種は他の人間・ゆっくりに依存しやすいタイプだ。ここまでハキハキと意見を述べるのは珍しい。
「れいむはいったいなにものなんだい?」
「ぱちゅりーのかんぶだよ!! かんぶのかおをわすれるなんてゆっくりしすぎだよ!!」
「はあ、うん、わかった」
分かったからって、何かが解決したわけじゃないけど。
「それで、わたしはなにをすればいいのかな」
「だーかーらー、それをかんがえるのがおさでしょ!?」
「それもそうか」
なんだかんだで、私はゆっくりになってしまった。何の因果かは分からないが。
しかし、こんな状態だからこそ、冷静に物事を考えていかねばならない。とりあえず、長になろう。それからだ、色々考えるのは。
だが、タイムリミットがあるのも事実。ゆっくりの寿命は長くて5年程度。人間に戻れなかったらどうなることやら。
もしかしたら、死が私を人間に戻す鍵かもしれない。いや、だからといって自殺を選びたいとも思わないし。
やることは一つ。ゆっくりを演じてみせるのが今の最良の選択なのだろう。
試しに、円を描くようにその場で跳ねてみた。
「ぴょんぴょん!」
動かなかった足が動いたのだ。まるでウサギになった気分だ。
「やった! やったぞ!!」
「ぱちゅりーがそれでいいなら、いいんだけど……いつものぱちゅりーらしくないよ……」
「え? あーごめんごめん」
うれしさで思わず跳ね飛び回っていたので、れいむのことをすっかり忘れていた。しかし、今、れいむは私らしくないと言ったな。
「ははは、わすれんぼさんでこまったこまった」
そのことはあまり深く追求しないでおこう。
兎にも角にもこれで移動したいという願いはかなった。だが、これからどうするかだ。人間の世界に戻る方法を探す。これが第一条件だ。
「ねえ、れいむ。にんげんがいるところをしらないか?」
とりあえず、質問を振ってみるとれいむは体を横に振って答えた。
「れいむはしらないよ」
知らないということはこの群れは人間と関わり合いのないところで暮らしていると見える。
TVのドキュメンタリーで見たが土地所有者がゆっくりの群れと契約を結ぶというのがあった。
ゆっくり用につくられた破れない濡れない紙を使用したゆっくりでも理解できる契約書を渡すのだ。
そうして、ゆっくりと人間は共存していくというドキュメンタリーだ。
だが、この群れでは行われていないということは、人間からまだ発見されていないということ。
要するに、山奥に群れを構えているということが分かる。よく見れば、周りのゆっくりに子供が多いのが見て分かる。
すっきりー制限をしていない資源が豊富な土地だ。だからこそ、人間との問題が起きずに済んでいる。
あまり良い状況でないことは分かった。ゆっくりの体で人間の元へたどり着くのは不可能に近いかもしれない。
なによりも、私はぱちゅりーなのだ。体がひ弱で有名なゲロ袋。この体では長旅は不可能だろう。
「どうしたものか……」
「それよりも、ぱちゅりー。れいむはどうしてもいいたいことがあってここにきたんだよ!」
「いったいなんのこと?」
「げすのことだよ。さいきん、ほかのゆっくりのえさをうばってるらんぼうもののまりさのことだよ!!」
はてさて、なにか困っていることは分かるのだが、生憎、新参者の私には関係のないことだ。
「ほかのひとにたよったほうがいいんじゃないの?」
本音を述べたつもりだったが、れいむは眉をひそめてみせたのだ。不満があることがよく分かる面だ。
「あれ? なにかわるいこといったか?」
「ぱちゅりーはおさなんだからしっかりしてよ!」
「おさ? いったいなんのことだ?」
れいむはため息をついて恐るべき真実を打ち明けてくれた。
「ぱちゅりーはえいえんにゆっくりしたせんだいのひとりむすめだから、おさになるのはとうぜんなの! ゆっくりわすれないでね!!」
「とつぜんそんなこといわれてもなぁ。はなしきいているかぎりでは、ようするに……てんせいしたわけか」
輪廻転生という言葉があるように、私はゆっくりに成り下がったと見ていいのかもしれない。それも元々存在したぱちゅりーに憑依した形で。
私は死んだのか? だが、記憶があるのは確かだ。
「いったいなにをいってるのかわからないけど、おさのせきむをはたしてね!!」
なんだか、このれいむ、すっごくゆっくりしてない。普段見かけるゆっくりは楽観主義ですべてをアバウトにするタイプが多い。
特にれいむ種は他の人間・ゆっくりに依存しやすいタイプだ。ここまでハキハキと意見を述べるのは珍しい。
「れいむはいったいなにものなんだい?」
「ぱちゅりーのかんぶだよ!! かんぶのかおをわすれるなんてゆっくりしすぎだよ!!」
「はあ、うん、わかった」
分かったからって、何かが解決したわけじゃないけど。
「それで、わたしはなにをすればいいのかな」
「だーかーらー、それをかんがえるのがおさでしょ!?」
「それもそうか」
なんだかんだで、私はゆっくりになってしまった。何の因果かは分からないが。
しかし、こんな状態だからこそ、冷静に物事を考えていかねばならない。とりあえず、長になろう。それからだ、色々考えるのは。
だが、タイムリミットがあるのも事実。ゆっくりの寿命は長くて5年程度。人間に戻れなかったらどうなることやら。
もしかしたら、死が私を人間に戻す鍵かもしれない。いや、だからといって自殺を選びたいとも思わないし。
やることは一つ。ゆっくりを演じてみせるのが今の最良の選択なのだろう。
第三章:粛清されるべき運命なのだ
さて、乱暴者のまりさとやらを何とかせねばならないわけだが。
「このくそどもがぁああああああああ!! まりささまをはなすんだぜぇえええええ!!!」
誰もが見守る広場の中心に、5匹のゆっくりが存在する。
幹部の群れ一番の剣の達人(笑)のみょんと俊足(笑)のちぇんに伸し掛かられて身動きを封じられているゲスまりさがいる。
それに加えて、長である私と幹部のれいむが一匹。
唾をまき散らしながら悪態をつくこのまりさに正直、ウザさと気持ち悪さがミックスした感情が芽生える。
「つかまえさせてみたものの、どうにかせねばならんということだな」
さて、どうしたものかと考える。
「れいむ、せいっさいはだめなんだよな」
「ゆん。せんだいのおさがせいっさいはゆっくりできないからきんししたんだよ!」
「めんどうなるーるだなぁ」
ぶっちゃけ、原始社会で犯罪を犯した奴は死刑でおkだと思うんだ。割りとガチで。
ゆっくりしているかどうかの価値観で物事を決めやすいゆっくりだからこそ、死刑というあまり良い思いのしないものは廃止したのかもしれない。
「それじゃあ、ぼうしでもうばうかな」
ボソリとつぶやいたことだったのに周りの空気が一瞬にして冷えた。何か失言でもしたのかと当たりを見回すと、れいむが一声かけてくれた。
「それは、せいっさいにあたいするからだめだよ」
「そ、そうか」
明らかにほっとした顔をするゲスまりさをみて私は効果てきめんな案だったと思ったが、よく考えればそうではないかもしれない。
帽子を没収されたまりさが帽子を奪い返しに私のところに復讐に来る可能性を考慮していなかったのだ。
「だからこそ、もっといいほうほうは……」
「へへへ、せいっさいのできないおさなんてこわくないんだぜ!!」
そう、せいっさいはダメだからなにか考えねばならないんだ。それがわかっててまりさは犯行に及んだと見える。
その辺り先代はどうこなしていったんだろう。
「れいむ、こんなばあい、せんだいはどうしてた?」
あとで聞いたことだが、このれいむは先代から仕えていたそうだ。ポジション的には私の顧問のようなものらしい。
「おさは、ほおっておいてたよ。きっとゆっくりすればなおるっていってたよ。でも、なおらなかったよ!」
「そりゃそうだよな」
人間の頃からの記憶でゲスなゆっくりは性根自体が腐りきっているので治すことは不可能だ。ただ、殺してやるのが一番の治し方である。
「さて、なにをしようか」
死刑がダメなら暴力で言うことを聞かせるのが手っ取り早いだろう。しかし、私はひ弱なぱちゅりーだ。仕返しをされたら殺されかねん。
なら、仕返しができなくさせてやればいいのでは? と妙案を思いつく。徹底的に体をいたぶって反抗出来ない体にしてしまえばいいのだ。
「それなら、まりさのりょうめをうばう!」
まただ。また、辺りが凍りついた。やっぱりこれもダメかな。
「ゆーん、それならえいえんにゆっくりしないし、せいっさいにならないとおもうよ」
そもそも、せいっさいって言葉は何を意味するかはわからないが、れいむの話を聞く限りでは死に直結しなければ良いのだろう。
帽子を奪うということはアイデンティティを奪うことであり、要するに生きる意味を失わせることに直結するからだ。
その点、目を奪うだけなら、皆の助けを借りれば死に直結しない。ただ、ゲス野郎に助けの手を伸ばす奴はいるのだろうか。
「ゆへっ!!? ばばばばば、ばかなこというんじゃないのぜ!! これはりっぱなせいっさいなのぜ!!」
「まりさ、そもそもせいっさいてなんだ?」
私は試しにまりさの言い分を聞いてみる。
「そ、それは、まりささまがゆっくりできないことをすることなのぜ!」
「こたえになってない」
まあ、ゲスらしい解答だ。期待した私がバカだった。
「ゆぁあああん? しょうしんものでいつもれいむにたよりっぱなしのだめぱちゅりーがなにをほざくのぜ!!?」
なんだか、前の身体の持ち主の話が出てきたようだ。このぱちゅりーは長としてはボンクラだったってことなのか?
「ん? どういうことだ?」
私はまりさのめを見据えて問う。ヘラヘラとした口の端を吊り上げながらまりさは答えた。
「そのまんまのいみなのぜ! ゆっくりできないことはぜーんぶれいむにまかせて、ゆっくりしてたくせに!!」
「ほうほう、なるほど。れいむがかなりゆうしゅうなのはわかった」
「そのくせ、じぶんがおさだっていばりつくすもりけんなのぜぇえええええ!!」
「なるほどな。まあやくしゃぶそくだったってわけか」
「なにをいってるかわからないのぜぇええええ!!! はやくまりさをしゃくほうしろぉおおおおお!!!」
自己中心的なゆっくりにしては他ゆんのことをよく見えている。そうか、お飾りだったんだな私。
このままでは、地位を簒奪される可能性も見えてきた。それはやばい。長の地位を確保しなければならないからだ。
まず、命の危険だ。簒奪されたら難癖をつけられて粛清されるかもしれない。次に、食料の確保だ。ぱちゅりーの身体では狩りは難しい。
長という地位を利用して食料を得なければならない。
最後に人間との遭遇時に困る。長でなくては人間と対等に話をすることすらままならないからだ。
さて、私がとるべき選択は決まった。
「つべこべいわずにあまぎりだ! おめめをてきしゅつしてやる!」
「ゆゆ?」
どうやら言葉がそれなりに難しいとゆっくりは理解できないようだ。いちいち考えて言い直す作業は非常に面倒だ。
まるで子供を相手しているように。
「おめめをうばう!」
「やめろぉおおおおおおおおおおお!!!」
宣言したと同時にれいむが枝を咥えて一歩前に出ようとする。それを私が止めた。
「ゆゆ? どうしたのぱちゅりー? まさか、おじけずいてやめるの?」
「ゆへへ、やっぱりぱちゅりーごときがそんあゆっくりできないことするわけ」
「ざんねんだが、するんだよ。それに、めをほじくるのはわたしのやくめだ」
「ゆゆ?」
どういうことだと頭をかしげるれいむとその他。
「わたしがやる!」
ドっと辺りがざわめいた。あの意気地なしのぱちゅりーがゆっくり出来ないことを行う。そのことに皆がびっくりしているのだろう。
だが、これは長の権威を示すための行為だ。私にも残酷なことが出来るよという半ば恐怖政治のようなものを利用する手はない。
これで、私のイメージが払拭されるだろう。
私はれいむから枝を借りると、まりさの目の前に近寄った。
「く、くるなぁあああああああ!!! ま、まりさにはでいぶとおちびがいるのぜぇええええええ!!」
まさかの家族もちだ。だが、それでも容赦しない。狩りができなくて一家が死滅しても私の心は痛まない。自業自得だ。
「むくいをうけろ」
右目に狙いをつけて口に咥えた枝で突く。寒天状の目の隙間に強引に枝を通す。
「ゆひぃいいいいいいいい!!!!」
弾力が邪魔をして咥えている枝を突っ返そうとするが、強引に突き刺し抉る。
「ゆぎゃぁあああああああああああ!!!」
たこ焼きをひっくり返すように、枝をくるりと眼孔をなぞるように回す。ぐるんぐるんと。
そして、圧迫に負けた視神経がブチギレて目玉がポンと飛び出した。
「ゆひぃいいいいい!!!!! いちゃいよぉおおおおおおお!!!」
周りにいるゆっくりは目をつぶったり各々、嫌なものを見せつけられているという表情を浮かべている。
だが、まりさを抑えている幹部はそれでもまりさを押さえつけたままだ。
青ざめた様子ではあるものの、一生懸命に押さえつけるその姿はまさしく幹部としての責務を果たしている。その点は評価したい。
「さて、つぎのおめめだが」
「もうやめちぇぇええええええええええええ!!」
暴れまわるまりさを強引に幹部二匹が抑える。そして、私はそんなまりさを見下した。
「このくそどもがぁああああああああ!! まりささまをはなすんだぜぇえええええ!!!」
誰もが見守る広場の中心に、5匹のゆっくりが存在する。
幹部の群れ一番の剣の達人(笑)のみょんと俊足(笑)のちぇんに伸し掛かられて身動きを封じられているゲスまりさがいる。
それに加えて、長である私と幹部のれいむが一匹。
唾をまき散らしながら悪態をつくこのまりさに正直、ウザさと気持ち悪さがミックスした感情が芽生える。
「つかまえさせてみたものの、どうにかせねばならんということだな」
さて、どうしたものかと考える。
「れいむ、せいっさいはだめなんだよな」
「ゆん。せんだいのおさがせいっさいはゆっくりできないからきんししたんだよ!」
「めんどうなるーるだなぁ」
ぶっちゃけ、原始社会で犯罪を犯した奴は死刑でおkだと思うんだ。割りとガチで。
ゆっくりしているかどうかの価値観で物事を決めやすいゆっくりだからこそ、死刑というあまり良い思いのしないものは廃止したのかもしれない。
「それじゃあ、ぼうしでもうばうかな」
ボソリとつぶやいたことだったのに周りの空気が一瞬にして冷えた。何か失言でもしたのかと当たりを見回すと、れいむが一声かけてくれた。
「それは、せいっさいにあたいするからだめだよ」
「そ、そうか」
明らかにほっとした顔をするゲスまりさをみて私は効果てきめんな案だったと思ったが、よく考えればそうではないかもしれない。
帽子を没収されたまりさが帽子を奪い返しに私のところに復讐に来る可能性を考慮していなかったのだ。
「だからこそ、もっといいほうほうは……」
「へへへ、せいっさいのできないおさなんてこわくないんだぜ!!」
そう、せいっさいはダメだからなにか考えねばならないんだ。それがわかっててまりさは犯行に及んだと見える。
その辺り先代はどうこなしていったんだろう。
「れいむ、こんなばあい、せんだいはどうしてた?」
あとで聞いたことだが、このれいむは先代から仕えていたそうだ。ポジション的には私の顧問のようなものらしい。
「おさは、ほおっておいてたよ。きっとゆっくりすればなおるっていってたよ。でも、なおらなかったよ!」
「そりゃそうだよな」
人間の頃からの記憶でゲスなゆっくりは性根自体が腐りきっているので治すことは不可能だ。ただ、殺してやるのが一番の治し方である。
「さて、なにをしようか」
死刑がダメなら暴力で言うことを聞かせるのが手っ取り早いだろう。しかし、私はひ弱なぱちゅりーだ。仕返しをされたら殺されかねん。
なら、仕返しができなくさせてやればいいのでは? と妙案を思いつく。徹底的に体をいたぶって反抗出来ない体にしてしまえばいいのだ。
「それなら、まりさのりょうめをうばう!」
まただ。また、辺りが凍りついた。やっぱりこれもダメかな。
「ゆーん、それならえいえんにゆっくりしないし、せいっさいにならないとおもうよ」
そもそも、せいっさいって言葉は何を意味するかはわからないが、れいむの話を聞く限りでは死に直結しなければ良いのだろう。
帽子を奪うということはアイデンティティを奪うことであり、要するに生きる意味を失わせることに直結するからだ。
その点、目を奪うだけなら、皆の助けを借りれば死に直結しない。ただ、ゲス野郎に助けの手を伸ばす奴はいるのだろうか。
「ゆへっ!!? ばばばばば、ばかなこというんじゃないのぜ!! これはりっぱなせいっさいなのぜ!!」
「まりさ、そもそもせいっさいてなんだ?」
私は試しにまりさの言い分を聞いてみる。
「そ、それは、まりささまがゆっくりできないことをすることなのぜ!」
「こたえになってない」
まあ、ゲスらしい解答だ。期待した私がバカだった。
「ゆぁあああん? しょうしんものでいつもれいむにたよりっぱなしのだめぱちゅりーがなにをほざくのぜ!!?」
なんだか、前の身体の持ち主の話が出てきたようだ。このぱちゅりーは長としてはボンクラだったってことなのか?
「ん? どういうことだ?」
私はまりさのめを見据えて問う。ヘラヘラとした口の端を吊り上げながらまりさは答えた。
「そのまんまのいみなのぜ! ゆっくりできないことはぜーんぶれいむにまかせて、ゆっくりしてたくせに!!」
「ほうほう、なるほど。れいむがかなりゆうしゅうなのはわかった」
「そのくせ、じぶんがおさだっていばりつくすもりけんなのぜぇえええええ!!」
「なるほどな。まあやくしゃぶそくだったってわけか」
「なにをいってるかわからないのぜぇええええ!!! はやくまりさをしゃくほうしろぉおおおおお!!!」
自己中心的なゆっくりにしては他ゆんのことをよく見えている。そうか、お飾りだったんだな私。
このままでは、地位を簒奪される可能性も見えてきた。それはやばい。長の地位を確保しなければならないからだ。
まず、命の危険だ。簒奪されたら難癖をつけられて粛清されるかもしれない。次に、食料の確保だ。ぱちゅりーの身体では狩りは難しい。
長という地位を利用して食料を得なければならない。
最後に人間との遭遇時に困る。長でなくては人間と対等に話をすることすらままならないからだ。
さて、私がとるべき選択は決まった。
「つべこべいわずにあまぎりだ! おめめをてきしゅつしてやる!」
「ゆゆ?」
どうやら言葉がそれなりに難しいとゆっくりは理解できないようだ。いちいち考えて言い直す作業は非常に面倒だ。
まるで子供を相手しているように。
「おめめをうばう!」
「やめろぉおおおおおおおおおおお!!!」
宣言したと同時にれいむが枝を咥えて一歩前に出ようとする。それを私が止めた。
「ゆゆ? どうしたのぱちゅりー? まさか、おじけずいてやめるの?」
「ゆへへ、やっぱりぱちゅりーごときがそんあゆっくりできないことするわけ」
「ざんねんだが、するんだよ。それに、めをほじくるのはわたしのやくめだ」
「ゆゆ?」
どういうことだと頭をかしげるれいむとその他。
「わたしがやる!」
ドっと辺りがざわめいた。あの意気地なしのぱちゅりーがゆっくり出来ないことを行う。そのことに皆がびっくりしているのだろう。
だが、これは長の権威を示すための行為だ。私にも残酷なことが出来るよという半ば恐怖政治のようなものを利用する手はない。
これで、私のイメージが払拭されるだろう。
私はれいむから枝を借りると、まりさの目の前に近寄った。
「く、くるなぁあああああああ!!! ま、まりさにはでいぶとおちびがいるのぜぇええええええ!!」
まさかの家族もちだ。だが、それでも容赦しない。狩りができなくて一家が死滅しても私の心は痛まない。自業自得だ。
「むくいをうけろ」
右目に狙いをつけて口に咥えた枝で突く。寒天状の目の隙間に強引に枝を通す。
「ゆひぃいいいいいいいい!!!!」
弾力が邪魔をして咥えている枝を突っ返そうとするが、強引に突き刺し抉る。
「ゆぎゃぁあああああああああああ!!!」
たこ焼きをひっくり返すように、枝をくるりと眼孔をなぞるように回す。ぐるんぐるんと。
そして、圧迫に負けた視神経がブチギレて目玉がポンと飛び出した。
「ゆひぃいいいいい!!!!! いちゃいよぉおおおおおおお!!!」
周りにいるゆっくりは目をつぶったり各々、嫌なものを見せつけられているという表情を浮かべている。
だが、まりさを抑えている幹部はそれでもまりさを押さえつけたままだ。
青ざめた様子ではあるものの、一生懸命に押さえつけるその姿はまさしく幹部としての責務を果たしている。その点は評価したい。
「さて、つぎのおめめだが」
「もうやめちぇぇええええええええええええ!!」
暴れまわるまりさを強引に幹部二匹が抑える。そして、私はそんなまりさを見下した。
第四章:ソ連とアメリカ
場所は変わってマイホーム。長の家ということもあってゆっくりが数匹入れる広い家だった。そこに私はれいむと一緒にいる。
さて、ゲスまりさに処罰を与えてから数日後、私はこの群れの現状を知り、どうするかの策を練っていた。
まず、この群れは将来的に枯渇することが目に見えている。なぜなら、すっきりー制限をしていないからだ。
多発するすっきりーの原因として夫婦の妻役の8割を占めているれいむ種にあると私は断定した。
これはリサーチした結果だが、狩りを行うゆっくりたちは増えすぎた子供たちを賄うために限界まで働いているそうだ。
これ以上子供を増やしたくないが、番の誘いにホイホイのってしまうらしい。性欲に負けたということだ。
番の方は狩りをする苦労を知らないので、子供を増やしたがる。子供が多いほどゆっくり出来るという謎の価値観だ。
なら、番に労働の苦労を叩き込めばどうだろうと私は考えた。その方法をとるには色々と弊害はあれど、9割方成功する。
「おさー、れんぽうとおうこくからゆっくりがきてるよー」
幹部のちぇんが言伝をもって私のもとにやってきた。しかしなんだ? れんぽうとおうこく?
「れいむ、れんぽうとおうこくってなんだ?」
一緒に策を講じていたれいむが呆れた顔で答えた。
「はぁ、そんなこともわすれたの? ゆっくりしすぎにもほどがあるよ」
「いいから、せつめいしてくれ」
「れんぽうとおうこくはきょだいなむれのことだよ。れんぽうはなずーりんのいちぞくがおさのくにで、みんなはたらくことでゆっくりしてるよ。
おうこくはどすをちゅうしんとしたむれでなにやらおふだでものをこうかんするらしいよ」
「おふだ?」
「そう、おふだで」
どういうことかよくは分からないが、言ってしまえば冷戦時代のソ連とアメリカのようなものなのだろうか。
どちらも大国で睨み合っている状態と見える。それで、どちらかの陣営に入れと催促しにきたのかもしれん。
この両方の群れなら人間との会い方がわかるやもしれない。是非ともその使者とやらと話したい。
「わかった、とりあえずかれらのはなしをきいてみよう」
「わかったんだねー!」
そういうと、ちぇんはそそくさとその場を離れた。
さて、ゲスまりさに処罰を与えてから数日後、私はこの群れの現状を知り、どうするかの策を練っていた。
まず、この群れは将来的に枯渇することが目に見えている。なぜなら、すっきりー制限をしていないからだ。
多発するすっきりーの原因として夫婦の妻役の8割を占めているれいむ種にあると私は断定した。
これはリサーチした結果だが、狩りを行うゆっくりたちは増えすぎた子供たちを賄うために限界まで働いているそうだ。
これ以上子供を増やしたくないが、番の誘いにホイホイのってしまうらしい。性欲に負けたということだ。
番の方は狩りをする苦労を知らないので、子供を増やしたがる。子供が多いほどゆっくり出来るという謎の価値観だ。
なら、番に労働の苦労を叩き込めばどうだろうと私は考えた。その方法をとるには色々と弊害はあれど、9割方成功する。
「おさー、れんぽうとおうこくからゆっくりがきてるよー」
幹部のちぇんが言伝をもって私のもとにやってきた。しかしなんだ? れんぽうとおうこく?
「れいむ、れんぽうとおうこくってなんだ?」
一緒に策を講じていたれいむが呆れた顔で答えた。
「はぁ、そんなこともわすれたの? ゆっくりしすぎにもほどがあるよ」
「いいから、せつめいしてくれ」
「れんぽうとおうこくはきょだいなむれのことだよ。れんぽうはなずーりんのいちぞくがおさのくにで、みんなはたらくことでゆっくりしてるよ。
おうこくはどすをちゅうしんとしたむれでなにやらおふだでものをこうかんするらしいよ」
「おふだ?」
「そう、おふだで」
どういうことかよくは分からないが、言ってしまえば冷戦時代のソ連とアメリカのようなものなのだろうか。
どちらも大国で睨み合っている状態と見える。それで、どちらかの陣営に入れと催促しにきたのかもしれん。
この両方の群れなら人間との会い方がわかるやもしれない。是非ともその使者とやらと話したい。
「わかった、とりあえずかれらのはなしをきいてみよう」
「わかったんだねー!」
そういうと、ちぇんはそそくさとその場を離れた。
「どうしぱちゅりー、きょうはなずーのはなしをきいてくれてありがとう! かんげいする!!」
最初に現れたのはなずーりんであった。彼女は長の家系の末端に位置するゆっくりであり外交官だそうだ。
「きょうはどうししょくんにわがれんぽうのすばらしさをときにきたのだ! よろこびたまえ、きみはすばらしいきかいにめぐまれたのだ!」
なんだか、ペテン師臭いやつだなと私はれいむと顔を見合わせる。
「のうがきはいいから、とっととはなせ」
「ふむ、きみはゆっくりしてないなぁ。もっとゆっくりしたまえ!」
爽やかな笑顔を忘れない辺り、外交官としては及第点だが、いちいち仰々しくてうざい。
「よけいなおせわだ」
「ううむ、まえにあったときよりもつめたくなったものだね」
「ちょっとこころがわりがな」
「まあ、そういうことにしておこう」
私はなずーりんの話を聞くことにした。だが、あまりにも偉そうで長ったらしいご高説を解いてくれやがったので要点だけを説明しておく。
れんぽうはおうこくのやり方に反対したものの集まりだそうだ。
おふだと呼ばれる紙幣によって物を交換する資本主義的なやり方がお気にめさなかったらしい。
そして、封建社会よろしく農業による生活基盤を築いたんだそうだ。政治と軍事をつかさどるなずーりん一族による農奴制といった感じだ。
私が何よりも驚いたのはゆっくりが農業を行っていることだ。
元々、おうこく側で発見され、偉大なる一族と呼ばれるゆうか種によって広まったらしい。どうやら、希少種は差別されていないようだ。
そして、元の体の持ち主であるぱちゅりーとその幹部たちは農業を理解できていなかったようだ。
なずーりんが来たのはそのことであり、蛮族的な生活をしている我が群れに喝を入れに来たんだそうだ。
れんぽうの掲げるスローガンはゆっくりの農業による完全自給だそうだ。
よって、文化的な生活を行い、ゆっくりに真の自由とやらを与えろと命令しにきた所存だそうだ。
「まあ、ぜんしょするよ」
私の前のぱちゅりーと幹部連中はわけのわからないことをいうなと怒鳴ったことに対して、私は受け入れると答えたので、
それに満足したなずーりんはよろしく頼むよと笑顔でその場を去って行った。
最初に現れたのはなずーりんであった。彼女は長の家系の末端に位置するゆっくりであり外交官だそうだ。
「きょうはどうししょくんにわがれんぽうのすばらしさをときにきたのだ! よろこびたまえ、きみはすばらしいきかいにめぐまれたのだ!」
なんだか、ペテン師臭いやつだなと私はれいむと顔を見合わせる。
「のうがきはいいから、とっととはなせ」
「ふむ、きみはゆっくりしてないなぁ。もっとゆっくりしたまえ!」
爽やかな笑顔を忘れない辺り、外交官としては及第点だが、いちいち仰々しくてうざい。
「よけいなおせわだ」
「ううむ、まえにあったときよりもつめたくなったものだね」
「ちょっとこころがわりがな」
「まあ、そういうことにしておこう」
私はなずーりんの話を聞くことにした。だが、あまりにも偉そうで長ったらしいご高説を解いてくれやがったので要点だけを説明しておく。
れんぽうはおうこくのやり方に反対したものの集まりだそうだ。
おふだと呼ばれる紙幣によって物を交換する資本主義的なやり方がお気にめさなかったらしい。
そして、封建社会よろしく農業による生活基盤を築いたんだそうだ。政治と軍事をつかさどるなずーりん一族による農奴制といった感じだ。
私が何よりも驚いたのはゆっくりが農業を行っていることだ。
元々、おうこく側で発見され、偉大なる一族と呼ばれるゆうか種によって広まったらしい。どうやら、希少種は差別されていないようだ。
そして、元の体の持ち主であるぱちゅりーとその幹部たちは農業を理解できていなかったようだ。
なずーりんが来たのはそのことであり、蛮族的な生活をしている我が群れに喝を入れに来たんだそうだ。
れんぽうの掲げるスローガンはゆっくりの農業による完全自給だそうだ。
よって、文化的な生活を行い、ゆっくりに真の自由とやらを与えろと命令しにきた所存だそうだ。
「まあ、ぜんしょするよ」
私の前のぱちゅりーと幹部連中はわけのわからないことをいうなと怒鳴ったことに対して、私は受け入れると答えたので、
それに満足したなずーりんはよろしく頼むよと笑顔でその場を去って行った。
「ふん、こぎたないばしょにすんでるわね」
「ぶそうおうというやつだ。きにするな」
「むきゃ? なにをいってるのかしら? このもりのけんじゃにもわかることばではなしなさい!」
「はぁ」
次におうこく側から来たのはもりけん(笑)のぱちゅりーであった。なずーりんとは違いこいつとは話が通じそうもない。
「それで、うちにきたのはなぜだ?」
「むきゅ! このむれのゆっくりをおうこくのどれいにしてあげるのよ! そうしたら、ぱちゅりーはさらにうえのちいにつけるわ!!」
「こちらのめりっとは?」
「むきゃー!! だからぱちぇのわからないことばをつかうなぁああああ!!」
「あー、こちらにりてんは?」
「ぱちぇのどれいになれるのよ! とってもこうえいなことだわ!!」
なんだこいつ? いきなり従属要求か? 話にならない。お引取り願おうか。
「なら、おまえのはなしはきかない」
「むきょ!?」
ちょいと人間の時の意地悪さが働き、わたしはぱちゅりーを脅してみることにした。
「それと、おまえがそのたいどでとおすなら、れんぽうにしょぞくすることにするよ」
「そんなことしたら、おうこくのへいたいがおまえたちのむれをおそうわよ!!」
そんな簡単に兵隊が動かせてたまるかよ。相手の脅しの能力は低いようだ。想像力が欠けている。
「だからだよ。だから、れんぽうにきじゅんする。おわかり?」
「むきゅぅうううう、またわけのわからないことばをおお!!!」
「そうだな、かんたんにいえば、おまえのそのたいどでわたしはおこっている」
「むきょ!? こんなむれ、ぱちぇのちからでかんたんにほろぼせるのよ!」
「だからよぉ、れんぽうにまもってもらうんじゃないか」
「そんなことしたら!!」
駄々をこねるようにその場で地団駄をふむ外交官のぱちゅりーをみてため息をつきたくなった。
ここまで想像力が欠如している奴を見るのは初めてだ。
「おまえのそのはつげんで、うちのむれはれんぽうにしょぞくした。そうするとおおめだまをくらうのはだれだ?」
「むきゅ、それは……」
「おまえだ」
「どぼじで!?」
「かんたんだよ、おまえにがいこうかんとしてのちからがなかったということで、へたすりゃこうかくじゃないかな」
「こうかくさんはゆっくりできないわぁあああああああ!!」
それぐらいの知恵はまわるようだ。そうでないと、これ以上コイツに付きあうのは勘弁したいところだ。
「まあ、きかなかったことにしてやるから、さっさとでてけ」
ギリギリと歯を噛み締めながらこっちを睨みつけるぱちゅりー。だが、私は冷めた目で見返す。
数秒の時間の後に根負けしたぱちゅりーが部屋の隅につばを吐いて出ていった。
「ぶそうおうというやつだ。きにするな」
「むきゃ? なにをいってるのかしら? このもりのけんじゃにもわかることばではなしなさい!」
「はぁ」
次におうこく側から来たのはもりけん(笑)のぱちゅりーであった。なずーりんとは違いこいつとは話が通じそうもない。
「それで、うちにきたのはなぜだ?」
「むきゅ! このむれのゆっくりをおうこくのどれいにしてあげるのよ! そうしたら、ぱちゅりーはさらにうえのちいにつけるわ!!」
「こちらのめりっとは?」
「むきゃー!! だからぱちぇのわからないことばをつかうなぁああああ!!」
「あー、こちらにりてんは?」
「ぱちぇのどれいになれるのよ! とってもこうえいなことだわ!!」
なんだこいつ? いきなり従属要求か? 話にならない。お引取り願おうか。
「なら、おまえのはなしはきかない」
「むきょ!?」
ちょいと人間の時の意地悪さが働き、わたしはぱちゅりーを脅してみることにした。
「それと、おまえがそのたいどでとおすなら、れんぽうにしょぞくすることにするよ」
「そんなことしたら、おうこくのへいたいがおまえたちのむれをおそうわよ!!」
そんな簡単に兵隊が動かせてたまるかよ。相手の脅しの能力は低いようだ。想像力が欠けている。
「だからだよ。だから、れんぽうにきじゅんする。おわかり?」
「むきゅぅうううう、またわけのわからないことばをおお!!!」
「そうだな、かんたんにいえば、おまえのそのたいどでわたしはおこっている」
「むきょ!? こんなむれ、ぱちぇのちからでかんたんにほろぼせるのよ!」
「だからよぉ、れんぽうにまもってもらうんじゃないか」
「そんなことしたら!!」
駄々をこねるようにその場で地団駄をふむ外交官のぱちゅりーをみてため息をつきたくなった。
ここまで想像力が欠如している奴を見るのは初めてだ。
「おまえのそのはつげんで、うちのむれはれんぽうにしょぞくした。そうするとおおめだまをくらうのはだれだ?」
「むきゅ、それは……」
「おまえだ」
「どぼじで!?」
「かんたんだよ、おまえにがいこうかんとしてのちからがなかったということで、へたすりゃこうかくじゃないかな」
「こうかくさんはゆっくりできないわぁあああああああ!!」
それぐらいの知恵はまわるようだ。そうでないと、これ以上コイツに付きあうのは勘弁したいところだ。
「まあ、きかなかったことにしてやるから、さっさとでてけ」
ギリギリと歯を噛み締めながらこっちを睨みつけるぱちゅりー。だが、私は冷めた目で見返す。
数秒の時間の後に根負けしたぱちゅりーが部屋の隅につばを吐いて出ていった。
後日、ぱちゅりーの親族とやらから、40枚の葉っぱが贈呈された。
葉っぱの表面をよく見たら謎の幾何学模様が書かれている。れいむに聞いた所、おうこくのおふだだそうだ。
おふだはみこという職のれいむが作っているものらしい。というより、れいむやさなえにしか作れないものだそうだ。
紙幣の代わりに使われるものなのだろう。
さて、この渡されたものは手打ち料といったものだろう。あのぱちゅりーはぼんくらだが、家族は賢いようだ。
この葉っぱの使途はどうしたものだろうか。おうこくとやらがどれほどまでに進んだ文明なのかも気になるし。
おふだ一枚の価値もわからないし保留といったところだろう。
葉っぱの表面をよく見たら謎の幾何学模様が書かれている。れいむに聞いた所、おうこくのおふだだそうだ。
おふだはみこという職のれいむが作っているものらしい。というより、れいむやさなえにしか作れないものだそうだ。
紙幣の代わりに使われるものなのだろう。
さて、この渡されたものは手打ち料といったものだろう。あのぱちゅりーはぼんくらだが、家族は賢いようだ。
この葉っぱの使途はどうしたものだろうか。おうこくとやらがどれほどまでに進んだ文明なのかも気になるし。
おふだ一枚の価値もわからないし保留といったところだろう。
ちなみに、二匹共に人間のことを聞いたが両方知らないと答えた。やはり、ここは山奥中の山奥なのだろうか。秘境とか。
第五章:布告
さて、私は懐で暖めていたあることを布告しようと思う。それは教育制度だ。
先に農業を広めたいという気持ちもあったが、一人では不可能なのは目に見えている。
誰か協力者が必要だ。その辺りは例の葉っぱを利用してやりくりしていこうと思う。
とりあえず、目先のできることをこなすのが一番だろう。
「ぱちゅりー、みんなをあつめたよ!!」
私のもとに現れたれいむ。今日は大事なことを決めるため、ゆっくりを広場に集めるよう命令しておいたのだ。
「わかった、あとはまかせておけ」
処刑に使われた場所と同じ所に私は胸を張って歩いてみせた。
先に農業を広めたいという気持ちもあったが、一人では不可能なのは目に見えている。
誰か協力者が必要だ。その辺りは例の葉っぱを利用してやりくりしていこうと思う。
とりあえず、目先のできることをこなすのが一番だろう。
「ぱちゅりー、みんなをあつめたよ!!」
私のもとに現れたれいむ。今日は大事なことを決めるため、ゆっくりを広場に集めるよう命令しておいたのだ。
「わかった、あとはまかせておけ」
処刑に使われた場所と同じ所に私は胸を張って歩いてみせた。
ざわざわと今日の集まりに疑問の念を抱いたゆっくり達が弧を描くように並んでいる。
その7割が子供だ。ゆっくりの子供は死にやすいため複数生むのが常識だが、それにしても数が多すぎる。
あたりを見回し終わった私は、群れの中心で幹部とともに横一列に並んだ。そして、一声。
「ゆっくりしていってね!!」
回りにいるすべてのゆっくりからオウム返しで「ゆっくりしていってね!!」と返事が帰ってくる。
「きょうはあつまってくれてありがとう。きょうはゆっくりできるはなしをもってきた」
ゆっくり出来るという言葉に反応した周りのゆっくりから喜々とした声が返って来る。
「わたしはがっこうをつくろうとおもう!」
なんだそれはと幹部以外のゆっくりたちは頭を傾げてみせた。
「がっこうというのは、こどもをあつめてべんきょうをするところだ」
「おべんきょうはゆっくちできにゃいよ!!」
そうだそうだと子供たちが声を上げるが、大人たちはだんまりを決め込んだ。いい傾向だ。
「だが、しょうらい、いきていくためにはひつようなことだ。それはおとながよくしっているとおもう。
そして、このがっこうのほんらいのもくてきはただひとつ、りょうしんのともばたらきだ!」
新しい単語がでてきてチンプンカンプンな表情を浮かべる群衆たち。
「いうなれば、おかあさんがかりにでかけるということだ」
「それはゆっくりできないよ!!」
一匹のでいぶががなりたてた。その隣には両目がない帽子がボロボロのまりさがいた。れいむの大声にビクついて、去勢された馬のようにおとなしい。
「そうよ! それに、おうちをだれがまもるの!?」
一匹のありすが正論を述べた。おうち宣言というゆっくりの悪習は知っている。それに、家に誰かいないと泥棒に入られる可能性もある。
それに関しては私の方で考え済みだ。
「あー、るーるとしてわたしはせいっさいをふっかつさせようとおもう。わるいことをしたらせいっさいだ!!」
その言葉に驚いたゆっくり達が各々反対の言葉を述べてみせた。だが、私はこう付け加える。
「ようするに、わるいことをしなければいいんだ。おまえたちはゆっくりできないわるいゆっくりなのか?」
その言葉を聞いて、各々あの両目を取られたまりさのことを思い出す。
「でも、ゆっくりできないよ!!」
「じゃあ、わるいことをするゆっくりはもっとゆっくりできないだろ」
確かにそうだと納得するも、腑に落ちないという顔をする民衆。とどめの一撃を私は加えた。
「そうか、おまえたちはわるいゆっくりなのか……それはざんねんだ」
私の言葉を聞いて、皆が一様に首を横に振った。
「なら、せいっさいをふっかつさせるぞ!」
誰も喜んで賛同することはなかったが、ノーとはいえない雰囲気がその場を支配し、その場で可決することが出来た。
「さて、おうちせんんげんのもんだいにもどるが、きょかなくおうちせんげんしたものはせいっさいだ。
くわえて、ろうどうしないゆっくりにはばつをあたえる。それと、いっていりょうのごはんをおさめなければ、ばつをあたえる
これにいをとなえるものはせいっさいのたいしょうだ!」
あえて、なぜ、そのような事を行うかは説明しない。説明したところで相手が理解できるとは思っていないからだ。
言うことを聞け、私が言えることはただそれだけである。
統治者としては最低の類だろう。だが、こうでもしないと、この群れは将来、絶対に崩壊する。
ただ、黙って私の話を聞いているゆっくりもいれば、怒りに体を震わせるゆっくりもいる。
辛抱だ。いつか、わかってくれる日が来るだろう。この人間臭いやり方に。
その7割が子供だ。ゆっくりの子供は死にやすいため複数生むのが常識だが、それにしても数が多すぎる。
あたりを見回し終わった私は、群れの中心で幹部とともに横一列に並んだ。そして、一声。
「ゆっくりしていってね!!」
回りにいるすべてのゆっくりからオウム返しで「ゆっくりしていってね!!」と返事が帰ってくる。
「きょうはあつまってくれてありがとう。きょうはゆっくりできるはなしをもってきた」
ゆっくり出来るという言葉に反応した周りのゆっくりから喜々とした声が返って来る。
「わたしはがっこうをつくろうとおもう!」
なんだそれはと幹部以外のゆっくりたちは頭を傾げてみせた。
「がっこうというのは、こどもをあつめてべんきょうをするところだ」
「おべんきょうはゆっくちできにゃいよ!!」
そうだそうだと子供たちが声を上げるが、大人たちはだんまりを決め込んだ。いい傾向だ。
「だが、しょうらい、いきていくためにはひつようなことだ。それはおとながよくしっているとおもう。
そして、このがっこうのほんらいのもくてきはただひとつ、りょうしんのともばたらきだ!」
新しい単語がでてきてチンプンカンプンな表情を浮かべる群衆たち。
「いうなれば、おかあさんがかりにでかけるということだ」
「それはゆっくりできないよ!!」
一匹のでいぶががなりたてた。その隣には両目がない帽子がボロボロのまりさがいた。れいむの大声にビクついて、去勢された馬のようにおとなしい。
「そうよ! それに、おうちをだれがまもるの!?」
一匹のありすが正論を述べた。おうち宣言というゆっくりの悪習は知っている。それに、家に誰かいないと泥棒に入られる可能性もある。
それに関しては私の方で考え済みだ。
「あー、るーるとしてわたしはせいっさいをふっかつさせようとおもう。わるいことをしたらせいっさいだ!!」
その言葉に驚いたゆっくり達が各々反対の言葉を述べてみせた。だが、私はこう付け加える。
「ようするに、わるいことをしなければいいんだ。おまえたちはゆっくりできないわるいゆっくりなのか?」
その言葉を聞いて、各々あの両目を取られたまりさのことを思い出す。
「でも、ゆっくりできないよ!!」
「じゃあ、わるいことをするゆっくりはもっとゆっくりできないだろ」
確かにそうだと納得するも、腑に落ちないという顔をする民衆。とどめの一撃を私は加えた。
「そうか、おまえたちはわるいゆっくりなのか……それはざんねんだ」
私の言葉を聞いて、皆が一様に首を横に振った。
「なら、せいっさいをふっかつさせるぞ!」
誰も喜んで賛同することはなかったが、ノーとはいえない雰囲気がその場を支配し、その場で可決することが出来た。
「さて、おうちせんんげんのもんだいにもどるが、きょかなくおうちせんげんしたものはせいっさいだ。
くわえて、ろうどうしないゆっくりにはばつをあたえる。それと、いっていりょうのごはんをおさめなければ、ばつをあたえる
これにいをとなえるものはせいっさいのたいしょうだ!」
あえて、なぜ、そのような事を行うかは説明しない。説明したところで相手が理解できるとは思っていないからだ。
言うことを聞け、私が言えることはただそれだけである。
統治者としては最低の類だろう。だが、こうでもしないと、この群れは将来、絶対に崩壊する。
ただ、黙って私の話を聞いているゆっくりもいれば、怒りに体を震わせるゆっくりもいる。
辛抱だ。いつか、わかってくれる日が来るだろう。この人間臭いやり方に。
第六章:狩猟と産業と教育
さて、生活するには道具というものが必要である。これは我々の生活をより文化的なものにするためだ。
最初はカゴを作った。剥がした樹の皮を重ねて編んだ立派なカゴである。
これなら、まりさ種にしか成し得なかった荷物入れとして使用できるだろう。
次に、ソリ状のものを作った。まず、縦長に長方形の枠をまっすぐに伸びた突起のないすべすべの樹の枝で作る。
下に平行に長い枝を二本並べる。その上に短い枝を長い枝とは交差するように、それを横に二本平行に置く。交差点を蔦で固く結びつける。
格子が出来たところで、上に置いてある枝どうしを長い蔦でくるくると編み、蔦のシートを作る。
これで、簡単なそりの完成である。耐久性の問題ですぃーとして乗る事はできないが、ローブを使えば牽引できる仕組みだ。
この発明で、狩りの効率が伸びた。特に、まりさ種以外の効率は格段と上がったのだ。
最初はカゴを作った。剥がした樹の皮を重ねて編んだ立派なカゴである。
これなら、まりさ種にしか成し得なかった荷物入れとして使用できるだろう。
次に、ソリ状のものを作った。まず、縦長に長方形の枠をまっすぐに伸びた突起のないすべすべの樹の枝で作る。
下に平行に長い枝を二本並べる。その上に短い枝を長い枝とは交差するように、それを横に二本平行に置く。交差点を蔦で固く結びつける。
格子が出来たところで、上に置いてある枝どうしを長い蔦でくるくると編み、蔦のシートを作る。
これで、簡単なそりの完成である。耐久性の問題ですぃーとして乗る事はできないが、ローブを使えば牽引できる仕組みだ。
この発明で、狩りの効率が伸びた。特に、まりさ種以外の効率は格段と上がったのだ。
あの時、私が共働きを提案した時、妻役だったゆっくりたちは心のなかではずっと反対していたものの、
私の予想通り、狩りを担うゆっくり達には自分の負担が減るということで賛同するものもいたらしい。
なんといっても、おうち宣言をされないこと、子供を預かってくれる場所があるという確約で共働きが実現可能であることがわかったからだ。
渋々、狩りをはじめる妻役のゆっくりは右往左往しながらも夫のサポートを受けてそれなりの成果を上げている。
これはいい傾向だ。それと、税収のほうも安定している。一匹辺り、一匹分のゆっくりの朝食に必要な分の3分の1しか取っていないので、あまり負担はない。
一匹、それでも働かないぞというゆっくりがいた。盲目まりさの嫁だ。宣言通り、私は罰を与えた。
「や、やめろぉおおおおおお!!!!」
腹がたったものの、私情だけで処罰を与える訳にはいかない。とりあえず、右目だけを奪っておいた。
私の予想通り、狩りを担うゆっくり達には自分の負担が減るということで賛同するものもいたらしい。
なんといっても、おうち宣言をされないこと、子供を預かってくれる場所があるという確約で共働きが実現可能であることがわかったからだ。
渋々、狩りをはじめる妻役のゆっくりは右往左往しながらも夫のサポートを受けてそれなりの成果を上げている。
これはいい傾向だ。それと、税収のほうも安定している。一匹辺り、一匹分のゆっくりの朝食に必要な分の3分の1しか取っていないので、あまり負担はない。
一匹、それでも働かないぞというゆっくりがいた。盲目まりさの嫁だ。宣言通り、私は罰を与えた。
「や、やめろぉおおおおおお!!!!」
腹がたったものの、私情だけで処罰を与える訳にはいかない。とりあえず、右目だけを奪っておいた。
折角、交易ができそうな相手がいるのだから、私は発明した物を売ることにした。
おうこくまでの道を知っているゆっくりを集めて、商隊をつくり、買値で売ってこいと命令した。
あとで知ったことだが、葉っぱ一枚で普通のゆっくりが一日飯が食えるほどの値段らしい。
ボウルが一つ、5枚で売れ、ソリは一つなんと10枚で売れた。
ソリに関しては大人では無理だったが、子ゆっくりがすぃーとして楽しめることもあり、日用品兼娯楽品としての要素を持ち得たそうだ。
私はこのことを聞き、早速、職人を作ることにした。手先が器用なありすを中心に予算を給料にして雇ったのだ。
給与は一日働いてご飯一日分である。普通の職人ゆっくりがつくる生産量はボウル1個もしくはソリ2個といったところだ。
かなり、労働ゆっくりとしてはこき使っているが、毎日仕事をするだけで三食が当たるということで当の職人たちは大喜びであった。
こぞって、職人になりたいと群れのゆっくりたちは殺到したが、それを厳選して5匹選んだ。
おうこくまでの道を知っているゆっくりを集めて、商隊をつくり、買値で売ってこいと命令した。
あとで知ったことだが、葉っぱ一枚で普通のゆっくりが一日飯が食えるほどの値段らしい。
ボウルが一つ、5枚で売れ、ソリは一つなんと10枚で売れた。
ソリに関しては大人では無理だったが、子ゆっくりがすぃーとして楽しめることもあり、日用品兼娯楽品としての要素を持ち得たそうだ。
私はこのことを聞き、早速、職人を作ることにした。手先が器用なありすを中心に予算を給料にして雇ったのだ。
給与は一日働いてご飯一日分である。普通の職人ゆっくりがつくる生産量はボウル1個もしくはソリ2個といったところだ。
かなり、労働ゆっくりとしてはこき使っているが、毎日仕事をするだけで三食が当たるということで当の職人たちは大喜びであった。
こぞって、職人になりたいと群れのゆっくりたちは殺到したが、それを厳選して5匹選んだ。
教育に関しては幹部のれいむに一任した。彼女ならきちんと仕事をこなせるだろうと言う判断でだ。
元々、善良なれいむ種はかなり子育てが上手いと聞く。それに、れいむも子持ちなので、子育てはそれなりに出来るはずだ。
私が様子を見た限りでは、狩りの仕方や家の作り方など実践的なことから、子供が飽きない用に歌を教えたり楽しいことを教えるなど適度な教育をしていた。
だが、それだけでは不完全である。農業を始めたい私としてはその辺りの教育をステレオタイプなれいむには務まりそうにはないからである。
れいむの教育が小学校なら私は中学校から大学まで担わなければならないだろう。
その辺りは時が何とかしてくれる問題である。ゆっくり待つとしよう。
元々、善良なれいむ種はかなり子育てが上手いと聞く。それに、れいむも子持ちなので、子育てはそれなりに出来るはずだ。
私が様子を見た限りでは、狩りの仕方や家の作り方など実践的なことから、子供が飽きない用に歌を教えたり楽しいことを教えるなど適度な教育をしていた。
だが、それだけでは不完全である。農業を始めたい私としてはその辺りの教育をステレオタイプなれいむには務まりそうにはないからである。
れいむの教育が小学校なら私は中学校から大学まで担わなければならないだろう。
その辺りは時が何とかしてくれる問題である。ゆっくり待つとしよう。
最終章:圧政の結果
場面は転換するが、私は今、おうこくに亡命しようとしている。ゆっくりした結果がこれだよ!
色々と政策は成功したと見えていたが、不満は爆発し、ゆっくりが結託して私を追放したのだ。
先に警察を作るべきだったか。いや、それでもダメだったろう。これは、ゆっくりのナショナリズムをはき違えた私の責任だ。
私はゆっくりという生き物に人間の影を覚えていたからかもしれない。だから、過剰にゆっくりに色々と求めすぎたのだ。
「やっぱり、ぱちゅりーにはにがおもすぎたよ!」
革命のリーダーはなんと、幹部のれいむだった。私が新しいことをし始めたことに反感を覚えたからだそうだ。
特にせいっさいの復活と職人という階級を作ったことに反感を覚えたらしい。
私は彼女を責める権利はない。なぜなら、私のやり方が強引だったのも事実だからだ。
さて、次はどうしようか。ゆっくりとしてこの世界を生きてみるのもいいのかもしれないな……
「がふっ!」
だが、そんな思いとは裏腹に、私の脇腹から無常にも一本の枝が突き出していた。
「すまんみょん。わるいゆっくりはせいっさいなんだみょん」
「ちくしょう……」
眼の前が真っ暗になる。私は徐々に意識を失っていった。
色々と政策は成功したと見えていたが、不満は爆発し、ゆっくりが結託して私を追放したのだ。
先に警察を作るべきだったか。いや、それでもダメだったろう。これは、ゆっくりのナショナリズムをはき違えた私の責任だ。
私はゆっくりという生き物に人間の影を覚えていたからかもしれない。だから、過剰にゆっくりに色々と求めすぎたのだ。
「やっぱり、ぱちゅりーにはにがおもすぎたよ!」
革命のリーダーはなんと、幹部のれいむだった。私が新しいことをし始めたことに反感を覚えたからだそうだ。
特にせいっさいの復活と職人という階級を作ったことに反感を覚えたらしい。
私は彼女を責める権利はない。なぜなら、私のやり方が強引だったのも事実だからだ。
さて、次はどうしようか。ゆっくりとしてこの世界を生きてみるのもいいのかもしれないな……
「がふっ!」
だが、そんな思いとは裏腹に、私の脇腹から無常にも一本の枝が突き出していた。
「すまんみょん。わるいゆっくりはせいっさいなんだみょん」
「ちくしょう……」
眼の前が真っ暗になる。私は徐々に意識を失っていった。
モニター越しにゲームオーバーの文字が現れる。スタート画面に戻り、カーソルはロードへと移動する。
そして、指先は左クリックを押した。
そして、指先は左クリックを押した。
新章 その1:復活
目が覚めると、目の前にいたのはあの外交官のぱちゅりーだった。
ギリギリと歯を噛み鳴らすその姿には見覚えがある。ああ、そうだ、その次に唾を吐いてその場を立ち去るんだったな。
「つばはのみこんでおけよ」
私がそう言うと、ぱちゅりーの体からゴクリと喉を鳴らす音が聞こえる。文字通り吐いた唾を飲み込んだわけだ。
「は、ははは。そういうことか」
この状況をどう説明してしまえばよいのか。まるで、ゲームのようにセーブデータを実行しているようではないか。
これは、神が私に生きろと命令しているのだろうか。なら、その神様はとても嫌なやつだ。
私は、あのまま人間にも戻れず死んでしまう運命。ただ、それだけで良かったのに。
そう思うと、私は自然と涙を流した。これからのことを考える余裕さえなく、私は泣いた。
この姿を見たれいむは「よくがんばったね」と私を慰めてくれる。
多分、気弱な私が外交官の罵詈雑言を受けて卑屈になっているのだと見えているのだろう。
でも、ちがうんだ。ただ、無性に泣きたいんだ。それを分かってくれるのはただ自分のみである。
目が覚めると、目の前にいたのはあの外交官のぱちゅりーだった。
ギリギリと歯を噛み鳴らすその姿には見覚えがある。ああ、そうだ、その次に唾を吐いてその場を立ち去るんだったな。
「つばはのみこんでおけよ」
私がそう言うと、ぱちゅりーの体からゴクリと喉を鳴らす音が聞こえる。文字通り吐いた唾を飲み込んだわけだ。
「は、ははは。そういうことか」
この状況をどう説明してしまえばよいのか。まるで、ゲームのようにセーブデータを実行しているようではないか。
これは、神が私に生きろと命令しているのだろうか。なら、その神様はとても嫌なやつだ。
私は、あのまま人間にも戻れず死んでしまう運命。ただ、それだけで良かったのに。
そう思うと、私は自然と涙を流した。これからのことを考える余裕さえなく、私は泣いた。
この姿を見たれいむは「よくがんばったね」と私を慰めてくれる。
多分、気弱な私が外交官の罵詈雑言を受けて卑屈になっているのだと見えているのだろう。
でも、ちがうんだ。ただ、無性に泣きたいんだ。それを分かってくれるのはただ自分のみである。
新章 その2:ゆっくりしていってね!!!
ゆっくりに過度な期待をした私は殺されてしまった。だからこそ、ゆっくりと徐々に物事を進めていくべきだと決意した。
だが、目標は建てることにしたのだ。まず、子供の教育を実施し、全体のレベルを底上げすること。
次に、農業を教えること。このことについては前回とは違う方法を取ることにした。
最後に、道具の有用性を叩きこむことだ。
職人という差別を作ってしまったことで爆発してしまった事を踏まえて、これに関しては長が職人を兼任することにする。
というのも、これは物々交換の基礎を群れに教え込むためでもある。まず最初に、私がモデルになればいいのだ。
私から物をもらうためには何かを代償にしなければならないという形を創りだすのが目的だ。
「これでどうだろう」
私は、れいむにある程度噛み砕いて相談してみた。
「うーん、おさのかんがえはふかくてれいむにはわからないよ」
「そうか……だが、じっさいにおこなってみればせいこうするとおもうんだ」
「ゆゆゆ、そうだね。おさがつくってくれたそりとぼうるさんはとってもゆっくりできたし」
「まあ、ちゃちいものだが、よろこんでくれてなによりだよ」
前回の失敗を踏まえて、私はれいむに頼ることにした。れいむの意見は皆の総意だからだ。
長に求心力はなけれど、群れのゆっくりの評判が高いれいむが長の下に付いているからこそ私は長でいられる。
このことを十分理解しながら事を進めれば間違いはないだろう。
「きょうっいくにかんしてはれいむにまかせてね! これでもれいむはりょうっさいけんっぼだよ!!」
「そうかいそうかい」
「それと、おさがつくったものをおうこくにもっていくてびきもしておくね」
「たすかるよ」
れいむは私よりもゆっくりをコントロールすることに長けている。これは見習うべきことだろう。
ああ、なんで、ゆっくりごときに気をもまれなきゃならんのだ私は……
だが、目標は建てることにしたのだ。まず、子供の教育を実施し、全体のレベルを底上げすること。
次に、農業を教えること。このことについては前回とは違う方法を取ることにした。
最後に、道具の有用性を叩きこむことだ。
職人という差別を作ってしまったことで爆発してしまった事を踏まえて、これに関しては長が職人を兼任することにする。
というのも、これは物々交換の基礎を群れに教え込むためでもある。まず最初に、私がモデルになればいいのだ。
私から物をもらうためには何かを代償にしなければならないという形を創りだすのが目的だ。
「これでどうだろう」
私は、れいむにある程度噛み砕いて相談してみた。
「うーん、おさのかんがえはふかくてれいむにはわからないよ」
「そうか……だが、じっさいにおこなってみればせいこうするとおもうんだ」
「ゆゆゆ、そうだね。おさがつくってくれたそりとぼうるさんはとってもゆっくりできたし」
「まあ、ちゃちいものだが、よろこんでくれてなによりだよ」
前回の失敗を踏まえて、私はれいむに頼ることにした。れいむの意見は皆の総意だからだ。
長に求心力はなけれど、群れのゆっくりの評判が高いれいむが長の下に付いているからこそ私は長でいられる。
このことを十分理解しながら事を進めれば間違いはないだろう。
「きょうっいくにかんしてはれいむにまかせてね! これでもれいむはりょうっさいけんっぼだよ!!」
「そうかいそうかい」
「それと、おさがつくったものをおうこくにもっていくてびきもしておくね」
「たすかるよ」
れいむは私よりもゆっくりをコントロールすることに長けている。これは見習うべきことだろう。
ああ、なんで、ゆっくりごときに気をもまれなきゃならんのだ私は……
数日後、私はとあるありすとともに、ゆっくり集りを眺めていた。
「おさ、そりをゆずってほしいのぜ!!」
私の家の前にはたくさんのゆっくりがいた。ソリやボウルを譲って欲しいゆっくり達の集まりだ。
「わたしにゆずって!!」
「ちぇ、ちぇんがもらうんだよーわかれよー!!」
押し合いへし合い、我先にとゆっくり達が挙る。そこまでして、道具が欲しいと思えるのはいい傾向だ。
「それで、ちゃんとごはんはもってきたか?」
「ゆっくりもってきたよ!!」
一匹のまりさが胸を張って私の前に現れた。私は、隣にいるありすの目で合図を送って見せる。
「わかったわ。まりさ、あなたのとってきたものをみせてね」
「わかったのぜ!!」
まりさは帽子から自分の採ってきたものをぶちまけた。
「さあ、これでたりるのぜ!!」
自信満々に息巻いてみせるまりさだが、ありすは冷静にまりさの持ってきたものを数えていた。
「えっと、ふつうのはっぱさんが10まいとくっそまずいはっぱが20まい。せいぜいおふだ1まいってところね」
「ゆゆ? それだとゆずってもらえるのぜ!」
「なわけないでしょ!!」
「ゆがーん」
ありすはおふだを一枚取り出して、まりさに渡すと次の相手をした。また、まりさだ。
「まりさのたからものをもってきたのぜ! きれいなきのこさんのぜ! でも、たべたらやばいのぜ!!」
それは大きくて立派なベニテングダケだった。こんなものが2本とも売れるのだろうか?
「ゆんゆん。このどくきのこさんはいろいろなことにつかえるから……ひとつにつきはっぱ5まいってところね!」
毒キノコに需要があるってなぜだ? 暗殺にでも使うのだろうか。
「ゆゆ、それでそりさんはもらえるのぜ!?」
「ええ、こうかんよ!」
「ゆわーい! やったー!! これでまりさのおちびがよろこぶのぜ!!」
ありすは部下にそりを持ってこさせた。それを受け取ったまりさは一目散にその場を離れる。
「ゆっほーい!!」
ここまで喜んでくれると作ったかいがあったなと私はしみじみ思う。こうして、貰えるもの貰えないものが分けられ、交換の旨さを知ってくれればよいだろう。
だが、これはリスキーなものである。なぜなら、貨幣は確実に差別を生むからだ。
なぜ、宗教は商売を悪いものだと考えたのか。それは物を売るという行為が不当に利益を得る行為だからである。
そうなると、富める者、貧しいものがわかれるのも自然の摂理なのだ。
この政策が成功するかどうかはまだわからない。早すぎたかもしれない。それはクソッタレな神のみぞ知るというやつだ。
「おさ、そりをゆずってほしいのぜ!!」
私の家の前にはたくさんのゆっくりがいた。ソリやボウルを譲って欲しいゆっくり達の集まりだ。
「わたしにゆずって!!」
「ちぇ、ちぇんがもらうんだよーわかれよー!!」
押し合いへし合い、我先にとゆっくり達が挙る。そこまでして、道具が欲しいと思えるのはいい傾向だ。
「それで、ちゃんとごはんはもってきたか?」
「ゆっくりもってきたよ!!」
一匹のまりさが胸を張って私の前に現れた。私は、隣にいるありすの目で合図を送って見せる。
「わかったわ。まりさ、あなたのとってきたものをみせてね」
「わかったのぜ!!」
まりさは帽子から自分の採ってきたものをぶちまけた。
「さあ、これでたりるのぜ!!」
自信満々に息巻いてみせるまりさだが、ありすは冷静にまりさの持ってきたものを数えていた。
「えっと、ふつうのはっぱさんが10まいとくっそまずいはっぱが20まい。せいぜいおふだ1まいってところね」
「ゆゆ? それだとゆずってもらえるのぜ!」
「なわけないでしょ!!」
「ゆがーん」
ありすはおふだを一枚取り出して、まりさに渡すと次の相手をした。また、まりさだ。
「まりさのたからものをもってきたのぜ! きれいなきのこさんのぜ! でも、たべたらやばいのぜ!!」
それは大きくて立派なベニテングダケだった。こんなものが2本とも売れるのだろうか?
「ゆんゆん。このどくきのこさんはいろいろなことにつかえるから……ひとつにつきはっぱ5まいってところね!」
毒キノコに需要があるってなぜだ? 暗殺にでも使うのだろうか。
「ゆゆ、それでそりさんはもらえるのぜ!?」
「ええ、こうかんよ!」
「ゆわーい! やったー!! これでまりさのおちびがよろこぶのぜ!!」
ありすは部下にそりを持ってこさせた。それを受け取ったまりさは一目散にその場を離れる。
「ゆっほーい!!」
ここまで喜んでくれると作ったかいがあったなと私はしみじみ思う。こうして、貰えるもの貰えないものが分けられ、交換の旨さを知ってくれればよいだろう。
だが、これはリスキーなものである。なぜなら、貨幣は確実に差別を生むからだ。
なぜ、宗教は商売を悪いものだと考えたのか。それは物を売るという行為が不当に利益を得る行為だからである。
そうなると、富める者、貧しいものがわかれるのも自然の摂理なのだ。
この政策が成功するかどうかはまだわからない。早すぎたかもしれない。それはクソッタレな神のみぞ知るというやつだ。
今回、査定をしてくれたありすは、おうこくに住む駆け出しの商人ゆっくりである。
私が作った特産品を握る権利を与え、その代わりに群れ御用達の商人になってもらった。
おうこくのゆっくりは教育が行き届いていて、ふつうのゆっくりは3以上数えられないのに対して、4桁まで数えられる。
これは私が人間の時に見たどのゆっくりでも真似できないことだ。おうこくとやらの土地を一度見てみたい。
優秀なありすのお陰で私は交換市場をこの群れに用いることが出来るだろう。これで、やっとあるものが買えるようになった。
私が作った特産品を握る権利を与え、その代わりに群れ御用達の商人になってもらった。
おうこくのゆっくりは教育が行き届いていて、ふつうのゆっくりは3以上数えられないのに対して、4桁まで数えられる。
これは私が人間の時に見たどのゆっくりでも真似できないことだ。おうこくとやらの土地を一度見てみたい。
優秀なありすのお陰で私は交換市場をこの群れに用いることが出来るだろう。これで、やっとあるものが買えるようになった。
新章 その3:ゆん材誘致
2ヶ月が経ち、群れはだいぶ様変わりした。皆一様に物を交換したり、おふだを使うようになったからだ。
それに、あまり良い反応をれいむは示さなかったが、ノーとは言ってこないので許容範囲だろう。
私の方も交易が成功して、かなりの富を築けた。この富で私は専門のゆっくりを誘致しようと思う。
それに、あまり良い反応をれいむは示さなかったが、ノーとは言ってこないので許容範囲だろう。
私の方も交易が成功して、かなりの富を築けた。この富で私は専門のゆっくりを誘致しようと思う。
「だから、おやさいさんはたがやしたつちからはえてくるのよ!」
「な、なるほど」
ソリやボウルを売ったお金で私はありすの仲介で農業のインストラクターであるゆうかを雇うことにした。
おうこくで農家の三女として生まれたものの、土地が当たらずくすぶっていたのをスカウトしたのだ。
教育に関しては最初は効果があるのか疑ったものだ。ゆっくりのステレオタイプである“野菜は勝手に生える”をいかに克服できるか。
私は、まず無理だろうと考えていた。教育に教育を重ねてやっと理解できるものだと思ったからだ。
だが、大人のゆっくりの顔ぶれを見る限り予想以上の成果を上げてくれた。ゆうかの話をきちんと信じているのだ。
教え方がゆっくり視点でとても上手だからなのだろう。
「この、たねさんをつかえば、はつかでしゅうかくできるわ」
それと、ゆうかがついでに持ってきた植物の種もすごいものであった。というより、やばい。
なんと、ゆうかの言うとおり、20日で植物がなるのだ。これなら、ゆっくりの短い人生でも人並みに野菜を得ることが出来るだろう。
しかし、そんなものがあるなんて初耳だ。人間だった時にも聞いたことがない話だ。
種の名前を聞いても“ゆっくりしたたね”なだけで正式名所もわからない。ただ、甘い苺状の物が出来ることは分かった。
「でも、このたねさんをつかうと、とちがつかれちゃうから、うんうんをつちにまぜるといいわ!」
普通、発酵させた藁やら糞を使うものだが、この種子に関してはゆっくりの廃棄餡子から栄養分を吸い取れるらしい。
まるで、神様がご都合主義で作ったようなものである。もう、突っ込む気も失せたが。
「それじゃあ、じっさいにたがやしてみるわよ!」
「ゆっくりりかいしたよ」
何にせよ、ゆっくりが農業を理解してくれると人間への偏見も薄まる。これで、人間にあった時のための準備もできるというものだ。
「な、なるほど」
ソリやボウルを売ったお金で私はありすの仲介で農業のインストラクターであるゆうかを雇うことにした。
おうこくで農家の三女として生まれたものの、土地が当たらずくすぶっていたのをスカウトしたのだ。
教育に関しては最初は効果があるのか疑ったものだ。ゆっくりのステレオタイプである“野菜は勝手に生える”をいかに克服できるか。
私は、まず無理だろうと考えていた。教育に教育を重ねてやっと理解できるものだと思ったからだ。
だが、大人のゆっくりの顔ぶれを見る限り予想以上の成果を上げてくれた。ゆうかの話をきちんと信じているのだ。
教え方がゆっくり視点でとても上手だからなのだろう。
「この、たねさんをつかえば、はつかでしゅうかくできるわ」
それと、ゆうかがついでに持ってきた植物の種もすごいものであった。というより、やばい。
なんと、ゆうかの言うとおり、20日で植物がなるのだ。これなら、ゆっくりの短い人生でも人並みに野菜を得ることが出来るだろう。
しかし、そんなものがあるなんて初耳だ。人間だった時にも聞いたことがない話だ。
種の名前を聞いても“ゆっくりしたたね”なだけで正式名所もわからない。ただ、甘い苺状の物が出来ることは分かった。
「でも、このたねさんをつかうと、とちがつかれちゃうから、うんうんをつちにまぜるといいわ!」
普通、発酵させた藁やら糞を使うものだが、この種子に関してはゆっくりの廃棄餡子から栄養分を吸い取れるらしい。
まるで、神様がご都合主義で作ったようなものである。もう、突っ込む気も失せたが。
「それじゃあ、じっさいにたがやしてみるわよ!」
「ゆっくりりかいしたよ」
何にせよ、ゆっくりが農業を理解してくれると人間への偏見も薄まる。これで、人間にあった時のための準備もできるというものだ。
教育にも力を入れるためおうこくから二匹、引っ張ってきた。これまた商人ありすの仲介である。
「それじゃあ、しょうひんのみわけかたからおしえるわ!」
今度はありすの兄弟子のぱちゅりーを誘致した。彼女には群れの中でも賢いゆっくりに商売の方法を教えてもらうためにだ。
商売のいろはを覚えてくれれば、ある程度のチャンスが芽生えてくる。
今では、蔑ろにしているれんぽうの方にも掛けあって、ビジネスチャンスが広がるかもしれない。
ああ、そういえば、れんぽうのことだが、少し前に、外交官のなずーりんが忠告に来ていた。
「あまりおうこくにはかかわるな」と。
貝のように口をつむり、タコのように手足を蠢かす。外交のことをそろそろ考えねば。
「それじゃあ、しょうひんのみわけかたからおしえるわ!」
今度はありすの兄弟子のぱちゅりーを誘致した。彼女には群れの中でも賢いゆっくりに商売の方法を教えてもらうためにだ。
商売のいろはを覚えてくれれば、ある程度のチャンスが芽生えてくる。
今では、蔑ろにしているれんぽうの方にも掛けあって、ビジネスチャンスが広がるかもしれない。
ああ、そういえば、れんぽうのことだが、少し前に、外交官のなずーりんが忠告に来ていた。
「あまりおうこくにはかかわるな」と。
貝のように口をつむり、タコのように手足を蠢かす。外交のことをそろそろ考えねば。
話は戻るが、やはり群れを守る兵士を作ることにした。警察としての役割も担わせるため、ある程度の統率がとれていないといけない。
「うー!!! くちからうんうんたれるまえにゆっくりしていってね!!!」
「ゆっくりしていってね!!!」
二匹目は兵士に規律を叩きこみ、群れに従順な兵士を作り出すための教官を雇った。捕食種のはずの胴付きふらんだ。
おうこくの退役軍人らしく、特殊部隊に居たらしい。おうこくは実力主義で能力があれば差別されない国だそうだ。
ふらんは私の話を聞きつけて、やってきた奇特なゆっくりである。まだ現役だと言わんばかりの怒声は聞いていて清々しい。
どんな精強な兵士が出来るか楽しみである。
「うー!!! くちからうんうんたれるまえにゆっくりしていってね!!!」
「ゆっくりしていってね!!!」
二匹目は兵士に規律を叩きこみ、群れに従順な兵士を作り出すための教官を雇った。捕食種のはずの胴付きふらんだ。
おうこくの退役軍人らしく、特殊部隊に居たらしい。おうこくは実力主義で能力があれば差別されない国だそうだ。
ふらんは私の話を聞きつけて、やってきた奇特なゆっくりである。まだ現役だと言わんばかりの怒声は聞いていて清々しい。
どんな精強な兵士が出来るか楽しみである。
あとはチビどもを幹部れいむに面倒見てもらっている。やはり、旧来のゆっくりだが彼女は有能だ。
このまま、教育が進んでいけば将来、私がいなくても群れは発展するだろう。ああ、じじくさい。
このまま、教育が進んでいけば将来、私がいなくても群れは発展するだろう。ああ、じじくさい。
新章 その4:外交のバイアス
さて、今回も二匹の外交官ゆっくりが来た。まず手始めになずーりんから相手をせねばならない。
「きみたちがはってんすることはわれわれにとってもうれしいことだ……」
「おう」
「だがな! おうこくのつきあいばかりだ! せいようていこくしゅぎにどくされるまえに、われわれのみかたにつけ!!」
「まあ、まてまて。おうこくとこれいじょういちゃいちゃはしないから、それでいいだろ?」
あまり実感はわかないが私の態度で群れが滅ぶかもしれないと思うと少し胃がキリキリする。人間の頃の癖だ。
私の前で怒鳴ってみせたなずーりんは鼻息荒く、わたしと視線を合わせようとする。
「こうどうでしめしてもらわんとな!!」
「なら、そりとぼうるをれんぽうののうさくもつかどうぐとこうかんしよう。これならどうだ」
「ふむむ、のめないわけじゃない。それに、わたしはこのむれはれんぽうにえきをなすむれだともおもっているからな」
「それはどういうことだ?」
「みながしょくをえて、あんしんできるからさ」
「しぜんにそうなっただけだ」
好感触なのか? と思った矢先になずーりんは最後の怒声をあげた。
「だがしかし!! おふだをしようするそのたいどはきにくわん!!! あときょういくもだ!!!」
そういい終わるとなずーりんはその場から離れていった。
「きみたちがはってんすることはわれわれにとってもうれしいことだ……」
「おう」
「だがな! おうこくのつきあいばかりだ! せいようていこくしゅぎにどくされるまえに、われわれのみかたにつけ!!」
「まあ、まてまて。おうこくとこれいじょういちゃいちゃはしないから、それでいいだろ?」
あまり実感はわかないが私の態度で群れが滅ぶかもしれないと思うと少し胃がキリキリする。人間の頃の癖だ。
私の前で怒鳴ってみせたなずーりんは鼻息荒く、わたしと視線を合わせようとする。
「こうどうでしめしてもらわんとな!!」
「なら、そりとぼうるをれんぽうののうさくもつかどうぐとこうかんしよう。これならどうだ」
「ふむむ、のめないわけじゃない。それに、わたしはこのむれはれんぽうにえきをなすむれだともおもっているからな」
「それはどういうことだ?」
「みながしょくをえて、あんしんできるからさ」
「しぜんにそうなっただけだ」
好感触なのか? と思った矢先になずーりんは最後の怒声をあげた。
「だがしかし!! おふだをしようするそのたいどはきにくわん!!! あときょういくもだ!!!」
そういい終わるとなずーりんはその場から離れていった。
「むーきょきょきょきょ! おまえたちのおかげでぱちぇのかぶがあがったわ!!!」
「そりゃどうも」
今度はあのクソぱちゅりー様である。下卑た笑い声を上げながらクソみたいな世間話をしてくる。
「それでね、ぱちぇはこういってやったのよ!! この、がばまむってね!!」
「いや、そんなはなしはいいから」
「あらそう? まあいいわ、おまえのおかげでぱちぇはじょうしからほめられたのよ! これでおうひのざもゆめではないわ!!」
高飛車笑いが群れ中を飛び交う。ああ、早く帰ってくれないかなと私は天井を見上げて考えた。
「そりゃどうも」
今度はあのクソぱちゅりー様である。下卑た笑い声を上げながらクソみたいな世間話をしてくる。
「それでね、ぱちぇはこういってやったのよ!! この、がばまむってね!!」
「いや、そんなはなしはいいから」
「あらそう? まあいいわ、おまえのおかげでぱちぇはじょうしからほめられたのよ! これでおうひのざもゆめではないわ!!」
高飛車笑いが群れ中を飛び交う。ああ、早く帰ってくれないかなと私は天井を見上げて考えた。
さて、これらの結果を踏まえて、私がなすべきことは現状を維持しつつもれんぽうに気を配ることだ。
そうすれば、このまま天寿を全うできるだろう。
……あれ、なにか忘れてないか?
そうすれば、このまま天寿を全うできるだろう。
……あれ、なにか忘れてないか?
新章 その5:世襲、そして腐敗
ソリとボウルの値段が安定し始めた頃、私にも寿命というのがやってきた。人間からゆっくりになって早5年短いようで長かった。
「げほっげほ!!」
「おとうさん!」
私を最初に支えてくれたれいむはすでに死んでしまった。代わりにいるのは私の孫だ。
私はおうこくの富豪の娘れいむと結婚した。そうすることで、群れに有益ならばと考えた結果だ。
嫁とはあまり仲良くは出来なかったが、子供とはそれなりに接することが出来たかもしれない。
現に我が子、ぱちゅりーと れいむは死期が迫っている私を介抱してくれる。
「そうだな、こうけいしゃを……がはっ!」
息を吸うだけでむせる。肺が、呼吸器官が強く痛むのだ。こんなこと、人間だった時でも体験しない苦痛である。
私は、それでも最後の力を振り絞って、家を出た。
「げほっげほ!!」
「おとうさん!」
私を最初に支えてくれたれいむはすでに死んでしまった。代わりにいるのは私の孫だ。
私はおうこくの富豪の娘れいむと結婚した。そうすることで、群れに有益ならばと考えた結果だ。
嫁とはあまり仲良くは出来なかったが、子供とはそれなりに接することが出来たかもしれない。
現に我が子、ぱちゅりーと れいむは死期が迫っている私を介抱してくれる。
「そうだな、こうけいしゃを……がはっ!」
息を吸うだけでむせる。肺が、呼吸器官が強く痛むのだ。こんなこと、人間だった時でも体験しない苦痛である。
私は、それでも最後の力を振り絞って、家を出た。
「おさ!! おさ!!!」
私の最後を見に来た民衆が私を出迎えてくれる。様々なゆっくりが笑顔で私を包み込むのだ。こんなに嬉しいことはない。
こんな時、私が人間だったらなんというか。
私の最後を見に来た民衆が私を出迎えてくれる。様々なゆっくりが笑顔で私を包み込むのだ。こんなに嬉しいことはない。
こんな時、私が人間だったらなんというか。
「ときよとまれ、そなたはうつくしい!!」
最後の力を振り絞って私は叫んだ。それが、私の最後の遺言になるとは……
スタッフロールとともにその後の群れのことが記される。
結局、カリスマを失った群れはなんとか世襲制で食いつないでいったが、軍部のクーデターにより政府は転覆した。
そして、群れはれんぽうに帰順したのだ。そう、このクーデターはれんぽうの策略である。
おうこくは友好的だった群れの態度に大きく驚いた。そして憤怒した。
なんと、おうこくは群れに兵を送り込んだのだ。そして、それに対応するようにれんぽうも。
だが、おうこくのワンサイドゲームであった。圧倒的な技術力をもつおうこくがれんぽうをすべて食ってしまったのだ。
こうして、おうこくとれんぽうの争いは終わりを告げた。
結局、カリスマを失った群れはなんとか世襲制で食いつないでいったが、軍部のクーデターにより政府は転覆した。
そして、群れはれんぽうに帰順したのだ。そう、このクーデターはれんぽうの策略である。
おうこくは友好的だった群れの態度に大きく驚いた。そして憤怒した。
なんと、おうこくは群れに兵を送り込んだのだ。そして、それに対応するようにれんぽうも。
だが、おうこくのワンサイドゲームであった。圧倒的な技術力をもつおうこくがれんぽうをすべて食ってしまったのだ。
こうして、おうこくとれんぽうの争いは終わりを告げた。
王は思い出す。今は王宮として使っているあの場所のほんとうの姿を。
古代文字で“加工場”と書かれた場所を……
古代文字で“加工場”と書かれた場所を……
評価
れんぽう派ゆっくり:衣食住は足りていたし、及第点といったところだ
おうこく派ゆっくり:資本主義を導入した功績は高い。合格点だ。
革新派ゆっくり:教育制度により、進歩していったことは喜ばしい。合格点だ。
原理主義ゆっくり:何もかもがゆっくりしてない!! 不合格だ!!
軍人ゆっくり:兵士数は少ないが、精鋭ぞろいの兵隊だ。及第点といったところだ。
環境保護ゆっくり:無理な収穫で群れの景観が悪くなってしまった。不合格だ。
おうこく派ゆっくり:資本主義を導入した功績は高い。合格点だ。
革新派ゆっくり:教育制度により、進歩していったことは喜ばしい。合格点だ。
原理主義ゆっくり:何もかもがゆっくりしてない!! 不合格だ!!
軍人ゆっくり:兵士数は少ないが、精鋭ぞろいの兵隊だ。及第点といったところだ。
環境保護ゆっくり:無理な収穫で群れの景観が悪くなってしまった。不合格だ。
ノーマルエンド
トゥルーエンドまでのヒント
たった5年という月日で何とかして真実を見つけてください。
一番近いルートは王宮に招かれることです。そこで、貴方は驚愕の真実を知ることになるでしょう。
たった5年という月日で何とかして真実を見つけてください。
一番近いルートは王宮に招かれることです。そこで、貴方は驚愕の真実を知ることになるでしょう。
それでは、プレシデンテ、良き黄泉路を。