状況はアルビオン7万の軍に対し、
土方が向かっていくところからです。
(勿論、ルイズは眠らせて、土方&デルフのみで)
土方が向かっていくところからです。
(勿論、ルイズは眠らせて、土方&デルフのみで)
歳三は、行く。
目の前には7万の兵。
逃げるトリステイン軍の混乱の中で選び出した一頭の馬を駆り、
歳三は、7万の大軍に向かって、正面からゆっくりと馬を進ませた。
目の前には7万の兵。
逃げるトリステイン軍の混乱の中で選び出した一頭の馬を駆り、
歳三は、7万の大軍に向かって、正面からゆっくりと馬を進ませた。
「…? あれは誰だ?」
「わからん。まさかたった一騎で敵ということもあるまいし」
「しかし、妙に威圧感のある人な。きっと名のある騎士に違いない」
「わからん。まさかたった一騎で敵ということもあるまいし」
「しかし、妙に威圧感のある人な。きっと名のある騎士に違いない」
歳三を発見した兵士たちは、たった一騎で悠然と駒を進める歳三の姿に気圧され、
そして、道を開けていった。
そして、道を開けていった。
「そこの貴殿、止まりたまえ。
一体何用で来られたのだ」
一体何用で来られたのだ」
この異様な光景に、流石に歳三に声を掛ける騎士がいた。
おそらくは隊長クラスの騎士であろう。
歳三の正面に立つ。
駒の歩みを止め、歳三は答えた。
おそらくは隊長クラスの騎士であろう。
歳三の正面に立つ。
駒の歩みを止め、歳三は答えた。
「司令部へ行く」
「司令部へ?しかし何故このような正面から…。
貴殿、名はなんと申される」
貴殿、名はなんと申される」
アルビオンの騎士は、歳三のあまりの大胆さに、友軍の伝令かと思ったのだ。
「名か」
歳三はちょっと考えた。
虚無の使い魔、ガンダールヴとはどういうわけか名乗りたくなかった。
虚無の使い魔、ガンダールヴとはどういうわけか名乗りたくなかった。
「新撰組副長、土方歳三」
もし、これを聞いた彼が長州の藩士であれば、
白昼に竜が蛇行するのを見たほどに仰天したであろう。
だが、彼は新撰組の存在など知るはずもなく、
また、その恐るべき剣客集団において、「鬼」の異名を持つ者が、
目の前にいるこの男だということなど知るはずもない。
アルビオンの騎士は、怪訝そうに首をかしげると、言葉を返した。
白昼に竜が蛇行するのを見たほどに仰天したであろう。
だが、彼は新撰組の存在など知るはずもなく、
また、その恐るべき剣客集団において、「鬼」の異名を持つ者が、
目の前にいるこの男だということなど知るはずもない。
アルビオンの騎士は、怪訝そうに首をかしげると、言葉を返した。
「しんせんぐみ?
…いずれにせよ、司令部に用ありというのであれば、
目的を告げられよ」
…いずれにせよ、司令部に用ありというのであれば、
目的を告げられよ」
「目的?」
騎士に問われた歳三は、薄く笑った。
「今申したはずだ。
新撰組副長が司令部に用がありとすれば、斬り込みにゆくだけよ」
新撰組副長が司令部に用がありとすれば、斬り込みにゆくだけよ」
あっ、っと驚いた騎士に、
歳三はデルフリンガーを抜き放ち、一撃を見舞った。
血しぶきを上げて倒れる騎士。
混乱し、騒ぎ立てる兵士たち。
そして様子を見ていた他の騎士たちが血相を変えて近づくのに対し、
歳三は、デルフを片手に、一気に駒を奔らせた。
歳三はデルフリンガーを抜き放ち、一撃を見舞った。
血しぶきを上げて倒れる騎士。
混乱し、騒ぎ立てる兵士たち。
そして様子を見ていた他の騎士たちが血相を変えて近づくのに対し、
歳三は、デルフを片手に、一気に駒を奔らせた。
…兵士たちを跳ね飛ばし、騎士たちの攻撃をかいくぐり、歳三は行く。
幾多の攻撃に晒され、血は止め処もなく流れ、全身に傷のないところはなく、
それでもなお、左手の紋章から煌々と光を放ち、歳三はデルフリンガーを振った。
そして、目の前の敵を、斬って、斬って、斬って、進んだその先に、
未だ群れなす兵士たちの向こうに、目指す司令部が見えた。
そこにいる、おそらく司令官であろう男の、困惑と驚きの表情を見て、
歳三はニヤリと笑うと、声も限りに叫んだ。
幾多の攻撃に晒され、血は止め処もなく流れ、全身に傷のないところはなく、
それでもなお、左手の紋章から煌々と光を放ち、歳三はデルフリンガーを振った。
そして、目の前の敵を、斬って、斬って、斬って、進んだその先に、
未だ群れなす兵士たちの向こうに、目指す司令部が見えた。
そこにいる、おそらく司令官であろう男の、困惑と驚きの表情を見て、
歳三はニヤリと笑うと、声も限りに叫んだ。
「新撰組副長、土方歳三、推参!」