現代の歩兵って三十キロ以上荷物背負ってるけどあんなので走ったり出来るの?(483:884)
仮に全力疾走したら平均何キロぐらい出るの?(483:887)
必要ならします。
ただ、その荷物を「背負って」いるわけではなく、体中にうまく分散して身につけているので
数字ほどには重量を感じません。
その辺はよく考えてあります。
APCやIFVに荷物を置いて下車するときは
武器弾薬と水筒だけでいいじゃん。
一般に行軍速度は
道足(歩き)=時速4km
早足=時速6km
駆け足=時速8km以上
と規定されてます。
通常の歩兵は一日8時間行軍で32km、強行軍の場合は10~12時間行軍で40~50km移動します。
仮に全力疾走したら平均何キロぐらい出るの?
まあそういう質問への回答としては
「個人の能力による」としか。
歩兵が全力疾走するのって突撃のときくらいで本っ当に限られたシチュエーション。
んでね、軍隊ってそういう個人の能力に依存するような指揮はしないのよ。
訓練によって「部隊の能力を平均化し、その平均的能力を何時でも発揮できる」ことの方がよほど重要なのね。
その前提で平均的能力の底上げを図る、てのはアリ。
歩兵はこれからも沢山必要なのですか?
必要です。戦車やヘリでは土地の占領ができませんから。
世界的に減らす方向に動いているが
やはり必要。
最後の決めはこれからも歩兵がする。
狙撃兵は普通の兵士とどのような点が違うんでしょうか?
狙い撃つだけなら誰でも出来るような・・・
イメージとしてはスコープついた特別に精度を高めた銃を使うって程度なんですが
他に何か特別なことはあるんでしょうか?
狙い撃つだけでも、相当の技量と膨大な経験を必要とする。
判りやすい一例を挙げるなら、弾というものはずっと真っ直ぐ飛ぶわけではない。
暫く真っ直ぐ飛んで、弾道が上に上がり重力で落ちていく。
目標までの距離を正確に読み、今持ってる銃と弾からその距離での弾道のズレ
を計算し、さらに風や目標の動きまで読んで命中させるのは、誰にでも出来る事
ではありません。
加えて言うと、狙撃兵は遠くから当てるより、確実に当たる距離まで侵入する能力が
求められる。更に他の歩兵と連携するなら、その観測能力等で状況報告や支援なども
行う。連携せずに単独で行動するケースも多く、中には2名だけで数日間に渡って侵入
工作を行う事もある。
精度の高い銃とごっついスコープを持って、目標にスコープの十字を綺麗に重ね合わせて
引き金引けば、はい終わり。ってもんじゃない。
狙撃兵は他の兵士から一緒に行動するのを嫌がられることが多いと聞いたのですが、なぜでしょうか?
捕虜になった時に、集団に狙撃兵が居ると他の者までひどい報復を受けると思われたから。
原書房の「最強の狙撃手」という本を読むとよくわかるよ。
まず、メンタルな面で折り合いが付かない。
狙撃兵は「自分が殺す人間を明確に意識しながら銃弾を放つ」軍の中でも数少ない人間。
本能的に殺しに抵抗感がある一般兵とは戦闘に対する意識が違いすぎる。
あと、狙撃兵は当然敵からも嫌われ者で、こちらにいると分かれば砲弾や銃弾、さらに爆弾まで
雨霰と降ってくるんだから好かれようもない。
狙撃手は、スコープを覗くときもう片方の目をつぶるものなのでしょうか?
狙撃手に限らず軍隊で銃の照準をつけるときには片目をつぶらないように
訓練される。
片目をつぶると視界が狭くなるし顔面の筋肉を引きつらせるのでそれが
手や体の筋肉にも影響し射撃の精度が落ちる。
スナイパーがスナイパーライフルと一緒にアサルトライフルやサブマシンガンやPDWを携行することってあるんですか?
必ず・・・・ではないが、珍しい光景ではないよ。割と良くやる。
イラクあたりの写真でも、M4とM40を両方抱えた兵士とかあるし。
ただ、携行に色々と工夫はしているようだ。
単独行動や少人数での独立した行動の場合には
バックアップの為に補助火器を携行します
其の組み合わせは狙撃銃と短縮小銃が主流ですが
他の組み合わせも、個人の裁量で選択されます。
(479:54:三等自営業 ◆LiXVy0DO8s)
歩兵が装甲をつけないのはどうして?重くて動けないのか?(481:607)
普通の歩兵ってどのくらいの装備の重さが限界なの?
重くて動けない。
機動力が高くて、様々な環境で柔軟に対応できる。って歩兵の最大利点を捨てる事になる。
さらに歩兵の体力に負担をかけるという事は、その歩兵の休息時間、消費水分、カロリーの補給問題など
兵站上、さまざまな難題が発生する。
今のイラクでも、歩兵を展開させるより、その歩兵を維持する事の方がはるかに難題なのだ。
ただ、何も考えられていないわけではなくて、当然、防弾プレートや破片避けのヘルメットなどを被ってる。
それらを含めて、一般的なフル装備で25~30kgぐらいが相場。
ただ、30kgの塊を持ってるわけじゃなくて、身体にバランスよく装着してるわけだから、体感としての重さは
数字からのイメージとはちょっと違うが。
ごてごて装甲つけたら、どうせ限定環境にしか行けなくなるしなあ。
それならそれにふさわしい装甲車両等でいいわけで。
装甲とは少し違うけど、銃弾や砲弾破片からの防御用にボディアーマーと言う防弾衣はつけてる。
部分的にセラミック製や金属製の防弾プレートを内蔵できるので、歩兵用の装甲と言えなくもない。
ただそれらをフル装備すると防弾衣だけで10kgを超える。
小銃弾を防ぐクラスの全周防御を歩兵に施すとマジで歩けなくなります。
だから、歩兵の命の値段が高い米軍なんかは軍用パワーアシストスーツみたいな物の開発に力を入れています。
そうすると今度はバッテリーが重くなるとか色々と大変のようですが。
同じ戦死でも、歩兵同士の殺し合いと狙撃兵からの狙撃では、意味合いは異なってくるのですか?(482:476)
「同じ戦場で歩兵同士、
撃ち合って仲間が殺られたなら恨みっこなしだが、
狙撃兵に遠くから仲間が殺られるのは腹が立つ」
みたいな兵士のコメントを読んだことがありますが、
同じ戦死でも、歩兵同士の殺し合いと狙撃兵からの狙撃では、
意味合いは異なってくるのですか?
やはり、心理的に対等の条件で撃ち合ってる敵よりも
狙撃などで一方的に撃たれると「姿を見せろ卑怯者!」と
怒鳴りたくなるのが人間の心理。
ていうかスナイパーは撃った奴を特定できるから報復を受けやすい。
一般部隊はまとまってるから誰が撃ったか分からん
自分が殺す相手をはっきり認識して引き鉄を引く人間は中々いない。
また、特定の誰かに自分が狙われていることを認識した兵士は強い憎しみや怒りを抱きやすい。
「何で俺を狙うんだ!」といったような感情を吐露したベトナム帰還兵の例が有ります。
最終更新:2008年07月19日 11:14