Nag'molada ナグモラーダ

神都アル・タユ出身のジュノ外交官。一万年前にクリュー分裂症を患ったが、古代戦争ではクリュー側ではなくジラート側につきイブノイルの補佐に努めた。
ジラート文崩壊後はエルドナーシュらと共にデルクフの塔で休眠に入り、854年の覚醒を経て、アルマター機関の外交官に就任した。
884年、突如ジュノに現れたセルテウスを追う内に神都アル・タユへと到達し、自ら進んでプロマシアの器に吸収された。
プロマシアの器がPCの手で討ち取られると、ナグモラーダも一旦クリスタルに還ったが、
すぐにタブナジアの魔石を使っての復活を目論んだため、エシャンタールに暁の瞳で爆砕され、生命の輪廻から完全に消滅した。
一万年前、ジラート王国の神都アル・タユに生まれる。程なくしてクリュー分裂症を患い、セルテウスと共にジラート王に謁見した後、ソ・ジヤへと移り住んだ。
ジラートとクリューの間に戦争が勃発した際は、クリューを裏切ってジラート側に付き、アル・タユに帰還してイブノイルの傍で働いた。
「心の言葉」が使えぬクリューである事に著しい劣等感を抱いていたナグモラーダは、その時の気持ちを、
「イブノイル様、私はクリューを裏切った男と呼ばれています。しかし、裏切るもなにも、私は初めから、クリューであろうと思ったことなどない。
 私は、あなた様のところへ戻ったに過ぎない。これから先、あなた様を裏切ることは決してありません。」と述懐している。
戦争末期にアル・タユがルモリアに時空点転移を果たした時にはアル・タユから離れた場所におり、
そのままメルト・ブローの惨禍から逃げる形でエルドナーシュらと共にデルクフの塔で休眠に就いた。

ジュノ建国

854年、闇の王の誕生に伴ってデルクフの塔に流れ込んだエネルギーによりナグモラーダらは覚醒した。
ジラート第二王子カムラナートは最寄の漁村を掌握すると巨大都市として発展させ、ナグモラーダはそこでアルマター機関の外交官に就任した。
クリューであるナグモラーダは心の言葉が使えない分、共通語の扱いに長けていたため、異種族間における交渉のプロフェッショナルとして重宝された。
862年に勃発した水晶大戦では、ナグモラーダは当時犬猿の仲であった人間諸国を回って一致団結を説き、アルタナ連合軍の結成に大きな寄与を果たした。

プロマシアミッション

884年、デルクフの塔に突如セルテウスが出現し、ナグモラーダは一万年前に死んだはずのセルテウスがなぜ生きているのかと訝るが、
逃げるセルテウスを追って各マザー・クリスタルを巡る内に、霊獣ディアボロスからアル・タユが今もなお存在している事を知らされた。
一万年前に潰えたはずの真世界への夢が蘇り歓喜に打ち震えたナグモラーダはアル・タユへの道を模索し、
その越権行為をアルマター機関に諌められると、機関トップのエシャンタールの暗殺までも謀って、強引にアル・タユへと到達した。
そこでナグモラーダはかつて仕えたイブノイルの遺体を発見するが、その場所が「虚ろの器」だった事から、
「ジラートである明星の巫女ですら虚ろなる闇に抗えなかったのか」と絶望し、精神的な錯乱に陥った。

「イブノイル様……私はあなたに、伝えたかった……。あなたこそが闇に囚われた私たちの光。あなたにどれほど感謝しているか……
 心の言葉を手に入れ……私はあなたに、伝えたかった……。完全なる想いを……完全に……完全に……
 ……完全、か……。私こそが完全になるべきもの。不完全なるものを導くもののはずだった……。
 それなのになぜ、裏切り者が完全なるものになり、この私は、不完全なままなのだ……?
 教えてくれ。私は、どこで過ちを犯した……?それは、取り返しのつかないことなのか……?
 ……いや、私は過ちなど犯してはいない……。不完全なる世界が過ちを犯しているのだな……。
 そうだ……この世界が、この世界を作り出した神々どもが、許されざる過ちを犯したのだ……。
 男神プロマシアよ! いったいおまえは、なにを人に望んでいる!? なにを世界に望んでいるのだ!?」

ナグモラーダは接見の間へと踏み込み、追いすがるセルテウスらの制止を振り切ってプロマシアの器の封印を解いた。
これはクリューであるがゆえに「自分は不完全な存在である」というコンプレックスに悩み続けてきたがゆえの行動だと思われ、
ナグモラーダは完全なる存在への回帰を欲して、自ら進んで器に飲み込まれた。
プロマシアの一部となったナグモラーダは創世の真実に触れて歓喜したが、
その直後に器はセルテウスらの手で撃破され、ナグモラーダは死亡。アル・タユのマザー・クリスタルへと還った。
しかしナグモラーダはその偏屈さからか輪廻転生を拒み、ナグモラーダとしての人格をクリスタル内で保ち続けた。

世界に在りて君は何を想うのか

それから程なくして、プロマシアの器を討ち取る際にプリッシュが投げ込んだ「タブナジアの魔石」が、アル・タユのマザー・クリスタルに還っている事が判明した。
ナグモラーダは魔石の力を手に入れて「世界の終わりに来る者」として輪廻転生しようとしたため、それを阻止せんとするPCらと激しい戦闘を繰り広げた。
ナグモラーダはカムラナートらと組んで徹底抗戦したが、最終的にはエシャンタールに暁の瞳で爆砕され、
その結果ヴァナ・ディール上からも、クリスタルエネルギーの輪廻上からも完全に消滅した。


【覚書】

  • プロマシアミッションにおける敵方NPCの一人でオリジナルフェイス。
  • アルマター機関における恐らく唯一のクリューである。そのせいか機関内での地位は相対的に低いようで、エシャンタールやモルゴフォールからは度々叱責を受けていた。
  • 身分を問わず実力本位で公平に人を取り立てる度量があるとして、ジュノ親衛隊からは羨望の眼差しで見られていたが、その実、目的のためには手段を選ばない冷酷な合理主義者なだけであった。
  • クリューを裏切ってジラート側に付いたため霊獣とは本来対立する立場にあるが、バハムートの復活を知るとそれを隠して擦り寄ろうとした。
  • ジュノとタブナジアの交易再開にあたり、援助と称してジュノ側に有利な条約を締結した。ナグモラーダの死後、その条約はタブナジア側がより自治できるような形へと改められた。


【アクション】

彼の外見を最も特徴付けているのがこのモノクルである。GPSのような機能があり、バハムートの動向をこれで監視していた。

世間では冷静沈着な文官として知られているが、実際は気が短く暴力的であり、
マザー・クリスタルに近付いたPCには平手打ちを食らわせ、自らを左遷した上司には暗殺を謀り、アル・タユへの道を掘ったモブリンには半殺しの洗礼を浴びせている。
一見してそれと分かるような武具は所持していないが、魔法に長け、カットシーンではプリッシュをクエイクIIで吹き飛ばしている。

現代では禁呪とされている浮遊魔法「レビテト」を詠唱できる。これは同じ古代人であるカムラナートやエルドナーシュも同様である。
劇中では、バハムートへの奇襲を図るジュノ飛空艇団を壊滅させるため、船に忍び込んでから詠唱、
『石の記憶』でバハムートを呼び出して飛空艇団の存在を露見させると、高笑いしながらデジョンした。
最終更新:2015年02月09日 11:52