それは、焼き鳥屋が幻想郷で過ごす最後の日
CYCLONE!
なにやら
【もこうボックス】が急展開を迎えていた。
「おい、またやるのか、このコーナー。前回ガチで1回しかやらなかったじゃないか」
「まぁまぁ。出番があるんですよ? 良かったじゃないですか」
「嬉しそうだな、おまえ……。たしかに今度は
マリノに出ることさえなかったもんな」
「グサッ。抉らないでくださいよぉ」
「で、そんなおまえにグッドニュースだ。今回の出場者は……」
「ままま、まさか!?」
「今期採用のアルバイト、旋風寺はやて?に決定した!」
「泣いていいですか? 女の子だもん」
「何言ってるんだ。
巨大なロボットに乗って戦う……かもしれないんだぞ。名前的に」
「え!? 本当ですか!?」
「それに、モチーフは鉄道。
つばさ?とか
機関車が合体!な感じでドリルも全開! 男の子も鉄道ファンも満足!
……かもな」
「もうそのまま
マイトガインじゃないですか!」
「かと思いきや、いい感じに魔法少女だから、女の子も大きいお友達も大満足!
……かもな」
「ぐッ、魔法少女っぽさなら私だって負けていませんよ!? どっちがふさわしいか、勝負です!」
「いや、もう締め切り過ぎちゃったから」
「しくしく……」
「今回は長期戦だ。とーぜん、
馬鹿店長36は
飽きる! そこで、
新システムの登場なんだ」
「え……まさか私たち第一世代には搭載されていないような新機能を考えついちゃったんですか?
終盤で暴走するのに」
「はやては第三世代だが……同型機を作らなきゃ大丈夫だ」
「チッ。で、どんなシステムなんですか?
EXAMシステムとか?」
「おまえ、意地でも暴走させたいんだな。全然違う。私たちみたいな完成系じゃないキャラって事で、」
「暴走ですn痛ぁッ!?」
「ふぅ〜。
成長システムだ阿呆。戦闘経験を積むことで、バランス型から
少しずつ変化していくんだ」
「ロックマンみたいですね」
「そんな感じだな。問題は、最初から合計が100だから、
下がる能力もあるって事なんだが……
相対評価ってことで問題なし」
「さすが妹紅さん! こじつけましたね!」
「いや、ここまでの事は全部、この【せっていしりょう】に書いてあったのを読んだだけだぞ」
「なんですってーー!?」
「どうも、はやての本名は
銀河スバルというらしい。改造人間としての哀しみを抱え、葛藤しながら云々……」
「なんともオマージュのオンパレードですね!
蛇口を壊しちゃうところとか、特に」
「まぁ、一部の人にしかわからないだろうけどな! さすが馬鹿作者。無駄なところに気を遣ってるぞ」
「悲しいですね。でも、そういう無駄な気遣いがマニア(大きいお友達)を引きつけるんですよ。きっと」
「なるほどなー」
「で、妹紅さん。正直な話、何位くらいに食い込めると思いますか?」
「あ?
下から数えた方が早いって感じじゃないか? ルーキーだし」
「容赦無いですねぇ……
ちゅるやさんがあれだけ頑張ってたのに」
「他のメンツが強いからな。ちなみに私のイチオシは
ディエンドパターンが期待される
ラスボス?だな」
(スチャ.スチャ.)
「こ、この音は、まさか!」
「(スチャ.スチャ.)え? どうかしましたか、妹紅さん?」
「紛らわしい音を立てるんじゃなーいッ! ニヤニヤしやがって!」
「痛い痛い!?」
またこのパターンか。しかし、本当にあの音は偽物だったのだろうか。
真実は闇の中、いや影の中である……
BINARY STAR
店主は悩んでいた。自分は何者で、何のために生まれてきたのかと。
何か変なものでも食べたのだろうか。マグロ味のくじらとか。
「どうしたんですか? 小難しい顔なんて似合いませんよ」
「それがなぁ、立ち退き命令が出てんだよ。続けたければショバ代よこせ、って巫女のヤツが」
「はぁ。そうなんですか……って
えぇぇぇええええ !?」
「頭に来たから軽くボコッてやったんだがな」
「うわぁ……たぶん弾幕じゃなくて鉄拳なんでしょうね。霊夢さんもかわいそ……自業自得ですね」
「おい、
1Pざまぁwって顔になってるぞ」
「誰が
2Pですか!」
「それはいいとして、さすがに私も思うところがあったわけだ」
「……?」
「見りゃわかると思うが、
うち?は一枚岩じゃないんだ。ハンターとそうめん側に分裂しているところもあるが……うちの連中は
作品ごとの繋がりが絶望的に無いんだよ!」
「たしかに! でも、それでも今まで
なんとかなってきたじゃないですか」
「今まではな。キャラも少なかったし、関係を必要としなかったから、それでも良かったんだ」
「私たち第一世代はマリノ専門、
リースレット?さんたち第二世代は『なり雑』専門、って分けてましたしね」
「その通りだ。ここで生まれた
第一世代と、物語の世界から連れてきた
第二世代がうまく解け合わないと馬鹿作者は思ったんだろうな。あの時点では、ナイス判断と言わざるを得ない。だが、すでに
限界が来ていたんだ。度重なる設定の変更と、各活動におけるキャラの流用によって」
「言われてみれば、ページの繋がりが滅茶苦茶になってきましたよね」
「だが、ついに変革の時を迎えたんだ。
第三世代の誕生と、
第五回WBRによって……!」
「なんですってぇぇーーー!?」
「今まで第一世代と第二世代は連星のように、
ここという重心の周りを回っていたんだ。マリノと自作コンテンツのような内政に多く偏っていたのが私たち。なり雑のような外交に偏っていたのがリースたちだった」
「バランスが取れていたんですねぇ。あれ?
この人は?」
「あいつはどちらにもいられるように、あえて
没個性的に作られてんだ。汎用型ってヤツだな」
「GMみたいなものですか」
「そうそう。で、均衡の取れていた世界に投げ入れられた
個性的な汎用型。言ってみれば
ガンダムみたいなのが……」
「第三世代の
旋風寺はやて?……」
「そうだ。はやては私たちのようにマリノでの活動をメインに据えて作られたにも関わらず、作者の都合により、外交にも十分対応できるように作り込まれているんだ。今、記事に書いてあることは一部に過ぎない。
この意味が、わかるか?」
「本拠地の事かーーーッ!」
「ものすごい飛躍だが、
その通りだッ! 私たちには
大きな一本の柱が無い。
そうめん軍や
快傑まふっと軍基地、はたまた日本人民軍のような、ひとつの大きな団体が存在していないんだ……!」
「今までの人たちは
【出張してきた】という扱いでしたからね」
「そう。本拠地と呼べるような場所はそれぞれの世界に置いてきてしまった。こちらにいるのは、ほんの一部。一夜の夢みたいなものなんだ」
「あの……私たち、今は幻想郷にいますよね……?」
「諸事情により、ここを本拠地にする事は半年前に
却下されているのさ」
「なるほどなー」
「おかげで今まで私たちはてんでバラバラな状態だった。第二世代の中でさえ繋がりは希薄だったんだからな」
「でも、私たちにもようやく、本拠地を作るきっかけができたわけですね」
「そうだ。旋風寺はやて。あいつは、うちに
世界ごと参入した最初のキャラなんだ」
「むしろ……
ボトルシップのように最初から内部で作られた感もありますね」
「まぁ、WBR用だったからな。だがおかげで、クセの強すぎる36世界の割には、他との親和性の高いものを用意できた」
「えーと……『秘密結社とヒーローが当然のように複数存在する世界』ですか。たしかに使い勝手は良さそうですね」
「そういうことだ。そして、はやてが所属するのは【旋風寺研究所】という大きな施設。
この意味が、わかるな?」
「私たちも入れますね!」
「ああ。だが、そこで一つ問題が発生する」
「何でしょうか?」
「他のチームを見ていると、WBRに関しての話は出場者の
関係者によって交わされる事が多い。
ここ?とか」
「そうですねぇ」
「なぁ……私たちって、
ものすごーく浮いてないか?」
「………………」
「目をそらすんじゃない。だから迷ってたんだ。このコーナーを
新設予定の本拠地に移すべきか、ってな」
「そうですねぇ。移してもいいんじゃないですか? あの人にみかじめ料を払うのも癪ですし」
「ふーん、わかった。そう伝えておくよ」
(Pi,Pi,Pi,トゥルルルル……)
「あー、もしもし? あのさ、さっきの件だけど……」
「新しい場所……どうなるのかなー」
「そうそう。本拠地に移したら、
はやての関係者がWBRを斬る事になるかもしれないから、そのつもりでな」
「…………」
「どうした?」
「なんでそれを先に言わないんですかぁぁあああ !?」
こうして、幻想郷での最後の夜は終わりを告げる……
かくして、このコーナーは大きな変化を迎えることになるのだった……
最終更新:2010年03月27日 01:24