028.騎士道志望
木を削る音が森に響く。
かしっかしっかしっ。
少年はその音を聞きながら少し前、一週間程度前の自分を思い出す。
かしっかしっかしっ。
自分はいずれは街を、世界を護る騎士になりたい。
かしっかしっかしっ。
その為の修練、その為の訓練。
かしっかしっかしっ。
相手を殺す為ではなく、生かす為の訓練。
かしっかし、か……。
不意に木を削るナイフが止まる。
「これも、修練なんですか?マスター」
少年は木々の合間から見える空を仰ぐ。
とても高く澄んでいる空、喉かな景色、と言うべきだろう。
喉かな景色とは裏腹に行われる、似合わない茶番。
少年は考える。
「僕に、果たして護る事はできるのかな」
少年は考える。
「力があれば、できるのだろうけど」
少年は考える。
「それだけの力…果たして僕にあるのか?」
やがて少年の持っていた木が一振りの木刀となる。
「よし……これで完成だ」
両手で握り軽く振るうとヒュンと風を斬る音がする。
ナイフを鞄に仕舞うとかわりに鞄に入っていた鉢巻を取り出しぐっと頭に巻く。
「よし、行こう、護るために」
少年は全てを護る為にその一歩を踏み出した。
<♂剣士>
現在位置-島の中央部の小さな森(E-7)
所持品-手製の木刀、s4ナイフ、熱血鉢巻
外見特徴-ノビデフォ髪
備考-JOB45 両手剣剣士
現在位置-島の中央部の小さな森(E-7)
所持品-手製の木刀、s4ナイフ、熱血鉢巻
外見特徴-ノビデフォ髪
備考-JOB45 両手剣剣士
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