( ^ω^)ブーンは合作作者のようです 外伝【誇りの戦士 タフガイ】
第三話
246 :タフガイ:2007/03/14(水) 21:36:20
( ^ω^)ブーンは合作作者のようです 外伝
【誇りの戦士 タフガイ】 第三話
異能者見ながらひっそり投下
247 :タフガイ:2007/03/14(水) 21:37:08
薄暗い廊下。
俺は頭を抱えながら、医者が出てくるのを静かに待っていた。
「…俺は馬鹿だ。本物の大馬鹿野郎だ」
ツンは、自分の病気に気づいてないと思い込んでいた。
病状だって、たいした事は無いだろうと軽く見ていた。
一番、近い位置にいたのに、どうしてツンの苦しみに気づいてやれなかった?
どうして、もっと支えてやれなかった?
「くそ……何を見ていたんだ、俺は」
拳を握り締める。
爪が刺さり、血が出るほど握り締める。
痛い。いや、ツンの苦しみに比べたら…こんなものは痛さの内に入らない。
やがて、何時間経っただろうか。
コツコツ、と足音を立てながら、医者が姿を現した。
248 :タフガイ:2007/03/14(水) 21:37:46
「先生……ツンは、ツンは大丈夫なんですか!?」
俺は勢い良く立ち上がり、医者を問い詰める。
医者は慣れた様子で「落ち着いてください」と、一言だけ放った。
「病状から言って…あまり良い状態とはいえません」
医者の言葉の一つ一つが、俺の思考を揺さぶる。
「熱はすぐ下がりますが、2週間は発熱を繰り返し、苦しい時期が続くでしょう」
「そんな…嘘でしょう? だって、今まであんなに元気で、病気なのか疑うくらい快調で…」
俺は医者の目を見る。
だが、医者は表情を変えず、沈んだ顔で続ける。
「2週間以内に……手術を行わなければ、生存確率は20%未満になります」
俺の目の前が、一瞬で真っ暗になる。
頭の中でこの現実を否定する言葉が幾多も浮かび、身体は震え、涙が無意識の内に溢れ出す。
ツンが死ぬ? ありえない。
まだ20年も生きてないんだぞ?
ツンが、死……?
――――…
249 :タフガイ:2007/03/14(水) 21:38:44
通常の病室に戻されたツンは、静かに寝息を立てている。
その横で、俺はいつものように椅子に腰掛けていた。
「なあ、ツン。俺、気がつかなかったよ。お前がこんなに苦しんでたなんてさ」
俺はツンの手を握る。
その小さな手から、暖かい体温が伝わってきた。
「俺、兄貴失格だよ…。でもさ、せめてもの償いに、名誉挽回するチャンスをくれないか?」
返事は無い。それでも、独り言のように話し続ける。
「KOBに勝って、手術代を持ってきてやる。…約束だ」
俺は小指をツンの指に絡める。
そして、静かに立ち上がり、病室を後にした。
目指すは、夜の街……秋葉原。
負けられない想いを背負い、俺は決戦の舞台へと向かった。
:誇りの戦士タフガイ 第3話
:( ^ω^)ブーンは合作作者のようです――外伝 つづく
最終更新:2007年03月16日 02:27